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ツクバサンショウウオ
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kemonowikii
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筑波山地に眠る幻の有尾類
ツクバサンショウウオ(Onychodactylus tsukubaensis)は、茨城県の筑波山地にのみ生息する日本固有のサンショウウオである。2011年に新種として記載されたばかりの存在でありながら、すでに環境省レッドリストでは絶滅危惧IA類(Critically Endangered)に分類されている。その生息範囲は日本産サンショウウオの中で最も狭く、筑波山系の渓流や湿潤な谷筋のごく一部に限られている。標高はおおむね300〜800メートル帯に集中しており、森林と水流が複雑に絡む環境に適応している。
生態と形態の特徴
体長は成体で10センチ前後。体色は灰黒色から褐色で、表面には細かなまだら模様を持つ個体も見られる。皮膚は滑らかで、水中でも陸上でも活動可能な構造を持つ。繁殖は春から初夏にかけて行われ、渓流中の石の下などに卵を産み、幼生は流水の中で成長する。食性は主に小型昆虫やミミズなどの無脊椎動物とされているが、詳細な生活史は未だ解明されていない点が多い。
環境と危機
その繊細な生息環境は、近年の森林伐採や道路開発、観光開発などによって深刻な影響を受けている。分布域がきわめて限られているため、局所的な環境変化によって一気に絶滅の危機に瀕するリスクが高い。また、ツクバサンショウウオの存在そのものが一般にほとんど知られておらず、地元でもその名を知る人は少ない。写真・映像記録もきわめて少なく、生物としての知名度が低いため、保護運動も広がりを持ちにくいという現実がある。
ケモドラwikiに記録する意義
ツクバサンショウウオは、その「発見されながらも忘れられた種」という立ち位置において、まさしくロストメディア的存在である。研究論文の中にしか存在しない生物が、視覚的・文化的に可視化される機会はほとんどない。しかし、ケモドラwikiに記録することによって、こうした存在にも「語られる場」を与えることができる。
キャラクター的に考えるならば、ツクバサンショウウオは水辺と岩場を守る精霊的存在として描くことができる。静謐な渓流の番人、あるいは地中の眠れる賢者として表現されることで、目立たぬ生物の尊厳と美しさを物語として伝えることができる。表に出ず、語られず、しかし確かにそこにいたという「記録されぬものたち」の象徴として、文化的にも記録的にも極めて高い価値を持つ。
この記録によってツクバサンショウウオが語られ、思い出される機会が一度でも生まれれば、それは失われかけた存在にとっての“第二の出現”となるだろう。ケモドラwikiにおける掲載は、その端緒となる。
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