《サマルータ》

薄っぺらな大地がメビウスの輪状にねじれて浮かんでいる世界。
輪の中心に太陽があり、大地は少しずつねじれながら回転し約二十四時間で一周する。大地が太陽の側を向いている間が昼で、大地が太陽と逆側を向いている間が夜になる。夜の間に大地から垂直に飛び上がれば、メビウスの輪から離脱して空気はどんどん薄く冷たくなっていき、最後は世界の見えない障壁を前に自然減速することになる。
大地の帯、その端に相当する土地は日光を浴びる時間が短く、寒冷地となる。ただし大地は回転方向以外にも少しずつずれており、数百年規模で気候が変化して温暖な土地へ人が流れていく。
随分と昔に一日と一年の長さを四千世界の統一規格に合わせるために複数のAクラスのカイストが関わったという。
月が二つあり、うち一つは楕円形をしている。
文明管理委員会の力が及ばないフリーゾーン。
『鋼』のディンゴの故郷であり、そのため「ディンゴ亭」と名の付く飲食店や酒場がサマルータの各地に存在する。
『骸骨騎士』、『原点』、『その席 その一言』、『重い枷』の舞台。
『急所を一突き』にも登場。



テロッサ

テロッサ王が治める国。
『骸骨騎士』に登場。

ラ・テロッサ

人口五万の小都市。テロッサの首都。
ディンゴと、ディンゴが率いる山賊部隊によって攻め落とされた。
『骸骨騎士』に登場。

ワズトー

テロッサ領にある人口千二百人に満たない小さな村。
キルマの依頼人であるルナンの生まれ育った場所であり、三方を山に囲まれた盆地にある。
街道に繋がる東西の入り口以外は一メートル半程度の木の柵で囲まれている。
川沿いに並ぶ畑と、飾り気のない木造家屋があり、ここで休息していく旅人や傭兵達の落とす金で村はなんとかやり繰りしている。
柑橘系の大きな実を結ぶコルンの木が険しい斜面から幹をねじ曲げて立っている。
『骸骨騎士』に登場。

マズル

人口三万のテロッサ第二の都市。国境付近にある。
ゼトキアの軍に最初に襲われ、滅ぼされた。
『骸骨騎士』に登場。

タラート

テロッサ領にある人口二千五百人の村。
マズルが襲われた二日後にゼトキアの軍に襲われ、滅ぼされた。
『骸骨騎士』に登場。

グンザ

テロッサ領にある人口七千人の村。
ゼトキアの軍に滅ぼされた。
『骸骨騎士』に登場。

バザム神聖帝国

『骸骨騎士』で第百七十四代皇帝アンザムメリクが治めていた、三千八百年の歴史を誇る大国。
サマルータの面積の七割を占め、一億の民が住んでいる。
『骸骨騎士』に登場。

バザムス

人口七百万の超巨大都市。
バザム神聖帝国の首都。
『骸骨騎士』に登場。

トラケン

商業都市国家。
テロッサの隣国であり、帝国の属国。
莫大な貢ぎ物によって帝国の脅威を免れている。
カイストを求めて旅をしていたルナンと『スケルトン・ナイト』キルマが出会った場所。
『骸骨騎士』に登場。

エニフェ

『骸骨騎士』から百三十八万年前、ヘズゲイルがルナンを買い取った村。
ヘズゲイルの触手によって滅ぼされた。
『骸骨騎士』に登場。



アンテ

人口五百に満たない小さな村。
ハルーランの故郷。
気候の厳しい土地ではないが肥沃でもなく、交通の要衝でもないため滅多に旅人も来ない。
また、外敵がいないため村を囲む柵も塀もない。
この地域でしか育たないモセイアという丈一メートルほどの低木が唯一の特産品。小さく白い花は香水の原料になる。
『原点』に登場。

シィトス

港町がある。
『原点』に名前のみ登場。

バスキト

城塞都市。人口は十万を超える。
カイストを探すハルーランが十七日かけて辿り着いた。
別の世界に繋がるゲートが近くにあるためサマルータに来たカイストはここに立ち寄ることが多い。
ディンゴ亭とガルーサ・ネットの出張所がある。
『原点』に登場。

クス

世界の縁にある町。
太陽の光が最も届きにくく寒さが厳しい。
『原点』に登場。

テク・サク

貿易都市。
ディンゴ亭がある。
『原点』に登場。



シウルスタ王国

『急所を一突き』で裏鋭が訪れた時点のサマルータの大地の約二割を支配している王国。
王都の人口は百七十万。
煉瓦造りの多い整った街並みは繁栄を感じさせる。
石油や石炭の少ないサマルータでは機械までは作られるものの列車や自動車が普及しにくく、そのため道を行き交うのも殆どが馬車だが、たまにカイストの魔術士が作った魔動車が走っている。
築四百六十年になる王城の近くには四階建ての大きな王立図書館がある。
『急所を一突き』に登場。



シラマ共和国、アディペト

そこそこ大きな国とその都市。
ディンゴ亭がある。
『その席 その一言』に登場。

ガリスハムナ

城塞都市国家。
ガルーサ・ネットのサマルータ支店がある。
『その席 その一言』に登場。



タシキスト

カリラマの前にベルデクス・コールによって住民が虐殺された町。
『重い枷』に登場。

カリラマ

ベルデクス・コールによって住民が虐殺された村。
『重い枷』に登場。

マズラン

『重い枷』時点のサマルータでは十指に入る規模を誇っていた人口百十万の都市国家。
ガルーサ・ネットの出張所がある。
『重い枷』に登場。

トゥラム王国

一晩で壊滅させられた都市バハモーラが属していた王国。
『重い枷』に登場。

バハモーラ

トゥラム王国に属していた都市。
肥沃な土地にあり、中心部は城壁に囲まれていたが外部には広大な耕作地が広がっている。
カイストの手により一晩で壊滅した。
『重い枷』に登場。

大ガハルサ帝国

かつて存在した巨大国家。
『重い枷』の時点から6万年前、戦争でAクラスの魔術士によって滅ぼされた際に毒素が充満し、後に浄化されたが敢えて住み着く者もなく廃墟となってしまった。
『重い枷』に登場。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年01月04日 10:16