第3話「似た者同士」
店内に入った上条は佐天の質問攻めあっていた。
「上条さんと御坂さんっていつどこで知り合ったんですか?」
「えっと、なんでそんなこと知りたいのかな?ってか、2人とも目が怖いくらいキラキラしてるんですけど!上条さんが何かしましたか!?」
「上条さんは何もしてないですよ。何もしてないけど知りたいんです。」
「あの~、上条さんはバカなんで出来ればもっと分かりやすく説明して欲しいんですけど…」
「単純に興味です♪」
「分かりやすっ!つーか興味だけ!?」
「そうですよ~、ってことであらいざらい吐いちゃって下さい♪」
「いくら可愛らしく言ったって喋らないですからね!そんなに気になるなら御坂に聞けばいいじゃねえか?」
「それもそうですね。御坂さ~ん。」
「上条さんと御坂さんっていつどこで知り合ったんですか?」
「えっと、なんでそんなこと知りたいのかな?ってか、2人とも目が怖いくらいキラキラしてるんですけど!上条さんが何かしましたか!?」
「上条さんは何もしてないですよ。何もしてないけど知りたいんです。」
「あの~、上条さんはバカなんで出来ればもっと分かりやすく説明して欲しいんですけど…」
「単純に興味です♪」
「分かりやすっ!つーか興味だけ!?」
「そうですよ~、ってことであらいざらい吐いちゃって下さい♪」
「いくら可愛らしく言ったって喋らないですからね!そんなに気になるなら御坂に聞けばいいじゃねえか?」
「それもそうですね。御坂さ~ん。」
(なんなのよアイツ!佐天さんと初春さんといちゃいちゃしちゃってさ!!私のことは無視してるし!!…まさか2人もアイツのこと?…今日会ったばっかりなのにそれは考え過ぎよね。……でも、アイツの体質ならありえるかも…。)
また、思考の迷路に入っている美琴。
(さっきは黒子達がいて買えなかったけど、アイツにも何かクリスマスプレゼント買おうかな?そのときに私の気持ちを伝えれば…。でも、フラれたらどうしよ?今みたいな関係も無くなっちゃうのかな?…それは嫌だな。アイツに会えないなんて絶対に嫌!でも……アイツが他の女の子と歩いてるのも絶対に嫌!!………やっぱり言おう!どんな結果になってもいい!明日、私の気持ちをアイツに伝えてやる!!!)
そう気持ちを固めると今までモヤモヤしていた嫌な感情がスッと消えていった。
また、思考の迷路に入っている美琴。
(さっきは黒子達がいて買えなかったけど、アイツにも何かクリスマスプレゼント買おうかな?そのときに私の気持ちを伝えれば…。でも、フラれたらどうしよ?今みたいな関係も無くなっちゃうのかな?…それは嫌だな。アイツに会えないなんて絶対に嫌!でも……アイツが他の女の子と歩いてるのも絶対に嫌!!………やっぱり言おう!どんな結果になってもいい!明日、私の気持ちをアイツに伝えてやる!!!)
そう気持ちを固めると今までモヤモヤしていた嫌な感情がスッと消えていった。
「それもそうですね。御坂さ~ん。」
今回は迷路から自力で脱出した美琴のところに佐天が近づいてきた。
気持ちを固めていなかったら、どんな顔をしたんだろうと内心苦笑しながら振り返るとニマニマとした笑顔の佐天がいた。
「…どうしたの、佐天さん?」
(嫌な予感しかしないわね。)
ついに自分の番が来たのかと、佐天が上条のところから離れてよかったと思う反面、これから起こることを考えると手放しで喜ぶことが出来ない。
「上条さんに御坂さんとの馴れ初めを教えてもらおうと思ったんですけど、何も話してくれなかったので御坂さんに聞きにきました!」
「馴れ初めって…。別に付き合ってるわけでもないから話すことなんてないわよ?」
「でも、御坂さんは上条さんのこと好きですよね?」
「っ!!」
美琴の顔が真っ赤になる。
これ以上無いくらいの反応に佐天は驚きつつ、内心
(御坂さん可愛い~!)
と叫んでいた。
今回は迷路から自力で脱出した美琴のところに佐天が近づいてきた。
気持ちを固めていなかったら、どんな顔をしたんだろうと内心苦笑しながら振り返るとニマニマとした笑顔の佐天がいた。
「…どうしたの、佐天さん?」
(嫌な予感しかしないわね。)
ついに自分の番が来たのかと、佐天が上条のところから離れてよかったと思う反面、これから起こることを考えると手放しで喜ぶことが出来ない。
「上条さんに御坂さんとの馴れ初めを教えてもらおうと思ったんですけど、何も話してくれなかったので御坂さんに聞きにきました!」
「馴れ初めって…。別に付き合ってるわけでもないから話すことなんてないわよ?」
「でも、御坂さんは上条さんのこと好きですよね?」
「っ!!」
美琴の顔が真っ赤になる。
これ以上無いくらいの反応に佐天は驚きつつ、内心
(御坂さん可愛い~!)
と叫んでいた。
そんなことが起こっているも知らないもう一組は、
「上条さんってレベルは何ですか?」
と普通の質問をしている初春と普通に答えている上条がいた。
「0ですよ。何をやってもシステムスキャンで引っかからない正真正銘のレベル0が上条さんです。」
「そうなんですか!?でも、さっき御坂さんの電撃を受け止めた、というより消してましたよね?」
日頃ジャッジメントで活動をしていて、多くの能力者を見てきている初春は、美琴の能力が別次元のレベルであることを理解している。
そんな能力がレベル0の無能力者に消せるわけないのだ。
「まぁ、理由はそのうち教えてやるよ。で、俺からもちょっと内緒で聞きたいことがあるんだけど…」
「何ですか?」
「御坂の指輪のサイズって分かるか?」
「っ!!??」
異性に指輪を贈るという行為がどのようなものかなど中学生にもなればいくつかの選択肢が出てくる。
間違っても友達同士ではない行為。それが指し示す意味とは…
「結婚っ!?」
「そんなわけないでしょーが!!上条さんは、まだ高校生ですよ!!それに相手は中学生じゃないですか!早すぎます!!!」
「じゃあ、告白ですか?」
上条の顔に赤みが差す。
(上条さん、分かりやすいですよ。)
「じゃあ、ここには指輪を買いに来たんですか?」
「いや、何をプレゼントするかも決めてねぇんだ。見てて御坂に似合いそうなのがあったらでいいなって思って。」
(御坂さん愛されてますね…)
「じゃあ、御坂さんと一緒にアクセサリーショップに行きませんか?」
確かにそういう方法もあるな。と賛成した上条。
初春は御坂さん達に伝えてきますね。と前を歩いている2人のところまで小走りに駆け寄る。
美琴が顔を赤くして騒いでるのを見ながら、何が似合うかなと考える上条。
初春にはああ言ったが、女の子に似合うものなんか分かるわけがない。
というわけで上条にとってこの環境はありがたいものだった。
「上条さんってレベルは何ですか?」
と普通の質問をしている初春と普通に答えている上条がいた。
「0ですよ。何をやってもシステムスキャンで引っかからない正真正銘のレベル0が上条さんです。」
「そうなんですか!?でも、さっき御坂さんの電撃を受け止めた、というより消してましたよね?」
日頃ジャッジメントで活動をしていて、多くの能力者を見てきている初春は、美琴の能力が別次元のレベルであることを理解している。
そんな能力がレベル0の無能力者に消せるわけないのだ。
「まぁ、理由はそのうち教えてやるよ。で、俺からもちょっと内緒で聞きたいことがあるんだけど…」
「何ですか?」
「御坂の指輪のサイズって分かるか?」
「っ!!??」
異性に指輪を贈るという行為がどのようなものかなど中学生にもなればいくつかの選択肢が出てくる。
間違っても友達同士ではない行為。それが指し示す意味とは…
「結婚っ!?」
「そんなわけないでしょーが!!上条さんは、まだ高校生ですよ!!それに相手は中学生じゃないですか!早すぎます!!!」
「じゃあ、告白ですか?」
上条の顔に赤みが差す。
(上条さん、分かりやすいですよ。)
「じゃあ、ここには指輪を買いに来たんですか?」
「いや、何をプレゼントするかも決めてねぇんだ。見てて御坂に似合いそうなのがあったらでいいなって思って。」
(御坂さん愛されてますね…)
「じゃあ、御坂さんと一緒にアクセサリーショップに行きませんか?」
確かにそういう方法もあるな。と賛成した上条。
初春は御坂さん達に伝えてきますね。と前を歩いている2人のところまで小走りに駆け寄る。
美琴が顔を赤くして騒いでるのを見ながら、何が似合うかなと考える上条。
初春にはああ言ったが、女の子に似合うものなんか分かるわけがない。
というわけで上条にとってこの環境はありがたいものだった。
「御坂さん、佐天さん。」
「初春さん、どうしたの?」
「上条さんと話してたんですが、アクセサリーショップに行きませんか?」
「アクセサリーショップ?アイツが?」
普段の上条がアクセサリーの類いをつけているところを見たことが無い。
おしゃれに気を使うようになったのかと思ったが、その理由が分からない。
(もしかして…誰かにプレゼント?)
それが1番納得出来る。
しかし、当然の疑問がある。
(誰に渡すんだろ?)
まさか、自分のために上条がアクセサリーショップに行こうとしているなんて考えもしない。
(アイツがプレゼント、しかもアクセサリーなんて…。素直になるのが遅すぎたのかな…。じゃあ、もう付き合ってる人がいる…?それとも、明日告白する気なのかな?)
思考がどんどん悪い方に流れていき、顔色が悪くなる。
自分が俯いていくのが分かる。気を抜くと涙も出て来てしまいそうだ。
「初春さん、どうしたの?」
「上条さんと話してたんですが、アクセサリーショップに行きませんか?」
「アクセサリーショップ?アイツが?」
普段の上条がアクセサリーの類いをつけているところを見たことが無い。
おしゃれに気を使うようになったのかと思ったが、その理由が分からない。
(もしかして…誰かにプレゼント?)
それが1番納得出来る。
しかし、当然の疑問がある。
(誰に渡すんだろ?)
まさか、自分のために上条がアクセサリーショップに行こうとしているなんて考えもしない。
(アイツがプレゼント、しかもアクセサリーなんて…。素直になるのが遅すぎたのかな…。じゃあ、もう付き合ってる人がいる…?それとも、明日告白する気なのかな?)
思考がどんどん悪い方に流れていき、顔色が悪くなる。
自分が俯いていくのが分かる。気を抜くと涙も出て来てしまいそうだ。
「(御坂さん、なんかいきなり元気なくなったよね?)」
「(そうですね。多分、勘違いしてるんじゃないでしょうか?)」
美琴が今日3度目の迷路探検をしているときに佐天と初春はお互いの情報を共有していた。
美琴と上条がお互いのことをどう思っているのかも、何故上条がアクセサリーショップに行きたがっているのかも2人は分かっている。
この2人が幸せな明日を迎えるためにも今日上条と美琴をアクセサリーショップに一緒に行かせるのは必須事項である。
そのためとりあえず、美琴の意識を迷路から引っ張り出す方法を考える2人。
「(ねぇ初春、上条さんがなんでアクセサリーショップに行きたいのか教えてもいいんじゃない?)」
「(ダメですよ!!プレゼントはサプライズの方がいいんです!)」
「(それもそうだよね…。じゃあ、御坂さんはどうしようか?)」
「(私に任せて下さい。)」
そういうと美琴を下から覗き込む初春。
「御坂さん。」
呼びかけられたのに、なんの反応もしない美琴。
(これは重症ですね。)
そう思い、次の一手を打つ!
「御坂さん、あんまりそうしてると後ろから上条さんに襲われちゃいますよ?」
「!!???」
美琴―――覚醒。のち、
「ふにゃーーーーーー!」
気絶。
ビリビリしだした美琴に気がつき、右手を頭に置いた上条によって周りへの被害はなかったものの、気絶した美琴をほっておく訳にも行かずしばらくベンチで休むことになってしまった。
「(そうですね。多分、勘違いしてるんじゃないでしょうか?)」
美琴が今日3度目の迷路探検をしているときに佐天と初春はお互いの情報を共有していた。
美琴と上条がお互いのことをどう思っているのかも、何故上条がアクセサリーショップに行きたがっているのかも2人は分かっている。
この2人が幸せな明日を迎えるためにも今日上条と美琴をアクセサリーショップに一緒に行かせるのは必須事項である。
そのためとりあえず、美琴の意識を迷路から引っ張り出す方法を考える2人。
「(ねぇ初春、上条さんがなんでアクセサリーショップに行きたいのか教えてもいいんじゃない?)」
「(ダメですよ!!プレゼントはサプライズの方がいいんです!)」
「(それもそうだよね…。じゃあ、御坂さんはどうしようか?)」
「(私に任せて下さい。)」
そういうと美琴を下から覗き込む初春。
「御坂さん。」
呼びかけられたのに、なんの反応もしない美琴。
(これは重症ですね。)
そう思い、次の一手を打つ!
「御坂さん、あんまりそうしてると後ろから上条さんに襲われちゃいますよ?」
「!!???」
美琴―――覚醒。のち、
「ふにゃーーーーーー!」
気絶。
ビリビリしだした美琴に気がつき、右手を頭に置いた上条によって周りへの被害はなかったものの、気絶した美琴をほっておく訳にも行かずしばらくベンチで休むことになってしまった。
10分後――
「…ん?…あれ?」
美琴は目を覚ましたが、自分がどのような状況にいるのか分からなかった。
分かるのは、自分が寝かされていることと、頭の下になにか柔らかいものがあるということ。
とりあえず、周りの状況を確認するために起き上がろうとする美琴に
「おっ、起きたのか御坂。でもまだ横になってろよ。」
と上から声がかかる。
(…上?)
美琴が上を向くと上条が自分の顔を覗き込んでいた。
周りから見ればキスをしようとしているようにも見える感じで。
「っっっ!!……ふにゃ。」
「だから、ビリビリすんなっ!!」
右手が頭に置かれたので、青白い電流は消えたが美琴はまだ状況を把握出来ていない。
(どうなってるの!?えっと…初春さんが……後ろから襲って来るとか言って。ち、違う!襲われてもいいかななんて思ちゃったわけじゃない!!でも…コイツになら///。…はっ!って違う!!えっと…佐天さんと話してて、それから初春さんが来て、それからコイツがアクセサリーショップに。って!そうだ!!!)
ようやく状況を把握出来たため、若干の余裕が出来る。
「アンタッ!アクセサリーショップに行って、誰に何買うつもりなの!!」
「み、御坂さん?アナタ様は何故そんなに怒ってらっしゃるのでせうか?」
「いいから質問に答えなさいよっ!!」
「誰にって自分にですよ。貧乏学生の上条さんがおしゃれに気を使ってはいけないなんて法律はないですしね。」
(策士上条さんはあらかじめこの質問に対する答えを用意しておいでなのですよ。これなら御坂に変な誤解を生まないし、不自然じゃないはず!)
と自信満々で答える。
が
「嘘ね。」
「即答っ!?しかも完全に否定!??」
「だってアンタこの前年末は物入りだから節約するって言ってたもの。そんなやつが自分のためにアクセサリーを買いにいくわけ無いでしょ。」
「あの、それは、その、…そう!おしゃれに目覚めたといいますか!」
「じゃあ、なんでおしゃれに目覚めたの?」
「……黙秘し「アンタに黙秘権はない。」」
それでもいつまでたっても話そうとしない上条に美琴は制服のポケットに手を入れる。
「ちょ、話す!話しますからポケットに手を突っ込んでジャラジャラ言わせないでっ!さすがにここでゼロ距離超電磁砲なんか打たれたら死んじゃいますっ!!」
「なら、私の目を見てさっさと話せ。」
「…はい。」
上条は真剣な顔をして美琴の目を見ると、美琴も顔がどんどん赤くなりつつも見つめ返してくる。
自分の顔も赤くなってるだろうなと思いつつ、上条はセブンスミストに来た目的(嘘)を話す。
「俺、ちょっと前から気になる子がいて、その子にちょっとでも気にしてもらうためにおしゃれも多少頑張ろうかなって思ってだな。それで、考えてみたら俺アクセサリーって1つも持ってなかったから男子高校生としてダメじゃね?って気になって買いに来たわけです、はい。」
「……ちょっと聞きたいんだけど、その子ってどんな子なの?」
「はい?」
「だから、アンタが気になってる子ってどんな子なのって聞いてるの!」
「…なんでお前にそんなこと話さないといけないんだ?」
「それは、その、気になるからよ!!」
「はぁ~…興味本位で聞かれても答えるわけないだろ。」
「なんでよっ!教えてくれたっていいじゃないのよ、ケチっ!!」
「ケチっ!?確かに上条さんは貧乏ですけどケチじゃないつもりですよ!!」
「お金のことを言ってるんじゃなくて、心の問題を言ってるのよっ!!」
「つまり、この海よりも深くて大きな心の上条さんに対して心が貧しいとっ!?」
「その通りでしょ?こんな可愛い美少女が頼んでるのに教えてくれないなんて心が狭い証拠よっ!!」
「お前はあれを頼んだっていうのかっ!?御坂、お前世間様に謝れ!汗水たらして働いている営業の方とかに謝れっ!!」
「なによっ!!!」
「なんだよっ!!!」
にらみ合っていると近くに佐天と初春が立っていることに2人は気づいた。
「「あれ?佐天さん、初春さんどうした?(の?)」」
「いやー、お二人の痴話ゲンカに当てられたと言いますか、蹴られたといいますか…。」
「「ちっ!?」」
「とりあえず、移動しませんか?凄く目立っちゃってますし…。」
「「え?」」
周りを見ると、男女問わず足を止めてこちらを見ている。
先ほどの痴話ゲンカもそうだが美琴を膝枕しているときから、実はギャラリーはたくさんいた。
美琴は常盤台の制服を着ているだけでなく、その外見も含めとにかく目をひく。そんな女の子を膝枕し、さらに優しい顔をして髪を梳いている男が目立たないわけが無い。
それに加えて先ほどの痴話ゲンカである。周りはこれから遊園地のアトラクションを見るかのような人だかりが出来ており、写メまで取っている人もいる。
「「不幸だぁーーーー!!」」
2人の叫び声が重なった。
「…ん?…あれ?」
美琴は目を覚ましたが、自分がどのような状況にいるのか分からなかった。
分かるのは、自分が寝かされていることと、頭の下になにか柔らかいものがあるということ。
とりあえず、周りの状況を確認するために起き上がろうとする美琴に
「おっ、起きたのか御坂。でもまだ横になってろよ。」
と上から声がかかる。
(…上?)
美琴が上を向くと上条が自分の顔を覗き込んでいた。
周りから見ればキスをしようとしているようにも見える感じで。
「っっっ!!……ふにゃ。」
「だから、ビリビリすんなっ!!」
右手が頭に置かれたので、青白い電流は消えたが美琴はまだ状況を把握出来ていない。
(どうなってるの!?えっと…初春さんが……後ろから襲って来るとか言って。ち、違う!襲われてもいいかななんて思ちゃったわけじゃない!!でも…コイツになら///。…はっ!って違う!!えっと…佐天さんと話してて、それから初春さんが来て、それからコイツがアクセサリーショップに。って!そうだ!!!)
ようやく状況を把握出来たため、若干の余裕が出来る。
「アンタッ!アクセサリーショップに行って、誰に何買うつもりなの!!」
「み、御坂さん?アナタ様は何故そんなに怒ってらっしゃるのでせうか?」
「いいから質問に答えなさいよっ!!」
「誰にって自分にですよ。貧乏学生の上条さんがおしゃれに気を使ってはいけないなんて法律はないですしね。」
(策士上条さんはあらかじめこの質問に対する答えを用意しておいでなのですよ。これなら御坂に変な誤解を生まないし、不自然じゃないはず!)
と自信満々で答える。
が
「嘘ね。」
「即答っ!?しかも完全に否定!??」
「だってアンタこの前年末は物入りだから節約するって言ってたもの。そんなやつが自分のためにアクセサリーを買いにいくわけ無いでしょ。」
「あの、それは、その、…そう!おしゃれに目覚めたといいますか!」
「じゃあ、なんでおしゃれに目覚めたの?」
「……黙秘し「アンタに黙秘権はない。」」
それでもいつまでたっても話そうとしない上条に美琴は制服のポケットに手を入れる。
「ちょ、話す!話しますからポケットに手を突っ込んでジャラジャラ言わせないでっ!さすがにここでゼロ距離超電磁砲なんか打たれたら死んじゃいますっ!!」
「なら、私の目を見てさっさと話せ。」
「…はい。」
上条は真剣な顔をして美琴の目を見ると、美琴も顔がどんどん赤くなりつつも見つめ返してくる。
自分の顔も赤くなってるだろうなと思いつつ、上条はセブンスミストに来た目的(嘘)を話す。
「俺、ちょっと前から気になる子がいて、その子にちょっとでも気にしてもらうためにおしゃれも多少頑張ろうかなって思ってだな。それで、考えてみたら俺アクセサリーって1つも持ってなかったから男子高校生としてダメじゃね?って気になって買いに来たわけです、はい。」
「……ちょっと聞きたいんだけど、その子ってどんな子なの?」
「はい?」
「だから、アンタが気になってる子ってどんな子なのって聞いてるの!」
「…なんでお前にそんなこと話さないといけないんだ?」
「それは、その、気になるからよ!!」
「はぁ~…興味本位で聞かれても答えるわけないだろ。」
「なんでよっ!教えてくれたっていいじゃないのよ、ケチっ!!」
「ケチっ!?確かに上条さんは貧乏ですけどケチじゃないつもりですよ!!」
「お金のことを言ってるんじゃなくて、心の問題を言ってるのよっ!!」
「つまり、この海よりも深くて大きな心の上条さんに対して心が貧しいとっ!?」
「その通りでしょ?こんな可愛い美少女が頼んでるのに教えてくれないなんて心が狭い証拠よっ!!」
「お前はあれを頼んだっていうのかっ!?御坂、お前世間様に謝れ!汗水たらして働いている営業の方とかに謝れっ!!」
「なによっ!!!」
「なんだよっ!!!」
にらみ合っていると近くに佐天と初春が立っていることに2人は気づいた。
「「あれ?佐天さん、初春さんどうした?(の?)」」
「いやー、お二人の痴話ゲンカに当てられたと言いますか、蹴られたといいますか…。」
「「ちっ!?」」
「とりあえず、移動しませんか?凄く目立っちゃってますし…。」
「「え?」」
周りを見ると、男女問わず足を止めてこちらを見ている。
先ほどの痴話ゲンカもそうだが美琴を膝枕しているときから、実はギャラリーはたくさんいた。
美琴は常盤台の制服を着ているだけでなく、その外見も含めとにかく目をひく。そんな女の子を膝枕し、さらに優しい顔をして髪を梳いている男が目立たないわけが無い。
それに加えて先ほどの痴話ゲンカである。周りはこれから遊園地のアトラクションを見るかのような人だかりが出来ており、写メまで取っている人もいる。
「「不幸だぁーーーー!!」」
2人の叫び声が重なった。