「こういうことだよ」
そう言って立ちつくすつかさを私はただ茫然として見上げる。
私の後ろにあった夕日は完璧に西に沈んだのか、辺りは人工的な明かりがポツポツと付き始めていた。
私の後ろにあった夕日は完璧に西に沈んだのか、辺りは人工的な明かりがポツポツと付き始めていた。
「お姉ちゃん」
周りの静寂を裂くように私を呼ぶつかさ。
地面にへたりこんでいるこなたを支えていた私は、こなたを抱きかかえるようにしてなんとか立ち上がった。
一方、こなたは何がなんだかんだか分からないらしく、困惑と不安を浮かべた表情で私を見上げていた。
地面にへたりこんでいるこなたを支えていた私は、こなたを抱きかかえるようにしてなんとか立ち上がった。
一方、こなたは何がなんだかんだか分からないらしく、困惑と不安を浮かべた表情で私を見上げていた。
「つかさ…どういうつもり?」
困惑と疑問が私の頭の中でグルグルと駆け回っているせいか、語尾が震えている。
何故、生まれてから今までずっと一緒にいた片割れが、私の恋人にキスをしたのか。
小刻みに震えているこなたの肩を抱き締めて、もう一度つかさを見据えた。
「お姉ちゃん、私ね…」
いつもの笑顔に少し悲しそうな表情を浮かべながら私を見つめるつかさ。
「ずっと前から、こなちゃんが好きなの」
「……っ」
つかさの言葉に、私の着ていたパーカーを握り締めていた手を緩め、下を向いていたこなたが顔を上げる。
ニコッと生まれたての赤子に微笑むように笑顔を向けるつかさを見て、こなたがぐっと私の服の裾を握った。
その行動にやっと状況を把握し始めた私は、すぐさま目の前にいる片割れに口を開いた。
「だから…って、あんな事していいって理由には、ならないじゃない」
声の震え抑えるように裾を握るこなたの手をとり、強く握る。
「…そうだね」
「じゃあ、なんで…」
私達から視線を外して、とっくに暗くなった空を見上げながら呟くつかさに、再び疑問を投げ掛けた。
―――月夜の君―――
つかさがこなたの事を好きだということは双子の姉として失格かもしれないけど、全く気付かなかった。
4人姉妹の末っ子であるつかさは、世の中のイメージするわがままな末っ子とは違い、自分の欲しいものや自分の意見を強く相手に求めたり、出したりしない子だ。
だから小さい頃から我慢していることが多かった。
『つかさは何か欲しいものとかないの?』
数ヶ月前の誕生日につかさへ聞いた質問を思い出してみる。
毎年誕生日プレゼントを交換し合っていた私達は、例年の如くお互いの欲しいものを尋ね合っていた。
毎年誕生日プレゼントを交換し合っていた私達は、例年の如くお互いの欲しいものを尋ね合っていた。
「欲しいものかぁ、うーん…」
人差し指を左頬に乗せて欲しいモノを探しているような仕草をするつかさ。
「つかさってホントに無欲よね、私なんか欲しいモノありすぎて困っちゃうわよ」
小顔マッサージでしょ、ビリーのDVDでしょ、ラノベの新刊、あ、そういえばミニストップで新商品のパフェが出たって言ってたわね。
「あはは、お姉ちゃんらしいね。私の欲しい…ものは、手に入りそうにないから」
「あれ、欲しいものあるの?」
へへっと私の質問に笑顔で返すつかさを見て、なんだか分からないけどこれ以上聞いちゃいけないような気がして、そのまま聞けずにいた。
今から考えると、つかさの欲しいもの…いや欲しい人はこなただったんじゃ…
あの時と同じように何かを諦めるように笑うつかさを見て、ギュウと胸が押し潰される。
『私達付き合う事になったんだ~』
私がこなたの告白を受け入れた次の日、つかさとみゆきに報告しようと言うこなたに連れられ、昼休みに交際発表した私達に、
「それはおめでとうございます」
と言うみゆきに少し遅れて「…そっか」と呟いたつかさを思い出す。
あの時のつかさはどんな表情をしてたんだっけ。
笑ってた?
いや、違う。笑ってたけど、笑ってなかった。
今みたく泣きそうな顔で笑っていた。
「お姉ちゃん…」
何かを求めるような声でつかさが呟く。
それがなにを意味しているのか分かっているんだけど…分かりたくない。
それがなにを意味しているのか分かっているんだけど…分かりたくない。
私はこなたを好きだと気付いてしまったから。
「かがみが好き」
告白の時みたいな予測形じゃなくて、私を好きだと言ってくれたこなた。
手を繋ぐにも、二人きりで話す時にもいちいち赤くなるこなたがどうしようもなく好きだと気付いてしまった。
告白の時みたいな予測形じゃなくて、私を好きだと言ってくれたこなた。
手を繋ぐにも、二人きりで話す時にもいちいち赤くなるこなたがどうしようもなく好きだと気付いてしまった。
「私は、こなたが好き」
ピクっと肩を揺らしたこなたの手を強く握る。
「だから、つかさには渡せない」
「…うん」
私の答えを分かっていたように、小さく頷くつかさ。
「こなちゃんにも、同じ事言われたよ」
「へ?」
「『私はかがみが好きだから』ってね」
繋いでいる小さな手から感じる体温が微妙に上がった気がして、私の少し下で俯いてるこなたを見ると髪の隙間から見える耳が真っ赤になっていた。
可愛いなぁ、と意味を込めてギュッと手を握り締めて、溜め息を一つ。
可愛いなぁ、と意味を込めてギュッと手を握り締めて、溜め息を一つ。
私より先にこの子はこなたの事が好きだったのだろう。
その気持ちを押し殺して、我慢して、どれだけ辛い思いをしたのか昔の私には想像がつかなかった。
でも今はどうだろう。
もし、私が今みたくこなたが好きで…
でもこなたがつかさを好きだったら?
そう思うだけで胸の奥がチクリと痛む。
つかさはこの思いをどれだけ経験していたのだろう。
その気持ちを押し殺して、我慢して、どれだけ辛い思いをしたのか昔の私には想像がつかなかった。
でも今はどうだろう。
もし、私が今みたくこなたが好きで…
でもこなたがつかさを好きだったら?
そう思うだけで胸の奥がチクリと痛む。
つかさはこの思いをどれだけ経験していたのだろう。
でも…
私はこなたが好きで誰にも譲る気はない。
それだけは、はっきり言えることだ。
それが私の片割れのつかさであっても。
私はこなたが好きで誰にも譲る気はない。
それだけは、はっきり言えることだ。
それが私の片割れのつかさであっても。
「つかさ」
いつもの私の声帯に戻っていることに安堵し、つかさに近付きながらつかさを呼んだ。
「やっぱり私はこなたを譲る事は出来ない」
「うん」
「つかさがどれだけこなたの事を好きだったか、なんて私には分からない」
「…うん」
近付く私から避けるように、下を向くつかさに私の思いを伝える。
手を繋いでいるので、私の手に引っ張られるようにこなたもゆっくりではあるけど歩いている。
手を繋いでいるので、私の手に引っ張られるようにこなたもゆっくりではあるけど歩いている。
「でも、あんたがどんだけこなたを好きかってことは分かったわよ」
「…え」
怒られると思っていたのか、体を強張らせていたつかさがゆっくりと私を見上げた。
「だから…」
つかさが妹だから、双子だからなんて本当に関係ない。
だけど、私もつかさもこなたが好きな気持ちは一緒だ。
だけど、私もつかさもこなたが好きな気持ちは一緒だ。
だから…
「奪ってみなさいよ」
いつもこなたを弄る時みたく少し意地悪な顔をして、つかさの胸に手で作った銃を向ける。
「「えっ…」」
ハッピーアイスクリーム。
なんてちょっと古いネタを思い出させるほど、私の前後にいる人間から綺麗にハモった声が聞こえた。
なんてちょっと古いネタを思い出させるほど、私の前後にいる人間から綺麗にハモった声が聞こえた。
つかさとこなたの表情を伺うと、つかさは心底驚いた顔、こなたは「何言ってんの?」とでも言いたそうな顔。
何って、そのままの意味よ。
「意味は、分かるけど…いや、やっぱり分からない」
いつもの半開きの目を更に細めて私を見つめながらこなたが言う。
「だから、私もつかさもアンタが好きなんだって」
「い、いや…それは、分かるけど…」
モジモジと恥かしそうに下を向くこなたから視線を外してつかさを見ると、まだ驚いた表情をしていた。
「で、どうなの、つかさ。」
私は絶対に譲らない。
私は絶対に譲らない。
そしてつかさもこなたを諦めないというなら…
「…うん、分かった。
ありがとう、お姉ちゃん」
どっちがどれだけこなたを好きか、勝負。よね?
「ちょ、ちょっと待ってよっ!その、あの…えーっと、私はどうすれば…」
いつもギャルゲやらエロゲやらやってるくせに。
あーいう主人公って、こうやって無造作にモテるんじゃないの?
あーいう主人公って、こうやって無造作にモテるんじゃないの?
「いや、あれはゲームであって……」
慌てているこなたを抱き締めたい衝動に駆られたけど、
「その前に…」
私にはまだやる事がある。
こなたと繋いでいた手をゆっくり離し、つかさに近付く。
「?」を浮かべているつかさに唇が触れる寸前まで顔を近付けると、さすがに驚いたのか、つかさが後ろに下がろうとした腕を掴む。
「?」を浮かべているつかさに唇が触れる寸前まで顔を近付けると、さすがに驚いたのか、つかさが後ろに下がろうとした腕を掴む。
「こなたのキス、返してね」
「え…ちょ、おね…」
「え…ちょ、おね…」
逃げようとするつかさの腕を引っ張り、つかさの唇にキスをした。
あーなんだっけ、こういうの。
近親相姦?
あーなんだっけ、こういうの。
近親相姦?
ゆっくりと唇を離すと、蒸気しているつかさが目に入った。
アンタさっき、こなたに同じことしてたじゃない。
アンタさっき、こなたに同じことしてたじゃない。
「ちょ、かがみっ!何やって…」
一部始終を傍観していたこなたがグッと私のパーカーのフードを引っ張った。
「何って、アンタのキスを奪い返した」
「奪っ…え、ちょ…えぇ?!」
テンパるこなたを優しく抱き締めると、茫然と立ち尽くすつかさを向き、告げる。
テンパるこなたを優しく抱き締めると、茫然と立ち尽くすつかさを向き、告げる。
「今日の事はこれでチャラ。で、いいわよね、こなた?」
「えぇ、拒否権ないの?!」
「えぇ、拒否権ないの?!」
「こなちゃん、私、諦めないから!」
「えぇ、こっちも拒否権ないの?!」
小動物みたく慌てるこなたが可愛くて、ギュと抱き締めている手を強めると同時に電波でも受信する如く、閃いた名案。
「こなた、今日私の家に泊まっていく?」
さっきの夕日の変わりに照らされた満月の下。
愛しい、愛しいこなたに尋ねる。
愛しい、愛しいこなたに尋ねる。
つかさ、こなたは絶対渡さないわよ。
心の中で呟いて、月光に照らされるこなたの答えを待った。
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- ?????ȑ卄???D??vV -- 名無しさん (2007-12-30 03:04:11)
- 神がおられるw
すっごいこの話イイ(・∀・)!!!!
続編期待ww -- 名無しさん (2007-12-20 01:43:24) - かがみん、カコイイwww -- 名無しさん (2007-12-07 09:01:34)