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間男作法
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間男作法 03/05/22
間男には作法というものがある。
例えば暇潰しにセールスマンに化け、相手の家にて事に及ぶ場合、当然のようにナンバープレートが目立つような場所に駐車などしてはいけない。駐車違反でレッカー移動されるのも後で証拠となりうる。必ずや数区画離れた場所に停めるべきだ。
また、何かの修理人であるなどの、近所の人に対する言訳を用意しておかねばならない。間男として言訳するのではなく、相手が言訳するためだ。特別話題になるようなものではなく、「ふーん」で終わる身分を用意しよう。
取り合えずはさりげなく家を見て回る振りをして脱出口を確認しておく。温泉旅館で探検しながら非常口を確認するのと気分は同じだが、こちらの場合はかなり真剣である。
そして不用意に煙草を喫う事も避けたほうがよい。どうしても喫いたいならば相手の煙草を貰うか、馴染みならば予め相手と同じ銘柄を用意したほうがよい。旦那の銘柄に合わせるのも一手だ。相手も相手の旦那も煙草を喫わないならば我慢するべきである。非喫煙者は煙草の匂いに驚くほど敏感であることを知っておこう。
便座。これを上げておくのは致命傷でもある。たとえ小用であっても便座を下ろしたまま腰掛けて済ませる癖を普段からつけておけばよい。
靴は当然持って上がる。履脱しにくい靴を履いてゆくのは甘い。直ぐに履けて全速力手で逃げることの出来る靴で行く。
脱いだ服は脱いだ順に重ねて置くと順番に身に付けることが出来るし、そのまま引っ掴んで隠れるなり逃げるなり出来る。
ズボンを中ほどで折ってハンガーに吊るすのは、主婦の身に染み付いた習性であろうが、これは絶対に避け、自分で畳もう。逆さになったポケットからいろいろ落ちるのだ。財布が落ちたら気付くだろうと思うのは希望的観測であって、慌てている時は落ちたことに気付かず、踏んで転びそうになって初めて「うお落としてた」と拾い上げる事になる。踏まなければ完全に忘れているはすだ。ズボンはポケット部分を中に折り込むようにして畳む。ハンガーに吊るすならばベルトを引き締めてハンガーの肩に引っ掛ける。この場合はいざとなればハンガーごと持ってゆくわけだから全ての服をハンガーに纏めておく。
なお、靴下を靴の中に入れると逃げようとして靴を履く時に困るので、靴下は上着のポケットなどに入れておく方がよい。
ここまで警戒する必要があるだろうか。相手の家庭を壊す気で間男するならば何をどうしても構わないだろうが、そんなつもりが全く無いなら相手の立場を最大限考えて行動しなければならない。
ところで何故か宅配便なり書留なり回覧版なり実家からの電話なり邪魔が入るのであって、相手の家で溺れている以上これを避ける方法はない。その度に服を掴んで逃げるか隠れるかの選択を迫られる。戻ってきた相手はその怯えた態度に思わず笑うのだが、笑い事ではないのだよ。
不幸にして旦那が帰ってきた場合、服と靴を掴んで逃げ出すことが出来ればよいが、出口が他に無い場合、マンションの高層階である場合、一旦どこかに隠れる事になる。大抵ベランダ、押し入れもしくはクローゼット、時としてベッドの下などだ。トイレや風呂に飛び込むのは自殺行為と言える。我が家に帰るとまずトイレに行くだろう。そこでこっそり服を着ようとしている男がいたらどうするかね。「あ。トイレ借りてました」靴を持ってトイレかね。風呂は。風呂は絶対に避ける。何故ならば、どうにも脱出が出来ない時、相手が旦那を風呂に入れている隙に逃げ出すことが出来るようにするためだ。
裸で飛び出すともうその周辺には顔が出せなくなる。安全第一、用心に越した事は無い。
旦那と鉢合わせして言訳の出来ない場合は、取っ組み合うとまず負ける。信じられない馬鹿力に加えて武器を持つと大怪我させられる可能性もある。大体腰がへろへろ膝がかくかくの状態で立ち回りなど無理というものだ。謝り倒しても通常無理だから「男同士の話をしませんか」と二人きりに持ち込んで、女を紹介する話に持ってゆき、なんとか許して貰おう。因果を含めたホテトル嬢なら財布は痛いが心は晴天、慰謝料を考えれば安いものだ。
なお、付け加えておくと、使用済み避妊具を包み紙ごと持ち帰るのは紳士としての当然の嗜みである。
立場を変えて、忍び女もまた同じ行動を取ればよい。その際使用済み避妊具を包み紙ごと持ち帰るのは淑女としての当然の嗜みでもある。
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