第二章 秋は更けて冬を越え、春が始まる
「貴女……またネットゲームしてましたわね」
「し、してませんよ!依頼通りカミジョーさんの事を調べてたんですよ!」
「し、してませんよ!依頼通りカミジョーさんの事を調べてたんですよ!」
黒子は信用してないのか、パソコンに付いていたイヤホンを引き抜くと、大迫力のBGMが聞こえてきて「ハハハ」と初春は乾いた笑みを浮かべてすみません!と謝った。
しかし上条の事は調べてあったのか、プリントアウトした資料を黒子に渡した。
とある高校の一年生で能力は国家機密レベルらしく、初春でも踏み込めないらしい。
住所なども全て記述してあって文句ない資料だったのだが、住所以外にも知りたいことがあった。
そんな事を考えていた時、佐天涙子がドアを勢い良く開けて「こんにちわー!」と叫んだ。
しかし上条の事は調べてあったのか、プリントアウトした資料を黒子に渡した。
とある高校の一年生で能力は国家機密レベルらしく、初春でも踏み込めないらしい。
住所なども全て記述してあって文句ない資料だったのだが、住所以外にも知りたいことがあった。
そんな事を考えていた時、佐天涙子がドアを勢い良く開けて「こんにちわー!」と叫んだ。
「佐天さん、ちょうど良かったですの。この人に見覚えはなくて?」
「……誰?カミジョートーマさん?聞いたこと無いなー」
「……誰?カミジョートーマさん?聞いたこと無いなー」
佐天は頭の描く動作をしながら、資料を机の上に置いた。
手掛かりは無く、上条に直接聞くしか無い。
黒子はドアを開けて、外に出た。
ココからそう遠くはない寮に住んでいたが過去に火事があった寮なのを思い出した。
テレポートを繰り返しながら数十秒で着くと、インターフォンを押した。
しかし、出る気配がない。数回押すが誰も出てこないので黒子は家の中にテレポートした。
手掛かりは無く、上条に直接聞くしか無い。
黒子はドアを開けて、外に出た。
ココからそう遠くはない寮に住んでいたが過去に火事があった寮なのを思い出した。
テレポートを繰り返しながら数十秒で着くと、インターフォンを押した。
しかし、出る気配がない。数回押すが誰も出てこないので黒子は家の中にテレポートした。
(な、なんですの?コレはッ!?)
目の前に広がる光景は皿が散らばり、綿埃が舞う部屋の真ん中で痩せ細り、不気味に眼球だけ動く上条の姿だ。
窓ガラスにはガムテープや新聞紙が貼られて、携帯電話や受話器は水に付けられていた。
窓ガラスにはガムテープや新聞紙が貼られて、携帯電話や受話器は水に付けられていた。
「……るい、上条さん」
「……白井、黒子」
「何がありましたの?この有様は」
「………なん、にも無い。帰れ」
「……白井、黒子」
「何がありましたの?この有様は」
「………なん、にも無い。帰れ」
コンクリートを削るような低くお腹に響くような声だった。
冬場だというのに、生暖かく、そこら中に赤い液体が……?
そう思った黒子は上条の胸ぐらを掴んで、右手を見た。
皿の破片が刺さっていたのだが、既に固まっていた。自殺行為だと思いながら上条をテレポートさせようと演算したが……
冬場だというのに、生暖かく、そこら中に赤い液体が……?
そう思った黒子は上条の胸ぐらを掴んで、右手を見た。
皿の破片が刺さっていたのだが、既に固まっていた。自殺行為だと思いながら上条をテレポートさせようと演算したが……
(そうでしたの、この方にはテレポートは効かなかったのでしたわね)
1人では持ち運べない黒子はドアをテレポートさせて、救急車を呼んだ。
10分やそこらで救急隊員が来て、上条の様子と部屋の有様を見て「酷い……」と呟いて病院へ搬送した。
あと一日でも発見が遅れていたら死んでいたらしい。
脱水症状と、栄養失調。そして精神病。
10分やそこらで救急隊員が来て、上条の様子と部屋の有様を見て「酷い……」と呟いて病院へ搬送した。
あと一日でも発見が遅れていたら死んでいたらしい。
脱水症状と、栄養失調。そして精神病。
「初春。佐天さんを連れて第七学区の大通りにあるカフェに集まってくださいな」
『へ?カミジョーさんはどうしたんですか?』
「そのことも含めてお話致しますの」
『へ?カミジョーさんはどうしたんですか?』
「そのことも含めてお話致しますの」
*
「で?カミジョーさんはどうしたんですか」
「……上条さんは精神が極限状態となり、現在搬送されましたの」
「……上条さんは精神が極限状態となり、現在搬送されましたの」
黒子は続けた。
「最近、お姉様の様子がおかしい。その理由は上条さんにあり、二週間ほど前からお姉様と上条さんは男女としての交際をしていたらしいですわ。
しかし一週間ほど前、お姉様が上条さんとトラブルがあったのか落ち込んで帰って来ましたの。
いつもなら気持ち悪いほど携帯電話にへばり付いているお姉様が一度だけメールを送って、そのままに」
「その理由が何なのか、ですねー」
しかし一週間ほど前、お姉様が上条さんとトラブルがあったのか落ち込んで帰って来ましたの。
いつもなら気持ち悪いほど携帯電話にへばり付いているお姉様が一度だけメールを送って、そのままに」
「その理由が何なのか、ですねー」
佐天はパフェを頬張りながら不可解な御坂の動きに疑問を持っていた。
「お姉様、が何かあったのかもしれませんわね。上条さんを脱水症状と栄養失調にならせる何か」
その時だった、黒子の携帯電話に一通の着信があった。
見覚えのない番号だった。
見覚えのない番号だった。
「……もしもし?」