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木工

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木工 05/01/31

  割箸やら爪楊枝やらで五重塔なり天守閣なり作る人が居たはりますね。

  役所やら公民館やらで仕方なく展示しとったりね。わざわざ硝子箱を用意せにゃならんのも嘗めた話でございますが、余りにもニュースのない場合に地方版の隅っこに「完成まで何年かかった云々」とか載ったりして本人はそれなりに満足しておるようで。

  仮にそれが何某の飲食店から出る大量の割箸を捨てるに忍びなくて「何処の誰とも知らぬ奴が舐った割箸を洗って使った」とか言うなら多少は感心するけども、それが「新品の割箸買うてきてちょっと削って木工糊で貼り付けてはい完成」やったらそっぽ向くでな。

  大体ああいう五円玉編んで五重塔作るとか爪楊枝で戦艦大和作るとか、馬鹿を自覚しておるのは許しましょ。でも割箸で建物作る事例はな、勿体無い。割箸が勿体無いんやなくて、手間と時間が勿体無い。大抵は「他に趣味なくて一心不乱にこつこつ作った」とか「定年で暇潰しに始めた」とか言いよるけどな、それやったらいっそ木造建築技術を一から学んでな、その学んだ内容を実地練習として模型に組んだらええやないの。

  定年退職してから死ぬまでの間に残したライフモニュメントが「割箸で作った五重塔」てのは少々涼しく感じるわけでな。確かにその根性は認めるわ。でもな、その根性で伝統技術を独習しながら五重塔の模型組み上げてみいな。完成した暁には「おお。見事な模型だ」程度の賛辞では収まらへんよ。なんでか言うたらな、その模型組み上げることで木造建築の伝統技術を体得した、「おお。宮大工の誕生だ」となるわけよ。多分。

  実寸の木を切ったり削ったり北に生えてた木は北側に使えとかそういう細かい技術は人に任せたらええねん。切り方削り方組み方接ぎ方を指示出来る宮大工が一人でも増えたら何や嬉しなってくるやんか。

  な、「暇潰しに作った割箸の五重塔」よりもな、「宮大工として指揮して作った本物の五重塔」の方が立派に後世に残る思うで。そら五重塔作ってくれなんて話そうそう転がってへんし、あったとしてもまずは本職の宮大工に話行くけどな、五重塔を組み上げるやり方知ってるんやったら日本家屋くらい屁やがな。「誤魔化しのない古風な家建てたいけど本職の宮大工は高い」とか言う奴なら結構居るがな。ああ勿体無い。

  せやから趣味は「後継者難の伝統技術の何かを独習」にすればな、御身の為、御国の為、御金の為とよい事尽くめやないですか。一年に一人程度発生する「割箸で・・・」「爪楊枝で・・・」の人々よ、その努力の方向を、ほんの少しだけ変えてみいへんかい?
 
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