効果を無効にする効果



効果について


遊戯王OCGにおける「効果」」とは、そのカードが持つ能力のことである。

カードは様々な効果を持っており、プレイヤーは効果として記されているテキストの指示に従ってデュエルを進めることになる。
モンスターカードを様々な効果でサポートしつつ相手のライフを0にすることがデュエルの基本的な流れであり、効果を組み合わせたコンボ、効果の応酬、効果の存在に伴う駆け引きなどは、デュエルの醍醐味と言えよう。

ただ、当然効果とて万能ではない。
各効果を使用するにあたっては程度様々な条件を満たしている必要がある他、その効果の使用自体を封じられることもある。
相手の戦術を妨害することもまたデュエルであるため、プレイヤーには、その対策やリカバリーを想定するプレイングスキルも求められるのだ。



効果を封じる方法は様々だが、その方法は大きく3つに分けられる。


1つ目は「発動封じ」

効果の使用には、能動的・他動的に使用する「発動」と、自動的に使用することになる「適用」の2つがある。
発動封じはこの内の発動を封じるものであり、効果を能動的・他動的に使用することはできなくなるが、効果の存在自体がなくなるわけではない。
もちろん、効果によって直接発動を封じる場合もあれば、自分のプレイングによって間接的に相手の発動を抑制する場合もある。


2つ目は「不発」

効果には様々な条件があり、その条件を満たせていないと使用できなくなる。
例えば、「フィールドのカード1枚を破壊する」という効果の場合、対象となるカードをフィールド以外の場所に移動させる等してその指示を遂行できない状態にすれば、その効果を間接的に封じることができるのである。
場合によっては二手三手先を読むことも重要になってくる上に、効果封じに傾倒するあまり他がおろそかになっては本末転倒であるため、最もプレイングセンスが問われる方法と言えよう。


そして3つ目は、このページで論題となる「無効」である。

身も蓋もないやり方で、効果の存在を「なかったこと」にする。
発動封じの場合と異なり、こちらは効果の適用もできない。
また、デメリットとして「効果が無効になる」パターンもある。



もちろん、効果を無効にすることもまた立派な戦術なのだが、ゼアルではこの「効果を無効にする効果」が頻繁に登場しており、デュエルがワンパターンとしか言えないものになってしまっていた。
「効果を受けない」や「効果を発動できない」といった類似効果も存在し、ゼアルにおける効果の信頼度は異様なまでに低い。

また、「効果を無効にする効果」だけでなく「攻撃を無効にする効果」「ダメージを無効にする効果」「破壊を無効にする効果」「発動を無効にする効果」等も多いため、ゼアルのデュエルでは「無効」という言葉で耳に胼胝ができるのである。


効果無効が頻発した原因


主に以下の2つが挙げられる。



1つはナンバーズが共通して持つ「ナンバーズ以外との戦闘では破壊されない」という耐性の存在。

効果による処理には無力であり、特別強力な耐性というわけではないのだが、「モンスター同士がぶつかり合う」シーンがないと絵的に盛り上がらず、効果による処理からは「勝負から逃げた」という印象も生まれるため、そういった演出は推奨されるものではない。*1
加えて、ゼアルはナンバーズを集めることを物語の主軸にしておきながらナンバーズが揃わない作品でもあるため、必然的に多くなるナンバーズ以外のモンスターでナンバーズを戦闘破壊するとなると、その効果を無効にするしかなくなるというわけである。

そして言うまでもなく、この「ナンバーズ以外との戦闘では破壊されない」という共通効果は、設定の段階から「ワンパターンな効果」を作ってしまうことでもある。
結果としてこの耐性はまともなデュエル構成を作る上での足かせにしかなっていない。
何故このような設定を加えたのか理解に苦しむが、やはりこれも監督がデュエルを理解していないことが影響していたりするのだろうか?



もう1つが根本的な問題で、身も蓋もない言い方をすると手抜きである。

勝敗などの結果を決めた上でデュエル構成を作る都合上、「この効果を使える状態なら負ける方が勝ってしまう」「この効果を使える状態なら早い段階で決着が付いてしまう」というような状況は制作過程で度々起こる。
本来はその問題を解消するためにカードが加わるタイミングやカードの効果を調整して無理のない展開にするものなのだが、ゼアルでは「効果を無効にする」ことで都合の悪いカードの効果を「なかったこと」にしてしまうのである。
将棋に譬えるなら、詰め将棋を作る際に配置する駒の一部に「この駒は動けないことにする」という設定を加えるようなものであり、その構成は稚拙という他ない。

また、相手の戦略に生じた僅かな隙を見つけて突破するからこそカタルシスも生まれるのだが、ゼアルでは相手の戦略を「なかったこと」にしてから突破するシーンが多いため、キャラクターに実力があるようには見えなくなってしまっているのである。
それまで苦戦していたモンスターの効果を「なかったこと」にしてから突破するシーンは、シラケることこの上ない。

そして大仰なことを度々主張する遊馬も「効果を無効にする効果」を多用して困難を「なかったこと」にしているため、彼が信条とする「かっとビング」にある「あらゆる困難にチャレンジする」という意味の説得力も皆無である。
遊馬がゼアルとなって創造するカードに「効果を無効にする効果を持つカード」が多いのは、偶然と言えるのだろうか?
これこれを含め、「あらゆる困難をなかったことにする」主人公なんぞに魅力など生まれる筈もない。



参考データ


以下はゼアルで初登場した「効果を無効にする効果を持つカード」の一覧である。

範囲はあくまで「効果を無効にする効果」であるため、「効果を受けない」「効果を発動できない」「効果の発動を無効にする」等の類似効果はこの範囲には含めない。
そして「効果を無効にする」効果や処理を複数持っているカードは赤字にしている。
また、効果はアニメ版を基準にしているため、ゼアルで初登場したカードがOCG化する際に同効果が追加されていたとしても、下記のリストには含めない。



なお、その総数は106枚

他の問題と比べても特に多く、類似効果を容赦なく省いてもまだこれだけ多いのは異常である。
というかゼアルの総デュエル回数よりも20以上多い。

複数回使用された効果、使用されなかった効果、何故か効果が無効にならなかったパターンも踏まえて計算すると、1回のデュエルで平均2回ほど効果を無効にしていることになる。
これが「攻撃」「ダメージ」「破壊」「発動」の無効を含めた「無効」というセリフが発せられた回数となると…………一体どうなることやら。


モンスターカード エクシーズモンスター
《銀河暴竜》 《CNo.92 偽骸神龍Heart-eartH Chaos Dragon》
《三連星のトリオン》 CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー
《ZW-玄武絶対聖盾》*2 《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》
《ZW-荒鷲激神爪》 《CNo.80 葬装覇王レクイエム・イン・バーサーク》
《ZW-一角獣皇槍》 《CNo.107 銀河眼の時空龍》
《ZS-双頭龍賢者》 《CNo.102 光堕天使ノーブル・デーモン》
《DZW-魔装鵺妖衣》 《CNo.106 溶岩掌ジャイアント・ハンドレッド》
《チャウチャウちゃん》 《CNo.6 先史遺産-カオス・アトランタル》
《フォトン・スペクター》 《CNo.65 裁断魔人ジャッジ・デビル》
《磁石の虹色獣》 《輝光子パラディオス》
《紋章獣ユニコーン》 《虚構王アンフォームド・ボイド》
《ゴルゴニック・ガーディアン》
《スモーキング・ドッグ
《ZW-獣王獅子武装》
《No.99 希望皇龍ホープ・ドラグーン》
《No.3 地獄蝉王ローカスト・キング》
《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》
《No.2 蚊学忍者シャドー・モスキート》
《No.25 重装光学撮影機フォーカス・フォース》
No.8 紋章王ゲノム・ヘリター
《No.107 銀河眼の時空竜》
《No.102 光天使グローリアス・ヘイロー》
《No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド》
《No.43 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッター》
《No.44 白天馬スカイ・ペガサス》*3
《No.46 神影龍ドラッグルーオン》
No.69 紋章神コート・オブ・アームズ
《超銀河眼の光子龍》
《フォトン・ストリーク・バウンサー》
ブラック・レイ・ランサー
《零鳥獣シルフィーネ》
魔法カード 罠カード
《エクシーズ・スタンドアップ》 《アブソリュート・バスター》
《エクシーズ・レセプション》 アンゴルモア
《オーバーハンドレッド・コール》 《Vain-裏切りの嘲笑-》
《オーバーレイ・ドロップ・リボーン》 《エクシーズ・ディメンション・スプラッシュ》
《オーバーレイ・フラッシュ》 《エクシーズ・バトル・チェーン》
《オーバーレイ・ブレイク》 《エクシーズ・ピース》
《カオス狂宴》 《エクシーズ・ブロック》
《カオス・フィールド》 《オーバーハンドレッド・カオス・ユニバース》
《銀河衝撃》 《オーバーレイ・ウェッジ》
《銀河零式》 《オーバーレイ・バニッシュ》
《銀河爆風》 《オーバーレイ・マーカー》
《キラー・パス》 《カウンターズ・ハイ》
《重力砲》 《ガガガラッシュ》
《クリアー・ローブ》 かっとビング・チャレンジ》
《ストイック・チャレンジ》 《銀河黒龍渦》
《スリー・スライス》 《ゴースト・フリート・サルベージ》
《トライアングル・ギミック・ボックス》 《ジェリー・ホール》
《ネクロ・カオス》 《環状列石の結界》
《バイバイゲーム》 《スペース・ゲート》
《ヒロイック・コール》 《時空陽炎翼》
《B2ゾーン》 《ディメンション・ゲート》
《フラッシュ・エフェクト》 《デステニー・ブレイク》
《プレート・サルベージ》 《七皇の双璧》
《希望の鼓動》 《ナンバーズ・デス・ロック》
《ボルテージ・サモン》 《ナンバーズ・リフト》
未来への思い 《ヌメロン・リライティング・エクシーズ》
《ランクアップ・アドバンテージ》 《ヌメロン・リライティング・マジック》
RUM-七皇の剣 《ヒーローの受難》
《RUM-ダーク・フォース》 《ピンポイント・ガード》
《RUM-ヌメロン・フォース》 《ブレイブ・ハート》
《RUM-バリアンズ・フォース》 《ムーン・バンパー》
《もの忘れ》
《ランク・レボリューション》




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最終更新:2024年03月23日 11:59
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*1 哀しきかな、OCGでは相手の場にある都合の悪いカードをリセットしてから攻めたり制圧したりするプレイングが主流となっている

*2 テキストには記されていない効果として

*3 無効にするかどうかは相手が決める