「狙え!撃てええ!」
ババババババババババババババババ!!!!
10の銃口からなんの異能も持たない鉄のかたまりが飛び出す。
それでも、上条は心のどこかで信じていた。
きっと何らかの奇跡が起こって、助かると。これまでもそうであったように。
それでも、上条は心のどこかで信じていた。
きっと何らかの奇跡が起こって、助かると。これまでもそうであったように。
しかし、上条の期待は最悪の結末で裏切られた。
痛くはない。だけど熱い。
体中が燃えるように熱い。
体中が燃えるように熱い。
弾丸が体を突き抜けた衝撃で体がくずれおちる。
地面に伏せても、自分が今どうなっているのか分からない。
地面に広がる血を見ても、自分のとは思えなかった。
地面に伏せても、自分が今どうなっているのか分からない。
地面に広がる血を見ても、自分のとは思えなかった。
「いやっほおおお!!あの幻想殺しを殺したぜ!!」
「まだ息があるようだが、長くはないだろう。このまま捨ておけ」
「ちょっと待てよ!こいつにとどめを刺したのは俺の銃だぞ!」
「ちげえだろ。おれがやったんだ」
「きたねえぞ。俺だってやったんだから、分け前はもらうぜ」
「まだ息があるようだが、長くはないだろう。このまま捨ておけ」
「ちょっと待てよ!こいつにとどめを刺したのは俺の銃だぞ!」
「ちげえだろ。おれがやったんだ」
「きたねえぞ。俺だってやったんだから、分け前はもらうぜ」
そんな会話さえも、理解できなかった。
全てが現実味を帯びてないように思えた。
「なんで俺が第7学区を担当しなきゃなんねえんだァ。行くだけでも5分は食うぜ。今は1秒でさえ惜しいってのによ」
一方通行は空を飛びながら、愚痴ってた。
そこに、妙な集団が目に入った。
そこに、妙な集団が目に入った。
(まだいたのか、銃を持っている連中なんて。ああいう連中は大した戦力にならないし、とっくの昔に逃げ帰ったもんだと思ってたぜェ)
そんな事を考えている一方通行の耳に、さらに妙な会話が聞こえてきた。
(報酬?誰か殺ったのか?…あァ?銃だと?)
(そういや、幻想殺しは異能にしか働かないんだったよな…おいおいまさか…)
(そういや、幻想殺しは異能にしか働かないんだったよな…おいおいまさか…)
「もう皆で平等に分けようぜ」
「いやいや、それはおかしい。俺だってやったのに」
「上司である俺がたくさん頂くのが当然じゃないか?」
「それも変ですよ!今は上司だとかそんなこと関係ないですよ!」
「いやいや、それはおかしい。俺だってやったのに」
「上司である俺がたくさん頂くのが当然じゃないか?」
「それも変ですよ!今は上司だとかそんなこと関係ないですよ!」
「なかなか楽しそうな話をしてるじゃねえかァ。俺も混ぜてくれよ、なァ」
「なんだこいつ。さっきの幻想殺しの仲間か!?」
「お前あほか?わざわざ自分から殺されに来たってか。望み通り殺してやるよ!撃てええ!!」
「お前あほか?わざわざ自分から殺されに来たってか。望み通り殺してやるよ!撃てええ!!」
「あれ、なんで俺たちが倒れてるんだ…?」
「銃で撃って、どうしたんだっけ?」
「なんで俺たちが倒れていて、てめえは無傷なんだ!?」
「んなこたァどおでもいいんだよォ…おい吐けよ、どこでヒーローを撃った?今すぐ吐け…」
「誰がてめえなんかに…ぎゃあああああああああ」
「足の骨折ったぐらいでビービーうっせえなァ。ヒーローはもっと苦しいんだよ。言わないなら、次はオマエの腕折って固結びにすんぞ」
「銃で撃って、どうしたんだっけ?」
「なんで俺たちが倒れていて、てめえは無傷なんだ!?」
「んなこたァどおでもいいんだよォ…おい吐けよ、どこでヒーローを撃った?今すぐ吐け…」
「誰がてめえなんかに…ぎゃあああああああああ」
「足の骨折ったぐらいでビービーうっせえなァ。ヒーローはもっと苦しいんだよ。言わないなら、次はオマエの腕折って固結びにすんぞ」
ここまで来てようやく吐く気になったようだ。彼はまだ幸運だろう。
昔の一方通行なら、問答無用であの世へのキップを渡してくれていたところだろう。
学園都市最強も随分と丸くなった(?)ものだ。
昔の一方通行なら、問答無用であの世へのキップを渡してくれていたところだろう。
学園都市最強も随分と丸くなった(?)ものだ。
「すぐそこの鉄橋で幻想殺しを撃ったんだ」
「そうかい。情報提供どうも」
「そうかい。情報提供どうも」
そう言って一方通行は立ち去ろうとしたが
「へへ。でも今行っても、もう死んでるだろうよ。無駄骨だな」
「オマエは言ってはならないことを言った。やっぱ変更だァ。オマエ腕を固結びにするだけじゃあたんねえわ。足はちょうちょう結びにしてやる」
数分後この世のものとは思えない絶叫が辺りに響いた。
「こっちは第23学区を制圧」
「私は第1学区を制圧」
「俺様は第22学区と第5学区を制圧したぞ」
「第10学区を制圧したのである。701人倒したのである」
「では私の勝ちだな。私は829人倒して、第15学区を制圧」
「くっそお!300人で第21学区を制圧だ」
「じゃあ賭けは私の勝ちだな、ウィリアム。上等なワインをもらおうか」
「私は第1学区を制圧」
「俺様は第22学区と第5学区を制圧したぞ」
「第10学区を制圧したのである。701人倒したのである」
「では私の勝ちだな。私は829人倒して、第15学区を制圧」
「くっそお!300人で第21学区を制圧だ」
「じゃあ賭けは私の勝ちだな、ウィリアム。上等なワインをもらおうか」
ここで番狂わせが起こる。
「ってなんかたくさん来てるし!……記録更新で830人。上等なウィスキーを用意しておけよ。アルコール度数は90%以上な」
勝利の女神は魔神になりそこねた男に微笑んだらしい。
「だが話に聞いてた通り、まるでゴキブリみたいに湧いてくるな。ここは元を絶たないとな」
「だが力ずくでどうにかなりはしないだろう」
「となると…」
「そうだ、あの男の出番だ。ったく、つくづくあの男の偉大さを感じるよ。それと一緒に自分の無力さも痛感するな」
「そうだな…」
「だが力ずくでどうにかなりはしないだろう」
「となると…」
「そうだ、あの男の出番だ。ったく、つくづくあの男の偉大さを感じるよ。それと一緒に自分の無力さも痛感するな」
「そうだな…」
男を手っ取り早く結んだあと、一方通行は鉄橋目指して飛んでいた。
目的のやつはすぐに見つかった。
目的のやつはすぐに見つかった。
「あれか!」
上条との距離が近くなるにつれ、その惨状は明らかになっていく。
能力を使い、彼の体の状態を診る。
能力を使い、彼の体の状態を診る。
(かなり危険だなァ。今呼吸してるのが不思議なくらいだぜ)
(なにか手はないか?能力を使ったところでほんわずかヒーローの命を伸ばすだけだ。なにか別のもっと有効な手口は…)
(なにか手はないか?能力を使ったところでほんわずかヒーローの命を伸ばすだけだ。なにか別のもっと有効な手口は…)
一方通行は思い出す。この世には超能力とは別に、魔術という異能が存在することを。
(そうか!魔術!魔術でならヒーローは助かるかも知んねえぞォ)
魔術を行使する際の副作用など気にしない。ヒーローにはとてつもなく大きな恩がある。今こそそれを返すべきだ!
(さあて、やることが決まればあとは簡単だァ。いくぜェヒーロー…)
ドクン
またあの感覚が襲ってくる。
体中が痛覚で覆われ、悲鳴を上げている。大量に出血もしているようだ。
だが、魔術を使うことをやめない。
体中が痛覚で覆われ、悲鳴を上げている。大量に出血もしているようだ。
だが、魔術を使うことをやめない。
学園都市最高の頭脳にかけて、ヒ-ローを救うと誓った。
ヒーローをこんなところで死なせるわけにはいかない。
世界のためにも、自分のためにも、そしてなによりオリジナルのために。
ヒーローをこんなところで死なせるわけにはいかない。
世界のためにも、自分のためにも、そしてなによりオリジナルのために。
苦痛の時間は永遠に続くかのように思われた。
「…い…た」
「おい、あくs…」
「おい、一方通行!!」
「あァ?俺は…」
「おい、あくs…」
「おい、一方通行!!」
「あァ?俺は…」
上条が心配そうな顔で覗き込んでいた。
「心配したぞ!一方通行。起きたら隣で血まみれになって倒れてるんだもんな」
「ひょっとして俺が生きてるのって、一方通行のおかげか?」
「チッ。別に大したことはしてねえ。」
「どうやって治したんだよ?」
「魔術だ。それとすぐ動くなよ。治癒したとは言ったって、血液が足りてねえ。またすぐ倒れるぞ」
「そうか、だからおまえは血まみれに…ごめ…ありがとうな一方通行」
「礼なら学園都市外のコーヒーショップで一杯奢ってもらうから別に構わねえ」
「了解だ。美琴達と一緒に行けたらないいな」
「そうだなァ」
「ひょっとして俺が生きてるのって、一方通行のおかげか?」
「チッ。別に大したことはしてねえ。」
「どうやって治したんだよ?」
「魔術だ。それとすぐ動くなよ。治癒したとは言ったって、血液が足りてねえ。またすぐ倒れるぞ」
「そうか、だからおまえは血まみれに…ごめ…ありがとうな一方通行」
「礼なら学園都市外のコーヒーショップで一杯奢ってもらうから別に構わねえ」
「了解だ。美琴達と一緒に行けたらないいな」
「そうだなァ」
「あ?見つけた?ふんふん、じゃあすぐそっちへ向かう」
「あの男は見つかったのか」
「ああ、ただ無理に動かすのは危険らしいぞ」
「まあ何はともあれ、見つかってよかった。これで戦いを終わらせられるぞ」
「あの男は見つかったのか」
「ああ、ただ無理に動かすのは危険らしいぞ」
「まあ何はともあれ、見つかってよかった。これで戦いを終わらせられるぞ」
「フィアンマ達がー!?」
「そうだ。加勢に来たんだぜェ、ったくとんでもねえ化け物だなありゃ」
「まあ、あいつらの力、チートっぽいしな」
「そうだ。加勢に来たんだぜェ、ったくとんでもねえ化け物だなありゃ」
「まあ、あいつらの力、チートっぽいしな」
「それは否定できないな。ヴェントなんて敵意向けただけで、昏睡状態になるんだぜ」
「よく言うよ。アンタなんて右手振ればそれで終了じゃない」
「そんな化け物に勝ったのがこの上条当麻なんだけどな。久しぶりだな、元気か」
「よく言うよ。アンタなんて右手振ればそれで終了じゃない」
「そんな化け物に勝ったのがこの上条当麻なんだけどな。久しぶりだな、元気か」
「お前ら…話は一方通行から聞いた。本当にありがとうな」
「礼には及ばねえよ」
「礼には及ばねえよ」
和やかな雰囲気もここまで。みな真剣な顔になる。
「さっそく本題に入るぞ。敵は一体どういう勢力なんだ」
「昔はバラバラに戦っていて、まとまりがなかったんだけど、ここ最近集団として戦うようになってる」
「つまり、リーダーのような奴がいるわけか」
「おそらくな」
「目星はついているのか」
「いや、まだだ…今土御門が全力で調べ上げている最中だァ」
「昔はバラバラに戦っていて、まとまりがなかったんだけど、ここ最近集団として戦うようになってる」
「つまり、リーダーのような奴がいるわけか」
「おそらくな」
「目星はついているのか」
「いや、まだだ…今土御門が全力で調べ上げている最中だァ」
9人の間に重い空気が流れる。
「じゃあとりあえずは持久戦だな。天草式にも集合かけるぞ」
「天草式!?あいつらも来てるのか」
「あぁ、皆お前のために来たんだ。胸を張っていいんだぜ、リーダー」
「天草式!?あいつらも来てるのか」
「あぁ、皆お前のために来たんだ。胸を張っていいんだぜ、リーダー」
学園都市外 とある街郊外
学園都市を望める河原に、元学園都市第3位の御坂美琴が座っていた。
こうして過ごすのが、彼女の休日の習慣となっていた。
ここにいれば、すこしでもアイツの近くにいれるような気がして。
こうして過ごすのが、彼女の休日の習慣となっていた。
ここにいれば、すこしでもアイツの近くにいれるような気がして。
耳を澄ませば、戦いの音が聞こえてくる。
その音が聞こえてくる限り、彼は生きている。
その音が聞こえなくなった時というのは、彼が帰ってくるか死んでしまったかの2つしか可能性がない。
だから、音が聞こえてくる間は安心する。
反面、早く帰ってきてほしいとも思う。
その音が聞こえてくる限り、彼は生きている。
その音が聞こえなくなった時というのは、彼が帰ってくるか死んでしまったかの2つしか可能性がない。
だから、音が聞こえてくる間は安心する。
反面、早く帰ってきてほしいとも思う。
美琴の中にはそんな葛藤があった。
(当麻…無事に帰ってきて。どんなにかかってもいいから。私すっと待ってるから)
prrrrrrrr
「土御門か?何か分かったか?」
『ああ、すごい情報手に入れたんだにゃー。敵の組織の本拠地の場所だ』
「他にはあるのか?」
『まあな。こいつら確かに人数は膨大のように見えるが、もう底を尽きかけている』
「どういうことだ?」
『簡単に言うと破壊されまくった学園都市に価値を見いだせなくなったんだにゃー、こいつらのスポンサーは』
「ということは…」
『この戦いが終わるのもそう遠くない』
「そうか」
『カミやん。さっさと終わらせて愛しの超電磁砲を安心させてやれよ』
「なんでお前が知ってんだよ!」
『オレの情報網をなめるなってことだにゃー。無理はするなよ』
「ああ、分かってる」
『ああ、すごい情報手に入れたんだにゃー。敵の組織の本拠地の場所だ』
「他にはあるのか?」
『まあな。こいつら確かに人数は膨大のように見えるが、もう底を尽きかけている』
「どういうことだ?」
『簡単に言うと破壊されまくった学園都市に価値を見いだせなくなったんだにゃー、こいつらのスポンサーは』
「ということは…」
『この戦いが終わるのもそう遠くない』
「そうか」
『カミやん。さっさと終わらせて愛しの超電磁砲を安心させてやれよ』
「なんでお前が知ってんだよ!」
『オレの情報網をなめるなってことだにゃー。無理はするなよ』
「ああ、分かってる」
「さて、どうするよリーダー」
「決まってんだろ。敵のボスの幻想をぶっ殺しにいくよ」
「はん、言うと思ったぜェ」
「決まってんだろ。敵のボスの幻想をぶっ殺しにいくよ」
「はん、言うと思ったぜェ」
一呼吸入れて上条は皆に言う。
「お前ら絶対死ぬなよ」
「誰に向かって言ってんだ。俺様はお前からまだ学びたいことがあるんだからな」
「こんなところで死んだら第三王女に申し訳ないのである」
「こっちはウィスキーをもらうまで死ねるか」
「弟の分まで生きるって誓ったんだ、私は」
「騎士派のみんなが心配だからな」
「胸が大きくなるまでは死ねない」
「このバカを三角木馬にかけないといけないからな」
「打ち止めと遊園地行く約束してるんだァ、こっちは」
「こんなところで死んだら第三王女に申し訳ないのである」
「こっちはウィスキーをもらうまで死ねるか」
「弟の分まで生きるって誓ったんだ、私は」
「騎士派のみんなが心配だからな」
「胸が大きくなるまでは死ねない」
「このバカを三角木馬にかけないといけないからな」
「打ち止めと遊園地行く約束してるんだァ、こっちは」
「そうか、そうだよな。俺も美琴と……」
「よし…じゃあ行くか!この戦いを終わらせるために!!」
第13学区
土御門にもらったデータを頼りにこの場所までやってきた上条達だったが
「あれ?なにもないぞ?場所間違えたのか?」
上条は首をかしげる。辺りは崩れたビルやら瓦礫が転がっているだけだった。
「いや、これは魔術によって隠されてるだけだァ。流れを感じる」
「一方通行の言うとおりだな。さてどうやって結界を破るか」
「俺の右手じゃあだめなのか?」
「この術式は見えてない間はその物も実体をもたないんだよ。つまり触ることもできない」
「破る方法は二つあったな。まずは詠唱によって破る方法と強引に破る方法の二つ」
「詠唱はおそらく禁書目録でないと無理だろう。となると必然的に…」
「力ずくってなるわけである」
「じゃあここは俺様がやろう」
「一方通行の言うとおりだな。さてどうやって結界を破るか」
「俺の右手じゃあだめなのか?」
「この術式は見えてない間はその物も実体をもたないんだよ。つまり触ることもできない」
「破る方法は二つあったな。まずは詠唱によって破る方法と強引に破る方法の二つ」
「詠唱はおそらく禁書目録でないと無理だろう。となると必然的に…」
「力ずくってなるわけである」
「じゃあここは俺様がやろう」
ポン という音をたてて右手が飛び出してきた。
それを軽く振ったかと思うと、洒落にならないほどの爆音が耳をつんざく。
それを軽く振ったかと思うと、洒落にならないほどの爆音が耳をつんざく。
何分経ったのだろう。ふと見ると、空間にヒビのようなものが入ってるのが分かる。
ビシビシビシ
ヒビが縦に広がり、横にも広がり、原点を中心に割れていった。
割れていくにつれその全貌が明らかになった。
割れていくにつれその全貌が明らかになった。
「嘘…だろ」
「これは俺様への当てつけか?ふざけた奴だな」
「これは俺様への当てつけか?ふざけた奴だな」
上条達の視界には、上空約1000mの所に浮いている要塞が映っている。
それはかつてロシアでも見かけられたあの”ベツレヘムの星”に酷似していた。
それはかつてロシアでも見かけられたあの”ベツレヘムの星”に酷似していた。
「どうやってあそこまで行くんだ?」
「空を飛ぶしかねえだろォ」
「空を飛ぶしかねえだろォ」
着地の際トラップに警戒した一行だったが、特になにもなく杞憂に終わったようだ。
「見れば見るほどそっくりだな」
そう言ってフィアンマはいろいろ物色しているようだ。
「どうだい、私の城は?気に入ってくれてなによりだよ」
「「「「「!!!???」」」」」
「あァ?……!?て、テメェは…」
「アレイスター=クロウリー!!!!」