◇
「閉じろッ!ジッパーッ!!」
その掛け声と共に、黒い影の掴んでいるジッパーは、
音を立てて勢いよく閉じ、前へ進行する。
漆黒の闇の中、決意の表情を浮かべて駆ける男がいた。
その男の名は
ブローノ・ブチャラティ。
彼には絶対に成し遂げねばならないことがあった。
それは―――
『制裁』
彼は自分を悔いていた。自分のせいで、取り返しのつかない悲劇を招いたことに。
何の罪もなく、深い闇を背負っているわけでもない、
ただ純粋で、眩しい輝きを放つ女性を死なせてしまったことに……
『私はスージーQです。』
『その、スタンド……ってなに?電気スタンドの掃除なら得意ですけどォ……ホホホ』
『まずJOJOは婚約者で……きゃー、恥ずかしいっ♪』
『それッ!私の婚約指輪ッ!』
―――クソッ!俺は馬鹿だ!!彼女にもっと強く言い聞かせればよかったんだ!此処は危険だとッ!
……いや、それは言い訳だ、彼女は何も悪くない。全て俺の責任だ!
もう、彼女は生きていないんだ……
ブチャラティは後悔しつつもなお、進み続ける。
周囲の闇が如く、漆黒の念を抱いて……
スージー……、君を殺した奴は俺が絶対に始末する。
だから、それまで待っていてくれ……。必ず戻る。
君をちゃんとした場所に埋葬するために……
そしてッ!―――彼女を…スージーを…無惨な姿にしたゲス野郎ッ!
お前だけは絶対に許さない!必ず俺自身の手で始末するッ!
暗闇の中に映るブチャラティの瞳は、その闇の中でもはっきりと理解できた。
赤く燃える決意の色を。
ブチャラティはそこら辺の『ナンパ道路』や、『仲よしクラブ』にいるような、大口叩いているような奴らとは違う。
彼は『ギャング』なのだ。故に彼がやるべきことはすでに決まっていた。
『目には目を』『歯には歯を』―――『命には命を』である。
お前が残していった、この血の跡はスージーの物だ!
俺はそれをスージーの意志だと受け取ったッ!
この血の痕跡がある限り、何処までだって追い続ける。
貴様を始末するまで、俺の追跡は続行する!!
「スティッキィ・フィンガーズ! 閉じろッ、ジッパーッ!」
ブチャラティは止まらない。
彼が悪鬼に制裁を下すまで……
◇
「ウェッヘッヘッへッ!ウェヘへ!グフフ」
陽気な、いや不気味な笑みを浮かべて、獣のように駆ける黒い影があった。
その影の正体は
ワンチェン。
彼は今、相当『ハイ』になっていた。
「ヒャハッ!さっきのあの女のことが忘れられないある!
あの女の顔、本当に最高だったね!ホント凄かったね!
あの恐怖に怯えた表情……あ~最高ある!
もっともっと人たくさん殺して殺して、バラバラに切り裂いて、
もっともっと肉喰って血ィ吸いたいあるッ!
ウェッヘッヘッヘッヘェ!ウェ~~~ヘッヘッヘッ!!」
その表情はまさに狂喜に満ち溢れ、実に変態的なものだった。
「しっかし、なんでさっきからこの手首の血止まんないね?
ぽたぽたぽたぽた、うっとおしぃあるよ。
いや、でも垂れてきた一滴一滴を、ゆ~っくり口に入れるのも乙かもしれないある!
こ~んなふうにィ~~~」
ワンチェンは手に持つ『手』を上にかざし、視線を上げ、血の雫が落ちてくるのを待った。
「ンま~~~~~いッ!!最高ね~!
あ~、もうこの手首も喰っちゃいたいよォ!
でも、今はそんなことより、ディオ様に会うのが先ね!」
自分の欲を抑え、ワンチェンは再び何処にいるかも分からない、
ディオの元へと駆けだそうとした。
だが、それは後ろからの呼び声によって遮られることとなる。
「―――――見つけたぞ」
「んあ?」
ワンチェンは腰を反らせ、後ろを覗きこんだ。
「お前、だれね?」
そこに立っていたのは―――ブローノ・ブチャラティだった。
◇
「見つけたぞ…お前だな、スージーを殺したのは!」
「ん?お前、誰ね?」
ワンチェンは、手に持つ『手』をペロペロと舐めながら返答した。
「貴様ッ!お前ごときに名乗る必要などない!お前は今、此処で始末するッ!
スティッキィーーーィ・フィンガーズッ!!」
ジッパーで伸ばしたスティッキィ・フィンガーズの拳が、ワンチェンの顎に直撃した。
「うぎゃあ~、う…腕がッ!腕がのびやがった!!
そ、それに痛い!痛いよォーーーッ!」
「お前は、自分が何をしたのか分かっているのか?」
「え、え…、あぁ…さっきの女のことねっ。いや~、すっごく、すっごく美味しそうだったから、
ついついバラバラにして切り裂いちゃったね。ホントにホント~に美味しかったあるよぉ。
ウェッヘッヘッヘッヘッ、―――うぎゃあーーっ!」
再びスティッキィ・フィンガーズのパンチが炸裂する。
面白おかしく喋るワンチェンにブチャラティの怒りは爆発したのだ。
「許せねぇッ、貴様だけはッ!!絶対に許してはおけないッ!
スージーは…ただの純粋な女だった。悩みなんて何一つなさそうな、本当に無垢な女だったんだッ!」
ブチャラティはうずくまるワンチェンに向かってさらに怒りをあらわにする。
「それをッ!貴様は、自分の欲の為だけにッ!無惨にも切り裂いたッ!、彼女の人生を0にしたッ!
お前は生きていてはいけない…―――お前は、この俺が裁くッ!!」
「て、てめぇぇぇッ!もう怒ったぜぇ。この糞野郎がぁッ!!
脳みそを指ですくいとってくれるッ!ウシャアーーーッ!!」
ワンチェンの魔手がブチャラティに迫る。
素早いワンチェンの攻撃をブチャラティはかわそうとするが―――
「このウスノロめッ!!」
屍生人となったワンチェンのスピードはブチャラティを遥かに凌駕していた。
「ぐっ…」
ワンチェンの攻撃はブチャラティの左肩を深くえぐりとった。
肩からは血が噴水の様に飛び出ている。
「へっへっへっへ~、お前もぉ……さっきの女のようにぃ、
バラバラにしてぇ、バラバラにしてぇ……
俺の餌にしてやるぜぇぇぇぇぇ~~~!!」
―プツン―
その一言にブチャラティの中の何かが弾けた。
「死ねぇーーーッ!!」
ブチャラティの眼前に迫るワンチェンの両腕。
だが、ブチャラティはそれを避けようとはしなかった。
「なにっ!?」
ワンチェンの攻撃は当たらなかった。
攻撃はジッパーで二つに別れた、ブチャラティの頭部の間を通り抜けたのだ。
ブチャラティはそのまま、前屈みになっているワンチェンの体を掴む。
「な、何するねッ!」
「スティッキィィィ・フィンガーーーズッ!」
ブチャラティは怒りの矛先に全力のパンチを浴びせた。
ワンチェンは、宙に少し浮き上がりながら、前方に勢いよく吹き飛んだ。
悲鳴と共に吹き飛ぶワンチェンは、数メートル先の木に激突するまで止まらなかった。
「うごぉぉぉッ!」
ドッゴォォーーーン
地面に鈍い音をたて、崩れ落ちるワンチェン。
ブチャラティはうずくまっているワンチェンに、さらに攻撃を続けた。
「うげぇッ!」
「ぐはぁッ!」
ドッガァァァァーーーーーーン!!
スティッキィ・フィンガーズの怒涛の攻撃に、もはや、ワンチェンにこの状況を打開する術は、何一つ無かった。
「う……ゆ、ゆ、許してくれぇ、俺が悪かったよぉぉぉ……だから命だけは~~~」
ワンチェンはボロボロになった体で、命ごいをうったえ始めた。
そして、ブチャラティは見下すように、こう言い放つ。
「お前のような『ゲス』には憐れみすら感じない。―――俺に出来ることは只一つ!」
「も…もしかして無駄無駄ですかーーーッ!?」
「……?まぁそういうことだ。
いくぞ、覚悟はいいか?ゲス野郎ッ」
そして―――
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリーーーーーーーーーーーーーィ」
スティッキィ・フィンガーズの全速・全力のラッシュ。
何十発ものパンチをその身にくらうワンチェンの体は、高く空中に舞い上がり―――
「アリーヴェデルチ!」
ドゴォアーーーーーーーーーッ!!
ブチャラティの渾身の一撃、いや、無数の攻撃が炸裂し、
再びワンチェンは地面に鈍い音を立てた。
◇
「ふぅ~っ、これだけ走ればさすがに、もう追ってはこないだろうな。」
静まる暗闇の中で必死に走る男の姿があった。
男の名は―――
グイード・ミスタ。
ミスタは先刻の、マシンガン女(
エリナ・ペンドルトン)
から逃げて此処まで走ってきたのである。
「あのマシンガン女、我を忘れてやがったぜ、くっそ~、女じゃなかったらブチのめしてやりたかったぜ。」
ミスタは腰を落とし、今後のことを考え始めた。
しっかし、これからどうすっかなぁ…愛用の銃は無いし、敵は多いしよぉ~。
ホンッとに面倒なことになっちまったぜ…
ミスタはあれやこれやと、色々考えるが、彼の頭では特に良い策は何も生まれてはこなかった。
とりあえず、やっぱりブチャラティ達に会うのが先だよなぁ……
ブチャラティは頭もいいし、実力だってかなりのものだ。
あいつがいれば、どんなトラブルだって乗り越えられる気がするぜ。
といってもよぉ~、何処にいるんだよって話だぜ。
まぁ、適当に歩いてればいつか会えると思うし、大丈夫だよな……
歩きはじめて一時間は経っただろうか……
ミスタは相変わらず、一人でトボトボと歩いていた。
「どうして誰もいねぇんだよーーーッ!」
ひたすら歩き続けても、ネズミ一匹にすら会えないことに、
ミスタは大声を出して叫んだ。
「やべぇ~んじゃねぇの、このままじゃよぉ…
あれ?そういえば此処はどの辺だ?―――げっ、もしかして地図の上の方なんじゃ……
なんで真ん中の方に行かなかったんだ、俺はよぉ!
このままじゃ、やべぇーぜ……マジで」
ミスタはさっきまでの勢いをすっかり無くしてしまった。
首を落としながらミスタは、とぼとぼと歩きながら考える。
みんな、俺のこと忘れてたりしてねぇだろうな……
もしかして、もうみんな合流してワイワイ仲良くやってんじゃねぇか?
いや、さすがにそれはないだろうな、たぶん……
此処に来てから良いこと無しだったミスタは、
ついにマイナス思考で物事を考え始めてしまった。
ホンッとについてないぜ……
――――――んっ?
何かを耳に感じとったミスタは、
歩くのを一旦止め、周囲に耳を澄ませた。
何か聞こえるな…
『ア―――リ――アリ―――ア―アリ』
!!この声はッ!もしかして……ブチャラティ!?
先程まで暗く沈んでいたミスタの表情は、
突然の聴き慣れた声に、一瞬の内に明るくなった。
◇
「うぎゃああああス!!」
数メートル上空から地面に叩き落とされるワンチェン。
「その手と指輪は返してもらおうか」
そう言い、ブチャラティはワンチェンの懐からスージーの手首と指輪を奪還した。
「ぐっ…」
ワンチェンの体はボロボロになっていた。だが、まだその体は朽ちてはいなかった。
屍生人として生きるその体は常人のそれより、強靭な肉体で構築されている。
しかし、その身をもってしても、ワンチェンの肉体はすでに立っているだけで精一杯だった。
「まだ生きているのか、しぶとい奴だ」
「く、くそがーッ、ワシャアアアッーーー!!」
最後の力を振り絞り、ブチャラティに迫るワンチェン。
ブチャラティは、ふぅと溜め息をつき、「やれやれ」とこぼし、
スティッキィ・フィンガーズを発現させた。
「死ねぇーーーッ!!」
「スティッキィ・フィンガーズッ!」
ブチャラティは再び、渾身のラッシュを浴びせた。
「うげェっ!痛ェよォ…でも、こんな攻撃じゃあ、まだまだだぜぇ!」
「だろうな……」
「今度こそ死ねェーーーーーッ!!」
再度ブチャラティに迫るワンチェン。
「何度も何度も殴っても死なない…
ならその体をバラバラにしたらどうなる?」
「あーンッ?」
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリィ!!」
「な、にィィ!?」
ブチャラティのラッシュは先程とは違った。
今度は殴りながらも、なんと相手の体をジッパーでバラバラにしていたのだ。
それこそ体のありとあらゆる場所を。
「アリアリアリアリアリ―――――」
細切れになった体の一部をさらに、細かくバラバラにする。
それこそ、見るに耐えないほど、石ころ大ぐらいに。
「うぎゃあァァァァ…、
何だこりゃあァァァーーー!俺の体がァァッ!
バラバ……ラ…に………」
途切れながらも言葉を発すワンチェン。
ブチャラティの『解体』はすでに、頭部にまで到達していた。
「こ……の……………くそ―――が…」
ワンチェンの体は顔面を除き、他の全ては判別出来ないほどになっていた。
そして最後に残された頭部も、無数のピースとなり、
百以上もの体の一部が周囲に散らばった。
「アリーヴェデルチ!」
◇
「これだけやれば大丈夫だろう」
ブチャラティは細切れになったワンチェンだった物を見て、そう判断した。
(スージー……俺は…これで良かったんだろうか…)暗闇の中一人、天を見ながら佇むブチャラティの姿は何とも言えないものだった。
(この指輪はジョセフに絶対に託そう。
それが君への謝罪になるとは思っていない。
だが、それでも俺は
ジョセフ・ジョースターと会わなくてはいけないんだ。)
ブチャラティは側に置いてあるディパックに手を伸ばす。
彼が歩み止めることはなかった。
彼にはまだ、やるべきことがあったのだ。
その為にブチャラティは再び歩み始めた。
しかし、その瞬間後ろから聞き覚えのある声が呼び掛けてきた。
「おい、ブチャラティィィッ!」
後ろを振り返るブチャラティ。
「ミスタッ!」
そこにいたのはグイード・ミスタだった。
ミスタはギャング『パッショーネ』の一員で、ブチャラティもそこに在席している。
二人は同じチームで共に行動していて、互いに信頼できる相手である。
ミスタは手を振りながらブチャラティの元へと駆け抜けてきた。
「よォ~ブチャラティ!良かったぜ、お前と会えて!」
「ミスタ。無事みたいだな」
「お前も何とか大丈夫そうだなァ、ブチャラティ。
いやぁ、でもホンッとに良かったぜ!」
ミスタは此処に来てから今まで、悪いこと続きで、
ずっと一人だった為、親しき人物と会えたことは、
彼に大きな安堵感を与えた。
「ところでよォ、ブチャラティ。お前ここで何してたんだ?」
「あいつの始末だ」
「あいつ?誰もいねぇじゃねぇかよ」
「顔を近付けてみろ」
ミスタは「あ~ン」、とブチャラティの指差す方向に視線を近付けた。
「お、おい何だよッ!これ!?」
周囲に散らばる、無数の細切れを見たミスタは、
驚きの余りに、少し体を後ろに反らした。
「このゲスは、何も悪くないただ純粋で無垢な女性を、
自分の欲の為だけに、全身を無惨なバラバラ死体にしやがった。
女を死なせてしまったのは俺の責任だ。
だから、俺が追って始末した。」
そう語るブチャラティの目は、
怒りとも悲しみともとれない、複雑な色をしていた。
ブチャラティの話を聞いて、ミスタは顔を歪め、激しく怒りをあらわにした。
「ちっ、此処にはそんな酷いことする奴もいるのかよッ!
ブチャラティッ、こんなの許しておけねぇぜ!!」
「そのとおりだ!此処にはあいつのような『ゲス』もたくさんいるし、
それと同じように力を持たない『弱者』もいるだろう。
俺は、そんなゲスを許してはおけないし、
もう彼女のような死者も見たくはない!」
ブチャラティの言葉には断固たる決意が感じられた。
◇
再会からしばらくして二人は、
此処に来てからの情報交換をし終え、今後の方針についての話し合いをしていた。
「これからどうすんだよ、ブチャラティ?」
「この糞ったれみたいな殺し合いを止める。
こんなもの許してはならない!
そして、何よりも許してはおけないのは―――
最もドス黒い悪は荒木だッ!
あの男だけは絶対に生かしちゃおけない!」
ブチャラティの瞳は先程までとは違い、
『決意』と『覚悟』の色にギラギラと輝いていた。
「俺に着いてきてくれるか、ミスタ?」
「へッ、何言ってんだよブチャラティ。
俺はお前のチームにいるんだぜ?
だから、お前の命令なら何だって従うし、
何処までだって着いて行くぜッ!」
「ありがとう、ミスタ……」
「で、これから何処に行くんだ?
やっぱりアバッキオやフーゴに会うのが先か?
それに新入りのジョルノや、ボスの娘トリッシュもいるみたいだしな。
ナランチャは来てねぇみたいだが…」
「まずは俺たち以外にも仲間が必要だ。
チームの奴らもそうだが、とにかく今は分からないことが多すぎるからな。
できるだけ、多くの接触を試みたいが……」
「そうなると、じゃあ地図の真ん中辺りには人が多そうだから、
その辺に行くべきなんじゃねぇか?」
「可能性はあるな……、がその前に少し寄っておきたい場所がある。
【B-3】だ。そこに彼女の遺体がある。
手首も取り返した。彼女を……スージーをちゃんとした姿で埋葬してやらないといけないんだ。」
間が静寂に包まれる。それほどブチャラティの心情は、ミスタにも分かるものだった。
「よ、よしッ【B-3】なら此処から近いし、さっさとその……
スージーを埋葬してやろうぜッ」
「あぁ、そうだな…」
「じゃあ行くかッ」
スージー……今から行くから待っていてくれ。
すぐに君をちゃんとした場所に眠らせよう。
「そういえば、ミスタ。確か手榴弾を持っていたな。
よかったら、一つくれないか?」
「あぁ、いいぜ。ほらよッ」
ブチャラティはミスタから手榴弾を受け取ると、
直ぐ様、前方に投げ出した。
「お、おいッ!何してんだ―――」
ドグォォォォォーーーン!!
ブチャラティの投げた手榴弾が爆音を鳴らす。
「ーーーッッッ!何やってんだよブチャラティッ!」
「すまないミスタ……あいつの始末だけは『最後』までやり遂げたかったんだ」
ブチャラティが手榴弾を投げた先―――そこにはワンチェンの肉片が散らばっていた場所だった。
先程まで残っていた無数の肉片は、今はもう何一つとして残っていない。
あるのは手榴弾の痕跡と、煙の残り香だけだった。
「よし、ミスタ、準備はOKだな?」
「おうッ、大丈夫だぜ!」「じゃあ行くか、【B-3】へ!」
今から行く、待っていてくれ。スージー……
【B-2 左上B-1との境 1日目 黎明】
【ブローノ・ブチャラティ】
[時間軸]:護衛指令と共にトリッシュを受け取った直後
[状態]:肩に切傷(血は止まりました)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、荒縄、シャーロットちゃん、スージーの左手(指輪付き)
[思考・状況]基本行動方針:打倒主催、ゲーム脱出
1.スージーを埋葬しにミスタと共に【B-3】へ向かう。
2.絶対にジョセフと会い、指輪を渡す。彼にはどう詫びればいいのか……
3.チームの仲間に合流する。極力多くの人物と接触して、情報を集めたい。
4.ボスの娘、トリッシュを護衛する。その為にも早くトリッシュに会わなくては。
[備考]
※パッショーネのボスに対して、複雑な心境を抱いています。
※ブチャラティの投げた手榴弾の音は、周囲一マスに響きわたりました。
【グイード・ミスタ】
[時間軸]:とりあえずイルーゾォ戦の後。どれくらい後なのかは不明
[状態]:健康
[装備]:ナランチャのナイフ、手榴弾4個
[道具]:不明支給品残り0~1(あるとしたら武器ではないようです)
[思考・状況]基本行動方針:ブチャラティと共に行動する。ブチャラティの命令なら何だってきく。
1.ブチャラティと共に【B-3】へ向かう。
2.エリナの誤解を解きたいな
3.
アレッシーうざい
4.あれこれ考えずシンプルに行動するつもり。ゲームには乗らない
備考:二人がした情報交換について
※ブチャラティのこれまでの経緯(スージーとの出会い~ワンチェン撃破まで)
※ミスタのこれまでの経緯(アレッシー、エリナとの出会い~ブチャラティと合流まで)
【ワンチェン死亡】
【残り77人】
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最終更新:2008年08月01日 14:07