パンドラの箱。……それは、所謂『見てはならない物』の例えとして使われている。
しかし、見るなといわれると好奇心が働き、ついつい見てしまうものだ。……私も、その一人だ。
私は、誘惑に負けて箱を開けてしまった。
しかし、見るなといわれると好奇心が働き、ついつい見てしまうものだ。……私も、その一人だ。
私は、誘惑に負けて箱を開けてしまった。
柊かがみの隠し事・オルタナティブ 『泉こなたの詮索』
よりによってこの時期に体育はないだろう?下敷きを団扇代わりにしながら、私、泉こなたはそんな事を考えていた。
「ぅあづ……」
「も、ダメ……疲れたよ……」
私の横で、つかさが机に突っ伏している。
「おーい、がんばれー……寝たら死ぬぞー……」
「そんな事言っても……こなちゃんだって声がへろへろだよ?」
「それと、泉さん?その台詞を使うのは雪山で遭難したときでは……?」
みゆきさんの台詞にもキレがない。……微笑んではいるが相当疲れているようだ。
と、そろそろ来るかと教室の入り口に目をやれば、いつものツインテールが見えた。向こうも私が見つけたのを感づいたようで、挨拶を投げかける。
「おっす」
「おー、かがみー。早く座りたまへー」
つかさの双子の姉のかがみ。……クラスは隣だけど、いつも昼休みはこっちに来る。
一回それについて『友達いないんじゃないの?』とからかったら辛辣な言葉を返されてしまった。……あの時は軽く凹んだヨ。
「って、やけに汗かいてるわね?何、体育でもあったの?」
「うん、ちょうど昼休み前に―……もう、私へとへとだよ……」
「泉さんもつかささんも、がんばっていましたから。他の皆さんもお疲れのご様子で」
そして始まるいつものゆるい会話。……ふと、私の鼻がかすかな『あの匂い』を捉えた。
「あうー、暑くて死にそうだよー……かがみ分を補給させてー」
ふざけ半分の言葉と共に、かがみに抱き付いた。……あ、やっぱりかがみも汗かいてる。かがみの汗でちょっと湿った制服が火照った体に心地いい。
「こーらー!暑いからひっつくな!それに何がかがみ分だ!」
「えー?かがみ分が不足すると主に『ツンデレに対する禁断症状』とか『素直じゃない子渇望病』とかが発症しちゃうんだよ」
まあ、確かにネタな発言ではあるけどネ。……でも、かがみ分の補給ってのは本当なんだよ。
かがみの体から発せられるこの『匂い』。……最初はびっくりしたけど、今ではかがみの『匂い』をたまにでもいいから嗅がないと落ち着かない。
「何をわけのわからん事を……」
台詞の途中で、かがみが顔をしかめた。
「どうしたの、かがみ?」
「お姉ちゃん?」
「……大丈夫、いつものやつだから。こなた、悪いけどトイレ行ってくるわ」
「あっ……。こなちゃん、ちょっとお姉ちゃんから離れてあげてね」
つかさに言われて、私はかがみから離れた。……やっぱりか。
たまにかがみはこうなる事がある。私が抱き付いたり擦り寄ったりすると顔をしかめ、教室から出て行ってしまう。……嫌われているのではない、と思いたい。
それに、私には心当たりがある。あの『匂い』についてだ。もしかがみが『そう』だとするならば、この行動にも説明がつくわけで。
「つかさ、かがみはどうしたの?」
それでも私は無知を装い、つかさに聞く。質問に対し、つかさは少し悩み……
「……ごめん。言えないよ」
と返した。私の仮説が正しいのかはわからないが、正解の確立は高いだろう。
「そっか、ごめんね。変な事聞いて」
だからこれ以上は詮索しない事にした。……とりあえず、『計画』は今日実行しなければ。そんな事を考えながら。
「ぅあづ……」
「も、ダメ……疲れたよ……」
私の横で、つかさが机に突っ伏している。
「おーい、がんばれー……寝たら死ぬぞー……」
「そんな事言っても……こなちゃんだって声がへろへろだよ?」
「それと、泉さん?その台詞を使うのは雪山で遭難したときでは……?」
みゆきさんの台詞にもキレがない。……微笑んではいるが相当疲れているようだ。
と、そろそろ来るかと教室の入り口に目をやれば、いつものツインテールが見えた。向こうも私が見つけたのを感づいたようで、挨拶を投げかける。
「おっす」
「おー、かがみー。早く座りたまへー」
つかさの双子の姉のかがみ。……クラスは隣だけど、いつも昼休みはこっちに来る。
一回それについて『友達いないんじゃないの?』とからかったら辛辣な言葉を返されてしまった。……あの時は軽く凹んだヨ。
「って、やけに汗かいてるわね?何、体育でもあったの?」
「うん、ちょうど昼休み前に―……もう、私へとへとだよ……」
「泉さんもつかささんも、がんばっていましたから。他の皆さんもお疲れのご様子で」
そして始まるいつものゆるい会話。……ふと、私の鼻がかすかな『あの匂い』を捉えた。
「あうー、暑くて死にそうだよー……かがみ分を補給させてー」
ふざけ半分の言葉と共に、かがみに抱き付いた。……あ、やっぱりかがみも汗かいてる。かがみの汗でちょっと湿った制服が火照った体に心地いい。
「こーらー!暑いからひっつくな!それに何がかがみ分だ!」
「えー?かがみ分が不足すると主に『ツンデレに対する禁断症状』とか『素直じゃない子渇望病』とかが発症しちゃうんだよ」
まあ、確かにネタな発言ではあるけどネ。……でも、かがみ分の補給ってのは本当なんだよ。
かがみの体から発せられるこの『匂い』。……最初はびっくりしたけど、今ではかがみの『匂い』をたまにでもいいから嗅がないと落ち着かない。
「何をわけのわからん事を……」
台詞の途中で、かがみが顔をしかめた。
「どうしたの、かがみ?」
「お姉ちゃん?」
「……大丈夫、いつものやつだから。こなた、悪いけどトイレ行ってくるわ」
「あっ……。こなちゃん、ちょっとお姉ちゃんから離れてあげてね」
つかさに言われて、私はかがみから離れた。……やっぱりか。
たまにかがみはこうなる事がある。私が抱き付いたり擦り寄ったりすると顔をしかめ、教室から出て行ってしまう。……嫌われているのではない、と思いたい。
それに、私には心当たりがある。あの『匂い』についてだ。もしかがみが『そう』だとするならば、この行動にも説明がつくわけで。
「つかさ、かがみはどうしたの?」
それでも私は無知を装い、つかさに聞く。質問に対し、つかさは少し悩み……
「……ごめん。言えないよ」
と返した。私の仮説が正しいのかはわからないが、正解の確立は高いだろう。
「そっか、ごめんね。変な事聞いて」
だからこれ以上は詮索しない事にした。……とりあえず、『計画』は今日実行しなければ。そんな事を考えながら。
*** ***
――ちょっとの間だけ、昨日の話をしようか。
「……よしっ、上出来!」
オーブンから出したホットプレートを覗き込み、私は自分に『グッジョブ!』を送った。
プレートの上でいい色に焼き上がっているのはバタークッキー。……出来たてを一つつまんでみる。
「あふっ、あふっ……んく、うん。味も大丈夫。よかったよ、これで粉っぽいとかだったら泣けてくるし……」
焼きたてはものすごく熱いが、それでもいい味に仕上がっている。……かがみ、喜んでくれるかな……?
まぶたの裏に浮かぶのは、かがみが『あ、うん……おいしい、けど……』と言ってくれる姿。そこまで考えて、私はふと我に返った。
「って、かがみはツンデレだから素直においしいなんて言うわけないか。それこそ『おいしいわよ。文句あるの?』とかさ」
あるある、とニヤニヤしながらあら熱の取れたクッキー達をふたの出来る容器に入れ、更に冷ましておく。完全に室温と同じになったらふたをして保管しておこう。
「ん?こなた、クッキー焼いたのか?珍しいな、どれどれ」
「って、お父さん食べちゃダメーっ!」
台所に来たお父さんがクッキーを見つけ、それに手を出そうとしたので全力で止める。
「……なんだよ、一個くらいいいだろ?娘の作ったお菓子なんてこの先食べれないかもしれないし」
「でもダメなの!それはかが……じゃなくて、みんなの……分、だから……」
一瞬、『かがみの分』と言ってしまいそうになり、慌てて言い換える。しかし、恥ずかしくて顔が熱くなってしまった。
お父さんはそれをどう捉えたのか、急に無表情になり……『娘の手作りクッキーを渡してなるものか!』ともう一度食べようとし始めた。
「だからやめて!そんなことしたら親子の縁切るよ!?」
私の言葉に、お父さんがまるでブリ○ドをかけられたかのように凍りついた。……私とお父さんの間での究極の呪文であり、禁断の言葉。それが『親子の縁を切る』だ。
ただし、これを言うと3~4日は落ち込んでしまい、仕事も手につかなくなる諸刃の剣。素人にはお勧め出来ない。
「……そ、そうか……」
案の定、お父さんのバックに黒い空気が生まれた気がする。漫画なら縦線とか鬼火とかが浮かんでそうだ。
「あ、あとでお父さんのために焼いてあげるから。だから、これはダメだよ。……ね?」
さすがに『究極の呪文』はやりすぎた、と私も反省し、そんな約束をしてしまった。
「本当かっ!?」
一瞬にして元気を取り戻すお父さん。……泣いた烏がもう笑う、か。『もちろんだよ』とwktkするお父さんに返し、あまりの生地を使ってクッキーを焼き始めた。
オーブンから出したホットプレートを覗き込み、私は自分に『グッジョブ!』を送った。
プレートの上でいい色に焼き上がっているのはバタークッキー。……出来たてを一つつまんでみる。
「あふっ、あふっ……んく、うん。味も大丈夫。よかったよ、これで粉っぽいとかだったら泣けてくるし……」
焼きたてはものすごく熱いが、それでもいい味に仕上がっている。……かがみ、喜んでくれるかな……?
まぶたの裏に浮かぶのは、かがみが『あ、うん……おいしい、けど……』と言ってくれる姿。そこまで考えて、私はふと我に返った。
「って、かがみはツンデレだから素直においしいなんて言うわけないか。それこそ『おいしいわよ。文句あるの?』とかさ」
あるある、とニヤニヤしながらあら熱の取れたクッキー達をふたの出来る容器に入れ、更に冷ましておく。完全に室温と同じになったらふたをして保管しておこう。
「ん?こなた、クッキー焼いたのか?珍しいな、どれどれ」
「って、お父さん食べちゃダメーっ!」
台所に来たお父さんがクッキーを見つけ、それに手を出そうとしたので全力で止める。
「……なんだよ、一個くらいいいだろ?娘の作ったお菓子なんてこの先食べれないかもしれないし」
「でもダメなの!それはかが……じゃなくて、みんなの……分、だから……」
一瞬、『かがみの分』と言ってしまいそうになり、慌てて言い換える。しかし、恥ずかしくて顔が熱くなってしまった。
お父さんはそれをどう捉えたのか、急に無表情になり……『娘の手作りクッキーを渡してなるものか!』ともう一度食べようとし始めた。
「だからやめて!そんなことしたら親子の縁切るよ!?」
私の言葉に、お父さんがまるでブリ○ドをかけられたかのように凍りついた。……私とお父さんの間での究極の呪文であり、禁断の言葉。それが『親子の縁を切る』だ。
ただし、これを言うと3~4日は落ち込んでしまい、仕事も手につかなくなる諸刃の剣。素人にはお勧め出来ない。
「……そ、そうか……」
案の定、お父さんのバックに黒い空気が生まれた気がする。漫画なら縦線とか鬼火とかが浮かんでそうだ。
「あ、あとでお父さんのために焼いてあげるから。だから、これはダメだよ。……ね?」
さすがに『究極の呪文』はやりすぎた、と私も反省し、そんな約束をしてしまった。
「本当かっ!?」
一瞬にして元気を取り戻すお父さん。……泣いた烏がもう笑う、か。『もちろんだよ』とwktkするお父さんに返し、あまりの生地を使ってクッキーを焼き始めた。
……基本的に人の頭とハート型を作って、それをくっつけさせて『某美の神のお尻クッキー』を作ったんだけどね。で、あまったチョコがあったからそれをつけてちゃんと完成させました。
*** ***
そして現在。ゲマズに付き合ってくれたお礼のような物という名目で、つかさとかがみを家に招待している。……もちろん、あのクッキーをみんなに食べさせるためだ。
かがみの『まずかったら酷いわよ』という言葉に少しの不安が生まれたが、すぐにそれを打ち消す。大丈夫。絶対、大丈夫だよ。
某国民的ヒロインの名台詞を心の中で唱え、自分を元気付けながら私の部屋にいる二人にクッキーと紅茶を持っていく。
「お待たせー。クッキーだよー」
お盆からテーブルの上にクッキーのお皿と紅茶のカップとソーサーを置き、二人がクッキーに手を出すのを待った。
「それじゃ、いただきまーす」
「……いただきます」
つかさの声にワンテンポ遅れてかがみがクッキーに手を伸ばす。……期待と不安が私の中で高まり……
「……わぁ。こなちゃん、初めてにしては上出来だよ」
……つかさの言葉によって安堵に変わった。思わず力が抜けそうになったが、何とか持ち直す。……まだ、かがみの答えを聞いていない。
「ありがと、つかさ。つかさが褒めてくれるんなら私も安心だよ。……で、かがみ?」
心の中で一心に念じた。……どうか、どうか『おいしくない』とか言われませんように……!
かがみの『まずかったら酷いわよ』という言葉に少しの不安が生まれたが、すぐにそれを打ち消す。大丈夫。絶対、大丈夫だよ。
某国民的ヒロインの名台詞を心の中で唱え、自分を元気付けながら私の部屋にいる二人にクッキーと紅茶を持っていく。
「お待たせー。クッキーだよー」
お盆からテーブルの上にクッキーのお皿と紅茶のカップとソーサーを置き、二人がクッキーに手を出すのを待った。
「それじゃ、いただきまーす」
「……いただきます」
つかさの声にワンテンポ遅れてかがみがクッキーに手を伸ばす。……期待と不安が私の中で高まり……
「……わぁ。こなちゃん、初めてにしては上出来だよ」
……つかさの言葉によって安堵に変わった。思わず力が抜けそうになったが、何とか持ち直す。……まだ、かがみの答えを聞いていない。
「ありがと、つかさ。つかさが褒めてくれるんなら私も安心だよ。……で、かがみ?」
心の中で一心に念じた。……どうか、どうか『おいしくない』とか言われませんように……!
「はいはい、おいしいわよ。文句あるの?」
かがみに、褒められた。……達成感で胸がいっぱいになる。ここで思いっきりかがみに抱き付きたくなる衝動を堪え……
「……えへぇ」
照れ隠しに某幼稚園児の物真似をする事にした。
「何よ、その笑い……」
「もーぉう、かがみんはツンデレなんだからぁー」
「マジで似てるからやめぃ!」
抱き付くとまでは行かなくとも近づいてかがみに擦り寄ろうとしたら、おでこにチョップをされてしまった。……ひどいなー、かがみは。
その横ではつかさが乾いた笑い声をあげている。……まあいいや。タイミング的にはいいかもだし、『計画』の第一段階に移ろう。
「むー、かがみんのいけずー……いいもん、私いじけちゃうもん」
私はいじけた顔をしながらパソコンデスクに座り、IEであるサイトを立ち上げた。
「こら、客人置いて自分だけパソコンか?」
……よし、食いついた。そのサイト……『東方夜伽話』のトップページを表示させたままかがみ達の方を向き、笑いながら告げる。
「いや、ちょっと更新見とかないといけない場所があったの思い出してね。お構いなくー」
「本当にフリーダムだな、あんたって奴は……」
「こなちゃん、それは使い方が違う気がするよ……?」
……仕方ないじゃん、『計画』のためなんだから。……むう、新作ネタがもう来てるか。と、ちょっと膨れながらサイトを見ていると、かがみが私に質問をした。
「こなた、このホムペって何?」
「あー、この前かがみにやらせた同人のシューティングがあるじゃん?あれの二次創作を投稿する所だよ。……まあ、と言ってもここは成年向け……所謂エロパロの投稿所なんだけどネ」
「はぁ!?」
私の答えにかがみは『なんとも意外』と書かれた顔で素っ頓狂な声をあげた。
「東方シリーズは人気が高いんだよ?最近じゃあ『ニコ厨』って呼ばれる人達がこの作品の動画を見てにわかファンを演じるくらいだからね。……前にも言ったと思うけどさ、昔からのファンとしては結構複雑な心境なんだよね……」
そういうにわかファンは他人に迷惑をかける事が多い。そのせいで私たちみたいな正統派のファンまで叩かれているわけだし……
「そ、そうなんだ……」
「よくわかんないけど、がんばって……」
かがみ、続いてつかさが励ましの言葉をくれた。……むう、さすがに何とも言えない空気になってしまったか。
「って、かがみ達に愚痴を言っても仕方ないよね」
何とか笑顔を作って、この場の暗い雰囲気を無くそうとしたが、結局失敗。……かがみがちょっと悲しそうな顔をしていた。
居たたまれなくなり、ディスプレイに目線を戻し、作戦開始のキーワードを言い放つ。
「……あ、あの人がようやく新作投下した」
「あの人って?」
よし、またまた食いついた。
「うん、たまにニッチ過ぎる作品を投下してる人。大抵が女装少年物なんだよね」
「え?ちょっと待ってよ。その、東方シリーズって男はいないんじゃ……」
「一応いる事はいるヨ」
ゲーム内にはいないけどね。小説に出てたりとか設定上の人物とか、だし。
「……でも、この人の作品の場合は『もし女キャラが実は男だったら』っていう設定なんだ」
「へぇ……それって面白いの?」
……私は見逃さなかった。私の台詞のある部分を聞いた一瞬だけかがみの体が小さく動いた事を。
「うん、割と。お尻の穴を虐められたりとか結構ハードな事もやってるし、そうかと思えば普通にやっちゃってるし」
ハードな事をやってるのは確か鈴仙の時で、普通にやってるのは早苗だったっけ。
「や、やってる……」
つかさの顔が赤い。……つかさは初心なんだねぇ。こりゃ萌える。
「新作は……ほう、サナレイか。こりゃまた無難な」
新作といってもさっきの早苗ネタの続きだけどね。神様二柱に無理矢理霊夢の所に追い出されて、そして……男だとバレてしまう。
その時のトチ狂った早苗の頭の中に浮かんだ名台詞がおかしくてね。思わず『ジョー○ター卿自重wwww』ってコメントした程だヨ。
「うわ……」
で、その後はお決まりの襲っちゃえタイム突入。私の横で画面を覗き込み、私がマウスのホイールでページを送るのをじっと待つかがみが呟きを漏らした。
っていうか、かがみ!顔が近いよ!荒い息が耳に当たるよ!という私の焦りなどお構いなしに、かがみは食い入るように画面を見つけ続ける。
……あ、ダメ!疼いちゃう!私の中にある『欲望』が疼いちゃうよぉ……。も、もう、だめだよぉ……これ以上かがみが近くにいたら……私が、襲っちゃうよぉ……
精神的な愛撫……というか陵辱に、理性が本能に打ち負かされそうになった時。
「……えへぇ」
照れ隠しに某幼稚園児の物真似をする事にした。
「何よ、その笑い……」
「もーぉう、かがみんはツンデレなんだからぁー」
「マジで似てるからやめぃ!」
抱き付くとまでは行かなくとも近づいてかがみに擦り寄ろうとしたら、おでこにチョップをされてしまった。……ひどいなー、かがみは。
その横ではつかさが乾いた笑い声をあげている。……まあいいや。タイミング的にはいいかもだし、『計画』の第一段階に移ろう。
「むー、かがみんのいけずー……いいもん、私いじけちゃうもん」
私はいじけた顔をしながらパソコンデスクに座り、IEであるサイトを立ち上げた。
「こら、客人置いて自分だけパソコンか?」
……よし、食いついた。そのサイト……『東方夜伽話』のトップページを表示させたままかがみ達の方を向き、笑いながら告げる。
「いや、ちょっと更新見とかないといけない場所があったの思い出してね。お構いなくー」
「本当にフリーダムだな、あんたって奴は……」
「こなちゃん、それは使い方が違う気がするよ……?」
……仕方ないじゃん、『計画』のためなんだから。……むう、新作ネタがもう来てるか。と、ちょっと膨れながらサイトを見ていると、かがみが私に質問をした。
「こなた、このホムペって何?」
「あー、この前かがみにやらせた同人のシューティングがあるじゃん?あれの二次創作を投稿する所だよ。……まあ、と言ってもここは成年向け……所謂エロパロの投稿所なんだけどネ」
「はぁ!?」
私の答えにかがみは『なんとも意外』と書かれた顔で素っ頓狂な声をあげた。
「東方シリーズは人気が高いんだよ?最近じゃあ『ニコ厨』って呼ばれる人達がこの作品の動画を見てにわかファンを演じるくらいだからね。……前にも言ったと思うけどさ、昔からのファンとしては結構複雑な心境なんだよね……」
そういうにわかファンは他人に迷惑をかける事が多い。そのせいで私たちみたいな正統派のファンまで叩かれているわけだし……
「そ、そうなんだ……」
「よくわかんないけど、がんばって……」
かがみ、続いてつかさが励ましの言葉をくれた。……むう、さすがに何とも言えない空気になってしまったか。
「って、かがみ達に愚痴を言っても仕方ないよね」
何とか笑顔を作って、この場の暗い雰囲気を無くそうとしたが、結局失敗。……かがみがちょっと悲しそうな顔をしていた。
居たたまれなくなり、ディスプレイに目線を戻し、作戦開始のキーワードを言い放つ。
「……あ、あの人がようやく新作投下した」
「あの人って?」
よし、またまた食いついた。
「うん、たまにニッチ過ぎる作品を投下してる人。大抵が女装少年物なんだよね」
「え?ちょっと待ってよ。その、東方シリーズって男はいないんじゃ……」
「一応いる事はいるヨ」
ゲーム内にはいないけどね。小説に出てたりとか設定上の人物とか、だし。
「……でも、この人の作品の場合は『もし女キャラが実は男だったら』っていう設定なんだ」
「へぇ……それって面白いの?」
……私は見逃さなかった。私の台詞のある部分を聞いた一瞬だけかがみの体が小さく動いた事を。
「うん、割と。お尻の穴を虐められたりとか結構ハードな事もやってるし、そうかと思えば普通にやっちゃってるし」
ハードな事をやってるのは確か鈴仙の時で、普通にやってるのは早苗だったっけ。
「や、やってる……」
つかさの顔が赤い。……つかさは初心なんだねぇ。こりゃ萌える。
「新作は……ほう、サナレイか。こりゃまた無難な」
新作といってもさっきの早苗ネタの続きだけどね。神様二柱に無理矢理霊夢の所に追い出されて、そして……男だとバレてしまう。
その時のトチ狂った早苗の頭の中に浮かんだ名台詞がおかしくてね。思わず『ジョー○ター卿自重wwww』ってコメントした程だヨ。
「うわ……」
で、その後はお決まりの襲っちゃえタイム突入。私の横で画面を覗き込み、私がマウスのホイールでページを送るのをじっと待つかがみが呟きを漏らした。
っていうか、かがみ!顔が近いよ!荒い息が耳に当たるよ!という私の焦りなどお構いなしに、かがみは食い入るように画面を見つけ続ける。
……あ、ダメ!疼いちゃう!私の中にある『欲望』が疼いちゃうよぉ……。も、もう、だめだよぉ……これ以上かがみが近くにいたら……私が、襲っちゃうよぉ……
精神的な愛撫……というか陵辱に、理性が本能に打ち負かされそうになった時。
「って、ちょっとつかさ!?お茶こぼしてるお茶こぼしてる!」
かがみの声に我に返れば、後ろで騒ぐ二人がいた。……どうやら、つかさが紅茶をこぼしてしまったらしい。それも、かがみのスカートに。
……かがみ、ごめん。思わずつかさに心の中で『グッジョブ!』と叫んでしまった私を許して……タイミング的にもいい感じだったし。
「ご、ごめんねお姉ちゃん!」
「あーあ、シミにならなきゃいいんだけど……」
多少予定とは違うが、しかし運良く第一段階はクリア。このまま第二段階に突入しちゃおう。
「かがみ、どうせならうちで洗っちゃえば?乾燥機付だからすぐ乾くし」
私の言葉に、二人は慌てて首と手を同時に振った。……こういう所は双子だナ。
「え、だ、大丈夫だって!後で洗っても落ちるでしょ?」
「そ、そうだよ。別に今洗う事もないだろうし……」
「いいっていいって。女同士なんだから恥ずかしがる事ないじゃん」
むしろそうしてくれなきゃ意味が無い。……説得の末、ついに私は勝利を手に入れた。
「じゃ、じゃあ……脱衣所、借りるわね」
「はいはーい」
脱衣所に向かうかがみに、ついでに洗濯物も入れておいてと頼んでおく。……くっくっく。さ・て・と。まずは部屋に残ったつかさに軽くジャブを入れてみる。
「つかさ、そういえば着替えとか持っていった方がいいかな?」
「え、あ、大丈夫だよ!大丈夫!私が行くから!」
つかさは私の言葉に大慌てで返した。……ふーん。これは当たりの確率が高いですな?
「……ごめん、ちょっとトイレに行ってくる」
「だ、脱衣所には行かなくていいからね!絶対だよ!」
必死に止めるつかさは可愛いなぁ。……でもね。『行くな』と言われたら行きたくなるのが人間の心理なのだよ。
とりあえずベランダ近くの部屋から洗濯したばかりの私のスウェット(伸縮素材だから何とかなるはずだ)を手に取り脱衣所へ。……脱衣所前の扉で立ち止まり、音を立てないように小さくドアを開けた。
……かがみ、ごめん。思わずつかさに心の中で『グッジョブ!』と叫んでしまった私を許して……タイミング的にもいい感じだったし。
「ご、ごめんねお姉ちゃん!」
「あーあ、シミにならなきゃいいんだけど……」
多少予定とは違うが、しかし運良く第一段階はクリア。このまま第二段階に突入しちゃおう。
「かがみ、どうせならうちで洗っちゃえば?乾燥機付だからすぐ乾くし」
私の言葉に、二人は慌てて首と手を同時に振った。……こういう所は双子だナ。
「え、だ、大丈夫だって!後で洗っても落ちるでしょ?」
「そ、そうだよ。別に今洗う事もないだろうし……」
「いいっていいって。女同士なんだから恥ずかしがる事ないじゃん」
むしろそうしてくれなきゃ意味が無い。……説得の末、ついに私は勝利を手に入れた。
「じゃ、じゃあ……脱衣所、借りるわね」
「はいはーい」
脱衣所に向かうかがみに、ついでに洗濯物も入れておいてと頼んでおく。……くっくっく。さ・て・と。まずは部屋に残ったつかさに軽くジャブを入れてみる。
「つかさ、そういえば着替えとか持っていった方がいいかな?」
「え、あ、大丈夫だよ!大丈夫!私が行くから!」
つかさは私の言葉に大慌てで返した。……ふーん。これは当たりの確率が高いですな?
「……ごめん、ちょっとトイレに行ってくる」
「だ、脱衣所には行かなくていいからね!絶対だよ!」
必死に止めるつかさは可愛いなぁ。……でもね。『行くな』と言われたら行きたくなるのが人間の心理なのだよ。
とりあえずベランダ近くの部屋から洗濯したばかりの私のスウェット(伸縮素材だから何とかなるはずだ)を手に取り脱衣所へ。……脱衣所前の扉で立ち止まり、音を立てないように小さくドアを開けた。
……そこには、私のショーツの匂いを嗅ぐかがみがいましたとさ まる
『これが、こなたの匂い……』
これを狙っていなかったと言えば嘘だけど……喜んでいいのかむしろ憤怒するべきなのか……
いやまあ、エロゲではたまにあるシチュですよ?思い人の下着で興奮してたらその本人がご登場とか……さすがにこのタイミングはまずいので、少し先延ばしに。
というか、やっぱりかがみって……被害にあったスカートを脱ぎ、下はパンツ一丁のかがみ。そのパンツの前の部分がものすごく膨らんでいる。
これを狙っていなかったと言えば嘘だけど……喜んでいいのかむしろ憤怒するべきなのか……
いやまあ、エロゲではたまにあるシチュですよ?思い人の下着で興奮してたらその本人がご登場とか……さすがにこのタイミングはまずいので、少し先延ばしに。
というか、やっぱりかがみって……被害にあったスカートを脱ぎ、下はパンツ一丁のかがみ。そのパンツの前の部分がものすごく膨らんでいる。
やっぱり、かがみって『男』だったんだ……。
……ずっと感じていた違和感。初めてかがみに抱き付いた時に、私にとって『嗅ぎ慣れた』匂いがした。……それは、男性の匂い。
母親を早くに亡くし、男親だけで育ってきた私にとって一番身近にある存在だった『男性』。女友達であるはずのかがみからこの『匂い』が漂ってくる事はありえなかった。
『……やめやめ!見つかったら何て言われるかわからないじゃないの!』
私の思考はかがみの声で中断された。……いや、すでに見つかってますから。弁解の余地もありませんから。
かがみは私のショーツを洗濯機の中に入れた後に自分の下半身を見て、『この愚か者め』とため息をついている。よし、今だ。
「かがみー。ちょっときついけどこれ……」
と、わざとらしく台詞を途中で止め、かがみの下半身を見る。……うわ、よく見ると意外に立派。
悲鳴や怒号の一つくらいは飛ぶかと思っていたが、逆に何もない。……あまりのショックに固まってしまったようだ。
……こういう時のパターンって、やっぱり……『仕方がない、口封じだ』とか言いながら襲われちゃう?
「か、かが……み?」
「何よ……」
でも、かがみになら……襲われてもいいよね。うん。
「……『何?男だったとバレた?逆に考えるんだ。『こなたを襲って黙らせよう』そう考えるんだ』」
という訳で、襲われる覚悟は出来てます。さあ、存分にやっちゃってください。
母親を早くに亡くし、男親だけで育ってきた私にとって一番身近にある存在だった『男性』。女友達であるはずのかがみからこの『匂い』が漂ってくる事はありえなかった。
『……やめやめ!見つかったら何て言われるかわからないじゃないの!』
私の思考はかがみの声で中断された。……いや、すでに見つかってますから。弁解の余地もありませんから。
かがみは私のショーツを洗濯機の中に入れた後に自分の下半身を見て、『この愚か者め』とため息をついている。よし、今だ。
「かがみー。ちょっときついけどこれ……」
と、わざとらしく台詞を途中で止め、かがみの下半身を見る。……うわ、よく見ると意外に立派。
悲鳴や怒号の一つくらいは飛ぶかと思っていたが、逆に何もない。……あまりのショックに固まってしまったようだ。
……こういう時のパターンって、やっぱり……『仕方がない、口封じだ』とか言いながら襲われちゃう?
「か、かが……み?」
「何よ……」
でも、かがみになら……襲われてもいいよね。うん。
「……『何?男だったとバレた?逆に考えるんだ。『こなたを襲って黙らせよう』そう考えるんだ』」
という訳で、襲われる覚悟は出来てます。さあ、存分にやっちゃってください。
「するかそんな事!っていうか自重しなさい、ジョー○ター卿!」
……へ?状況的には襲われる場面だよね。さっきまで私のショーツの匂い嗅いで、その実物が目の前にあるのに。
「えー?こ、こういう場合ってさ……私、襲われるよね?」
戸惑いのあまり、思わず確認してしまった。……ああもう、私のバカ!
「……生憎、私にはまだ理性が残ってますから。むやみやたらに襲ったりしないわよ」
その答えを聞き、私はホッとしたようなガックリ来たような複雑な気分だった。……私の覚悟を返せー!
「どうしたんだ、こなた?」
同じ階にいたお父さんが部屋から顔を出したので『なんでもないよー』と言ってごまかす。……ふう、危なかった。
「……ま、と、とりあえず詳しく説明してくれるかナ?」
「あー、わかったわよ。部屋に戻ったらね……」
まだ少々気の抜けた状態での私の意見に、かがみは賛成してくれた。
「えー?こ、こういう場合ってさ……私、襲われるよね?」
戸惑いのあまり、思わず確認してしまった。……ああもう、私のバカ!
「……生憎、私にはまだ理性が残ってますから。むやみやたらに襲ったりしないわよ」
その答えを聞き、私はホッとしたようなガックリ来たような複雑な気分だった。……私の覚悟を返せー!
「どうしたんだ、こなた?」
同じ階にいたお父さんが部屋から顔を出したので『なんでもないよー』と言ってごまかす。……ふう、危なかった。
「……ま、と、とりあえず詳しく説明してくれるかナ?」
「あー、わかったわよ。部屋に戻ったらね……」
まだ少々気の抜けた状態での私の意見に、かがみは賛成してくれた。
*** ***
今、私の部屋には少々緊迫した空気が流れている。
「……さて、どれから話せばいいかな……」
かがみは死刑執行前の罪人のように、達観した表情でそう呟いた。
「とりあえず、私に聞かれたくない内容は省いていいから」
「……あんたって奴は、遠慮を知らないの?」
「これでも配慮したつもりなんだけどなー。私は何でかがみが男の子なのかを知りたい訳だし」
「まあ……ぶっちゃけて言えば両親が男として生まれた私を女として育てた、といった所よ」
かがみの説明は続く。
「……さて、どれから話せばいいかな……」
かがみは死刑執行前の罪人のように、達観した表情でそう呟いた。
「とりあえず、私に聞かれたくない内容は省いていいから」
「……あんたって奴は、遠慮を知らないの?」
「これでも配慮したつもりなんだけどなー。私は何でかがみが男の子なのかを知りたい訳だし」
「まあ……ぶっちゃけて言えば両親が男として生まれた私を女として育てた、といった所よ」
かがみの説明は続く。
柊家の長男となるはずだったが、あまりにもみきおばさんに似すぎてしまったがために、何を思ったのか女として教育されてしまった。
そのせいで女言葉がデフォルトになってしまい、たまに出てくる時以外は男言葉は使えないらしい。……そういえば、怒った時はたまに口調が乱暴になることがあった。
そのせいで女言葉がデフォルトになってしまい、たまに出てくる時以外は男言葉は使えないらしい。……そういえば、怒った時はたまに口調が乱暴になることがあった。
「……ふーん」
「な、何よその反応……」
どうやら私の反応が気に入らなかったらしく、呆れた声で私に話し掛けた。
「だって、性別を偽って生活なんてゲームとかでよくあるシチュだし。オトボクとかスイレガとか」
「リアルにバーチャルの話を持ってくるな」
「むしろバーチャルでしかありえないよ?こんなリアル。まあ、かがみが男の娘ってのもなんとなく納得できるし」
「するな。……いや、して欲しいけどどういう理由だ」
「だってかがみは性格からして男っぽいし。それにポニーテールにすると武士みたいに男前だし」
「武士は関係ないだろ、武士は」
と、いつものボケと突っ込みを展開していると、つかさが口を開いた。
「ねえ、こなちゃん……『男の娘』って、何?」
「かがみの事だよ」
「……え、お姉ちゃんが男の娘?」
私の言葉につかさは混乱し、かがみは『ちゃんと説明してやれよ』と言いたげな視線で私を睨んでくる。
「ごめん、正確にはかがみみたいに『女の子として生活する男の子』の事だよ。……最近は『こんな可愛い子が女の子な訳ないだろ』っていう名文句もあるくらいだし」
アレはどこが初出だったっけな……?ふたばとかそこら辺かな?私も良くわかんないんだよねー……
「へぇ……お姉ちゃん以外にもそんな人っているんだ」
「大抵はフィクションだけどね。だってさっきの名文句のとおり、女の子より女の子してるんだよ?……普通はそんな人いないって」
かがみみたいにわりと男っぽい性格してたりするかもネー、とかがみをチラチラ見ておく。……あ、気づいた。
ジト目のかがみを横目で見ながら、私はあの事を白状した。
「な、何よその反応……」
どうやら私の反応が気に入らなかったらしく、呆れた声で私に話し掛けた。
「だって、性別を偽って生活なんてゲームとかでよくあるシチュだし。オトボクとかスイレガとか」
「リアルにバーチャルの話を持ってくるな」
「むしろバーチャルでしかありえないよ?こんなリアル。まあ、かがみが男の娘ってのもなんとなく納得できるし」
「するな。……いや、して欲しいけどどういう理由だ」
「だってかがみは性格からして男っぽいし。それにポニーテールにすると武士みたいに男前だし」
「武士は関係ないだろ、武士は」
と、いつものボケと突っ込みを展開していると、つかさが口を開いた。
「ねえ、こなちゃん……『男の娘』って、何?」
「かがみの事だよ」
「……え、お姉ちゃんが男の娘?」
私の言葉につかさは混乱し、かがみは『ちゃんと説明してやれよ』と言いたげな視線で私を睨んでくる。
「ごめん、正確にはかがみみたいに『女の子として生活する男の子』の事だよ。……最近は『こんな可愛い子が女の子な訳ないだろ』っていう名文句もあるくらいだし」
アレはどこが初出だったっけな……?ふたばとかそこら辺かな?私も良くわかんないんだよねー……
「へぇ……お姉ちゃん以外にもそんな人っているんだ」
「大抵はフィクションだけどね。だってさっきの名文句のとおり、女の子より女の子してるんだよ?……普通はそんな人いないって」
かがみみたいにわりと男っぽい性格してたりするかもネー、とかがみをチラチラ見ておく。……あ、気づいた。
ジト目のかがみを横目で見ながら、私はあの事を白状した。
「それに、前からなんとなく感づいてたよ?かがみは女の子じゃないかもって」
「……へ?」
「どういう事、こなちゃん?」
突然のカミングアウトに二人の目が点になった。……まあね、いきなりそんな事言われたら驚くよね。
「ほら、私ってよくお父さんにべたべたひっ付かれるじゃん。……だからね。なんて言うか、男の人の匂いを覚えてるんだ。
それでね、かがみに抱き付いた時だけ嗅ぎ慣れた匂いがしてさ。……もしかして、かがみは女の子じゃないのかもって思ってたんだよ」
もし、両親が揃っていたらわからなかっただろう。……私は自分以外の女の子の匂いに違和感を感じていたのだから。違和感のない事自体が違和感。それが、かがみの性別を疑った始まりだった。
「だ、だったら何で私にいちいちくっついてくるの?……自分で言うのもなんだけどさ、気持ち悪くない?男が女の格好してるなんて」
と、かがみは突き放すような口調で私に問い掛けてくる。……しかし、その目には恐怖をにじませていた。多分、私がかがみを軽蔑すると思っているのだろう。でも、そんな事はないよ?
「まあ、ネ。最初は疑問に思ってたよ?でもさ……だんだん疑問に思わなくなってきたんだよね。かがみといるようになってからなんか女の子したくなってきたし」
疑問に思わなくなった、というか、その時にはもうかがみを受け入れてたんだと思う。
「さっきのハプニングでかがみが男だって確信した瞬間……なんとなくわかった気がするんだ。……私は、かがみの事を好きになっちゃったんだって」
「……え?」
やはり予想外の答えだったのだろう、『嘘でしょ?』みたいな顔をして掠れた声を出していた。
「だから、私はかがみの事を好きになっちゃったんだって」
仕方がないのでもう一度先程の言葉を告げた。……かがみはあまりの事に呆然としているようだ。
「今まで女を捨てたような生き方してたけどさ、かがみと会ってからはもっと女の子らしくしなきゃと思い始めてね。で、家事全般は出来るし、後は少女っぽい趣味の一つでも身につけようかなって。……それで、お菓子を作ったんだよ」
というかお菓子作りの他にもあるんだろうけど、そういう趣味ってあまり私のイメージに合わないんだよね。
「な、何を基準にしてるんだ、何を……」
「……つかさはお菓子作りうまいし、凄く可愛いし。せめてつかさに近づけたらって思ってた。だから、褒めてくれて嬉しかったよ」
「え、えへへ……」
顔を赤くしたかがみの台詞に、私は頭を掻きながら答えた。それを聞いたつかさの顔も赤くなっている。
「それとね、かがみが女の子とは違うのを疑問に思わなくなった時から、こう……お腹が変な感じなんだよね?かがみに抱き付いて、かがみの匂いを嗅ぐ度に、こう……ムズムズ、とかそんな感じが」
言いながらお腹をさする。……我ながらとんでもない事を話してる気がするな。
「別にこの感覚が気持ち悪いとかそういうのはないんだけど……無性に『もっと、もっとかがみが欲しい!』って思う時があってね……。我慢できない時もあって、一人で……し、しちゃうんだ……」
語尾が消えていき、一気に顔が熱くなる。……うわっ、これって取りようによっては変態じゃん……?
「私だってそうよ。いつもこなたが抱き付いて、その感触とか汗の匂いで私も我慢できなくなって……」
その言葉を聞き、私の顔がさらに赤くなった。……ここにも変態がいたよ。あ、いや。侮蔑とかの意味じゃなくてね。なんと言ったらいいのか、その……
「……結局、似たもの同士だったんだね。お姉ちゃんもこなちゃんも」
そうそうそれそれ。……って、つっ、つかさサン!?何でこんな時に不意打ちとかしますかな!?
「なっ……」
「あわわ……」
ダメだ、もう再起不能……つかさにとどめを刺されて恥ずかしさのあまり、私は俯き、指を弄り始めた。
その少し後、つかさが咳払いをして、『お姉ちゃん、今日はこなちゃんの家に泊まっていけば?』と言葉を発した。
「……おじさんには私から説明するから」
「え、あ、うん……ごめん、つかさ。よろしく頼むわ」
しどろもどろなかがみが言葉を返す。……うーん、一瞬姉妹の立場が逆転したような……
「ご、ごめんね。なんかのけ者にしちゃって……。あは、あは、あはははは……」
……まあ、私も結構動揺しまくってるわけだが。
「どういう事、こなちゃん?」
突然のカミングアウトに二人の目が点になった。……まあね、いきなりそんな事言われたら驚くよね。
「ほら、私ってよくお父さんにべたべたひっ付かれるじゃん。……だからね。なんて言うか、男の人の匂いを覚えてるんだ。
それでね、かがみに抱き付いた時だけ嗅ぎ慣れた匂いがしてさ。……もしかして、かがみは女の子じゃないのかもって思ってたんだよ」
もし、両親が揃っていたらわからなかっただろう。……私は自分以外の女の子の匂いに違和感を感じていたのだから。違和感のない事自体が違和感。それが、かがみの性別を疑った始まりだった。
「だ、だったら何で私にいちいちくっついてくるの?……自分で言うのもなんだけどさ、気持ち悪くない?男が女の格好してるなんて」
と、かがみは突き放すような口調で私に問い掛けてくる。……しかし、その目には恐怖をにじませていた。多分、私がかがみを軽蔑すると思っているのだろう。でも、そんな事はないよ?
「まあ、ネ。最初は疑問に思ってたよ?でもさ……だんだん疑問に思わなくなってきたんだよね。かがみといるようになってからなんか女の子したくなってきたし」
疑問に思わなくなった、というか、その時にはもうかがみを受け入れてたんだと思う。
「さっきのハプニングでかがみが男だって確信した瞬間……なんとなくわかった気がするんだ。……私は、かがみの事を好きになっちゃったんだって」
「……え?」
やはり予想外の答えだったのだろう、『嘘でしょ?』みたいな顔をして掠れた声を出していた。
「だから、私はかがみの事を好きになっちゃったんだって」
仕方がないのでもう一度先程の言葉を告げた。……かがみはあまりの事に呆然としているようだ。
「今まで女を捨てたような生き方してたけどさ、かがみと会ってからはもっと女の子らしくしなきゃと思い始めてね。で、家事全般は出来るし、後は少女っぽい趣味の一つでも身につけようかなって。……それで、お菓子を作ったんだよ」
というかお菓子作りの他にもあるんだろうけど、そういう趣味ってあまり私のイメージに合わないんだよね。
「な、何を基準にしてるんだ、何を……」
「……つかさはお菓子作りうまいし、凄く可愛いし。せめてつかさに近づけたらって思ってた。だから、褒めてくれて嬉しかったよ」
「え、えへへ……」
顔を赤くしたかがみの台詞に、私は頭を掻きながら答えた。それを聞いたつかさの顔も赤くなっている。
「それとね、かがみが女の子とは違うのを疑問に思わなくなった時から、こう……お腹が変な感じなんだよね?かがみに抱き付いて、かがみの匂いを嗅ぐ度に、こう……ムズムズ、とかそんな感じが」
言いながらお腹をさする。……我ながらとんでもない事を話してる気がするな。
「別にこの感覚が気持ち悪いとかそういうのはないんだけど……無性に『もっと、もっとかがみが欲しい!』って思う時があってね……。我慢できない時もあって、一人で……し、しちゃうんだ……」
語尾が消えていき、一気に顔が熱くなる。……うわっ、これって取りようによっては変態じゃん……?
「私だってそうよ。いつもこなたが抱き付いて、その感触とか汗の匂いで私も我慢できなくなって……」
その言葉を聞き、私の顔がさらに赤くなった。……ここにも変態がいたよ。あ、いや。侮蔑とかの意味じゃなくてね。なんと言ったらいいのか、その……
「……結局、似たもの同士だったんだね。お姉ちゃんもこなちゃんも」
そうそうそれそれ。……って、つっ、つかさサン!?何でこんな時に不意打ちとかしますかな!?
「なっ……」
「あわわ……」
ダメだ、もう再起不能……つかさにとどめを刺されて恥ずかしさのあまり、私は俯き、指を弄り始めた。
その少し後、つかさが咳払いをして、『お姉ちゃん、今日はこなちゃんの家に泊まっていけば?』と言葉を発した。
「……おじさんには私から説明するから」
「え、あ、うん……ごめん、つかさ。よろしく頼むわ」
しどろもどろなかがみが言葉を返す。……うーん、一瞬姉妹の立場が逆転したような……
「ご、ごめんね。なんかのけ者にしちゃって……。あは、あは、あはははは……」
……まあ、私も結構動揺しまくってるわけだが。
*** ***
私は今、鼻歌まじりで夕飯を作っている。……ようやく、私の待ち望んだシチュエーションが揃ったからだ。
「花を咲ぁーかぁーせましょうー、見渡すぅーかぁーぎりの花を♪ 新しぃーいー季節の、風をうーけぇーてぇー♪」
片手の中華なべを煽り、中のチャーハンを空中に舞わせる。……こういう細かい物とか液状のが入ってる奴って難しいんだよね。
「いつまでぇーもぉーどこまでも、何度でぇーもぉー咲いて落ちて♪ 流れるぅーかぁーぜの中、巡ってぇー廻れー♪」
中華お玉でちょっと掬い、味見の一口。……うん、いい感じ。コンロの火を止め、人数分の中皿にチャーハンを盛る。
「だーらんだらんらん、巡り廻れっ♪ だーらんだらんらん、巡り廻れっ♪ だーらんだらんらん、巡り廻れっ♪」
伴奏を呟いて軽くシャウトしながら、作っておいた卵とじスープをお椀に盛り、間奏を口笛で吹きながら、それらをテーブルに持っていく。
「ご飯できたよー」
大皿にとろみ付き肉野菜炒めを盛りながら、私は叫んだ。お父さんの『おーう』という声が聞こえる。
「移り行ぅーくぅー季節に、新しぃーくぅー咲く命に、懐かしぃーいー香りがぁーすーるぅー♪ 巡り廻ぁーる今に、昔かぁーらぁー続く今に、花はずぅーっとぉー咲き続ぅーけぇーてー♪」
歌いながらレンゲを取り出し、チャーハンの横に並べる。そして大きなスプーンを肉野菜炒めの大皿に置いて準備は完了。
「……おっ、今日は豪勢じゃないか?」
先に来たのはお父さんだった。……今日の献立はキムチチャーハン、肉野菜炒め兼あんかけチャーハン用あん、それと卵とじスープにポテトサラダ。
「うん、好みに合わせてあんかけチャーハンにも出来るよ」
「あぁん、あんかけチャーハン?」
「そうなんです……」
……お父さん、いきなりガチムチパンツレスリングのネタを、年頃の自分の娘に振らないように。……反応する私も私だけどさ。
「わあ、いい匂い……」
私の部屋からかがみがやってきた。……全員が揃った所でテーブルにつき、いただきますの号令。
「…………」
チャーハンを食べるかがみを見て、思わずこんな事を言ってしまった。
「ねえ、かがみ。このお皿のチャーハン全部吸い込んでみて」
「私はカー○ィか」
「違うよ。中○一番のボ○閣下だよ」
「またよくわからんネタを……」
……まあ、同じチャーハンだけどあっちは梅干し入りだからネ……
「こなた、それはかがみちゃんに失礼だぞ」
ボ○閣下を知っているお父さんが突っ込みを入れた。……多分ボ○閣下がどんな人か知ったら、かがみは本気で怒るだろうな……
「花を咲ぁーかぁーせましょうー、見渡すぅーかぁーぎりの花を♪ 新しぃーいー季節の、風をうーけぇーてぇー♪」
片手の中華なべを煽り、中のチャーハンを空中に舞わせる。……こういう細かい物とか液状のが入ってる奴って難しいんだよね。
「いつまでぇーもぉーどこまでも、何度でぇーもぉー咲いて落ちて♪ 流れるぅーかぁーぜの中、巡ってぇー廻れー♪」
中華お玉でちょっと掬い、味見の一口。……うん、いい感じ。コンロの火を止め、人数分の中皿にチャーハンを盛る。
「だーらんだらんらん、巡り廻れっ♪ だーらんだらんらん、巡り廻れっ♪ だーらんだらんらん、巡り廻れっ♪」
伴奏を呟いて軽くシャウトしながら、作っておいた卵とじスープをお椀に盛り、間奏を口笛で吹きながら、それらをテーブルに持っていく。
「ご飯できたよー」
大皿にとろみ付き肉野菜炒めを盛りながら、私は叫んだ。お父さんの『おーう』という声が聞こえる。
「移り行ぅーくぅー季節に、新しぃーくぅー咲く命に、懐かしぃーいー香りがぁーすーるぅー♪ 巡り廻ぁーる今に、昔かぁーらぁー続く今に、花はずぅーっとぉー咲き続ぅーけぇーてー♪」
歌いながらレンゲを取り出し、チャーハンの横に並べる。そして大きなスプーンを肉野菜炒めの大皿に置いて準備は完了。
「……おっ、今日は豪勢じゃないか?」
先に来たのはお父さんだった。……今日の献立はキムチチャーハン、肉野菜炒め兼あんかけチャーハン用あん、それと卵とじスープにポテトサラダ。
「うん、好みに合わせてあんかけチャーハンにも出来るよ」
「あぁん、あんかけチャーハン?」
「そうなんです……」
……お父さん、いきなりガチムチパンツレスリングのネタを、年頃の自分の娘に振らないように。……反応する私も私だけどさ。
「わあ、いい匂い……」
私の部屋からかがみがやってきた。……全員が揃った所でテーブルにつき、いただきますの号令。
「…………」
チャーハンを食べるかがみを見て、思わずこんな事を言ってしまった。
「ねえ、かがみ。このお皿のチャーハン全部吸い込んでみて」
「私はカー○ィか」
「違うよ。中○一番のボ○閣下だよ」
「またよくわからんネタを……」
……まあ、同じチャーハンだけどあっちは梅干し入りだからネ……
「こなた、それはかがみちゃんに失礼だぞ」
ボ○閣下を知っているお父さんが突っ込みを入れた。……多分ボ○閣下がどんな人か知ったら、かがみは本気で怒るだろうな……
――と、こんな感じの夕食が終わり、かがみは私の部屋に戻った。
私も後片付けを済ませ、自分の部屋に戻る。……かがみが私に、というか扉に背を向けて座っていた。
ちなみに、今のかがみはつかさが持ってきた服(部屋着らしい)を着ている。じっと黙って座っているかがみを見ていると、なんとなく罪悪感が沸いてきた。
「ごめんね、かがみ」
思わず口から出てしまった謝罪の言葉。それでようやく私がいる事に気づいたのか、かがみがこちらを向く。
「何が?別に、あんたに謝られるような事はされた覚えがないんだけど……」
私の方も、いきなり口から出てしまったので謝るような事は……ああ、あったか。
「今日のハプニングだよ。……アレ、実は私が仕掛けてたんだ」
私の言葉にかがみは納得した顔を見せ……
「あ、アレはあんたが仕掛けたの!?」
すぐに突っ込みに変わる。
「うん。……とりあえず確信はあったんだけど、面と向かって『かがみんって、実は女装少年?』なんて聞きづらいからさ」
というか、聞いてもはぐらかされるだろうし。
「本当はね。あの後に私が手が滑ったフリをしてかがみにお茶をかけるはずだったんだけど……」
でも、私は私で行動不能になってたし、天然であんなハプニングをやらかしてくれたつかさには感謝している。
「あの作品を見て思いついたんだ。ああいう確認の仕方が一番無難だったからさ」
「……確かに、言われてみれば不自然な所もあったような……」
頭を掻きながらの私の台詞に、なんとも言えない視線で私の方を見ながらかがみが返した。……むう、何かバカにされてる気がする。
「えーっと、何か酷い事考えてない?」
「気のせいよ。……という事は、私はこなたの策にまんまと嵌められた、と」
はぐらかされた気がして、頬を膨らませてかがみに反論した。
「策とは酷いな。せめて『イベントフラグ立て』と言ってよね」
あー、はいはい、とでも言いたげな顔でかがみは肩をすくめている。……かがみのばか。
ちなみに、今のかがみはつかさが持ってきた服(部屋着らしい)を着ている。じっと黙って座っているかがみを見ていると、なんとなく罪悪感が沸いてきた。
「ごめんね、かがみ」
思わず口から出てしまった謝罪の言葉。それでようやく私がいる事に気づいたのか、かがみがこちらを向く。
「何が?別に、あんたに謝られるような事はされた覚えがないんだけど……」
私の方も、いきなり口から出てしまったので謝るような事は……ああ、あったか。
「今日のハプニングだよ。……アレ、実は私が仕掛けてたんだ」
私の言葉にかがみは納得した顔を見せ……
「あ、アレはあんたが仕掛けたの!?」
すぐに突っ込みに変わる。
「うん。……とりあえず確信はあったんだけど、面と向かって『かがみんって、実は女装少年?』なんて聞きづらいからさ」
というか、聞いてもはぐらかされるだろうし。
「本当はね。あの後に私が手が滑ったフリをしてかがみにお茶をかけるはずだったんだけど……」
でも、私は私で行動不能になってたし、天然であんなハプニングをやらかしてくれたつかさには感謝している。
「あの作品を見て思いついたんだ。ああいう確認の仕方が一番無難だったからさ」
「……確かに、言われてみれば不自然な所もあったような……」
頭を掻きながらの私の台詞に、なんとも言えない視線で私の方を見ながらかがみが返した。……むう、何かバカにされてる気がする。
「えーっと、何か酷い事考えてない?」
「気のせいよ。……という事は、私はこなたの策にまんまと嵌められた、と」
はぐらかされた気がして、頬を膨らませてかがみに反論した。
「策とは酷いな。せめて『イベントフラグ立て』と言ってよね」
あー、はいはい、とでも言いたげな顔でかがみは肩をすくめている。……かがみのばか。
そして、私は今更ながら『自分の部屋でかがみと二人きり』だという事を思い出してしまった。……今、この瞬間こそが、少し前に立てたフラグで手に入れたイベントシーンなのだ。
そう実感した瞬間、体の抑えが利かなくなってしまった。
「でも、私がかがみを好きなのは本当だよ」
「えっ……」
私の体がゆっくりとかがみに近づく。なけなしの理性でブレーキをかけてはいるものの、速度すら落ちない。
「こうやって、目の前にかがみがいるだけで抱き付きたくなっちゃう。体がかがみの事を欲しがっちゃうんだ……」
「こなた?」
……ああ、かがみ。今は私の名前を呼ばないで。歯止めが利かなくなっちゃうから……
「でも、ダメ。抱き付いたら私が壊れちゃう。もう、かがみの事しか考えられなくなっちゃう。……ここは自分の部屋だから。私を全部さらけ出せるから。ブレーキをかける必要が無いから」
止まらない。私の体が止まらない。何をしてもいいという状況を理解してしまい、私の心は暴走を起こしている。
……あと少しでかがみに触れる、と思った時。かがみが立ち上がって私の肩を掴んだ。思わず、かがみの顔を見つめてしまう。
「でも、私がかがみを好きなのは本当だよ」
「えっ……」
私の体がゆっくりとかがみに近づく。なけなしの理性でブレーキをかけてはいるものの、速度すら落ちない。
「こうやって、目の前にかがみがいるだけで抱き付きたくなっちゃう。体がかがみの事を欲しがっちゃうんだ……」
「こなた?」
……ああ、かがみ。今は私の名前を呼ばないで。歯止めが利かなくなっちゃうから……
「でも、ダメ。抱き付いたら私が壊れちゃう。もう、かがみの事しか考えられなくなっちゃう。……ここは自分の部屋だから。私を全部さらけ出せるから。ブレーキをかける必要が無いから」
止まらない。私の体が止まらない。何をしてもいいという状況を理解してしまい、私の心は暴走を起こしている。
……あと少しでかがみに触れる、と思った時。かがみが立ち上がって私の肩を掴んだ。思わず、かがみの顔を見つめてしまう。
「……まだ、早いわよ」
え――。その一言によって、私は奈落に突き落とされたような感覚になった。
ダメ、なの?かがみと一つになっちゃいけないの……?立っているのにまるで地面が崩れ、落下していくような感覚。
そんな……ねえ、私、どうすればいいの?かがみに断られたら……私、生きたくなくなっちゃうよ……。
「ああ違う!そういう意味じゃなくて!お風呂に入ってから、って事よ」
私の顔を見て、これ以上無いという程に慌てるかがみ。
「呼んでも来ない。なら確認しに来る。そこで理性のぶっ飛んじゃった私達のとんでもない現場に鉢合わせたら最悪でしょ?……だから、もう呼ばれないような状態になってから、ね」
その説明を聞き、私は安堵した。……その直後、かがみは九死に一生を得たかのような大きな安堵のため息をついた。
「お願いだからさ、そんな私の口から否定の言葉が出ただけで世界が破滅するみたいな顔をしないで。……私だって我慢の限界なんだから」
……そうだった。かがみだっていつもの行動やあの告白から考えると、私が隣にいても我慢し続けていたんだ。そして、抱き付かれたりしているからさらに辛かっただろう。
「うん、そうだよね……ごめんね、かがみ」
かがみの方が私より辛いのだ。それを失念していた事を素直に謝った。
「はっきり言わせて貰うけど……私はね、こなたの暗い顔だけは絶対に見たくないしそんな風にさせたくない。こなたにはずっと笑っていて欲しいんだから」
ダメ、なの?かがみと一つになっちゃいけないの……?立っているのにまるで地面が崩れ、落下していくような感覚。
そんな……ねえ、私、どうすればいいの?かがみに断られたら……私、生きたくなくなっちゃうよ……。
「ああ違う!そういう意味じゃなくて!お風呂に入ってから、って事よ」
私の顔を見て、これ以上無いという程に慌てるかがみ。
「呼んでも来ない。なら確認しに来る。そこで理性のぶっ飛んじゃった私達のとんでもない現場に鉢合わせたら最悪でしょ?……だから、もう呼ばれないような状態になってから、ね」
その説明を聞き、私は安堵した。……その直後、かがみは九死に一生を得たかのような大きな安堵のため息をついた。
「お願いだからさ、そんな私の口から否定の言葉が出ただけで世界が破滅するみたいな顔をしないで。……私だって我慢の限界なんだから」
……そうだった。かがみだっていつもの行動やあの告白から考えると、私が隣にいても我慢し続けていたんだ。そして、抱き付かれたりしているからさらに辛かっただろう。
「うん、そうだよね……ごめんね、かがみ」
かがみの方が私より辛いのだ。それを失念していた事を素直に謝った。
「はっきり言わせて貰うけど……私はね、こなたの暗い顔だけは絶対に見たくないしそんな風にさせたくない。こなたにはずっと笑っていて欲しいんだから」
……か、かがみさん?その言葉は反則過ぎますヨ?
ある意味では、というか完全にプロポーズ的な言葉を言われ、さすがに顔が真っ赤になってしまう。
「……か、かがみがデレ期に入った……」
「黙んなさい!」
思わず照れ隠しに呟いた言葉に反応したのか、かがみまで顔を赤くしてしまった。
「っていうか、こういう萌え要素って男がやるとダメじゃなかったの?」
「ツンデレは別だよ。実際に男でツンデレなキャラって一杯いるし。海原○山とかベ○ータとか」
「……もういい。突っ込む気力も失せたわ……」
やっぱりこうでなくっちゃネ。再び呆れ顔になったかがみに『それじゃあ、私が先に入るね』と告げ、呼ばれるのを待つ。
……しばらくして、お父さんの『風呂が開いたぞ』の声がかかり、『じゃあ、行ってくるね』と言い残して脱衣所へ向かった。
服を脱いでいる最中に胸の奥が、ずき、ずき、と痛くなってくる。不安と恐怖、それと期待。全部が入り混じった気持ち悪くも心地いい痛みが、私の気を逸らせる。
「かがみ……」
お風呂場に入り、まず一言。とりあえず湯船につかる前に身体を洗っておく。……今日はわりと丁寧に。いつもは大抵軽く石鹸をつけて流す、みたいな感じだが、今日は念入りに洗わねば。
「一応かがみに見られるわけだし」
……エロゲのように『綺麗だよ』とは言ってくれんのが現実なのだよ、ワトソン君。
石鹸をつけたタオルで体中をこする。特に触れそうな部分には……
「…………くふっ」
……いかん、感じてしまった。というかもう準備オッケーなんだね、私の身体は……
「……まあ、練習した甲斐があったというかなんというか……」
石鹸を流し、自分の大事な場所を見つめる。……そう、練習を重ねた。
おもむろに指を二本立て、私の中に入れた。ちゅく……という音と共に痺れのような甘い刺激が私の背中を走る。
「ふあ……」
指二本がすんなり入るほどに、私のここは開発されている。……もちろん、自分でやった事だ。
「……初めての痛みも、捨てがたいんだけど……やっぱり、最初から気持ちよくなりたいから……」
事の発端は、かがみが男だという可能性を受け入れた瞬間のお腹の疼きだった。……ネットで調べた所、これは女の子の生理現象だということだ。要するに、エロ漫画でありそうな『子宮が疼く』という奴らしい。
原因としては、その人が性的に興奮しているという事だそうだ。つまり、私はかがみをそういう対象として見ている事になる。……まあ、最初はどうかと思ったけどね。
「リアルで同姓趣味はないし、もしかがみが男じゃなかったら悲惨だったよね……」
それでも、ただの道具で処女を散らしたのは確信があったからだ。……かがみが男だと言う確信が。
長年嗅ぎ続けてきた匂いだ。間違えるはずもないだろう。というか、他の男子の匂いではお腹が疼く事はなかった。……つまりはかがみの匂いだけに体が反応していた。
「……やっぱり、それが『好き』って事だったんだろうナ……」
指を動かしそうになったが、やめた。……今日はかがみがいるんだし、かがみにしてもらわなきゃ。
中に入れていた指を抜いて、別の意味で火照ってしまった頭と身体を冷やすため、湯船のお湯を水でぬるくしてから、一気に頭からかぶった。
「……ふう」
とはいえ、この後にリアルのセックスシーンが待ち構えているのだ。さすがに心が穏やかではいられない。私は悶々としながら湯船につかった。
「……か、かがみがデレ期に入った……」
「黙んなさい!」
思わず照れ隠しに呟いた言葉に反応したのか、かがみまで顔を赤くしてしまった。
「っていうか、こういう萌え要素って男がやるとダメじゃなかったの?」
「ツンデレは別だよ。実際に男でツンデレなキャラって一杯いるし。海原○山とかベ○ータとか」
「……もういい。突っ込む気力も失せたわ……」
やっぱりこうでなくっちゃネ。再び呆れ顔になったかがみに『それじゃあ、私が先に入るね』と告げ、呼ばれるのを待つ。
……しばらくして、お父さんの『風呂が開いたぞ』の声がかかり、『じゃあ、行ってくるね』と言い残して脱衣所へ向かった。
服を脱いでいる最中に胸の奥が、ずき、ずき、と痛くなってくる。不安と恐怖、それと期待。全部が入り混じった気持ち悪くも心地いい痛みが、私の気を逸らせる。
「かがみ……」
お風呂場に入り、まず一言。とりあえず湯船につかる前に身体を洗っておく。……今日はわりと丁寧に。いつもは大抵軽く石鹸をつけて流す、みたいな感じだが、今日は念入りに洗わねば。
「一応かがみに見られるわけだし」
……エロゲのように『綺麗だよ』とは言ってくれんのが現実なのだよ、ワトソン君。
石鹸をつけたタオルで体中をこする。特に触れそうな部分には……
「…………くふっ」
……いかん、感じてしまった。というかもう準備オッケーなんだね、私の身体は……
「……まあ、練習した甲斐があったというかなんというか……」
石鹸を流し、自分の大事な場所を見つめる。……そう、練習を重ねた。
おもむろに指を二本立て、私の中に入れた。ちゅく……という音と共に痺れのような甘い刺激が私の背中を走る。
「ふあ……」
指二本がすんなり入るほどに、私のここは開発されている。……もちろん、自分でやった事だ。
「……初めての痛みも、捨てがたいんだけど……やっぱり、最初から気持ちよくなりたいから……」
事の発端は、かがみが男だという可能性を受け入れた瞬間のお腹の疼きだった。……ネットで調べた所、これは女の子の生理現象だということだ。要するに、エロ漫画でありそうな『子宮が疼く』という奴らしい。
原因としては、その人が性的に興奮しているという事だそうだ。つまり、私はかがみをそういう対象として見ている事になる。……まあ、最初はどうかと思ったけどね。
「リアルで同姓趣味はないし、もしかがみが男じゃなかったら悲惨だったよね……」
それでも、ただの道具で処女を散らしたのは確信があったからだ。……かがみが男だと言う確信が。
長年嗅ぎ続けてきた匂いだ。間違えるはずもないだろう。というか、他の男子の匂いではお腹が疼く事はなかった。……つまりはかがみの匂いだけに体が反応していた。
「……やっぱり、それが『好き』って事だったんだろうナ……」
指を動かしそうになったが、やめた。……今日はかがみがいるんだし、かがみにしてもらわなきゃ。
中に入れていた指を抜いて、別の意味で火照ってしまった頭と身体を冷やすため、湯船のお湯を水でぬるくしてから、一気に頭からかぶった。
「……ふう」
とはいえ、この後にリアルのセックスシーンが待ち構えているのだ。さすがに心が穏やかではいられない。私は悶々としながら湯船につかった。
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- こなた視点のほうが好きです。 -- チャムチロ (2012-10-10 08:01:21)