
概要
『ドラゴンドライブ』は、桜健一による漫画作品を原作としたアニメおよびゲームであり、2000年代初頭におけるドラゴンバトル作品の中でも異彩を放つ存在である。物語は現実世界とVRゲーム、さらには異世界「リキュー」を舞台に展開し、従来のバトルものとは異なる次元と領域の広がりを見せている。主人公は、やる気のない少年・大空レイジ。彼が出会う相棒の竜「チビスケ」は、一見非力ながらも秘められた力を持つ存在として、物語全体の核心へと繋がっていく。
アニメ版
テレビアニメ版は2002年から2003年にかけてテレビ東京系列で放送された。制作はマッドハウス、脚本は井上敏樹。全38話構成であり、原作漫画とはやや異なる構成で進行する。前半はVRゲーム「ドラゴンドライブ」を舞台にしつつ、後半からは異世界「リキュー」へと舞台が移行し、ドラゴンを巡る壮大な戦いと覚醒の物語へとシフトしていく。特に後半は王道少年漫画的な展開と、独自のドラゴン観が融合しており、単なるバトルアニメには留まらない。
ゲーム版
ゲームキューブ専用ソフト『Dragon Drive D-Masters Shot』は、アニメと連動する3Dアクションシューティング作品として2003年に発売された。プレイヤーは竜を操作し、対戦形式でバトルを行う形式となっている。特典としてアニメディスクが同梱されており、映像視聴とゲームプレイの両立が可能な仕様となっていた。発売はバンダイ、開発はトレジャーであり、当時のドラゴンアクションの中では比較的高い完成度を持つ。
作品としての意義
ドラゴンドライブは、単なるモンスターバトル作品ではなく、「精神的成長」と「契約としての共闘」を軸に据えた構造を持っている。チビスケという一見頼りない存在が、レイジとともに変化し覚醒していく様は、ケモナー的にもドララー的にも評価される要素である。外見上はコンパクトで愛嬌ある姿だが、その中に眠る竜性と深層意識との結びつきは、明らかに当時の児童向け作品の枠を超えていた。
ケモナー・ドララー視点からの評価
チビスケはドラゴンでありながら、ケモノ的愛嬌と、進化型における力強い獣性・竜性を両立した稀有な存在といえる。また本作全体において、ドラゴンという存在は単なる「乗り物」や「戦闘獣」ではなく、感情を持ち、パートナーとして成長していく生き物として描かれている。レナモンやシロンに並ぶ、真のドララー向け作品と位置づけることが可能である。
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