1ターンキル


概要


「自分にとっての1ターン目で勝利すること」を意味するカードゲーム用語。One Turn Kill
行ったプレイヤーが先攻の場合は「先攻1ターンキル」と、後攻の場合は「後攻1ターンキル」と表現される。

なお、「1ターン内に初期ライフ以上の莫大なダメージを与えて勝利する」ことも「1ターンキル」と呼ばれることがあるが、こちらは「1ショットキル」と呼ばれるものであり、厳密には異なる。
尤も、遊戯王では「1ショットキル」でも「1ターンキル」と呼ばれることが多々あるため、必ずしも間違っているとは言えない。
最近ではOCGプレイヤーもこの2つを使い分けるようになっているが、前述した意味も語る人間によって細部が異なっていたりするため、総じて曖昧な概念である。*1


1ターンキルの問題


駆け引きがあってこそのカードゲームであるため、1ターンキルが頻繁に起こるゲーム環境は望ましいものではない。
1ターンキルが頻繁に起こる場合、それはターンの順番を決める手段で勝敗を決めていることと同じだからである。

ただ、遊戯王OCGでは1ターンキルデッキが環境を支配するという状態が歴史上何度も起きており、ファン・アンチ問わず「ゲームバランスが悪いゲーム」と非難する者も多い。(非難している彼らがカードに金を出しているかは別だが)
最近ではカードパワーのインフレもあり、ほぼ全てのデッキで1ターンキル、もしくは1ターン目で相手の動きを拘束して事実上の敗北に追い込む戦術が行えるようになってしまっているため、非難という反応はともかくとしても、バランスが悪いゲームであることは否めないだろう。

当然このような状態はユーザー離れにしか繋がらないため、KONAMI側も「キーカードの規制」という形で対処はしているのだが、そもそもそんなカードを出すなという話である。
結局のところ、1ターンキルの根本的な問題は「強力すぎるカードを出して商品を売り、都合が悪くなれば規制する」というKONAMIの露骨な商業主義にあると言える。*2

だが、そういった強いカードを求めているのはユーザーであるというのも事実である。それにもかかわらず、KONAMIだけの責任にするあたりが遊戯王ユーザーが陰で嫌われている要因でもある。


遊戯王シリーズと1ターンキル


ページ数や放送時間の都合もあってか、原作・アニメ共に1ターンキルや1ショットキルは幾度か発生している。
初期ライフが4000なのも影響しているだろう。

GXに登場したオージーンや5D’sに登場したロットンは1ターンキルを得意としており、《一撃必殺!居合いドロー》で有名な一角のようにロマンを求めて1ターンキル戦術の研鑽を積む者も存在する。



「1ターンキル」という用語が初めて登場したのは、原作の235話における闇マリクの発言である。*3
ただ、この時行われていた【闇マリクvsバクラ】戦ではバクラのライフがライフコストなどで1900まで減っており、攻撃を行った《ラーの翼神竜》の攻撃力も3999と初期ライフ未満であった*4ため、前述した意味を前提とするならば、これは「1ターンキル」でも「1ショットキル」でもない。

派生語も登場しており、GXでは三沢が自分のターンが回ってくる前に勝利した斎王のプレイングを「0ターンキル」と、5D’sではマルコムが1度に3人を1ショットキルした遊星のプレイングを「1ターン3キル」と称している。
前者は相手の1ターンキルを利用したもので、後者はその発音の独特さからネタにされることが多い。

「1ショットキル」という用語は長い間使われず、1ショットキルに該当するものでも「1ターンキル」と称されていたが、ARC-Vの1話で遊矢が初めて「1ショットキル」と発言した。
ARC-Vでは「ワンキル」という略称も登場している。


ゼアルと1ターンキル


ゼアルでは1ターンキル及び1ショットキルがかなり多く、作品の問題の1つにもなってしまっている。
主な理由は放送時間の都合であるが、その貴重な放送時間を諄い演出小鳥の出番で浪費してしまっているため、結果としてこれらが多くなっているのである。
中でも強キャラであるというアピールをしつこく行っていながらも強キャラ感が全くなかっミザエルドン・サウザンドにあっさり1ターンキルされて在庫処分されるシーンは、別の意味で涙を誘う。*5

1話完結のデュエルが多いGXで特別1ターンキルが多くなかった一方で、デュエルが2話にまたがることの多いゼアルで1ターンキルが多いというのは、作品の問題を如実に示していると言えよう。
エースモンスターを維持して茶番を続けた後に相手カードの効果を無効にしてインフレした攻撃力で決着を付けるというのが、いつものゼアルである。



そしてその中でも特に問題視されているのが遊馬の1ターンキル(1ショットキル)であり、ホープ系統ばかりがフィニッシャーになっていることも相俟って、「ホープレイワンキル」と揶揄されている。
事前に《アチャチャアーチャー》を召喚してついでのダメージを与えていた場合などは1ショットキルには該当しない可能性もあるが、それを1ショットキルとしない場合でも尚多い。
無論、特別意識していない限りはその場合でも1ショットキルにしか見えないため、遊馬は実数以上に1ターンキル及び1ショットキルを行っていることになる。

スタッフもその点は認識していたようであるが反省する気は更々なかったようで、WDC編で出た遊馬のデータにはデッキタイプが「Xyz One Turn Kill」*6と事実を微妙に濁した上で記されていたりもした。
実際に遊馬のワンキル率及びそれに限りなく近いことを行っている確率は高く、WDC編では【遊馬vsアンナ】戦から【遊馬vsドロワ&ゴーシュ】戦まで5回連続で行ったこともある。


参考データ


以下はゼアルで生じた1ターンキル及び1ショットキルの一覧である。
前提として、省略されたデュエル、バトルロイヤル、本編以外のデュエルは含めていない。
中断したデュエルも実質的に含まれないことになる。

前述したように1ターンキルや1ショットキルの概念は確立されていない部分もあるのだが、ここでは「1ターン内に初期ライフ以上のダメージを与えて勝利したデュエル」を記している。
「これもワンキルだ」「これはワンキルじゃない」という判断は、各々でしていただきたい。

なお、この条件の場合、ゼアルは勝敗が決したデュエルの約半数がワンキルということになる。
ひっでえなおい。



行ったデュエリスト ワンキルの流れ 与えたダメージ 備考
【遊馬vs右京】戦
の遊馬
《No.17 リバイス・ドラゴン》と
《No.39 希望皇ホープ》
の連続攻撃。
4500 事前にライフを2回削っていたが、
どちらも初期ライフまで回復された。
【遊馬vsロビン】戦
の遊馬
《燃える闘志》で
強化された
《No.39 希望皇ホープ》
の攻撃。
6000 このダメージしか与えていない。
【遊馬vs六十郎】戦
の六十郎
《青眼の究極木竜》と
《青眼の木龍》2体
の連続攻撃。
6000 後攻1ターンキル。
フィールドの状況は六十郎が決めていたため、
公平なデュエルとは言い難い。
【遊馬vsジン】戦
の遊馬
自身の効果で強化された
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
の攻撃。
4000 事前にライフを500削っていたが、意味はなかった。
【遊馬vsアンナ】戦
の遊馬
《ガムシャラ》の効果。 6000 このダメージしか与えていない。
【遊馬vs豊作】戦
の遊馬
《管魔人メロメロメロディ》
の連続攻撃。
4200 《アチャチャアーチャー》で
ついでのダメージも与えていたが、
意味はなかった。
【遊馬vsチャーリー】戦
の遊馬
自身の効果で強化された
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
の攻撃。
4000 このダメージしか与えていない。
【鉄男&等々力vsⅣ】戦
のⅣ
《No.15ギミック・パペット-
ジャイアントキラー》
の効果と攻撃。
6300

5500
ライフが0になってからも攻撃していた。
【遊馬vs秀太】戦
の遊馬
自身の効果で強化された
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
の攻撃。
4000 《アチャチャアーチャー》で
ついでのダメージも与えていたが、
意味はなかった。
【遊馬vsドロワ&ゴーシュ】戦
の遊馬
《ダブル・アップ・チャンス》と
《バイテンション》で
強化された
《No.39 希望皇ホープ》
の攻撃。
4900 このダメージしか与えていない。
【カイトvsV】戦
のカイト
《ビッグバン・パニック》と
自身の効果で強化された
《超銀河眼の光子竜》
の攻撃。
4000 このダメージしか与えていない。
【遊馬vsトロン】戦
のトロン
《ZW-獣王獅子武装》で
強化された
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
の攻撃。
4200 事前にライフを200削っていたが、意味はなかった。
【遊馬&凌牙&カイトvs
Dr.フェイカー】戦
の遊馬
《エクシーズ・ユニティ》と
《ZW-玄武絶対聖盾》で
強化された
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
の攻撃。
13600 3対1の変則デュエルであり、フェイカーは初期ライフ12000でデュエルを始めていた。
【遊馬&ギラグvs
小鳥&キャッシー】戦
の遊馬
《ハンド・パワー》
で強化された
《No.39 希望皇ホープ》
の攻撃
5000 このダメージしか与えていない。
【遊馬vs凌牙】(5戦目)
の遊馬
《最強の盾》と
自身の効果で強化された
《H-Cエクスカリバー》
の攻撃。
5600 このダメージしか与えていない。
凌牙は事前に
ライフ1000をコストにしていたが、
意味はなかった。
【遊馬&真月vsギラグ】戦
の遊馬
《CNo.39 希望皇ホープレイV》
の効果と攻撃。
5200 このダメージしか与えていない。
【遊馬vsベクター】戦(1戦目)
の遊馬
《Vサラマンダー》
の効果を得た
《CNo.39 希望皇ホープレイV》
の効果。
7500 事前にライフを2500削っていたが、意味はなかった。
また、
削ったライフは初期ライフまで回復された。
【遊馬&ドロワvs
アリト&ゴーシュ】戦
の遊馬
《オーバーレイ・マーカー》
の効果。
6700 このダメージしか与えていない。
【カイトvsジンロン】戦
のカイト
《オーバーレイ・ブースター》で
強化された
《超銀河眼の光子竜》
の攻撃。
4500 事前にライフを600削っていたが、意味はなかった。
【遊馬vsポン太】戦
の遊馬
《千畳式返し》の効果と
自身の効果で強化された
《ドドドガッサー》
の攻撃。
4500 このダメージしか与えていない。
【遊馬vsNo.96】戦
の遊馬
自身、
《ZW-極星神馬聖鎧》、
《ZW-阿修羅副腕》
の効果で強化された
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
の攻撃と、
《No.39 希望皇ホープ》
の攻撃。
9500 No.96のライフはCNo.92の効果で7500まで回復していた。
【遊馬&Ⅲvs蝉丸】戦
のⅢ
諸々の効果で強化された
《No.6 先史遺産-アトランタル》
の攻撃。
18900 フェイカーと同じく変則デュエルであり、蝉丸の初期ライフは8000だった。下記の2人も初期ライフ8000でデュエルしている。
【凌牙&Ⅳvsクラゲ先輩】戦
の凌牙
自身の効果で強化された
《No.73 激瀧神
アビス・スプラッシュ》
の攻撃。
7700 アビス・スプラッシュの効果を1度使えば十分なのに、何故か2度使って無駄に攻撃力を上げている。
【カイト&Vvs蚊忍者】戦
のカイト
自身の効果と
《矛盾の合成》
の効果で強化された
《銀河眼の光子竜》
の攻撃。
8000 蚊忍者のライフはこのダメージを受けるまで無傷であり、ジャストキルとなっている。
【遊馬vsエリファス】戦
の遊馬
自身の効果で強化された
《No.39 希望皇ホープルーツ》
の攻撃。
58900 当時は遊戯王アニメ史上最大のダメージだったアニメ版GXの十代vsカイザーで発生した57800を更新した。
【V&Ⅲvsミザエル】戦
のミザエル
《CNo.107 超銀河眼の時空龍》
の連続攻撃。
6600 事前にライフを1200削っていたが、意味はなかった。
【ミザエルvs
ドン・サウザンド】戦
のドン・サウザンド
《竜皇の宝札》 4800 引き分けを狙ったミザエルの自滅。
このダメージしか与えていない。
【遊馬&ナッシュvs
ドン・サウザンド】戦
の遊馬*7
《ライジング・ホープ》と
《ダブル・アップ・チャンス》
の効果で強化された
《No.39 希望皇ホープ》
の攻撃。
104000 ドン・サウザンドのライフはCiNo.1000の効果で102900まで回復しており、ライフ・ダメージ共に現在に至るまで遊戯王アニメ史上最大の数値である。





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最終更新:2024年01月20日 21:31
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*1 例えば、「複数回に分けてダメージを与えていた場合は1ショットキルではない」と定義されることもある

*2 一応KONAMIの意図していない形で1ターンキルが横行することもあるが、その場合もその場合でテストプレイ不足に問題があると言える

*3 この時は「1ターンKILL」という表記だった

*4 一応、やろうと思えば《ドリラゴ》をリリースして攻撃力を上げることもできた

*5 ミザエルの自滅であるため尚更

*6 「Xyz」は「エクシーズ」を意味する

*7 正確に言うとナッシュだが、遊馬が勝手に攻撃を行った