午前2時を回った頃。
私は、パーティーを組んでいるメンバーとのチャットに夢中に
なっていた。
案の上、というべきだろう。
パーティーの一人である黒井先生に「いい加減に寝とき」と、
叱られてしまい、しぶしぶと退室せざるを得なかった。
黒井先生は私の事を思って、注意をしてくれているということは、
頭の中では理解しているけれど、感情ではやっぱり少し反発してしまう。
まだまだ大人になっていない、という証明なのかもしれない。
私は、パーティーを組んでいるメンバーとのチャットに夢中に
なっていた。
案の上、というべきだろう。
パーティーの一人である黒井先生に「いい加減に寝とき」と、
叱られてしまい、しぶしぶと退室せざるを得なかった。
黒井先生は私の事を思って、注意をしてくれているということは、
頭の中では理解しているけれど、感情ではやっぱり少し反発してしまう。
まだまだ大人になっていない、という証明なのかもしれない。
メールのチェックを終えてから、PCの画面を閉じる。
部屋の明かりを消して、ベッドに潜り込もうとした時、遠慮がちに
ドアを叩く音が鼓膜を叩いた。
部屋の明かりを消して、ベッドに潜り込もうとした時、遠慮がちに
ドアを叩く音が鼓膜を叩いた。
「ゆーちゃん? 」
扉を開くと、小柄な少女がおずおずとした様子で、私を見上げている。
「あの、こなたお姉ちゃん…… 」
胸に枕を抱えてもじもじとしているけど、なかなか話を切り出せないようだ。
「ゆーちゃん。眠れないの? 」
「う、うん。高校生にもなって恥ずかしいけど」
恥らいながら、頬を紅く染めて小さく頷く姿がとても可愛らしい。
扉を開くと、小柄な少女がおずおずとした様子で、私を見上げている。
「あの、こなたお姉ちゃん…… 」
胸に枕を抱えてもじもじとしているけど、なかなか話を切り出せないようだ。
「ゆーちゃん。眠れないの? 」
「う、うん。高校生にもなって恥ずかしいけど」
恥らいながら、頬を紅く染めて小さく頷く姿がとても可愛らしい。
ゆーちゃんには、本当に『萌え』という単語がしっくりくる。
そういえば、『萌え』ってどこから来たのだろう?
ずっと昔、お父さんと一緒にみていた『恐竜惑星』というアニメにでてくる
ヒロインの名前が『萌』だったような気がする。
ただし、『萌え』の起源については諸説入り乱れているので、
本当のところは分からない。
しまった。肝心なゆーちゃんを置きっぱなしで、思考に耽ってしまった。
そういえば、『萌え』ってどこから来たのだろう?
ずっと昔、お父さんと一緒にみていた『恐竜惑星』というアニメにでてくる
ヒロインの名前が『萌』だったような気がする。
ただし、『萌え』の起源については諸説入り乱れているので、
本当のところは分からない。
しまった。肝心なゆーちゃんを置きっぱなしで、思考に耽ってしまった。
私は、枕を抱きながら俯き加減で返事を待っている従姉妹に微笑んでみせる。
「ゆーちゃん、一緒に寝よう」
「ありがとう。お姉ちゃん」
「うおっ」
ゆーちゃんは、向日葵のような満面の笑顔をみせながら、
私の胸へ飛び込むようにして抱きついてきた。
パジャマ越しに少し熱い体温と、柔らかい四肢の感触が伝わってくる。
「この態勢は、いろいろな意味でやばいよ…… ゆーちゃん」
まるで、恋人同士が熱い抱擁を交わしているような感じだ。
「そ、そだね。ごめんね。おねえちゃん」
「ううん、気にしないで」
かなり動揺してしまったけれど、ゆーちゃんと一緒に寝ることは大歓迎だ。
「ゆーちゃん、一緒に寝よう」
「ありがとう。お姉ちゃん」
「うおっ」
ゆーちゃんは、向日葵のような満面の笑顔をみせながら、
私の胸へ飛び込むようにして抱きついてきた。
パジャマ越しに少し熱い体温と、柔らかい四肢の感触が伝わってくる。
「この態勢は、いろいろな意味でやばいよ…… ゆーちゃん」
まるで、恋人同士が熱い抱擁を交わしているような感じだ。
「そ、そだね。ごめんね。おねえちゃん」
「ううん、気にしないで」
かなり動揺してしまったけれど、ゆーちゃんと一緒に寝ることは大歓迎だ。
ふたりで一人用のベッドに入ると、当然のことながら、太腿や腕が
密着してしまい、どうにも落ち着かない。
自意識過剰なのだろうか?
「ねえ、ゆーちゃん」
「なあに? 」
「全く眠れる気がしないんだけど」
「私も…… ねむれないなあ 」
鼓動の音が聴こえるくらいにドキドキして、眠気がやってこない。
さすがに朝まで眠れない、ということはないだろうが、このままでは
明日の5時間目にある世界史の授業で、超特大のたんこぶを作って
しまいそうだ。
密着してしまい、どうにも落ち着かない。
自意識過剰なのだろうか?
「ねえ、ゆーちゃん」
「なあに? 」
「全く眠れる気がしないんだけど」
「私も…… ねむれないなあ 」
鼓動の音が聴こえるくらいにドキドキして、眠気がやってこない。
さすがに朝まで眠れない、ということはないだろうが、このままでは
明日の5時間目にある世界史の授業で、超特大のたんこぶを作って
しまいそうだ。
「お姉ちゃん。羊さんを数えたらねむくなるってホントかな? 」
暫くしてから、ゆーちゃんが言った。
「えっ? 」
私は、完全に意表をつかれた。
ゆーちゃんの発想は、少し子供っぽいけれども、とても純粋だ。
まだ小学校に入る前のことだけど、全く眠れない時にお父さんが羊を
数えてくれた記憶がある。
でも私にはお母さんが…… いや、やめよう。
「どうしたの? お姉ちゃん」
気がつくと、憂鬱そうな表情を浮かべていた私を、心配そうに
見つめている。
「ううん。なんでもないよ」
そう、私は大丈夫だ。お父さんがいるし、すぐ傍にはゆーちゃんもいるから。
暫くしてから、ゆーちゃんが言った。
「えっ? 」
私は、完全に意表をつかれた。
ゆーちゃんの発想は、少し子供っぽいけれども、とても純粋だ。
まだ小学校に入る前のことだけど、全く眠れない時にお父さんが羊を
数えてくれた記憶がある。
でも私にはお母さんが…… いや、やめよう。
「どうしたの? お姉ちゃん」
気がつくと、憂鬱そうな表情を浮かべていた私を、心配そうに
見つめている。
「ううん。なんでもないよ」
そう、私は大丈夫だ。お父さんがいるし、すぐ傍にはゆーちゃんもいるから。
「お姉ちゃん。羊さん、数えてあげるね? 」
「でも、肝心のゆーちゃんが眠れないよ」
「お姉ちゃんが寝たら、私も眠れるような気がするから」
もしかして、気を遣ってくれたのだろうか?
「でも、肝心のゆーちゃんが眠れないよ」
「お姉ちゃんが寝たら、私も眠れるような気がするから」
もしかして、気を遣ってくれたのだろうか?
「じゃあ、お願いするよ」
「うん」
ゆーちゃんは深く息を吸い込み、ゆっくりと数え始める。
「羊が一匹、羊が二匹…… 」
私は、脳内で単語を変換する。
「ゆーちゃんがひとり、ゆーちゃんがふたり…… 」
小柄なゆーちゃんが、高原の牧場にある木の柵をぴょんと飛び越える。
「羊が二十二匹、羊がにじゅう…… 」
二十二人のゆーちゃんが柵を越えたとき、声が聞こえなくなった。
「ありゃ? 」
顔を覗き込むと、ゆーちゃんは寝息をたてていた。
「先に寝ちゃったか」
私は少しだけ苦笑して、ゆーちゃんの髪の先端にふれて、軽くいじる。
さらさらした感触が心地良い。
「うん」
ゆーちゃんは深く息を吸い込み、ゆっくりと数え始める。
「羊が一匹、羊が二匹…… 」
私は、脳内で単語を変換する。
「ゆーちゃんがひとり、ゆーちゃんがふたり…… 」
小柄なゆーちゃんが、高原の牧場にある木の柵をぴょんと飛び越える。
「羊が二十二匹、羊がにじゅう…… 」
二十二人のゆーちゃんが柵を越えたとき、声が聞こえなくなった。
「ありゃ? 」
顔を覗き込むと、ゆーちゃんは寝息をたてていた。
「先に寝ちゃったか」
私は少しだけ苦笑して、ゆーちゃんの髪の先端にふれて、軽くいじる。
さらさらした感触が心地良い。
ゆーちゃんの穏やかな寝顔を眺めていると、仄かなぬくもりが伝わってきて、
ようやく眠気に誘われてくる。
「おやすみ。ゆーちゃん」
私は、頬に軽くキスをして、瞼を閉じた。
隣で眠っている少女の体温を感じながら、頭の中で更に数え続ける。
「ゆーちゃんが二十三人、ゆーちゃんが二十四人…… 」
ようやく眠気に誘われてくる。
「おやすみ。ゆーちゃん」
私は、頬に軽くキスをして、瞼を閉じた。
隣で眠っている少女の体温を感じながら、頭の中で更に数え続ける。
「ゆーちゃんが二十三人、ゆーちゃんが二十四人…… 」
私は、何人までゆーちゃんを数えることができるのだろう?
(了)
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- 2103人...寝れん -- 名無しさん (2010-04-04 02:33:16)
- ゆーちゃんが
195,812,758人、
ゆーちゃんが
195,812,759人、
ゆーちゃんが
195,812,760人、
ゆーちゃんが
195,812,761人・・・
駄目だ、朝になった。 -- 名無しさん (2009-01-04 08:05:41)