
テイルコンチェルト
『テイルコンチェルト』は1998年にプレイステーションで発売された3Dアクションアドベンチャーゲーム。開発はサイバーコネクトツー。空に浮かぶ複数の島々から構成された「プルム王国」を舞台に、獣人種族である「イヌヒト」と「ネコヒト」の対立と共存を描く。
獣人国家と文明
この世界の住人はすべて獣人化されたケモノであり、完全な人外デザインで構成されている。犬型種族(イヌヒト)と猫型種族(ネコヒト)によって社会が構成され、軍事・司法・王政・科学などの制度も獣人の手によって機能している。それぞれが社会的地位と性格、家族構造を持ち、人間に匹敵するかそれ以上に構造化された文化圏を形成している。
少年少女獣人の精神性
主人公・ワッフルをはじめとした主要キャラの多くは少年少女型の獣人であり、ケモナー文化では「ショタロリケモ」として認知されている。外見はデフォルメされているものの、性格・思想・過去のトラウマなどの内面描写は深く、いわゆる人間の精神年齢に匹敵する知性と感情がある。ネコヒトの反乱組織「黒猫団」もまた、過去の迫害からの報復という重い背景を持つ存在として描かれている。
ケモドラ視点での意義
本作は「ケモノが現実的に生きる世界」を真正面から描いた希少な作品であり、ファンタジー・SF・スチームパンクが融合した独自の世界観はケモドラ的にも重要である。ケモノをただの動物やモンスターとしてではなく、文明存在として構築するモデルケースとして特筆に値する。『リトルテイルブロンクス』シリーズの起点であり、後の『ソラトロボ』『フリーダムプラネット』などにも影響を与えた。
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