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拭く
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拭く 04/11/12
便所で手を洗った後には拭かねばならない。
まずそれ以前に「洗う洗わない」選択肢の存在を信仰している者も一部に居るが、その者達は排斥した上で話を進める。長い間ハンカチの代わりにバンダナを利用する習性によりトイレでは必ず手を洗うことを持続した結果、便所で鼻をかんだだけでもつい手を洗ってしまうわけで、手前の場合濡れた手はバンダナで拭けばよいが、時として手を拭く為の小道具が設置してある。
粗品タオルが吸盤フックで吊り下げられている事例は極小規模の飲食店に多いが、望ましいとは言えない。少し進化すると妙に薄いタオルが筒状になっていて、からから鳴らして引き摺り下ろすと乾いた部分が露出され手を拭くことになるのだが、薄すぎるが故に「手を拭く」ではなく「手の水分を染み込ませる」という後ろめたき心持ちが生ずる。そしてこれは次の人の為にからから回しておくべきか、回しておいて次の人が使う直前に回したら乾かないまま露出されるのではないか、だから拭いたらそのまま放置すべきではないのか、そもそもこの中にある乾かす装置とは如何なる技術によるものか、単に乾燥剤が入っているだけならば間抜けにも程がある、などと考えた挙句、三分の一だけ回してから逃げることになる。
保守管理が大変な代償として好ましいのはタオルではなく紙が備え付けられている場合である。昨今の再生利用事情から考えて資源の無駄遣いとして糾弾される可能性を秘めてはいるが、潔癖症も不潔癖症も等しく手を洗って拭く気分にさせる小道具として最も賞賛されている。資源問題としては、新聞を再生してダンボールにする道の分岐点として手拭紙への道を追加すべきであろう。新聞紙をそのまま手拭紙に流用すれば事は簡単であるが、「手に墨が移着するので」という理由のほか、「ついつい読んでしまうので」も拒否されるには効果がある。
そして問題の送風装置、乾くまで手を青白い光に翳したままじっと空気砲を受け続ける者が本当に存在するのだろうか。無意味に響き渡る重低音は聴害であり、全く乾かないのに大きな音を立てることで仕事を果たした気分になっているらしい送風装置が憎々しい。手を翳している間に別の人が便所に入ってきて用を足して手を洗い終えてもまだ乾かないから信用が墜落する。暇だからと乾くまで粘ってみても、最後には風呂上りのふやけた手が再現されるのであり、気分のよいものではない。
海綿体系統のスポンジを設置して、手を拭けば水分は速やかに吸収されて、その海綿体を乾かす為に掃除機の要領で水分を吸い込み、数秒後には乾いた海綿体を提供可能な形式の手拭装置があればよい。
拭くものを持っていれば上のような問題に悩まされずに済む。しかし手を洗わない者も同様に悩んでいないことに気付いた時には陰鬱だ。
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