kairakunoza @ ウィキ

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 あれから一週間。時が経つのは早いね。
 この前から何も変わっては居なかった。
 つかさは変だし、かがみも変。

 そして今、私はいつもどおりベッドの中で目を覚ましていた。
 昨日は何にも手がつかないまま寝たんだよね……それより今何時だろう。
 …まだ6時前じゃん。早すぎた。
 電気に照らされていない部屋でそんなことを考える私。なにやってんだろ。

 なぜこんなに早く起きてるかと聞かれたら、答えてあげるのが世の情け。
 私はこの頃、何も手がつかなくなっていたからなんだよね。
 夜遅くまで起きてることなんてあまりしなくなったし……。

 とにかく、こんな早く起きてすることと言えば―――
 考えるより先に体が動いていた。どこに向かってるんだと思ったら、もう目的の場所に着いていた。
 そこは、ゆーちゃんの可愛い寝顔が目の前にある場所だった。
 なるほど、ゆーちゃんを起こせ。と、言いたいわけですネ。
 よしよし。やってやろうじゃないか。
「ゆ~ちゃ~ん」
「う…うぅ……ん」
 小さい体をゆすって起こさせる。
「朝だよ~」
「あ……お姉ちゃん?」
「うん、そだよ~」
 起きた後はやっぱり時計確認。それが基本だよね。基本なんだろうね。
「えっと、まだ6時だけど早くない?」
「ほら、早起きは三文の徳とかよく言うじゃん」
 と、私に全く似合わない言葉を繰り出す。
 この役目は本来みゆきさんの役なんだけどね。
「そうだね…。あ、忘れてたけどおはよう、お姉ちゃん」
「うん、おはよ。ゆーちゃん」
 挨拶を返して二人で朝、人が集まる場所へ行く。
 そこには、やっぱりお父さんが居た。
 いつも何時頃に起きてるんだろう……。
 そんな素朴な疑問なんていざ知らず、お父さんは私たちに気付いた。
「おじさん、おはようございます」
「おう、ゆたかちゃんおはよう。それにしても二人とも、今日は早いな」
「お父さんに変なことされないうちにね」
「いくら俺でも変なことはしないぞ~」
「いや、お父さんだから怪しいもんだけどね」
「それより、もうそろそろパンが焼きあがるが、食べるか?」
 華麗にスルーですか。そうですか。
「でもそれっておじさんの分じゃないんですか?」
「いいよいいよ。また後で作ればいいだけだからな」
「ゆーちゃん先に食べてていいよ」
「あ、うん、それじゃあ…。ありがとうございます」
 お父さん、ゆーちゃんフラグでも立ててるのかな?
 んなことないとは思うけど。

 その後、しばらくは朝の団欒を過ごす。
 朝食を簡単にとり、テレビを見て……そんな感じ。普通過ぎる朝だった。
 そして今日のお弁当作成タイム。現場のゆーちゃん、どんな物を作っているのか非常に気になりますねぇ。
 私がお弁当の出来上がりを見るのは昼の時間。作ってる時は私は何も見ない。一人でやりたいらしいから。
 けど、私が作っている時だとゆーちゃんは見たいと言ってとまらないのだ。
 でもま、料理が上手くなってくれるのは喜ばしい事だけどね。
 この調子でつかさ並に上手くなってくれたら毎日その、つかさの料理を楽しむ事が出来そうだし。
 でも、お菓子作りは無理そうだけどね……。
「お姉ちゃん、出来たよー」
「んじゃ、お昼まで楽しみにしてるね」
「うん!あと、それとさ……お姉ちゃん、元気出してね」
「大丈夫。ゆーちゃんよりは元気だよ」
「えっと…それ、どういう意味?」
「そのまんまの意味」
 私がそう言った瞬間、見る見るうちにゆーちゃんの顔が泣きそうになる。
「うぅ……酷い…」
「いやぁ、ごめんごめん。ゆーちゃん可愛いからついついいじめたくなっちゃうんだ」
「うぅ……」
 どうやらご機嫌斜めになってしまった。原因はもちろん私のせい。どうしたものか……。
 ………どうしたもこうしたもない!
「ゆーちゃん、それより早く学校の支度しようよ」
「あっ……そうだね」
 可愛らしく包まれた弁当箱を受け取り、自室に戻る。
 しかし、学校に行く準備をしたって時間にとても余裕がある。
 ゆっくり、亀みたいに歩いてもまだ間に合いそうな時間がある。
 早く行って学校前で寝てもだいじょぶそうな時間だった。
 それだったらさっさと教室に入り寝てた方がいいと、一人で脳内突っ込みをする。

 そのまま何もしない時間が過ぎてしまう。その間、印象的だったものは朝の日差しがやけに眩しいことぐらいだった。
 でもなぜだかただの太陽の光なのに、優しくも感じた。

 そしてやってきたちょうどいい登校の時。
 ゆーちゃんが私の部屋の入り口から顔を出し、お姉ちゃん、先に行くね。とだけ残す。
「ゆーちゃん」
 けど、私はゆーちゃんを呼び止めた。
「え?なに?」
「一緒に行こ」
「うん!」
 元気よすぎるぐらいに答えてくれた。

 登校中、ゆーちゃんは私を本気で心配してくれてるみたいで、学校で何があったのかを聞いてきた。
 正直ほんとのことを言おうかと迷っていた。
 でも、口を閉ざしていても尚もゆーちゃんは食い下がってくる。
 この性格、誰に似たんだろうか。
 頑固なゆーちゃんに私はKOされ、これまでのことを全て隠さずに話した。
 つかさとかがみの間に絶対何かがあったこと、つかさの様子、かがみの様子、
 そして、そのことについて私がとても気になっていること………。
 それを言い終えたとき、ゆーちゃんの口がすぐに動いた。
「お姉ちゃん、優しいね」
「別に……」
「ううん。お友達のことをそんなに心配できるんだもん。とても優しいよ」
「ただ単に私の突っ走りだから……」
「いや、それでも……。
 それと、えっとさ、力になれるかわかんないけど、私たちにもちゃんと相談してね。
 みなみちゃんも田村さんもパトリシアさんも頼もしい人たちだから」
「うん、ゆーちゃんも優しいね」
「お姉ちゃん程じゃないよ」
 やっぱりゆーちゃんは頑固だ。頑固すぎる。

 とにかく、ゆーちゃんたちを巻き込むわけには行かないよね。
 それにひよりんやパティにこのことが伝わったら、
『くぅぅ……これは萌えるシチュの予感……!』
 とか
『コレはユリフラグ!もっとkwskオシエテくだサーイ!』
 とか言われるオチなんだろうね。
 空気を軽くするんだったらもってこいの人たちなんだけど……。

 一応、忠告だけはしておこう。
「ゆーちゃん、とりあえずさ、このことは他の人に言わないでね。
 みなみちゃんや、ひよりんにも、パティにも」
「えっ?どうして?」
「ほんとに困ったときに相談するからね」
「うん……分かった」
 でも、どこか納得が行かない表情で了承をした。
 これで大丈夫かな…。

 もうすぐ目的の場所に着くというとき、ゆーちゃんがみなみちゃんを見つけたようだ。
「あっ!みなみちゃん!」
 と、呼んで走ろうとしたところで一旦立ち止まってこっちを向く。
「えっと、お姉ちゃん、これで。また後でね」
 それだけを言い残しまた走り出す。
 ゆーちゃんがみなみちゃんに追いついて、しばらく話をしていたと思ったら、みなみちゃんがこちらを見て、律儀にお辞儀をしてくれた。
 なんだか、照れるけど、私は手を振ってそれに答えるように返した。 

 その後、私は一人で校舎に、そして教室に入る。
 その中にはまだ人が少なかった。
 みゆきさんはいなかたが、つかさがもうすでにいた。
 つかさが早く来ていたことに疑問のぎの字も感じなかった。
 その時、つかさが私に気付いたようで、いつもの笑顔で迎えてくれる。
 この笑顔はどんなことを想ってしてるのかなぁ。と、知る術もないことを考える。
 どうしたんだろ?問題解決?
 それならもう何も考える必要はなくなるけど……。
 かがみが来てくれるようになったのかな?
 だけど、教室中を見渡してもつかさと同じ髪色をした人はいない。まだ隣のクラスなのかな。
「こなちゃん、どしたの?」
「ううん、なんでもない」
「そっか」
 それから私とつかさは二人で取り留めのない会話を繰り返し、さらにみゆきさんまで加わってもっとカオスな会話になる。
 しかし、その間に来ると思っていたかがみは来なかった。
 また私は聞いてみた。
「ね、つかさ。かがみは?」
「…ごめんね、明日には来れるかもしれないって言ってたよ」
「うん、分かった」
 明日にはこの終わらない会話に終止符が打たれるのか。
 よかったよかった。それなら笑顔で迎えて来た理由も納得がいく。


―時は流れて昼休み。
 いつものメンバーでランチタイム。一人欠けてるけど。
「あっ、そうだ。みんなには内緒にしてたんだけど……」
 ここで突然前触れもなくやってきたつかさの告白タイム。
 内緒話か。なんだろ?
「つかささん、なんですか?」
「えっとね……」
 一息吐いて、口を動かし始める。
「実は今日、デートするんだ」

 …え、今なんて言うたんですか?
「ごめん、もう一回」
「泉さん、つかささんはデートと言ったんですよ」
 ……考えてもいなかった。まさかつかさの口からそんな言葉が出るなんてね……。
「いつ、フラグ立ったの?」
「え?ふらぐ?」
「あぁ、いつ出会ったの?ってこと」
「うん、先週ぐらいにね、急いで帰っていたとき突然誰かとぶつかっちゃったの。
 それでその人がやさしい人で、かっこいい人だったんだ。
 そしてその次の日も偶然出会って携帯のアドレスを交換して……」
「いわゆる一目惚れという物ですね」
「うん、そうなるのかな……」
 つかさの表情は照れている状態に近かったが、顔は赤くなっていなかった。
 つかさならなってもおかしくないはずなんだけど……。
 ま、でもそんな細かい事気にしてたらキリないよね。負けかと思っちゃうよね。
「つかさに先越されちゃったか。抜け駆けはずるいぞー」
「あ…ごめんね。こなちゃんには私よりいい人が見つかるよ」
「きっと私のお父さん見たいな人だろうけどね」
「でもさ、こなちゃんのお父さんとてもいい人じゃん」
 …つかさの言葉ってあまりあてにならないよね。心底、そう思う。
「それで、待ち合わせとかはしているんでしょうか?」
「うん、みんなと遊ぶときにいつも待ち合わせしてる場所かな」
「無難な場所だねぇ」
 けど、そこならつかさも道に迷う心配もないだろうけど。
「そうですか。がんばってくださいね」
「うん、ゆきちゃんありがと」
 しかし、そんなぶつかっただけでフラグがほんとに立つとはね。
 それなんてエロゲ?状態だよ。

「あれ?家族の人たちには言った?」
 私の問いにつかさは笑顔で頷く。
 こんな元気な返事ならだいじょぶなんだろうね。
 だけど、どんな人なのか気になるなぁ……。つかさが好きになるんだからきっとかがみみたいな人なんだろう。
 つかさはかがみのことをよく優しくてかっこいいお姉ちゃんって言ってるし。
 それにしても、みゆきさんでもなく先につかさに彼氏が出来るなんてね。
 世の中わからないもんだねぇ……。きっとその場にかがみがいたら過剰なガードが起こっていただろう。

 話に夢中で、今更気付いたけど今日のお弁当、私が好きな物ばっかじゃん。
 ゆーちゃん、この頃私が元気なかったから心配してかこうくるとはね…。
 弁当箱を渡してくれる時に言ってくれた、
『元気出してね』
 ってそういう意味だったんだね。
 そんなことしなくても元気なんかすぐ出せるのに。

 会話が何もない状態で三人の昼食が終了。
 私はトイレに行くと二人に言って教室を出る。
 しかしそんなことは真っ赤な嘘で、お隣さんのクラスに向かう。
 教室の前で立っている私の姿にかがみは気付いたみたいで、その姿は徐々に大きくなる。
「何か用?」
 その一言が冷たく感じた。
「んとね、つかさが男の人と付き合うのにかがみんはどう思ってるのかなぁって聞いてみたかっただけ」
「別にどうも思ってないわよ」
「じゃあ、心配ではないと?」
「つかさはつかさ、私は私。分かる?」
「うん」
「分かったんなら戻って。これ以上は何も話さないわ」
 それだけで私たちの会話は終了。かがみは最初に教室で見かけた場所へと戻ってしまった。
 暖かい室内とは反対に、かがみの冷たい言葉だけが頭に残ってた。

 教室に戻った後、つかさとみゆきさんが笑顔を見せておかえりと言ってくれた。
 その二人の笑顔を見ながら、これにゆーちゃんを加えれば向かうとこ敵無しの癒しトリオの完成だなぁと、どうでもいいことを考える。
 この時、つかさにあの事を聞いてみようかと思った。
 けど、今はタイミングが悪いかなぁ……。それに、なぜだか聞くのが怖い。

 チャイムが鳴った後の授業中は何も頭に入ってこない。
 先生の話を聞き流しているわけでもないのに入らない。脳が拒否をしている。
 授業中、つかさの様子を伺ってみるが特に何も変わった事はない。いつものつかさだ。
 しかし、その裏にどんなことを思っているのかは知る由もない。
 そんな時間が今日の授業が全て終わるまでずっと続いた。
 HRが終了したらつかさは真っ先に教室を飛び出して行った。
 約束……か。
 やっぱりしてるんだね。

 そうと分かったら私も落ち着いてなんかいられない。
 急いで家に帰って外出用の服に着替える。
 遅くもなりそうだからお父さんに帰りが遅くなるとも伝える。
 用意したものは適当な交通費と携帯電話ぐらい。それだけで私は出かける。
 ついでに、私とは気付かれないように帽子を被っておく。
 ストーカーまがいのことだろうけど、それでも行くことにした。

 私はみんなと遊ぶ時に待ち合わせしている、いつもの場所に着いた。
 やっぱり来るのが早かったのか、まだつかさっぽい影は見当たらない。
 男の人がどんな格好をしているのかも全然聞いていない。
 待ち合わせの場所から遠く離れたところ、そこで待つ。

 しばらく待っていたらつかさの姿が見えた。



















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  • これって続きはないのでしょうか? -- 通りすがり (2009-01-11 17:43:51)
  • かがみにいったい何が‥‥‥ -- フウリ (2008-03-29 18:26:21)
  • 何があったらかがみがそんなに冷たくなるんだ…
    続きwktk -- 名無しさん (2008-02-18 09:58:04)

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