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電話転送地獄

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電話転送地獄 03/12/30

  君は転送地獄を知っているか。

  留守番電話程度の機能が付いていれば大抵転送も設定可能であったが、転送する先がないなら意味がない。一般回線に加えて携帯電話を買った時、ついに転送機能を使う機会が訪れてわくわくしながら転送番号を設定したわけだ。とりあえず携帯電話を手に家を出て、最も近い公衆電話に行き、無人の家に掛けてみる。転送されたら握り締めている携帯電話が鳴る筈だ。ところが延々呼び出し続けているから「留守に設定」し忘れていたらしいことに気付く。少し疲れながら戻って何回鳴ったら転送するか、そして忘れず留守を設定してから再び公衆電話へ。

  「 転 送 します 」

  着信した携帯電話に見慣れた番号が浮いている。左手の公衆電話から少し離れた家を経由して右手の携帯電話に繋がったのだ。不思議に感動して両手の受話器をそれぞれ耳に当て、一呼吸おいて「もしもし」と言ってみた。多少の時差がステレオ効果をもって頭に響くのが妙に笑えたが、単に公衆電話から携帯電話に掛けたのと同じ状態であるだけのことに思い至った。

  とりあえず転送機能の使えることが判って安心し、携帯電話の説明書を読んでいたら、こちらも当然転送機能がある。人の子ならば「携帯からも家に転送を」と考えたくなるではないか。複雑な操作に難儀しながら設定した。しかし公衆電話まで行くのはもう馬鹿馬鹿しい。家から掛けてみよう。どうなるのか。「転送ですぴぱぺぷぴぽぺぽ」

  「つーつーつーつー」

  当然の話だが転送先の今受話器を握っている電話は通話中であった。そらそやなと飽きそうになった瞬間、「お互い転送するんやろ?外から掛けたらどうなんねん?」結局公衆電話に走った。家に掛けてみたがなかなか転送されない。「そうや、さっき家から携帯に掛けたし。あれで留守設定解除されたんちゃうん?」果てしなく間抜けだが家に戻り、留守に設定し、また公衆電話に戻り、そして「 転 送 します 」携帯が鳴り出した。しまった。音を消したおけばよかった。公衆電話に噛り付いていて、携帯が鳴りっ放しとはいかにも阿呆の構図ではないか。人が通らないうちに早く転送早く転送と祈っていると、ついに携帯電話が「転送です」よしゃああああ成功や。

  これで掛かってきた電話は全てとることが出来る。携帯電話の電池が切れても問題ない。しかし。たかが電話の癖に学習機能が付いていて、一度転送するとその電話は出られないと勝手に判断してしまう。するとどうなるか。一回コールして「 転 送 します 」一回コールで「転送です」一回コール「 転 送 します 」一回コール「転送です」早過ぎるのだ。取る暇がないではないか。「転送します」直後の「ぴぱぺぷぴぽぺぽ」が妙に苛立たしい。

  結局まともに使えないことがよく理解出来たので携帯電話の転送設定は解除した。誰かが掛けてくる前に自分で試しておいてよかったが、かなり情けない話であった。
 
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