とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part04

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第4話「すれ違い」


上条さん、御坂さん。ここでいいですか?」
上条達は佐天の案内でアクセサリーショップに来ていた。
美琴は普段ゲコ太などが置いているファンシーショップを利用しているので、このような店はあまり利用したことがない。
店内に入ると

「あっ、これ可愛い!」
「佐天さん、派手すぎませんか?」
「え~っ、ワンポイントで使うならこれくらいないと…。あっ!初春、初春!見て、これ。このネックレス初春に似合いそう。」
「そうですか?でも、可愛いですねぇ。」
初春も佐天も年頃の女の子であるため、少々テンションが高い。
「あっ、これ御坂さんに似合いそうじゃない?」
「私っ!?ちょっと可愛すぎない?」
佐天が指しているのは、トップがハート形のネックレスである。
美琴も可愛いデザインだなとは思っていたが、自分には似合わないと思い、口に出さないでいた。
「そんなことないですって!絶対似合いますよ!」
「そうですよ。上条さん、上条さんはどう思いますか?あれ?」
「初春?どうしたの??」
「上条さんがいないんですよ。」
後ろにいたはずの上条が突然いなくなっていた。
「アイツは…」
美琴の髪が逆立ち始める。
ここで考えて欲しい。いまいるのはアクセサリーショップ、しかもシルバーアクセのコーナーにいる。つまり、
「御坂さん!商品が帯電してますっ!!」
「うぅぅいぃぃはぁぁるるるぅううううう」
「キャア!佐天さん!!佐天さん!しっかりして下さい!!」
「あたしの亡がらは剥製にして初春のうちに飾ってね…ガクッ」
「佐天さ~~~~んっ!!!!」


そんなことが起こっている店内の別の場所では
「悪いな、協力してもらって。」
「別に問題はありません。とミサカは顔を赤らめつつ指輪をはめます。」
上条が御坂妹に指輪をはめてもらっていた。

何故、御坂妹がここにいるか?というと、
気に入ったデザインの指輪が見つかったのだが、美琴のサイズが分からずにいた上条。
そこにたまたま、「いぬ」のためのペット用品を買い出しに来ていた妹を見つけ、協力をお願いした。ということである。
協力を頼んだときに、「やっとですか、とミサカはふぅとため息をつきます。」と図星をつかれ、顔を真っ赤にしてしまったのは上条にとってあまり知られたくない恥だったが、即ミサカネットワークに流されてしまい、次の日にあった一方通行と打ち止めにからかわれた。

話を戻そう。
御坂妹へのプレゼントのためではなく美琴へのプレゼントのために行っていることなのだが、御坂妹はとても幸せそうだ。
上条が店員に今の指輪のサイズを確認している間も、ずっと指輪のはめられた左手を眺めている。
「大体8号くらいですかね。」
「そうですか、わかりました。」
「彼女さんへのプレゼントですか?」
「まぁ、そんなところです…」
顔を赤くして照れくさそうに笑う上条を見て、さらに顔を赤くする御坂妹。
そんな様子を見て、初々しいカップルだと勘違いした店員さんのとどめの一言が突き刺さる!
「よかったですね、優しい彼氏さんで。」
「…ふにゃー、とミサカは照れた顔のまま…」
話している途中にも関わらず倒れそうになる御坂妹。
しかし、美琴に比べると小規模ながら漏電しているのでたちが悪いことには変わりなく…
「ちょっと待てぇーーー!!!」
倒れそうになった妹を支えながら、姉妹そろって漏電癖があるのだと知り、上条は気をつけることを誓った。


「アンタ、何してんの…」
「っ!美琴!!」
「何してんのって聞いて…っ!いきなり人を名前で呼ぶなーーーっ!!」
「だぁー!!いきなりビリビリすんじゃねーっ!!」
上条は右手で雷の槍をかき消すが、そんなことで美琴の怒りは消えない。
「うっさいっ!!だいたい何でアンタがここにいるのよ!?」
未だ顔を真っ赤にして、上条の腕の中にいる御坂妹に対して怒鳴る美琴。
しかし、まだ平常に戻っていない御坂妹は答えない。
それどころか、顔を上に向け潤んだ目で上条のことを見上げてくる。
そんな状態を別人とはいえ同じ顔をしている妹にされている上条は冷静さを失い、
「妹、ストップ!!これ以上されると上条さんは変になりそうな気がしますっ!!」
「アンタは…そんなに妹がいいのかぁーーー!!!」
「不幸だぁーーー!!」
といつものように叫んだ上条だったがここで更なる不幸に襲われる。

(ん?妹の左手の小指、指輪っ!?何で!??)
「アンタその指輪、妹に買ったの??」
(ばれたっ!!)
上条が一番恐れていたことがばれた。
上条的にはプレゼントはサプライズがいいととある金髪の悪友から言われていたので渡す瞬間までは態度にも出さないでおこうと決めていたのだ。
それが今見つかってしまった。
普段の美琴の性格から言えば、絶対に問いつめられると思いどう言い訳しようかと考えていたのだが
「そっか…妹へのクリスマスプレゼントを買うためにここに来たんだ。」
美琴は俯いていてその表情は見えない。
上条は予想とはまったく異なる態度で返されたため、頭が上手く回らなくなる。
「いや、それは、その…」
否定しようとしても上手く言葉が出てこない。
「妹によろしく言っといて、私ちょっと気分が悪くなったから先に帰るね…」
下を向いたまま振り返り、走り去る美琴。
その顔は何かに耐え、瞳には涙が溜まっていた。


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