3制アルカの文字 hac e arka

 制アルカの文字は幻字(hacm)という。幻字は表音幻字と表意幻字に分かれる。表音幻字は語を書くのに使われ、表意幻字はそれ以外の様々な用途に使われる

〈表音幻字〉


表の上段は幻字で、その下が読みである。この並びは幻字順という並びに従っている

☆幻字
アルカの前身である古アルカの文字。古アルカで使徒や文字という意味を表す文字の字形が漢字の「幻」に似ている事から、制アルカの文字を幻字と呼ぶようになった


  • 子音

t k x s
tes ket xal sol
n v f m
nim vin fox mir
d g p b
dur gat par bel
h y c r
hac yun cuk rus
z j w l
zom jok wit lex

  • 子音の数は二十種である。w,yは半母音で、必ず母音が後続し、語末にはこない
  • 無声音は語頭で有気音になる。はっきり発音する場合は語末でも有気音になる
  • 有声音は語頭では無気音になる。また、母音の後にくるとその母音が半長になる
  • 子音は容易に同化する。たとえばanponは[ampon]と発音する
  • 子音の同化率は一般にくだけた会話ほど高くなる。度を越すと急いでいるか丁寧でない喋り方に聞こえる
※2003年10月13日の『アルカ』によれば、zomは古アルカのzamo(木)からとってzamだった。


  • 母音

a i o e u
aa ii oo ee uu

  • 有声子音の前にくる母音は、無声子音の前にくる母音よりも音が低く長い。ただし、aaより長くはならない

  • 語末が母音の場合、その母音をやや長めに発音する。katkaを比べると同じaでも後者のほうが長い。しかし半長なのでkaaよりは短い

〈表意幻字〉


 ここでは表意幻字の一部を挙げる。まずは文法的なものを述べ、次にイントネーションに関わるものを述べる

1 -(pafiapa)
 動詞媒介 動詞の不定形と時相詞の間に入り、両者の境界となる
2 /(o)
 強連言 強連言の意味。"o"と読む
3 " (kacapa)
 引用符 書名や語句の引用部につける。またその語が特殊な意味で使われていることを表わしたり、強調したりするときにも使う。音は無い
4 ' (xikapa/zontapa) ※2005/09/02最終更新版ではsikintと表記。省略点 省略された、あるいは発音されなかった部分。"n"と読む
 ・省略記号。1文字分の省略を表わす。[[an]]のnが省略されるとa'になる。
[[ank]]のnkが省略されればa''になる。2個繋がったときは"との区別に気をつけること。
また、'の後に#をつけると任意の個数の'を表わせる。
つまり[[soonoyun]]を省略するとs'''''''になるがこれは煩雑なのでs'#でよい
 ・桁記号 四桁ごとに入れ、数字の桁数を示す。1234'5678のように。音は無い
5 @`(kuapa)
 喋り括弧 挟まれた部分が台詞であることを示す。朗読の際のみ"ku"と読む
6 ^~(osapa)
 思う括弧 挟まれた部分が考えている内容であることを示す。朗読の際のみ"os"と読む
7 ,(tsunk)
 ツンク 文や語句の区切れを示す。音は無い
8 .(gakon)
 ガコン 文の終わりを示す。音は無い
9 [](pikikert)
 角括弧 言い換え可能を示す。また、音声を表わす。また、見出しとして見やすくするためにも使う。辞書の[ ova ]という表記のように。音は無いが、言い換えの場合、朗読ではpikikertと読む
10 ()(pikakert
 丸括弧 補足事項を添える。補足は重要ではないため、しばしば省略可能である。そこから丸括弧内は省略可能であるということも表わす。したがって、丸括弧は補足事項と省略可能を表わす。音は無いが朗読では読む
11 #(vaint)
 四点リーダー 沈黙や余韻を表わす。音は無い
12 &(antapa)
 線記号 一瞬の沈黙や瞬間的な驚きによる余韻を表わす。また図解するときの単なる見やすい線としても使われる
13 :(alan)
 二境界点 左の語句や文などを右でより詳しく或いはより簡潔にまとめるための記号。音は無い。たとえばmiik:vank kei toten lei e miirのように。また、辞書などの記述では単純に記述を見やすくするための区切りとしても使われる
14 \(desp)
 境界点 境界を表わす。合成語の形態素を明確にするために使われる。また、頭字語を表わす。更に後述する音節構造など、省略された語同士を組み合わせるときの区切りにも使う
15*(caapa)
 強調記号 3つの使い方がある
1:箇条書きの見出しとして
 * fol-ah arka lex axon
 上のように箇条書きの見出しとして使う。*の後にはスペースを入れる
2:強調の形容詞caの代用
 varfant *piikan
 上の場合、1と違ってスペースは入れない
3:長音記号として使う。音節の後に来て、その音節の母音を伸ばす。強調される部分は音が長くなることからこの用法ができた
 isk*の場合はiの音が伸びる。var*fantの場合は最初のaが伸びる
 尚、1~3のうち音があるのは2だけで、caと読む。他は無音である

  • 文末イントネーション

 イントネーションは文末につけ、モダリティを表す
1 !(tempera) テンペラ
 急下降調のイントネーションを表す。驚きや怒りなど、強い感情を表わす
2 ?(kuunosteira) クーノステイラ
 上昇調のイントネーションを表す。主に疑問を表わす
3 {(mileej) ミレージュ
 急上昇調のイントネーションを表す。意外感や強い驚きを表す
4 }(sika) シカ
 平調のイントネーションを表す。文が継続していることや詠嘆を表す
5 _(kim) キム
 昇降調のイントネーションを表す。相手に対する疑心や侮辱心などを表す
6 $(kili) キリ
 中止調のイントネーションを表す。歯切れの良さや瞬間的な驚きなどを表す

※「アルカ」(2003/10/13)によるとに急上昇・上昇・平・下降・急下降・昇降・中止という7 種のイントネーションは、2003/10/09(メル14年ファーヴァの月リュウの日)に出来たという。ここには下降はないが、gakonで表すものと思われる。

  • 文中イントネーション

 全て上と同じであるが、唯一文字の字形が小さい。文字が小さいことで文中であることを示す。当然この後にまだ文が後続する

〈アクセント〉


 高低アクセントである。常に第一音節にアクセントを置く
 合成語の場合、形態素の区切りで第二アクセントが自然に発生する場合もあるが、普段の会話では特に意識されない
 動詞の場合は、時相詞にアクセントを置き、不定形の部分にアクセントは置かない。したがって動詞のときだけ最終音節にアクセントがあるように聞こえる

〈音節構造〉


 子音や母音の連続が可能で、バリエーションは少なくない
 典型的な音節構造は以下のとおりである。nがnerfo、eがenerfoを表わす

e
e\e
n\e
n\e\n
n\e\e
n\e\e\n
n\e\n\n
n\n\e\n
n\n\e\n\n
n\n\e\e\n\n

 下の二つは頻度が極めて少ない。n\n\e\n\nの例を挙げるとprestがあるが、このような例を探すのは大変である
 単純語において、三重母音以上は稀であり、三重子音以上はない

〈使徒幻字〉


 アシェットランティスの名を表わす古アルカの幻字。慣用的に使徒幻字といっているが、ルシーラも入るのでランティス幻字といったほうが本来は適切
 制アルカではメル暦の日付を表わしたり、組数字を表わしたりするほか、シェルトカルシェなどのゲームでも使われる
 使徒幻字、正式名称、省略名の順に以下の表にまとめる

А Б В Г Д Е Ё
ridia ovi kliiz gil fulmiia ryuu mel
dia vii lis gil ful dyu mel
Ж З И Й К Л М
raldura zana paal milf faava ruuj seren
ral zan pal mik fav ruj ser
Н О П Р С Т У
rava umtona liine relezona jiil rina eketone
rav tan lii rez jil din ket
Ф Х Ц Ч Ш Щ Ъ
enna ax neene pinena mat kunon kmiir
len lax nee pin mat kun mir

後期制アルカと比べると若干綴りが変化している。vii→vio lii→lin rina→lina nee→nen

最終更新:2008年05月01日 19:39