「つまり、KYMさんはこのゲームから出ようとしてるんだね?」
「その通り! 命をこんなゲームで弄ぶ主催者になど、付き合うつもりは更々ない!
ましてや憎っくきロリータ共の暴挙を、黙って見逃すわけにはいかん!」
「えーっと……そのロリータって、どういう意味?」
「うむ! 知らぬに越したことはないのだが、そこまで言うのなら教えてやろう。
ロリータとは元々ある小説が由来となって生まれた言葉で、ちょうど君くらいの年齢の女子を指す呼称だ。
縮めてロリと言うことが多い。俺自身もそうしている。
ああ、しかし口にするのもおぞましいッ!
いいか少年! 君もロリに惑わされてはならんぞ!
奴らを四字熟語で表すのなら、まさに極悪非道の一言に尽きる!
自分達の繁栄のためならば、何人であろうとも利用しかどわかし虐殺する悪魔の軍団だ!
俺の愛するボインちゃん達も、奴らの魔の手によって無惨にも蹂躙されていった!
くぅ~~~~~ッ! おのれロリ、許すまじ! この俺の耳のロリレーダーは、貴様らの存在を許さない!
これ以上貴様らに地上の空気を吸わせはせん! 血肉の一片も残さず絶滅させてくれようぞォォォォォ!!」
(ここにはそんなに悪い女の子達が大勢いるんだなぁ……)
なんてことを騒ぎながら、巨大なカブトムシと少年の奇妙な2人組は、諏訪湖のほとりへと辿り着いていた。
殺し合いの喧騒など知ったことではないとでも言わんばかりに、湖面は波紋一つない静けさを見せている。
今のところ、周囲には誰もいない。
それはつまり現状の主導権を握っているKYMが、当てもなくさまよっていたことに他ならない。
今の彼が目標を見据えて移動していれば、ここにはロリが最低1人はいて然るべき。
現状彼のロリレーダーは、何の反応も示していないということだ。
ふと、KYこと
教会の悪魔の視線が、頭上の空へと向けられる。
いつの間にか夜が明け、太陽が輝き始めていた。
つい数時間前まで暗かった空にも、徐々に青さが混じり始めている。
と、その時だ。
視界の片隅に、何かが映った。
そちらの方を見てみると、何かが飛び立っているのが見て取れる。
そして教会の悪魔は、その名称を口にする。
「あ……あっちにも大きな虫だ」
「大きな虫だと!?」
KYMのやかましい声が鼓膜を打つ。
何か心当たりでもあったのだろうか。妙に過剰反応したカブトムシが、視線をその飛行物体へと向けた。
そこに飛んでいるのは大きなカナブン。
徐々にその高度を上げながら、こちら側へと飛んできている。
「むぅ、あれはやはり
破天荒王子!」
「あれも悪い人なの?」
「さっきのイデに飛ばされる直前の戦闘の時、この俺の邪魔をした不届き者だ!
恐らく奴もロリに毒されてしまったのだろう……可哀想に、ああなってはもう助かる術はない。
そして何と嘆かわしい!
ロリコン揃いのkskロワ書き手とはいえ、貴重なスバルスキーであったはずのあの男が、奴らに篭絡されてしまおうとは!
せめて同ロワの人間として、苦しまぬように一撃で葬って――」
「あ、背中に誰か乗ってる」
「何ぃ!? ……あ、あれはまさしくスバル・ナカジマ!」
今度こそKYMは驚愕した。
上空を飛翔する破天荒王子の背中に乗っていたのは、今まさに口にしたばかりのスバルだったのである。
自分はまだみくるやフェイトの姿をした書き手に会えていないのに、あいつだけ嫁と2人きりでおいしい思いをしやがって。
などと一瞬考えたが、ロリに洗脳されてしまったであろう破天荒王子には、既に何でもないことなのだろう。
むしろ、問題は別にある。
なのはStSに登場するスバルは、間違いなく彼の愛でるボインの部類に入る人間だ。
確かにサイズはなのはやフェイトには劣るが、決して小さな胸ではない。
何故かFFのセフィロスの服を着ていた彼女の、その露出された谷間を見れば分かるだろう。
(どうする!? どうすればいい!?
俺の電撃攻撃では、間違いなくあのボインちゃんを巻き込んでしまう!
即死クラスの攻撃を当てるのは簡単だ。だが、その破壊力は我が愛するボインをも蝕んでしまう!
おのれ人質作戦とは考えたな破天荒王子め! 確かにあれでは迂闊に手は出せない!
ええい一体どうすればいいんだ!? これだからロリは嫌いなんだ!)
故に、KYMは悩んでいた。
この場を切り抜けるにはどうすればいいか。どうすれば彼らを分断できるか。
こうなったら仕方がない。
奴らの真下には湖がある。こいつを利用させてもらうしかない。
「止むをえん……ちょっとだけ痛むぞ、許せスバルの姿をした書き手!」
断腸の思いを込めた叫びと共に、遂にKYMは放電した。
狙いは1つ。
適度に手加減した電流をぶつけることで、破天荒王子の身体を痺れさせ、そのまま湖に叩き落とす。
突然水中に落とされれば、2人ともパニックを起こして勝手に分かれるに違いない。
何より奴の姿は昆虫。運がよければ泳げないかもしれない。
それなら少ない労力で、上手く破天荒王子だけを溺死させることができる。
スバルの姿をした書き手も多少は感電するだろうが、これ以外に方法は思いつかない。
果たしてKYMの電撃は、彼の思惑通りに命中した。
★ ★ ★ ★ ★
ちょうど教会の悪魔が、彼らを発見した数分前まで時間をさかのぼろう。
破天荒王子と、それに同行するスバル姿の書き手――
ルル×スバラバーズは、互いの仲間を探していた。
「くそっ……いい加減時間が足りなくなってきたな」
とはいえ、間もなく放送の時間だ。
先ほどまではスバルがどうだのこうだのと和んでいたが、正直そんなことをしている場合ではない。
仲間達の心配よりも、むしろ自分達の心配をしなければならないのだ。
あと一時間弱もすれば、このフィールドは木っ端微塵に砕けてしまうだろう。
さっさと仲間達を見つけて、埼玉の旅の扉へと向かわなければならなかった。
「……王子さん、一度上昇して! ちょっと危険だけど空から探そう!」
その時、ルル×スバが提案したのがそれだ。
「おいおい、それじゃ最悪的になるぞ!」
「時間が足りない! 今からもふもふさんやレンさん達を見つけるには、見晴らしのいい所から探すしかない!
それにあたしはスバルだから、視力には自信がある……仲間も敵からの攻撃もきちんと見分ける!」
この言葉に破天荒王子は折れ、急遽高度を上げることになった。
確かに、敵に発見されるメリットを考えると、この作戦は危険だ。
それでも背に腹は変えられない。残された時間で仲間を見つけるには、こうしてでも視野を広げるしかない。
そして上空へと躍り出て、ちょうど諏訪湖の上に差し掛かった時、最高高度へと上り詰めたのだが。
「「ギャーーーーーーーーーーーーーッ!!」」
KYMの襲撃を受けたのが、ちょうどこの辺りだった。
「ななな何!? 今ビリッてきたけど、一体何が起こったの!?」
「む、無念……さっそく狙い撃ちかよ……」
「お、王子さん大丈夫!?」
「駄目だ……身体が痺れて、飛べん……」
「わわわわわ落ちる落ちる落ちる~っ!」
「ああもう、帰ってからの話なんてするから……これマジに死亡フラグかも……」
「わーっ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさーいっ!」
ばしゃーん。
【現在地:新フィールドへ】
【1日目・早朝】
【破天荒王子@
kskロワ】
【状態】全身にダメージ(軽微)、電撃による痺れ(数分間身動きが取れません)、ロリィタに少し
恐怖心
【装備】無し
【持物】基本支給品、不明支給品0~2
【思考】
0、ロリィタさん、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
1、身体が痺れて、動けん……
2、助けられる人間を助けながらロワ脱出を目指す。べ、べつに他の奴らのためじゃ(ry
3、ルル×スバとともに
うっかりゲリラ突撃犯をはじめとした仲間を探す。べ、べつにこいつらの(ry
4、KYMは……どうすっかなあ
【備考】
※外見はロリ二人なら背に乗れそうなくらい大きなカナブンです
※kskロワのカナブンのように治癒能力を持っているかは不明
【ルル×スバラバーズ◆9L.gxDzakI@
なのはロワ】
【服装】セフィロスの服(黒いロングコートに黒いズボン。胸元が大きく開いている)
【状態】疲労(中) 、狼狽
【装備】ウィルナイフ@勇者王ガオガイガー
【持ち物】デイパック、基本支給品、ランダム支給品0~2
【思考】
基本:とにかく熱血対主催!
1.うわーぎゃー落ーちーるーっ!!
2.破天荒王子と共にもふもふ氏や王子の仲間を探す
3.いるとしたら、同じなのはロワの書き手を捜す
4.はう……疲れた……
【備考】
※外見はスバル@なのはStSの身体、ディエチ@なのはStSの後ろ髪とリボン、セフィロス@FFⅦの服装です。
※正確な運動能力は不明ですが、少なくともスタミナはルルーシュ@コードギアス並です。
★ ★ ★ ★ ★
あれからたっぷり10分は待った。
破天荒王子とルル×スバが落ちてから、KYMはしばらくそこで待っていた。
だが、おかしい。
いつまで経っても浮かんでこない。それどころか気泡すら浮かんでこない。
「……あるぇー……?」
嫌な予感が脳裏をよぎった。
手加減はしたつもりだった。できればそんなことは思いたくもない。
だが、ひょっとするとひょっとするかもしれない。
もしかしたら、電流が思ったよりも強すぎたのかもしれない。
そしてそのまま湖に落ちて――ルル×スバもろとも、溺死させちゃった?
「うわあああああああああ! 大丈夫かスバル書き手ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
大いに慌てたKYMは、絶叫と共に湖へと飛び込む。
もはや自分がカブトムシで、ひょっとすると泳げないかもしれないことは知ったことではない。
愛するボインをこの手で殺してしまったなんて、そんなことがあってたまるか。
ばしゃんと音を立てながら、勢いよく湖面へと巨体を沈める。
だが、彼には1つ見落としていることがあった。
ここはただの湖ではなく、巨大な旅の扉なのである。
ならばそこに落ちた破天荒王子達が、そこから浮かび上がってくるはずなどなかったのだ。
そしてそれは、KYMにとっても同様なわけで。
【現在地:新フィールドへ】
【
K(華麗に)Y(予約する)M(MADの人)】
【状態】ダメージ小、狼狽、L(ロリ)5症候群レベル4
【装備】我、埋葬にあたわず@
ギャルゲロワ2
【持物】基本支給品、不明支給品1~6
【思考】
1、スバル書き手(=ルル×スバラバーズ)を救助する
2、ロリに生きる道はないと知れ!
3、ロリを殺しつつ、ゲームから脱出する
4、KY(=教会の悪魔)をロリの魔の手から守る
5、
カオス・クライを探す
6、kskロワのみんなと戦いたくはないが、いざとなったら……
【備考】
※外見は角の代わりにネコミミをつけたネオ・ゼクトールです
※ネコミミにロリレーダー以外の用途があるかは次の書き手さんにお任せ
※ L(ロリ)5症候群を発症しました、全てのロリが敵だと思いこみます
レベルが上がるとどうなるかは不明
雛見沢症候群との関連性も不明です
現在のレベルだと何かあったらすぐにロリの仕業だと思いこみます
※所持していた【小規模イデ@オールロワ】は消滅しました
※破天荒王子はロリに洗脳されていると思っています
※破天荒王子とルル×スバラバーズは、湖で溺れていると思っています
「……あるぇー?」
はてさてそこには、1人の少年だけが取り残された。
【現在地:長野県 諏訪湖のほとり】
【1日目 早朝】
【教会の悪魔@オールロワ】
【状態】擬人化(幼児化した高嶺響)、健康
【装備】東風のステッキ@アニロワ2nd、萌えもんパッチ@
ニコロワ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
1:おかしいな? 誰も湖から上がってこなくなっちゃった……
2:これはゲームか。
3:旅の扉ってなに?
4:Princeを探す
5:よく分からないけど、ここには悪いロリがたくさんいるらしい
【備考】
※元の外見はオールロワMAP「古びた教会」、口調はチェスワフ・メイエル+にゃははです。
※能力『教会の悪魔』で教会内に入った参加者一名に取り憑けます。
※パロロワに関する知識を全て失いました。もはや変な能力が使えるだけの喋る教会です。
※自分の名前を「KY」、ここはゲームの会場だと思っています。
※擬人化した事で旅の扉や能力にどんな変化があるかは不明です。
※諏訪湖が旅の扉であることに気づいていません。
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最終更新:2009年07月19日 14:23