第079話 死体と首輪 ◆CTsbv56Iug
リョータは探知機を片手に、先ほどの女に対する不安から急ぎ足でその場をあとにした。
時折探知機と地図を照らし合わせつつ、どんどん山道を進む。道は平瀬村への道で、少しずつ下りになって森の中を抜けている。
男の支給品は包丁だった。万能包丁とか文化包丁とか呼ばれる、普通の包丁である。
それが革のケースに収まって、リョータの腰にさしてある。
身を守るにはいささか頼りない武器を、頻繁に触って確認しながら歩いて行く。
探知機には、しばらく前から一つ所に全く動かずにいる点がある。リョータは待ち伏せかといぶかしんだ。
それで腰の包丁を気にかけているのである。
一時歩く間に、二つ目が初めの点の向かい側に出た。こちらもじっと動かない。リョータは歩度を落として考えた。
二人とも待ち伏せだとしたら、馬鹿らしいかぎりだ。お互い近くに敵がありながら、まだ見ぬ相手を待っている。
隠れているのか。だが隠れるにしても、もっと道から離れたいい所がありそうなものだ。
すると、怪我をして動けずにいるか、死んでいるかだ。
時折探知機と地図を照らし合わせつつ、どんどん山道を進む。道は平瀬村への道で、少しずつ下りになって森の中を抜けている。
男の支給品は包丁だった。万能包丁とか文化包丁とか呼ばれる、普通の包丁である。
それが革のケースに収まって、リョータの腰にさしてある。
身を守るにはいささか頼りない武器を、頻繁に触って確認しながら歩いて行く。
探知機には、しばらく前から一つ所に全く動かずにいる点がある。リョータは待ち伏せかといぶかしんだ。
それで腰の包丁を気にかけているのである。
一時歩く間に、二つ目が初めの点の向かい側に出た。こちらもじっと動かない。リョータは歩度を落として考えた。
二人とも待ち伏せだとしたら、馬鹿らしいかぎりだ。お互い近くに敵がありながら、まだ見ぬ相手を待っている。
隠れているのか。だが隠れるにしても、もっと道から離れたいい所がありそうなものだ。
すると、怪我をして動けずにいるか、死んでいるかだ。
死体は道の側の茂みに無造作に転がっていた。始め包丁を構えながら忍び寄った時、女が倒れていると思った。
しかし近づいてみれば、顔が黒ずんだ血で覆われている。
顔のいたるところに深い刺し傷があり、一段と酷い目の傷は脳まで達しているように思われた。
顔は原形をとどめておらず、女とわかったのはセーラー服を着ていたからである。
「誰がこんなこと」
リョータは怒りに震えて言った。幾度も顔を刺すという惨たらしい殺し様は、明らかな殺意を感じさせた。
それも生きる為に仕方なくというのではなく、殺しを楽しんでいるように感じる。
進んで殺しをする事が、リョータには驚きであったし、許せなかった。
死体を奥に移して、茂った枝を折ってきて、被せてやった。しばらく黙祷を奉げて、道に戻った。
しかし近づいてみれば、顔が黒ずんだ血で覆われている。
顔のいたるところに深い刺し傷があり、一段と酷い目の傷は脳まで達しているように思われた。
顔は原形をとどめておらず、女とわかったのはセーラー服を着ていたからである。
「誰がこんなこと」
リョータは怒りに震えて言った。幾度も顔を刺すという惨たらしい殺し様は、明らかな殺意を感じさせた。
それも生きる為に仕方なくというのではなく、殺しを楽しんでいるように感じる。
進んで殺しをする事が、リョータには驚きであったし、許せなかった。
死体を奥に移して、茂った枝を折ってきて、被せてやった。しばらく黙祷を奉げて、道に戻った。
二つ目の点は奇妙だった。血のこびり付いた首輪だけが、山道をはずれた森の広場に落ちている。
リョータはそれを取り上げてよく見たが、はずしたようには見えない。
嫌な考えがよぎった。首輪をはずしていないのなら、首を切断したということである。
リョータはそれを取り上げてよく見たが、はずしたようには見えない。
嫌な考えがよぎった。首輪をはずしていないのなら、首を切断したということである。
首輪の血痕がその考えを裏付けた。
広場を尚よく見ると、血の痕が奥へ続いている。リョータはそれを追って、首輪の主に出くわした。
体格の小さい、少年らしい死体が木陰に置かれている。首から上がなかった。
切断されたというよりは、吹き飛ばされたような、無残な傷口である。思わず顔を背けた。
誰かがここまで運んだらしかった。首輪がいつ取れたのかは知れない。
首輪があったので、殺したものが取るためにあえて惨い殺し方をしたわけではないらしい。リョータは少年の死を悼んだ。
精神力の強いリョータでも、立て続けに悲惨な死体を見て少しまいってきた。首輪のあった広場まで引き返して、腰を下ろした。 しばらく休もうと考えて、水を飲む。食事を取る気にはなれなかった。
探知機があるとかえって気になって、安心して休むことができない。
リョータは神経をすり減らしながら、首輪のことを考えた。
何にせよ、首輪が手に入ったのは運がいい。これを調べれば、外す方法がわかるかもしれない。
一人くらいこういう事に詳しい人がいるだろう。脱出したいのは皆同じのはずだ。きっと協力してくれる。
リョータは随分楽観的な考えができるようになっていた。それから探知機を見てこう考えた。
禁止エリアに入ると首輪が爆発すると聞いたが、きっとこの探知機と同じ仕組みで、首輪から情報を受け取っているのだろう。 爆発させる時も、電波を送って操作するに違いない。電波をさえぎることができれば、首輪を外せなくても何とかなる。
この首輪を解体すれば何か方法がわかるはずだ。きっと助かる。またバスケができる。
広場を尚よく見ると、血の痕が奥へ続いている。リョータはそれを追って、首輪の主に出くわした。
体格の小さい、少年らしい死体が木陰に置かれている。首から上がなかった。
切断されたというよりは、吹き飛ばされたような、無残な傷口である。思わず顔を背けた。
誰かがここまで運んだらしかった。首輪がいつ取れたのかは知れない。
首輪があったので、殺したものが取るためにあえて惨い殺し方をしたわけではないらしい。リョータは少年の死を悼んだ。
精神力の強いリョータでも、立て続けに悲惨な死体を見て少しまいってきた。首輪のあった広場まで引き返して、腰を下ろした。 しばらく休もうと考えて、水を飲む。食事を取る気にはなれなかった。
探知機があるとかえって気になって、安心して休むことができない。
リョータは神経をすり減らしながら、首輪のことを考えた。
何にせよ、首輪が手に入ったのは運がいい。これを調べれば、外す方法がわかるかもしれない。
一人くらいこういう事に詳しい人がいるだろう。脱出したいのは皆同じのはずだ。きっと協力してくれる。
リョータは随分楽観的な考えができるようになっていた。それから探知機を見てこう考えた。
禁止エリアに入ると首輪が爆発すると聞いたが、きっとこの探知機と同じ仕組みで、首輪から情報を受け取っているのだろう。 爆発させる時も、電波を送って操作するに違いない。電波をさえぎることができれば、首輪を外せなくても何とかなる。
この首輪を解体すれば何か方法がわかるはずだ。きっと助かる。またバスケができる。
リョータの胸に生きて帰れるという希望が湧いてきた。それからふと、先刻出会った警官のことが浮かんだ。
男はおかしかった。追い詰められた顔だった。それに男が来たのは、こちらの方角である。
リョータは男が少年の死と何か関係があるのではないかと疑った。
それとは別に男のことを考える。男は警官のようだった。警官ならば、首輪のような機械について詳しいかもしれない。
その考えが、一般人の警官という職種に対する無条件の信頼に立脚している事を、リョータは自覚していた。
そんなものは砂上の楼閣である。実際には、警官は爆発物処理班でも、技術者でもない。
またリョータは銃を持った女に出くわす危険から、引き返すのは避けたかった。
自分を顧みず、デイバッグを渡してくれた男があの女に見つからなければいいがと、身の上を心配した。
しばらく休んで、リョータは平瀬村へ向かった。もう三つの死体を目にした彼は、命のはかなさを噛締めながら歩いた。
そして主催者と殺人者に対する憎悪の炎をたぎらせていた。
男はおかしかった。追い詰められた顔だった。それに男が来たのは、こちらの方角である。
リョータは男が少年の死と何か関係があるのではないかと疑った。
それとは別に男のことを考える。男は警官のようだった。警官ならば、首輪のような機械について詳しいかもしれない。
その考えが、一般人の警官という職種に対する無条件の信頼に立脚している事を、リョータは自覚していた。
そんなものは砂上の楼閣である。実際には、警官は爆発物処理班でも、技術者でもない。
またリョータは銃を持った女に出くわす危険から、引き返すのは避けたかった。
自分を顧みず、デイバッグを渡してくれた男があの女に見つからなければいいがと、身の上を心配した。
しばらく休んで、リョータは平瀬村へ向かった。もう三つの死体を目にした彼は、命のはかなさを噛締めながら歩いた。
そして主催者と殺人者に対する憎悪の炎をたぎらせていた。
【H-05/北部の道/1日目・午前5時30分ごろ】
【男子38番 宮城リョータ@SLAM DUNK】
状態:健康
装備:首輪探知機 万能包丁
道具:支給品一式 首輪(小早川瀬那のもの) 傷薬(軟膏)と痛み止め(飲み薬)共に数回分ずつ
思考:1.探知機を使ってゲームに乗ってない人物(主に知り合い)を集める
2. 首輪を調べられる人を探す。
3.ゲームから脱出したい
【男子38番 宮城リョータ@SLAM DUNK】
状態:健康
装備:首輪探知機 万能包丁
道具:支給品一式 首輪(小早川瀬那のもの) 傷薬(軟膏)と痛み止め(飲み薬)共に数回分ずつ
思考:1.探知機を使ってゲームに乗ってない人物(主に知り合い)を集める
2. 首輪を調べられる人を探す。
3.ゲームから脱出したい
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