とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ とある帰り道の一幕



「はぁ…疲れた…」

公園を歩く御坂美琴は呟いた。辺りは夕焼けに染まり完全下校時刻は近い。

「ちょっと作りすぎちゃったわね…」

彼女が持っていたのは紙袋に包まれたクッキーだ。
今日、授業で作ったものである。

「それにしても黒子の奴、一体何処から情報仕入れてくんのよ…ったく」

それは昼間の出来事、クッキーを作っていた彼女の元に突然白井黒子が乱入してきたのだ。
元々、黒子にはクッキーをあげる予定だったのだが、あまりにしつこかった為、「アンタのは無いわよ」と言い電撃で追い払ったのだ。
その所為もあって今はかなりの量が残されている。

「まあいっか、どうせ寮に帰ったら黒子と食べればいいし。っとそれよりもジュースっと…!!あ、アイツは!!」

喉が渇いた為、いつもの様に自動販売機に蹴りを入れようとしたときに、視界にツンツン頭の彼を見つけた。上条当麻だ。

「ちょっと、アンタ!」
「……」

美琴は当麻に声を掛けるが、当麻には声が聞こえてないのか、そのまま歩いていってしまう。

「ちょっと!こら!待ちなさいってば!!」
「……」
「待てって…言ってんだろうがぁぁぁぁ―――――!!」

バチバチィ!!再三の呼びかけにも答えない当麻に美琴がキレた。いつものように雷撃の槍を放つ。
だが、それもいつものように右手によってかき消される。

「うお!!なんだビリビリか…」
「ビリビリ言うな!それより人が何回も呼んでるのになんで無視すんのよ!!」
「そうなのか?全然気付かなかったが…んで?なんか用か?上条さんは忙しいのですよ」
「え?べ、別に用があるって…訳じゃ…なぃ…けど…」
「はあ?お前なー、用も無いのに電撃って酷くねぇか?当たったら死ぬぞ…」
「べ、別にいいじゃない!どうせ効かないんでしょ!」
「そういう問題じゃねぇっつーの、はぁ…用が無いならもう行くぞ、じゃあな」

テンプレのような会話を済ませ、さっさと場を去ろうとする当麻。
だが、美琴にしてみれば、折角会えたのにこんなに早く逃げられては面白くない。何とか会話をしようと頭を巡らせる。

「ねえ、そんなに急いで何処行くのよ?」
「ん?あぁ、夕飯の材料を買いにな。それよりお前、何持ってんだ?」
「これ?クッキーだけど?」
(そ、そうだわ!これ使って上手い事会話を弾ませて!!それでそれでベンチに二人で座って!
 じゃなくて!あ、でも飲み物が無いから自販機蹴って!じゃなくて~~ああもう!!)

何を持っているのか?と聞かれただけなのだが、美琴の思考は既に何処かへ旅立とうとしていた。

「お~い、御坂さ~ん、どうしましたか~」
「…ねぇ、あのさ…もし良かったら、食べる…?」
「いいのか?んじゃ早速」

そう言うや否や、紙袋からクッキーを取り出し口に運ぶ。

「ど、どう…かな…?」
「これ美味しいな、何処で買ってきたんだ?良かったら教えてくんねぇ?」
「本当?本当においしい?」
「ああ、最近食った中ではダントツだな、これはもう一枚が欲しくなる味だ」
「~~~~~」
「ど、どうした?御坂?」
「な、なんでもないわよ!そんなに食べたかったら全部あげるわよ!!」

美味しいという賛辞の言葉がよほど嬉しかった美琴は、顔を真っ赤にし、紙袋ごと押し付けると全力で走り去っていた。

「な、なんだったんだ御坂のやつ?って何処で買ったか聞きそびれたな…また次ぎ会ったときでいいか
 ん~それにしても美味いな、これ」

クッキーをもう一枚食べた当麻は呆然としながらもそう言った。一方、走り去った美琴は

(あ~ばかばか!何やってんのよ私!折角のチャンスだったのに…)
(でもアイツに美味しいって言われた…えへへ、嬉しいなぁ…、今度また作って、その時は…)

そんな事を考えながら、顔を綻ばせながら走る美琴。
そんな彼女の次のアタックは成功するのでしょうか!?

~続かない


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