概要
ゼアルに登場する技術。
ゼアルのデュエルは全てこのARビジョンの技術を用いて
カードを立体映像化させている。
デュエル前には、「ARビジョン リンク完了」という機械音声や「デュエルターゲット!ロックオン!」等の決めゼリフ(?)の他、デュエルの情報が記された謎の表示盤が大量に出現するという演出があるのだが、これもその時々であったりなかったりする。
まぁ作画作業の負担や尺稼ぎ等の問題を鑑みると、むしろない方がいいのだが。
文字通りただの「AR」であり、つまりは
ソリッドビジョンの下位互換。
決闘庵にある木像の存在や過去作出身のモンスターが
召喚獣バトルのかませにされるシーンがあるため、ゼアルの世界には初代やGXのモンスターが存在すること自体は確定しているのだが、ソリッドビジョンを使わない理由は不明。
デュエルディスクも存在するのだが、何故かこちらも「Dパッド」と呼ばれることがある。
他人の作った物をいじくっただけで「自分は周りと違うことをした」と思っている人間が自縄自縛に陥ることはよくある話なので、後述するツッコミどころの多さも踏まえると、やはりこれもそういうことなのだろうか?
一応、ソリッドビジョンにはない要素として、デュエルする相手(とデュエルの観戦者)以外の存在が一切見えなくなるという謎技術がある。
言うまでもなく非常に危険な状態なのだが、何故か事故が起こった様子は一切ない。
よりにもよって初デュエルは駅前広場のド真ん中でデュエルを行っており、通行人にとっては迷惑極まりない。
不要な人間が消えてなくなる演出も相俟って、後から見るとこれも
ゼアルに数多く見られる選民思想の発現の1つだったとも言える。
あくまでただのARなのだが、ソリッドビジョン同様、明らかに衝撃が発生している。
何かしらの超常的な力が働いている場合はともかくとするにしても、そういったものがない場合も同様である。
まぁこれに関しては、「リアクションがないと盛り上がりに欠ける」という事情もあるため、半ばシリーズ全体のお約束みたいなものでもあるのだが、ゼアルの場合は「AR」という現実にも存在する技術を基準にしているため、その不自然さが目立ってしまっている。
Ⅲとのデュエルで《アンゴルモア》が使用された時に至っては、何故か現実世界までもが崩壊を始めていた。
ただ、ゼアルの場合はそういうお約束的な意味で衝撃が生じているわけではなく、結局のところ
こいつの
くど過ぎる演出が原因である。
ゼアルのデュエルでは、ダメージが発生すると謎の突風が発生し、デュエリストがいちいち吹っ飛ぶというシーンをしつこく繰り返すため、ワンパターンな上に非常にくどい。
吹っ飛ぶ構図、吹っ飛んで仰向けになった状態でスローになる構図、仰向けになって倒れる構図などを毎度の如く見せられるため、その引き出しの無さを嫌でも実感させられる。
また、初期ではモンスターが召喚されたりデュエリストが吹っ飛ぶ度にその辺の建物や地面などが滅多矢鱈に壊れたりするという演出があった。
当然作画作業の負担が無駄に増えることになるため、この無駄な演出は基本的に廃止されたのだが、無駄な吹っ飛びだけは意地でもやめる気がないようである。
これらを鑑みるに、前述した大量の表示盤が出現して画面が散らかるという演出も、
こいつの自己顕示欲の発現だったのだろう。
ライフポイントやステータスの表示盤くらいしか出ない過去作よりも優位に立ちたかったのかもしれない。
Dゲイザー
ARビジョンを認識するために必要となるモノクルのような道具。「D・ゲイザー」と表記されることも。
このような道具が必要という意味でも、ソリッドビジョンの下位互換と言える。
そしてなんで龍亞の所持する《D・ゲイザー》と名前を重複させたのか。
デュエル前には「Dゲイザー、セット!」と言いながらこの道具を左目に装着するのだが、一部デュエリストはDゲイザーを付けず、代わりに謎の技術で左目を変色させている。
Dr.フェイカー関連の組織や
トロン一家の面々は、変色の他に左目周りにタトゥーのような模様も浮かび上がらせているのだが、この技術の詳細や意味は最後まで謎のままだった。
どうも「異世界の力」とやらが関わる場合はDゲイザーを使わなくなるようで、普段はDゲイザーを付ける一般デュエリストも、
バリアンに洗脳されると左目を変色させるようになっている。
まぁその「異世界の力」とやらの詳細が不明である上に、
片桐のような例外もいるのだが。
また、前述したようにDゲイザーは左目に付けるものであることから、当初は左目でARビジョンを認識し、右目で現実世界を見ているものと思われた。
ただ、《
アンゴルモア》の影響があった際には
等々力がDゲイザーを外した上で現実を認識しようとしていたため、実際は右目でもARビジョンを見ている模様。
仮想現実の影響が脳にまで達しているのだろうか?
色んな意味で危険な技術である。
デュエルに関する情報を表示する機能もあるようで、
ポン太がDゲイザーを操作して
遊馬のセットしていた自分の場にセットされている
カードの情報を確認していたりもする。
1話の描写を見るに自分の手札を表示する機能もあるようだが、存在意義がないためか、この描写はこれ以降なくなっていた。
総じて機能がはっきりしないが、5D’sではライディングデュエルでバイザーに情報が表示されるという機能があったため、要はそれと同じようなものなのだろう。
また、名前的にデュエル専用の道具みたいだが、実際は別にデュエル専用の道具というわけではないようで、作中では度々通信機器として使用されていた他、どこに需要があるのか変声機能まであった。
そのためか、
遊馬のようなデュエルを禁止されていた人物や
小鳥のようなデュエリストではない人物も、Dゲイザーを普通に所持している。
こちらの世界で言うところのスマホみたいなものなのだろうか?
その他
こいつが荒らした原作映画では、海馬コーポレーションがDゲイザーのような機械を開発しており、海馬などはそれをデュエルで使用していた。
その影響もあってか、この点だけを拡大解釈した
ゼアル信者が
「ゼアルが遊戯王の正史だ!」「だから決闘庵に木像がなかった5D’sは遊戯王の正史じゃない!」などと喚くこともある。
あれは脳波を計測するものであり、Dゲイザーのように眼鏡型になったりしない他、映像もARではなく「VR・ソリッド・ビジョン」なる技術なのだが、彼らの脳波はそういう風に揺れたらしい。
いずれにせよ、あの機械には何の必然性もなかった。
というか、元々ソリッドビジョンの時点で完成していたため、その進化が表現し難いのである。
だからと言って
ゼアルのようにARに退化することはないと思うが。
また、
遊戯王VRAINSの8話に登場した鷲のアバターが、Dゲイザーらしき機械を付けていた。
VR空間を見るためにDゲイザーが必要などということは当然ないため、これはファンサービスのつもりだったのだろう。
ゼアル信者へのサービスにしかなっていない以上、ファンサービスというのもおかしいのだが、とりあえず
「ゼアルのマーキング」ではないことを願うばかりである。
ARC-Vでは
こいつを作中に登場させるマーキングをスタッフがわざわざ主張するという例もあったため、その可能性を否定しきれないのが何とも哀しいが。
最終更新:2018年11月16日 20:55