
オスケモ
概要
オスケモとは、主に男性・オスとして描かれるケモノ、獣人、動物系キャラクターを指す日本のファン文化上の呼称である。
「オス」+「ケモノ」を組み合わせた言葉で、犬、狼、狐、猫、虎、ライオン、熊、兎、竜など、さまざまな動物・幻獣をモチーフとするキャラクターが存在する。
体格についても、
- 筋肉質
- 大柄
- ぽっちゃり
- 細身
- 少年型
- 青年型
- 中年型
- マスコット型
など非常に幅広い。
重要なのは「オスケモ=筋肉質な獣人」だけではないことである。
男性・オスとして設定されたケモノキャラクターであれば、かわいいデザイン、少年風、丸みのあるデザインなどもオスケモとして扱われる場合がある。
海外のfurry文化とも強く重なる一方、日本では「オスケモ」という独自の呼び方が使われている。
オスケモとは
オスケモは、男性またはオスとして描かれたケモノキャラクターを表す言葉である。
ただし「ケモノ」自体に厳密かつ世界共通の定義が存在するわけではなく、どの程度動物的な特徴を持っていればケモノと呼ぶかは、作品やコミュニティによって異なる。
一般的には、
- 動物そのものに近いキャラクター
- 二足歩行する動物
- 人間のように会話する動物
- 服を着た動物
- 獣の頭部と全身の体毛を持つ獣人
- ドラゴンなど架空動物を人型化したキャラクター
などが広い意味でケモノ/Furry文化と関連付けられている。
一方、人間の身体に動物の耳や尻尾のみを付けた「ケモミミ」は、ケモノとは別の表現として区別される場合がある。
オスケモの特徴
オスケモには決まった体型や服装は存在しない。
顔
ケモノとして強く認識されるデザインでは、
- マズル(鼻面)
- 動物の鼻
- 牙
- 動物型の耳
- 全身の体毛
- 肉球
- 爪
などが使われる。
狼、犬、狐、猫などでは特にマズルがキャラクターの印象を大きく左右する。
体格
オスケモは体格の幅が非常に広い。
筋肉質なキャラクターだけでなく、
- 細身
- 標準体型
- 小柄
- 大柄
- ぽっちゃり
- 丸みの強いマスコット型
なども存在する。
同じ動物を題材にしていても、体格によってキャラクターの印象は大きく変化する。
服装
服装も作品によって異なる。
現代服、制服、鎧、民族衣装、ファンタジー衣装、SFスーツなど、人間キャラクターと同様に幅広い衣装表現が行われる。
また動物そのものに近い作品では、服をほとんど着用しないキャラクターも存在する。
オスケモの歴史
「オスケモ」という言葉自体は現代のファン文化から生まれた呼称である。
しかし、男性として描かれる動物・獣人キャラクターにつながる表現そのものは非常に古い。
神話・昔話と動物
人間のように考え、会話し、行動する動物は世界各地の神話、昔話、寓話に登場してきた。
日本でも狐、狸、兎など、人間的な行動を行う動物は古くから物語に登場する。
したがって「人間的な人格を持つ動物」という発想そのものは、現代のケモノ文化よりはるか以前から存在していた。
鳥獣人物戯画
日本の動物擬人表現を語る際に代表的な歴史資料として挙げられるのが「鳥獣人物戯画」である。
兎、蛙、猿などが人間のような動作を行う姿が描かれている。
もちろん当時に「オスケモ」というジャンルが存在したわけではない。
しかし、人間の行動を動物へ置き換えて描く表現が日本で長い歴史を持っていることを示す例の一つである。
近代の漫画・アニメーション
近代になると、印刷物、漫画、アニメーション、映画によって擬人化された動物キャラクターが大量に作られるようになった。
特にアニメーションでは、人間のように歩き、服を着て、会話する動物キャラクターが定番の表現となっていった。
ディズニーと動物キャラクター
海外アニメーションにおいて、ディズニー作品は動物キャラクター表現の巨大な系譜を持つ。
1973年公開のディズニー映画『ロビン・フッド』では、ロビン・フッドが狐、リトル・ジョンが熊として描かれるなど、多数の動物キャラクターによって物語が構成されている。
現在の「Furry」「オスケモ」という言葉が一般化する以前から、人間の人格・服装・社会的役割を持つ男性動物キャラクターは映像作品に存在していた。
Furryとの関係
furryは英語圏を中心として発達した、動物的特徴を持つキャラクターと、それらを愛好・創作する文化に関係する言葉である。
オスケモは日本のケモノ文化で使われる呼称であり、英語圏では男性のFurryキャラクターも広い意味で「furry character」などとして扱われる。
そのため、
日本
→ ケモノ
→ オスケモ
→ ケモノ
→ オスケモ
英語圏
→ Furry
→ male furry character
→ Furry
→ male furry character
というように、似た対象を異なる文化圏の言葉で表している場合がある。
ただし「ケモノ」と「Furry」は完全に同一の文化ではなく、歴史、絵柄、コミュニティ、用語などに違いも存在する。
詳しくはFurryとケモノの違いを参照。
Fursonaとの関係
Furry文化では、自分自身を表現するオリジナルの動物キャラクターを「Fursona」と呼ぶことがある。
男性のFursonaとして作られたキャラクターは、日本の感覚ではオスケモに近い外見になることもある。
一方、日本のオスケモ文化では必ずしも自己投影を前提とせず、単純に創作キャラクターとして制作・愛好する場合も多い。
着ぐるみとの関係
着ぐるみはケモノ/Furry文化を現実空間へ持ち出す代表的な表現方法の一つである。
Furry文化では動物キャラクターの着ぐるみを「Fursuit」と呼ぶ。
頭部、手、足、尻尾などを制作し、全身をキャラクターとして表現する。
男性として設定されたキャラクターのFursuitも多数存在し、オスケモをイラストや3Dモデルだけではなく、現実空間で表現する方法となっている。
着ぐるみ文化では、
- イベント参加
- 写真撮影
- 動画撮影
- キャラクター同士の交流
- パフォーマンス
などが行われる。
けもケットとの関係
けもケットは、動物・獣人・ドラゴン・マスコットなどを扱う日本のケモノオンリーイベントである。
同人誌、イラスト、グッズなどさまざまなケモノ作品が集まり、オスケモを題材とした作品もケモノ創作の一部として扱われている。
けもケットでは着ぐるみ参加も行われており、
イラスト
↓
漫画・同人誌
↓
グッズ
↓
着ぐるみ
↓
漫画・同人誌
↓
グッズ
↓
着ぐるみ
といった複数の表現方法が同じケモノ文化の中で交差する場所となっている。
インターネットとオスケモ
インターネットの普及はケモノ文化にも大きな影響を与えた。
個人サイト、掲示板、イラスト投稿サイト、SNSなどによって、それまで地域的に分散していた動物キャラクターの愛好者が作品を共有しやすくなった。
さらに海外のFurry文化と日本のケモノ文化もインターネット上で接触するようになった。
現在ではイラストだけでなく、
- 漫画
- 動画
- 3DCG
- ゲーム
- 着ぐるみ
- VR
へと表現の場が広がっている。
VRChatとオスケモ
VRChatは、オスケモ文化と非常に相性のよいVR/SNSプラットフォームの一つである。
VRChatではユーザーがVRChatのアバターを利用して、自分の外見をさまざまなキャラクターへ変更できる。
そのため現実では不可能な、
- 狼獣人
- 狐獣人
- 犬獣人
- 猫獣人
- ドラゴン
- 大型獣人
- 小型ケモノ
- ぽっちゃりしたケモノ
などの姿で他のユーザーと交流できる。
これは従来のイラスト文化とは大きく異なる。
絵を見るだけではなく、
「自分自身がケモノの姿になって動く」
という体験が可能になったためである。
VRChatアバターとしてのオスケモ
VRChatのアバターとして制作されたオスケモ系モデルも存在する。
VRChatでは、
- 表情
- 耳
- 尻尾
- 口
- 手
- 肉球
- 衣装
- 体格
などを3Dモデルとして表現できる。
フルトラッキング環境では頭、手だけでなく腰や脚の動きまでアバターへ反映できるため、ケモノキャラクターとして身体表現を行うこともできる。
またBoothではVRChat向け3Dアバターや衣装などが販売されており、ケモノ系アバターもその一ジャンルとなっている。
VRChatによって、
2Dイラスト
↓
3Dモデル
↓
自分で操作するキャラクター
↓
3Dモデル
↓
自分で操作するキャラクター
という新しいケモノ表現が身近になった。
フィクション作品とオスケモ
男性・オスとして描かれる動物キャラクターは、漫画、アニメ、ゲーム、映画など非常に多くの作品に登場する。
ただし、以下の作品すべてが公式に「オスケモ」というジャンルを名乗っているわけではない。
ここでは日本のケモノ/Furryファンから関連付けて語られることのある作品や、男性動物キャラクター表現の例として扱う。
ロビン・フッド
ディズニーのアニメーション映画『ロビン・フッド』は1973年公開。
主人公ロビン・フッドが狐として描かれている。
人間のように二足歩行し、服を着て、会話し、社会生活を行う動物キャラクターによって物語が構成されており、現代のFurry文化から見ても理解しやすい古典的な動物キャラクター作品の一つである。
ズートピア
ズートピアは2016年公開のディズニー・アニメーション映画。
人間が存在せず、進化した動物たちが服を着て二足歩行し、巨大都市で生活する世界が描かれる。
狐のニック・ワイルドをはじめ、多数の男性動物キャラクターが登場する。
動物の種類による体格、生態、生活環境の違いまで都市設計へ反映されている点も特徴。
現代のFurry/ケモノファンとの親和性が非常に高い作品として知られる。
ポケットモンスター
ポケットモンスターには多数の動物・幻獣的キャラクターが登場する。
ポケモンの多くにはオス・メスの性別が設定されており、種族によって性別比も異なる。
ただしポケモンは基本的に「ポケモン」という独自の生物分類であり、公式ジャンルとしてオスケモと呼ばれているわけではない。
一方、二足歩行型や獣人的な体型を持つポケモンは、ケモノ系ファンアートやFurry文化と接点を持つことがある。
デジモン
デジモンには動物、獣人、ドラゴン、機械、植物、人型など極めて多様なデザインのデジモンが存在する。
中でも獣型・獣人型デジモンには、ケモノ/Furry文化から支持されるキャラクターが存在する。
ただしデジモンにおける性別の扱いは、人間や現実の動物と必ずしも同じではないため、個々の作品・キャラクター設定を確認する必要がある。
どうぶつの森
どうぶつの森シリーズでは、人間のプレイヤーとともに多数の動物住民が生活している。
住民には犬、猫、狼、熊、兎、ライオン、鳥、ペンギンなど非常に多くの動物種が存在する。
男性キャラクターでは、
- ロボ
- チーフ
- シベリア
- たいへいた
- ベアード
- キング
- アーサー
など、さまざまな外見・性格の動物住民が存在する。
リアルな獣人体型ではなくデフォルメされたデザインだが、「人格を持ち、服を着て、人間と同じ社会で生活する動物」という意味では、広義の動物キャラクター文化と接点を持つ作品である。
東京放課後サモナーズ
東京放課後サモナーズには、人間だけでなく獣人や人外のキャラクターが多数登場する。
筋肉質、大柄、少年型、獣型など幅広い男性キャラクターが存在し、日本における現代のオスケモ/ケモノ系キャラクターを語る際に関連性の高い作品の一つである。
特に「男性の獣人キャラクターそのものを多数登場させる」という点で、単発的に動物キャラクターが登場する作品とは性格が異なる。
オスケモとケモホモ
ケモホモは、男性同士の恋愛・性的表現とケモノキャラクターが組み合わされた文化・ジャンルを指す俗称として使用される。
オスケモとケモホモは重なる部分があるが、同義ではない。
オスケモ
→ 男性・オスのケモノキャラクター
→ 男性・オスのケモノキャラクター
ケモホモ
→ 男性ケモノ同士などの同性愛表現を含むジャンル
→ 男性ケモノ同士などの同性愛表現を含むジャンル
したがって、オスケモだから必ず同性愛作品というわけではない。
一般向け作品、冒険作品、ファンタジー、SF、日常作品などにも男性ケモノキャラクターは存在する。
オスケモとぽっちゃり
ぽっちゃりしたオスケモも、ケモノ創作に存在する体型表現の一つである。
大きな腹部、太い手足、丸い頬、厚い体毛など、動物的な丸みと人型キャラクターの体格表現を組み合わせることができる。
熊、犬、猫、大型草食動物などでは特に丸みのあるシルエットとも組み合わせやすい。
筋肉質なオスケモとは異なる方向のキャラクターデザインとして用いられている。
オスケモ文化の現在
現在のオスケモは一つの媒体だけに存在する文化ではない。
イラスト
↓
漫画・同人誌
↓
ゲーム
↓
アニメ
↓
着ぐるみ
↓
3DCG
↓
VRChat
↓
漫画・同人誌
↓
ゲーム
↓
アニメ
↓
着ぐるみ
↓
3DCG
↓
VRChat
というように、同じ「男性の動物・獣人キャラクター」という題材が複数の表現媒体を横断している。
またインターネットによって日本のケモノ文化と海外のFurry文化の交流も容易になり、両文化の絵柄やキャラクターデザインが互いに影響する状況も生まれている。
特にVRChatでは、従来「見る」「描く」存在だったケモノキャラクターを、自分自身のアバターとして使用できる。
これは着ぐるみ文化とも共通する、
「キャラクターの姿になる」
というケモノ文化の一面を、デジタル空間へ拡張したものと見ることもできる。
関連項目
- ケモノ
- ケモナー
- furry
- Furryとケモノの違い
- ケモホモ
- メスケモ
- ケモショタ
- ぽっちゃり
- 着ぐるみ
- けもケット
- VRChat
- VRChatのアバター
- Booth
- ズートピア
- ポケットモンスター
- デジモン
- どうぶつの森
- 東京放課後サモナーズ









