風向きが良かった、と言えるのだろう。
きっちりシャッフルしたけど綺麗に順々にカードが出て、いったんスピードに乗ると自分でも驚くほど手が動いた。
こなたがカードを出そうとして、それを塞ぐために……ではないけど、それより先にカードを出したら
どうやら数が逆戻りしたらしくてこなたは手を止めていた。
その隙に私はすべてのカードを場に出し切って終了。
14試合目にして最高の勝利だった。
長かった。そして速く動きすぎた。疲れた。
それよりも嬉しさで思わずガッツポーズをとったけども。
きっちりシャッフルしたけど綺麗に順々にカードが出て、いったんスピードに乗ると自分でも驚くほど手が動いた。
こなたがカードを出そうとして、それを塞ぐために……ではないけど、それより先にカードを出したら
どうやら数が逆戻りしたらしくてこなたは手を止めていた。
その隙に私はすべてのカードを場に出し切って終了。
14試合目にして最高の勝利だった。
長かった。そして速く動きすぎた。疲れた。
それよりも嬉しさで思わずガッツポーズをとったけども。
「うあー、かがみ速すぎ!」
「勝つつもりでしたんだから当然よ」
「勝つつもりでしたんだから当然よ」
こなたが自分のカードを前に放り投げながら「うー」と呟く。
その様子が可愛かくて頭を撫でたくなっているけど、呼吸を整える方が先だ。
呼吸の荒さの理由が速く動いたからなのか、今から頼むお願い事に対する緊張なのか。
どちらなのか自分でもわからない。
その様子が可愛かくて頭を撫でたくなっているけど、呼吸を整える方が先だ。
呼吸の荒さの理由が速く動いたからなのか、今から頼むお願い事に対する緊張なのか。
どちらなのか自分でもわからない。
「で、一つお願いできるんでしょ?」
まっすぐこなたを見る。多分、真剣というよりはすがるように見つめている。
ワンテンポ遅れてこなたが小さく頷いた。
そこでようやく私は息を吐くことができて、今まで呼吸を止めていた事に気づく。
いったい私はどれだけ緊張しているんだ。
ワンテンポ遅れてこなたが小さく頷いた。
そこでようやく私は息を吐くことができて、今まで呼吸を止めていた事に気づく。
いったい私はどれだけ緊張しているんだ。
「本当はこういう賭けじゃなくて、普通にお願いしたほうがよかったんだけど……」
「何? 前からお願いしたい事決まってたんだ?」
「うん……」
「何? 前からお願いしたい事決まってたんだ?」
「うん……」
思わず言葉に詰まる。どう言えばいいのだろうか。
言いたい事は一つしかなくて決まりきっているのに、中々声を出せない。
意識に意識を重ね、ようやく声帯の振るわせ方を思い出す。
言いたい事は一つしかなくて決まりきっているのに、中々声を出せない。
意識に意識を重ね、ようやく声帯の振るわせ方を思い出す。
「あの……今日、一緒に寝てくれない?」
自分の声は予想以上に小さく、そして震えていた。
こなたは首を妙な角度に傾げながら固まり、その表情のままゆーっくり顔が染まっていく。
完璧に顔が染まった後に俯き、私から視線を逸らした。
……あ、あれ? なんかおかしい?
自分の中で予想していた反応はすぐに拒否されるか、もしくは普通に頷いてくれるかだった。
そう思っていた理由は、たとえ成人向けのゲームをやっていて知識があっても、こなたは自分の危機に疎いからだ。
だから本当に言葉通りの意味でとってくれると思っていた。
私だけが空回りしているのだと思っていた。私だけが、意識をしすぎているのだと思っていた。
こなたは首を妙な角度に傾げながら固まり、その表情のままゆーっくり顔が染まっていく。
完璧に顔が染まった後に俯き、私から視線を逸らした。
……あ、あれ? なんかおかしい?
自分の中で予想していた反応はすぐに拒否されるか、もしくは普通に頷いてくれるかだった。
そう思っていた理由は、たとえ成人向けのゲームをやっていて知識があっても、こなたは自分の危機に疎いからだ。
だから本当に言葉通りの意味でとってくれると思っていた。
私だけが空回りしているのだと思っていた。私だけが、意識をしすぎているのだと思っていた。
「か、かがみ?今日、お父さんもゆーちゃんもいるんだけど……」
「え?」
「え?」
だけど。
こなたの返答は私の予想から大きく外れていた。
こなたの返答は私の予想から大きく外れていた。
「ち、違っ!! そうじゃなくて!! 一緒に寝るだけ! それだけだから!」
こなたにつられ私まで恥ずかしくなり真っ赤になって、勢いよく首を横に降る。
そんな私を見てようやくこなたは納得した……と思ったらいきなりシュバッ!! と頭を抱えた。
頭を抱えたという表現よりは、両手で顔を隠したと言った方が正しいかもしれない。
顔を隠す前に一瞬だけ見えた表情は心底恥ずかしそうで、少し涙目だったようにも見える。
そんな私を見てようやくこなたは納得した……と思ったらいきなりシュバッ!! と頭を抱えた。
頭を抱えたという表現よりは、両手で顔を隠したと言った方が正しいかもしれない。
顔を隠す前に一瞬だけ見えた表情は心底恥ずかしそうで、少し涙目だったようにも見える。
「ちょっとこなた!?」
「ご、ごめん。ちょっと待って……今顔見られるのは恥ずかしいから……」
「ご、ごめん。ちょっと待って……今顔見られるのは恥ずかしいから……」
その顔を見たいのに、と喉まで出かけた言葉は飲み込んだ。偉いぞ私。
でもこなたの反応を見る限り、こいつも私の妄想と同じようなことを考えた事があるという事だろう。
それはちょっとどころか、かなり嬉しい誤算だったりする。
何だか毒されてるな私。オヤジ的思考な気がする。でも少しぐらい欲望に正直に行動してもいいと思う。
人間の三大欲求は食欲、睡眠欲、性欲だし。私は正常。
なんて様々な言い訳をして理性を組み敷こうとしている私が居る。そして理性は少しずつ組み敷かれていった。
でもこなたの反応を見る限り、こいつも私の妄想と同じようなことを考えた事があるという事だろう。
それはちょっとどころか、かなり嬉しい誤算だったりする。
何だか毒されてるな私。オヤジ的思考な気がする。でも少しぐらい欲望に正直に行動してもいいと思う。
人間の三大欲求は食欲、睡眠欲、性欲だし。私は正常。
なんて様々な言い訳をして理性を組み敷こうとしている私が居る。そして理性は少しずつ組み敷かれていった。
「……かがみ。さっきのお願い、いいよ」
「え?」
「一緒に寝るだけ……なら、いい」
「え?」
「一緒に寝るだけ……なら、いい」
やばい。
きっと今私は情けない、みっともない顔をしている。
頬が緩むのを止められない。
さっきから継続している恥ずかしさと、どうしようもなくこみ上げてくる嬉しさで体の火照りは収まらない。
恥ずかしい表情を隠すために、口だけでも手で隠した。
そこでようやくこなたが腕の間から見上げてくる。
私の表情をなぜか確認して、ようやく顔を隠していた腕をどけた。
まだ恥ずかしそうにしてでもいつもの表情を作るのは、そうする事が一番自分を落ち着ける事が出来る方法だからだろうか。
きっと今私は情けない、みっともない顔をしている。
頬が緩むのを止められない。
さっきから継続している恥ずかしさと、どうしようもなくこみ上げてくる嬉しさで体の火照りは収まらない。
恥ずかしい表情を隠すために、口だけでも手で隠した。
そこでようやくこなたが腕の間から見上げてくる。
私の表情をなぜか確認して、ようやく顔を隠していた腕をどけた。
まだ恥ずかしそうにしてでもいつもの表情を作るのは、そうする事が一番自分を落ち着ける事が出来る方法だからだろうか。
「でもさ、かがみって何で『お願い』したの?」
「え? だってそういうルールでしょ?勝者が敗者に」
「『命令』できるって言ったからさ、私。わざわざそういうソフトな言い方するのってかがみらしいなと思って」
「あー……それは、一緒に寝るってことは命令とかそういうのじゃなくてこなたの意思を尊重したかったからだけど…」
「え? だってそういうルールでしょ?勝者が敗者に」
「『命令』できるって言ったからさ、私。わざわざそういうソフトな言い方するのってかがみらしいなと思って」
「あー……それは、一緒に寝るってことは命令とかそういうのじゃなくてこなたの意思を尊重したかったからだけど…」
そういえば、そうだ。
私は命令とかお願いとかより、どうにかして『こなたと一緒に寝る!』としか考えていなかった。
さっき言ったように、こなたの意見を尊重しつつ。結果としてその願いは叶ったわけだ。
でも、今のこなたの問いが私の心の黒いドアをノックした。結局こいつは自分の危機に疎いんだ。
疎いと言うか自分でピンチを作り出すと言うか。
今の私の辞書には『自重』という言葉はない。……流石に全部飛んだわけじゃなくて、2割程度は残ってるけど。
私は命令とかお願いとかより、どうにかして『こなたと一緒に寝る!』としか考えていなかった。
さっき言ったように、こなたの意見を尊重しつつ。結果としてその願いは叶ったわけだ。
でも、今のこなたの問いが私の心の黒いドアをノックした。結局こいつは自分の危機に疎いんだ。
疎いと言うか自分でピンチを作り出すと言うか。
今の私の辞書には『自重』という言葉はない。……流石に全部飛んだわけじゃなくて、2割程度は残ってるけど。
「じゃあ、まだ一つ私はあんたに『命令』できるわけか」
漫画だったらニヤリと擬音が顔の横に書かれるだろうと思ってしまうほど、私は意地悪く笑った事が自覚できた。
「ず、ずるいよ! もうかがみは私に」
「『お願い』をしただけ……よね?」
「『お願い』をしただけ……よね?」
こっちを向いたまま後ずさっていくこなたに同じスピードで近寄る。
壁に追い詰めるつもりだったけど、それよりも早く目の前に来る事が出来た。
布団の上に来たとたんに後ずさりしにくくなったのか、それとも他の理由か、急にこなたの動きが止まった。
壁に追い詰めるつもりだったけど、それよりも早く目の前に来る事が出来た。
布団の上に来たとたんに後ずさりしにくくなったのか、それとも他の理由か、急にこなたの動きが止まった。
「こなた。5分間じっとしてて。それが『命令』」
真剣に言ったつもりだけど声が弾んでいた。
こなたが命令に対して考え込む。でも私は断られる事は無いと思っていた。
こなたが命令に対して考え込む。でも私は断られる事は無いと思っていた。
「……それだけでいいの?」
「そう」
「そう」
予想通り。
こいつは自分のピンチに本当に疎いし、むしろ自分から窮地に入っていく。
しかもその後自分の身に降りかかることも大抵の事なら受け入れてしまう。
学校の手洗い場のことが良い例だ。嫌われなくて良かったと心底思っている。
大抵受け入れてくれると分かった今でも分からない事は『どこまでが許容範囲なのか』ということ。
それを確かめるための名目として命令をしたわけだ。
時計を一瞥して時間を確認し、こなたの頬に手を伸ばす。
ピクンと肩が反応したけどそれを我慢しているのだろう。
声も出さないようにしてるのか口を結んでいた。猫口をする余裕はないらしい。
そんな唇を撫で、首筋へと下げていく。
こいつは自分のピンチに本当に疎いし、むしろ自分から窮地に入っていく。
しかもその後自分の身に降りかかることも大抵の事なら受け入れてしまう。
学校の手洗い場のことが良い例だ。嫌われなくて良かったと心底思っている。
大抵受け入れてくれると分かった今でも分からない事は『どこまでが許容範囲なのか』ということ。
それを確かめるための名目として命令をしたわけだ。
時計を一瞥して時間を確認し、こなたの頬に手を伸ばす。
ピクンと肩が反応したけどそれを我慢しているのだろう。
声も出さないようにしてるのか口を結んでいた。猫口をする余裕はないらしい。
そんな唇を撫で、首筋へと下げていく。
「じっとしてないとダメよ」
「わ、分かってるよ……っ」
「わ、分かってるよ……っ」
声が聞きたくて命令の確認をする。案の定声が震えていた。
こんな口約束、たった一言嫌だと言えばすぐにダメになってしまうんだから拘束力なんてまったくない。
それでもちゃんと従ってくれているのが嬉しかった。嬉しいなんて表現が安っぽすぎる。幸せだった。
こんな口約束、たった一言嫌だと言えばすぐにダメになってしまうんだから拘束力なんてまったくない。
それでもちゃんと従ってくれているのが嬉しかった。嬉しいなんて表現が安っぽすぎる。幸せだった。
「こなた」
「……かがみ」
「……かがみ」
キスする前の合図。
恥ずかしがって視線を逸らしていたのに、こうすると絶対に私の方を見てくれる。
教え込んだわけでもないけど、そういうささやかな仕草が私を暴走させる。責任転嫁ではないと思いたい。
少し重ねるだけのつもりだった。5分間は短い。だけど自分で言った手前そこは守る気だった。
でも、余程理性は追い込まれていたのか、気が付くとこなたの肩に手を置いて押し倒していた。
ちょっと前に同じ事をして逃げられた事を思い出す。
違うところはあの時は布団なんて敷かれてなくて、つかさが居た事だ。
その時は抵抗と言うか慌てられて急いで離れたけど、今は何も言われない。
受け入れてくれているという事実が私を加速させる。
重ねるだけのキスを何度か繰り返して、緩んだ口へ舌を差し込む。
最初はされるがままだったこなたの舌も、たどたどしくはあるけどこっちの舌に自ら絡ませてくる。
微弱な力で腕を捕まれた。その手を外して手の平を重ねて握り締める。
布団に押し付けているから痛いかもしれない。それでもギュッと握り返してくれた。
もしかしたら痛さから握り締めている可能性だってあるけど、私には違う意味を感じた。
自惚れだって思われるだろうけど、私を望んでくれているんだと、それを伝えるために握り締め返してくれたんだと。
ダメだ、本当にダメだ。病気なんだ私は。
唇を離す。名残惜しい。まだ触れたい、欲しい。どうしようもなく、足りない。
恥ずかしがって視線を逸らしていたのに、こうすると絶対に私の方を見てくれる。
教え込んだわけでもないけど、そういうささやかな仕草が私を暴走させる。責任転嫁ではないと思いたい。
少し重ねるだけのつもりだった。5分間は短い。だけど自分で言った手前そこは守る気だった。
でも、余程理性は追い込まれていたのか、気が付くとこなたの肩に手を置いて押し倒していた。
ちょっと前に同じ事をして逃げられた事を思い出す。
違うところはあの時は布団なんて敷かれてなくて、つかさが居た事だ。
その時は抵抗と言うか慌てられて急いで離れたけど、今は何も言われない。
受け入れてくれているという事実が私を加速させる。
重ねるだけのキスを何度か繰り返して、緩んだ口へ舌を差し込む。
最初はされるがままだったこなたの舌も、たどたどしくはあるけどこっちの舌に自ら絡ませてくる。
微弱な力で腕を捕まれた。その手を外して手の平を重ねて握り締める。
布団に押し付けているから痛いかもしれない。それでもギュッと握り返してくれた。
もしかしたら痛さから握り締めている可能性だってあるけど、私には違う意味を感じた。
自惚れだって思われるだろうけど、私を望んでくれているんだと、それを伝えるために握り締め返してくれたんだと。
ダメだ、本当にダメだ。病気なんだ私は。
唇を離す。名残惜しい。まだ触れたい、欲しい。どうしようもなく、足りない。
「ねえ……」
握り締めあっている手とは逆の手でこなたの頭を撫でる。
甘く規則正しくない吐息が私の頬にあたる。
声は中々出せないらしく、首をかしげて私の質問に答えた。
甘く規則正しくない吐息が私の頬にあたる。
声は中々出せないらしく、首をかしげて私の質問に答えた。
「何か、一緒に寝るとき我慢できそうにないから……少し薬を貰っていい?」
返事は無かった。というより、聞かなかった。宣言するだけで満足してしまった。
こなたは私が公園で言ったことなんて忘れてるだろうけど。
薬が足りない。摂取してる分が追いつかない。依存してしまっている。
わざと音を立てて、こなたのいつもは髪で隠れている耳を舐める。
反射なのか耐えるためなのか、こなたは今だ行き場の無かった手で私に抱きついていた。
ダン!! と決して小さくは無い音が聞こえた。こなたが足を動かした際に床を蹴ったんだろう。
ゆたかちゃんにはばれてるし、もしかしたらこの音を聞いてすべてを理解してしまうかもしれない。
……だとしても、入ってくる事は無いだろうからまあいい。
問題はおじさんだ。本来なら最初に挨拶して言っておくべきことだろうけど、言えずにこんな事をしている。
ばれたらこなたの傍に居させて貰えないだろうけど、止まらない。
こなたもばれたくないから声を抑えている。その我慢している声が吐息と混じって耳に届く。
布越しに感じる体温、握り締めてくれる手の平、よじっている事が分かる足。
耳から首筋へ舌を滑らせる。普段からは想像できない色の付いた声を出して反応しているこなた。
そんなこなたを見てどうして止める事が出来るだろうか。
今の私を止められるのは、一つだけだ。
こなたは私が公園で言ったことなんて忘れてるだろうけど。
薬が足りない。摂取してる分が追いつかない。依存してしまっている。
わざと音を立てて、こなたのいつもは髪で隠れている耳を舐める。
反射なのか耐えるためなのか、こなたは今だ行き場の無かった手で私に抱きついていた。
ダン!! と決して小さくは無い音が聞こえた。こなたが足を動かした際に床を蹴ったんだろう。
ゆたかちゃんにはばれてるし、もしかしたらこの音を聞いてすべてを理解してしまうかもしれない。
……だとしても、入ってくる事は無いだろうからまあいい。
問題はおじさんだ。本来なら最初に挨拶して言っておくべきことだろうけど、言えずにこんな事をしている。
ばれたらこなたの傍に居させて貰えないだろうけど、止まらない。
こなたもばれたくないから声を抑えている。その我慢している声が吐息と混じって耳に届く。
布越しに感じる体温、握り締めてくれる手の平、よじっている事が分かる足。
耳から首筋へ舌を滑らせる。普段からは想像できない色の付いた声を出して反応しているこなた。
そんなこなたを見てどうして止める事が出来るだろうか。
今の私を止められるのは、一つだけだ。
「かが、みっ……ぁっ、く……」
名前を呼んでくれるのは幸せ。
「ゆーちゃんに、ばれるっ……ん!?」
でも、他の人の名前を呼ばれるのは不幸せだ。
「大丈夫」
確かにばれると困るけど、ゆたかちゃんの方は大丈夫。
すでにばれてるし。
すでにばれてるし。
「それと、それは言ったらダメ」
口を塞ぐ。余程の事が無い限り、私以外を考えないように深く。
そろそろ……だろうか。贅沢言うともっと続けていたけど、自分で言ってしまったからしょうがない。
10分って言えば良かったかもと思いながら手と唇を離した。
まだ何かされると思ったのかこなたがギュッと目を瞑る。それを見て続けたくなったけど。
そろそろ……だろうか。贅沢言うともっと続けていたけど、自分で言ってしまったからしょうがない。
10分って言えば良かったかもと思いながら手と唇を離した。
まだ何かされると思ったのかこなたがギュッと目を瞑る。それを見て続けたくなったけど。
「……5分経過したから、終わり」
こなたに言ったわけじゃなく、自分に言い聞かせた。
体を離し、今だぼんやりと私を見ているこなたを見る。
……実際今時計確認したら10分経ってました。ごめん。やっぱり30分って言えばよかったかも。
体を離し、今だぼんやりと私を見ているこなたを見る。
……実際今時計確認したら10分経ってました。ごめん。やっぱり30分って言えばよかったかも。
「物足りなかった?」
「なっ……!? ち、違うよ!!」
「なっ……!? ち、違うよ!!」
反応の仕方から言って図星だろうとは思うけど、自惚れすぎなんだろうか。
起き上がって突っかかろうとしたのだろうけども力が入らなかったのか再び布団に倒れそうになって慌てて抱き支えた。
起き上がって突っかかろうとしたのだろうけども力が入らなかったのか再び布団に倒れそうになって慌てて抱き支えた。
「ご、ごめん。ちょっとやりすぎたわ」
「うー……ちょっとどころじゃないよ……」
「うー……ちょっとどころじゃないよ……」
すねた子供みたいな声を出す。胸に湧き上がる感情は子供に対して思う感情とは大きくかけ離れているけど。
頭を撫でながら背中を軽く叩く。深く考えるよりもそうしてしまうのは癖もあるかもしれない。
頭を撫でながら背中を軽く叩く。深く考えるよりもそうしてしまうのは癖もあるかもしれない。
「これでも結構我慢したのに……危なかったんだから」
「いや、そんなこと言われても」
「いや、そんなこと言われても」
私はわがままなのだろう。必死で我慢する理由も「嫌われたくないから」だ。
でも暴走しそうになる理由は「好きだから」なんだから……本当にどうしようもない。
贅沢というか、夢みたいな事を言っちゃうと、こなたからそういう事を望んでくれたらいいんだけど。
それはほぼ100%ないと思う。変に受動的でリアリストだから、こいつ。
18禁ゲームとかやってても、それはゲームで現実世界ではありえない事だって分かってる。
だから私が最初に告白した時は断った。あくまでゲームとして楽しんでいる事と現実は違うと認識しているから。
「ゲームでこういう事やってたから、かがみ一緒にしよう?」なんて感じだったら……と妄想する。
なんかそれだと私が襲われそうな気がしたから妄想を中断した。
でも暴走しそうになる理由は「好きだから」なんだから……本当にどうしようもない。
贅沢というか、夢みたいな事を言っちゃうと、こなたからそういう事を望んでくれたらいいんだけど。
それはほぼ100%ないと思う。変に受動的でリアリストだから、こいつ。
18禁ゲームとかやってても、それはゲームで現実世界ではありえない事だって分かってる。
だから私が最初に告白した時は断った。あくまでゲームとして楽しんでいる事と現実は違うと認識しているから。
「ゲームでこういう事やってたから、かがみ一緒にしよう?」なんて感じだったら……と妄想する。
なんかそれだと私が襲われそうな気がしたから妄想を中断した。
「かがみより私の方が年上だよね?」
「え? あんたの誕生日って5月だから……そうね。2ヵ月こなたの方が年上ね」
「え? あんたの誕生日って5月だから……そうね。2ヵ月こなたの方が年上ね」
年なんてあまり気にしてないせいか、それを意識すると……本当に年上っぽくないな。
「つまりかがみは年下攻めか」
「訳がわからん。そもそもあんたは年上っぽくないし」
「訳がわからん。そもそもあんたは年上っぽくないし」
年上っぽいこなたってどんな感じだろう。
背が高くてしっかりしていて成績は常に上位をキープ?……ってそれはすでにこなたじゃないような。
今のこなたを確かめるように頬を引っ張る。うん、これがこなただ。
背が高くてしっかりしていて成績は常に上位をキープ?……ってそれはすでにこなたじゃないような。
今のこなたを確かめるように頬を引っ張る。うん、これがこなただ。
「んじゃ確かめてみようよ」
「どうやって?」
「はい」
「どうやって?」
「はい」
猫口笑顔で私に向かって両手を広げる。
意図が読めずに私は変な顔をした。
意図が読めずに私は変な顔をした。
「何してんの?」
「感覚的に、なんだけどね。かがみに抱きしめられると落ち着くというか……お姉さんなんだなって気がするんだよね。
年齢の関係じゃなくて、妹が居るっていうしっかりした感じっていうのかな。そういうのがある気がする」
「……えーっと、つまり何だ? こなたが私を抱きしめるから、そういう感覚がするかどうか確かめろってこと?」
「イエス。だから、どーぞ」
「感覚的に、なんだけどね。かがみに抱きしめられると落ち着くというか……お姉さんなんだなって気がするんだよね。
年齢の関係じゃなくて、妹が居るっていうしっかりした感じっていうのかな。そういうのがある気がする」
「……えーっと、つまり何だ? こなたが私を抱きしめるから、そういう感覚がするかどうか確かめろってこと?」
「イエス。だから、どーぞ」
再びゆっくり両手を開く。いや、あんたさっき私に押し倒されてたって分かってる?
下はまだ布団だし、そういうつもりが無いって分かってるから我慢してるけど……
それに、私が抱きしめられる方を? 恥ずかしい。誰かに抱きしめられるって一番新しい記憶でも数年前だ。
私の恥ずかしさがうつったのか、こなたも猫口笑顔はそのままに少し顔が赤くなっていった。
お互い恥ずかしさのピークになる前に行動したほうがいいと思い、左肩に額を置く。
座高の違いで私がかなり斜めになってるけど。
こなたが私の頭を撫で、軽く背中を叩く。私の真似をしているのだろう。
私は私で視界に入るこなたの鎖骨とか、パジャマのスキマから見えそうで見えない胸とかそういうのでいっぱいいっぱいだ。
自分のピンチに気づけこなた。
下はまだ布団だし、そういうつもりが無いって分かってるから我慢してるけど……
それに、私が抱きしめられる方を? 恥ずかしい。誰かに抱きしめられるって一番新しい記憶でも数年前だ。
私の恥ずかしさがうつったのか、こなたも猫口笑顔はそのままに少し顔が赤くなっていった。
お互い恥ずかしさのピークになる前に行動したほうがいいと思い、左肩に額を置く。
座高の違いで私がかなり斜めになってるけど。
こなたが私の頭を撫で、軽く背中を叩く。私の真似をしているのだろう。
私は私で視界に入るこなたの鎖骨とか、パジャマのスキマから見えそうで見えない胸とかそういうのでいっぱいいっぱいだ。
自分のピンチに気づけこなた。
「かがみ、落ち着く?」
「落ち着けない」
「酷っ!!」
「落ち着けない」
「酷っ!!」
思わず即答してしまった。
流石に欲情してて落ち着けませんとは答えらない。
流石に欲情してて落ち着けませんとは答えらない。
「い、いや! 言葉通りの意味じゃなくて! なんというか……嬉しいのは嬉しい」
嬉しいけど色々見えそうでちょっと……と小声で続ける。
それならいっそ我慢して目を瞑った。
そうするとこなたが頭を撫でて、背中を叩く感覚が心に染み入って……ああ、これは落ち着く。
目を瞑って視覚がなくなっても嗅覚はあるので、こなたの匂いを感じてそこは落ち着かないけど。
それならいっそ我慢して目を瞑った。
そうするとこなたが頭を撫でて、背中を叩く感覚が心に染み入って……ああ、これは落ち着く。
目を瞑って視覚がなくなっても嗅覚はあるので、こなたの匂いを感じてそこは落ち着かないけど。
「甘えてもいいっていう安心感があって、そこは落ち着く。そう思える人ってあんまりいないから」
「かがみはどちらかと言うと、甘えてもいいと思われる人だよね。私もよく勉強面で甘えてるけど」
「そこは自立しろ」
「うっ、やぶへび……」
「かがみはどちらかと言うと、甘えてもいいと思われる人だよね。私もよく勉強面で甘えてるけど」
「そこは自立しろ」
「うっ、やぶへび……」
分かってるんだろうか。私は十分こなたに甘えていると。
私のある程度の要求なら受け入れてくれる……という私の前提自体が甘えだ。
肉体的に支えられてると言うより、精神的に甘えている。それは多分、こなた以上に。
こなたがこういうことをする人は私だけだろうか。ゆたかちゃんとかもありそうだ。
光景を想像して嫉妬心が浮かんだ。やっぱり私って心が狭いんだろうか。
私のある程度の要求なら受け入れてくれる……という私の前提自体が甘えだ。
肉体的に支えられてると言うより、精神的に甘えている。それは多分、こなた以上に。
こなたがこういうことをする人は私だけだろうか。ゆたかちゃんとかもありそうだ。
光景を想像して嫉妬心が浮かんだ。やっぱり私って心が狭いんだろうか。
「たまにはこうやってかがみも私に甘えてよ」
「えっ!? いや……それは」
「恥ずかしいっていうのは無し。私だってかなり恥ずかしいよ!」
「えっ!? いや……それは」
「恥ずかしいっていうのは無し。私だってかなり恥ずかしいよ!」
恥ずかしいのを我慢して、こうしてくれる。
それは多分……こなたにとって私だけ、だろう。ならさっき浮かんだ嫉妬心は無用だ。
今はただかみ締めておこうとこなたの背中に手を回す。
それは多分……こなたにとって私だけ、だろう。ならさっき浮かんだ嫉妬心は無用だ。
今はただかみ締めておこうとこなたの背中に手を回す。
「……たまにならいいかもしれない」
にやけると言うよりは、自然と微笑んだ。こなたが私の背中や頭から手を離したから額を離す。
そこでようやく目を開けると、何時の間にか顔が近くにあって……唇の横にさっきまで重ねていた感覚が触れた。
上気して色づいた頬を見ると恥ずかしがっているという事はすぐに分かる。
それを我慢してこうしてくれたという事実が。
そこでようやく目を開けると、何時の間にか顔が近くにあって……唇の横にさっきまで重ねていた感覚が触れた。
上気して色づいた頬を見ると恥ずかしがっているという事はすぐに分かる。
それを我慢してこうしてくれたという事実が。
ぷっつんと自制の糸を引きちぎった。
「こっ」
「え?」
「え?」
嫌な予感を流石に感じたのか、こなたが離れた。
「こなたぁぁぁ!!」
「だぁあああ!!! 落ち着いてかがみ!!!」
「だぁあああ!!! 落ち着いてかがみ!!!」
そして逃げ出した。といってもこの部屋の中だから逃げ場所はそんなにない。
ベッドに向かって逃げたこなたを押し倒そうとしたら黄色いクッションが顔面に飛んできた。綿とはいえ痛い。
痛さで我に返って、慌てて謝った。頭を下げまくった。
ジャンピング土下座しろと言われたらするぐらいの気持ちで謝った。
その謝りようが怖かったのか何なのか、こなたはなぜか申し訳なさそうだった。
ベッドに向かって逃げたこなたを押し倒そうとしたら黄色いクッションが顔面に飛んできた。綿とはいえ痛い。
痛さで我に返って、慌てて謝った。頭を下げまくった。
ジャンピング土下座しろと言われたらするぐらいの気持ちで謝った。
その謝りようが怖かったのか何なのか、こなたはなぜか申し訳なさそうだった。
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- このシリーズすごい好きです♪
これからも、頑張って続編お願いします^^ -- 名無しさん (2007-09-04 05:38:22)