◇
「ふむ……。今回の映画とやらで、得られた参加者の情報は3名のみでおじゃるな……」
映画館内のスクリーンルームの客席に腰据える、二人の男女。
その内の一人、白塗りの采配士マロロは、上映内容について、感想を漏らす。
そして、そんなマロロの呟きに対して、彼の傍に佇むメイド―――十六夜咲夜も、その内容を確認すべく、相槌を打つ。
その内の一人、白塗りの采配士マロロは、上映内容について、感想を漏らす。
そして、そんなマロロの呟きに対して、彼の傍に佇むメイド―――十六夜咲夜も、その内容を確認すべく、相槌を打つ。
「黄前久美子、高坂麗奈―――そして、さっき遭遇した鎧塚みぞれの三人ね。」
二人が映画館に来てから、二つ目に上映された内容は、先のイタリアを舞台にした「スタンド使い」達の抗争を描いた一本目とは打って変わり、とある高校の吹奏楽部員達が、全国大会を目指す青春劇であった。
その劇中の登場人物で、名簿にも載っているのが、5人の少女。
その劇中の登場人物で、名簿にも載っているのが、5人の少女。
黄前久美子
高坂麗奈
田中あすか
鎧塚みぞれ
傘木希美
高坂麗奈
田中あすか
鎧塚みぞれ
傘木希美
この中で生存しているのは、咲夜に名前を上げられた3名のみ。
皆、血で血を争う殺し合いとは無縁の世界で生きてきた少女達。
可能であれば、琵琶坂永至のような未知の能力を使う強敵の情報が望ましかったとはいえ、先の「スタンド使い」達とは異なり、彼女達単身での戦闘力は皆無に等しい―――そういった情報を得られただけでも収穫はあったと言える。
皆、血で血を争う殺し合いとは無縁の世界で生きてきた少女達。
可能であれば、琵琶坂永至のような未知の能力を使う強敵の情報が望ましかったとはいえ、先の「スタンド使い」達とは異なり、彼女達単身での戦闘力は皆無に等しい―――そういった情報を得られただけでも収穫はあったと言える。
「でも妙ね……。彼女、あの琵琶坂やヴライを退けたと言っていたけど……。
映像を見る限り、彼女にそんな芸当ができるとは思えないわ」
映像を見る限り、彼女にそんな芸当ができるとは思えないわ」
「それこそ、あの小娘と同行していたシャクコポルの娘と武士風の男が助力していたのでおじゃろう。或いは、何か強力な武具が小娘に与えられているのやもしれぬが……。
生身での戦力がなくとも、用心するに越したことはないでおじゃるよ」
生身での戦力がなくとも、用心するに越したことはないでおじゃるよ」
マロロがそう締めると、咲夜は「それも、そうね」と一言だけ返した。
そして、ふと思い出したかのように、彼女は言葉を続ける。
そして、ふと思い出したかのように、彼女は言葉を続ける。
「ところで、後少しでテミスによる放送の頃合いだと思うけど、その前に少し付き合ってもらえないかしら?」
「―――何でおじゃるか?」
咲夜は立ち上がり、スクリーンの方へと歩き出す。
マロロは訝しみつつ、その後へと続いていく。
そして、そのまま舞台上へと進み、スクリーン横の黒いカーテンを開く。
すると―――。
マロロは訝しみつつ、その後へと続いていく。
そして、そのまま舞台上へと進み、スクリーン横の黒いカーテンを開く。
すると―――。
「これは……。隠し扉でおじゃるか?」
そこには一つのドアノブが付いた小さな扉があった。
扉を開けると階段があり、下へと続いているようだ。
扉を開けると階段があり、下へと続いているようだ。
「しかし、よく気付いたでおじゃるな、咲夜殿」
「冷房の風でカーテンが揺れた時に見えたから。
采配師さんは映像に夢中で気付かなかったようだけど……。」
采配師さんは映像に夢中で気付かなかったようだけど……。」
皮肉とも取れる発言に、マロロは「面目ないでおじゃる」と苦笑いを浮かべつつ、咲夜の後ろをついて行く。
薄暗い中を降りていくこと数分程。二人は地下エリアと辿り着き、”それ”を発見するのであった。
薄暗い中を降りていくこと数分程。二人は地下エリアと辿り着き、”それ”を発見するのであった。
◇
―――……是非堪能してくださいな。
―――それでは、また次もお会いできることを願っております。
―――ご機嫌よう――。
―――それでは、また次もお会いできることを願っております。
―――ご機嫌よう――。
◇
「嗚呼、何たる悲劇でおじゃるか……」
殺し合いの会場にμの歌声は響く。
その歌声は、映画館内の地下エリアにも例外なく届いていた。
そして、その歌声を背景として、マロロは天を仰ぎ、嘆きの声を上げた。
彼が悲観に暮れる原因は先の放送内容にある。
その歌声は、映画館内の地下エリアにも例外なく届いていた。
そして、その歌声を背景として、マロロは天を仰ぎ、嘆きの声を上げた。
彼が悲観に暮れる原因は先の放送内容にある。
「よもや、よもや、あのミカヅチ将軍が、志半ばで倒れることになろうとは……。
これはヤマトにとって大きな痛手……ライコウ殿にも合わせる顔がないでおじゃるよ……。」
これはヤマトにとって大きな痛手……ライコウ殿にも合わせる顔がないでおじゃるよ……。」
マロロと同じく朝廷軍に属する、ヤマト左近衛大将ミカヅチの死。
偽の皇女を擁するオシュトルの叛乱軍との戦においても、彼という一大戦力は、マロロの作戦には必要不可欠であり、兵達にとっても精神的支柱でもあった。
この殺し合いにおいても、同陣営の彼の協力を仰ごうとしていたマロロにとって、その死は、今後の戦略を狂わせるほどに想定外且つ衝撃的なものとなってしまった。
偽の皇女を擁するオシュトルの叛乱軍との戦においても、彼という一大戦力は、マロロの作戦には必要不可欠であり、兵達にとっても精神的支柱でもあった。
この殺し合いにおいても、同陣営の彼の協力を仰ごうとしていたマロロにとって、その死は、今後の戦略を狂わせるほどに想定外且つ衝撃的なものとなってしまった。
「忠義に厚いミカヅチ殿が倒れる一方、奸賊オシュトルとそれに与する者どもは尚も健在……。
天は何故このような試練をマロに与えるのでおじゃるか……!!」
天は何故このような試練をマロに与えるのでおじゃるか……!!」
状況は芳しくない。
先の放送からは、ミカヅチが脱落したという報せだけではなく、忌まわしきオシュトル一味の生存も確認された。
大義はこちらにあるというのに、私利私欲のためにヤマトを脅かさんとする彼らの方に、形勢が傾いていることに憤りを感じずにはいられない。
先の放送からは、ミカヅチが脱落したという報せだけではなく、忌まわしきオシュトル一味の生存も確認された。
大義はこちらにあるというのに、私利私欲のためにヤマトを脅かさんとする彼らの方に、形勢が傾いていることに憤りを感じずにはいられない。
「このような理不尽、マロは決して認めないでおじゃる……!!例え、天が奴らを罰せずとも、マロが必ずや誅滅してくれるでおじゃる!!」
吹き抜きの天井を見上げながら、マロロは改めてオシュトル必倒を宣言する。
―――♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪
―――♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
―――♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
―――♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
―――♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
「ハク殿をマロから奪った彼奴に、明日を生きる資格などないでおじゃる!!
にょほ……にょほほほほほほほ……!!ハク殿、常世 (コトゥアハムル)より眺めてほしいいでおじゃる―――」
にょほ……にょほほほほほほほ……!!ハク殿、常世 (コトゥアハムル)より眺めてほしいいでおじゃる―――」
マロロの耳に入るμの歌は『Distorted † Happines』。
愛しき人を喪ったとある楽士が、その慟哭と憎悪を綴った曲である。
愛しき人を喪ったとある楽士が、その慟哭と憎悪を綴った曲である。
μは歌を通して、撒き散らす。
死別を受け入れられない哀れな男の、叫びを―――。
死にゆく少女に、添い遂げることもせず、ただ逃げた恋敵への憎悪を―――。
そして、少女がいなくなったとしても、何事もなかったかのように在り続ける世界への否定を―――。
死別を受け入れられない哀れな男の、叫びを―――。
死にゆく少女に、添い遂げることもせず、ただ逃げた恋敵への憎悪を―――。
そして、少女がいなくなったとしても、何事もなかったかのように在り続ける世界への否定を―――。
「ハク殿を殺めた大罪人オシュトルを討ち取り、地獄(ディネボクシリ)に叩き落とすマロの姿を!にょほ、にょほほほほほほほっ!!」
μの歌声に呼応するかのように、マロロの白塗りの面貌は狂気に染まっていく、まるでその楽士の怨念に憑りつかれたように。
「―――待っていよっ、逆賊オシュトル……オシュトルゥ!オシュトルゥゥゥゥゥゥ!!」
復讐鬼は激情とともに、声高らかに叫ぶ。
忌むべき男の名を―――。怨念と狂気を孕んだ声で―――。
愛しき者との死別、そして愛しき者を死に追い込んだ怨敵の存在が、マロロの心とμの歌を繋げる。
そして、ハードなロック調の曲に追従させる形で、マロロのオシュトルに対する憎悪を増大させ、その名を反芻させる。
忌むべき男の名を―――。怨念と狂気を孕んだ声で―――。
愛しき者との死別、そして愛しき者を死に追い込んだ怨敵の存在が、マロロの心とμの歌を繋げる。
そして、ハードなロック調の曲に追従させる形で、マロロのオシュトルに対する憎悪を増大させ、その名を反芻させる。
やがて―――。
「―――気は済んだかしら?」
μのライブが終了すると、館内はマロロの疲弊した息遣いだけが残っていた。
それまで、呆れたような面持ちで彼を観察していた咲夜は、頃合いを見て声を掛ける。
マロロとは対照的に、彼女は先の放送内容を冷静に受け止めていた。
博麗の巫女や琵琶坂達がまだ生存していること、難敵と思われていた『スタンド使い』5人の内3人が脱落したこと、そして、映画館に来る道中出会った3人組の内2人が死亡したことを。
それまで、呆れたような面持ちで彼を観察していた咲夜は、頃合いを見て声を掛ける。
マロロとは対照的に、彼女は先の放送内容を冷静に受け止めていた。
博麗の巫女や琵琶坂達がまだ生存していること、難敵と思われていた『スタンド使い』5人の内3人が脱落したこと、そして、映画館に来る道中出会った3人組の内2人が死亡したことを。
「あ、ああ……咲夜殿……。
お見苦しいところを見せてしまったでおじゃるな……。
マロとしたことが、感情的になりすぎたでおじゃる」
お見苦しいところを見せてしまったでおじゃるな……。
マロとしたことが、感情的になりすぎたでおじゃる」
先程までの興奮状態が嘘のように落ち着きを取り戻したマロロは、呼吸を整えながら、苦笑する。
「……別に……。私としては、さっきの放送を受けて、早いところ次の行動に移りたいのだけれど……?」
咲夜としては、マロロとオシュトルの因縁など知ったことではない。重要なのは、咲夜が優勝を目指す上で、今手を結んでいる同盟相手が有益か否かである。
マロロは、ミカヅチの脱落で多少の動転はしつつも、今現在は平静を取り戻しつつある。
復讐の対象たるオシュトルが生きている限りは、彼の殺し合いにおける立ち位置は変わらない。
であれば、まだ彼には利用の価値はあると、咲夜は値踏みしていた。
マロロは、ミカヅチの脱落で多少の動転はしつつも、今現在は平静を取り戻しつつある。
復讐の対象たるオシュトルが生きている限りは、彼の殺し合いにおける立ち位置は変わらない。
であれば、まだ彼には利用の価値はあると、咲夜は値踏みしていた。
「……そうでおじゃるな。それでは今後の方針について、マロの考えを、咲夜殿に聞いてもらいたいでおじゃるが……。」
「聞かせてくれる?」
「マロとしては、“これ”を使った上で、『大いなる父の遺跡』に向かいたいと思っているでおじゃる」
マロロが見上げる先にあるのは、円形状の巨大な装置。
装置の枠内には、眩い光が集約して、向こう先は見えなくなっている。
その装置の前には、以下のような説明書が記された看板が置かれている。
装置の枠内には、眩い光が集約して、向こう先は見えなくなっている。
その装置の前には、以下のような説明書が記された看板が置かれている。
門(ゲート):
会場内の複数の施設に設置されており、門を潜ることで瞬く間に、別の門が設置されている施設に双方向に転移できます。但し、最初に誰かが門を利用してから10分経過すると、門は3時間利用できなくなります。再稼働後はまた別の場所に繋がるようになります。
会場内の複数の施設に設置されており、門を潜ることで瞬く間に、別の門が設置されている施設に双方向に転移できます。但し、最初に誰かが門を利用してから10分経過すると、門は3時間利用できなくなります。再稼働後はまた別の場所に繋がるようになります。
これはマロロ達ヒトが住まう世界―――その古の支配者『大いなる父』達が、活用していた移動手段。
ウマ(ウォプタル)を寝ずに走らせて何日もかかる距離を瞬く間に、移動できるという代物である。
ウマ(ウォプタル)を寝ずに走らせて何日もかかる距離を瞬く間に、移動できるという代物である。
「わざわざ、何処に飛ぶかも分からない、こんな博打のようなものを使おうだなんて……采配士さんにしては、随分と思い切ったことをするじゃない?
そもそも、本当に転移なんかできるかも疑わしいけど?」
そもそも、本当に転移なんかできるかも疑わしいけど?」
「まず、この設備の信憑性であるが、この催しを取り仕切る者どもが、嘘偽りある情報や設備を用意するとは思えないでおじゃる……。
彼奴らが望むのは、円滑な死合のはず……。であれば、こと死合における情報については公正であり平等にするべきでおじゃるよ。
わざわざ、つまらぬ嘘で、この催し自体に対する信用を損なうような莫迦なことはしないと考えるでおじゃる」
彼奴らが望むのは、円滑な死合のはず……。であれば、こと死合における情報については公正であり平等にするべきでおじゃるよ。
わざわざ、つまらぬ嘘で、この催し自体に対する信用を損なうような莫迦なことはしないと考えるでおじゃる」
「―――これをあえて利用する理由は?」
「先にも述べた通り、この映画館は地図上には隅にある故、他の参加者が来る可能性は少ないでおじゃる。事実、マロ達が映画を観ている間も、誰も来なかったでおじゃる。
但し、これは此処を目的地とする参加者がいないというだけであって、この周囲---特に遺跡への道中で、マロ達と敵対する者らと遭遇する可能性は排除しきれない……否、現状を鑑みると、むしろ可能性は高いと考えているでおじゃる―――」
但し、これは此処を目的地とする参加者がいないというだけであって、この周囲---特に遺跡への道中で、マロ達と敵対する者らと遭遇する可能性は排除しきれない……否、現状を鑑みると、むしろ可能性は高いと考えているでおじゃる―――」
「―――成る程ね……」
マロロの言わんとしていることを理解したか、咲夜は顎に手を添え、考え込む素振りを見せる。
咲夜達が、現在までに遭遇しているのは、琵琶坂一味、ヴライ、そしてみぞれ達。
この内、琵琶坂一味とは明確に敵対しており、ヴライは『災害』――話の通じる相手ではないとのこと。みぞれ達については、情報交換を行い、敵対関係には至らなかったが、先の放送を聞くに、琵琶坂一味またはヴライ、もしくは殺し合いに乗った別の何者かと遭遇し、瓦解したように見受けられる。
それはそれで当初の目論見通りとも言えるが、東への移動が禁止エリアによって封鎖されてしまっている手前、参加者が移動できる場所は制限されてしまっている。
したがって、会場北西部から中央付近の遺跡への道程では、残りの敵対勢力及び危険人物とぶつかる可能性が高い。
咲夜達が、現在までに遭遇しているのは、琵琶坂一味、ヴライ、そしてみぞれ達。
この内、琵琶坂一味とは明確に敵対しており、ヴライは『災害』――話の通じる相手ではないとのこと。みぞれ達については、情報交換を行い、敵対関係には至らなかったが、先の放送を聞くに、琵琶坂一味またはヴライ、もしくは殺し合いに乗った別の何者かと遭遇し、瓦解したように見受けられる。
それはそれで当初の目論見通りとも言えるが、東への移動が禁止エリアによって封鎖されてしまっている手前、参加者が移動できる場所は制限されてしまっている。
したがって、会場北西部から中央付近の遺跡への道程では、残りの敵対勢力及び危険人物とぶつかる可能性が高い。
ヴライという武人はともかく、琵琶坂永至は狡猾な男―――。
咲夜達が映画を鑑賞している間、道中で出会った他の参加者にも、咲夜達の悪評を吹聴しているかもしれない。
殺し合いに乗っているという点においては、事実ではあるが、仮に琵琶坂にいらぬことを吹き込まれた参加者達と遭遇するリスクを鑑みれば、素直に遺跡に向かうのは、リスクが伴う。
咲夜達が映画を鑑賞している間、道中で出会った他の参加者にも、咲夜達の悪評を吹聴しているかもしれない。
殺し合いに乗っているという点においては、事実ではあるが、仮に琵琶坂にいらぬことを吹き込まれた参加者達と遭遇するリスクを鑑みれば、素直に遺跡に向かうのは、リスクが伴う。
「だから、別の場所に転移して、対外関係も含めてより効率的に事を進めたい……というところかしら?」
「流石は咲夜殿―――ご明察のとおりでおじゃる」
咲夜が優先したいのは、皆殺しではなく、優勝である。
無論、優勝の障害となりうる脅威については、真っ先に排除すべきという考えは変わらないし、利用価値のない参加者についても間引いていくつもりではある。
だが、ゲームの終盤を見据えて、今は此方の労力は最小限に留めることが望ましい。
なので、現段階ではいたずらにこちらの戦力を消耗するような場面は、御免被りたいところである
無論、優勝の障害となりうる脅威については、真っ先に排除すべきという考えは変わらないし、利用価値のない参加者についても間引いていくつもりではある。
だが、ゲームの終盤を見据えて、今は此方の労力は最小限に留めることが望ましい。
なので、現段階ではいたずらにこちらの戦力を消耗するような場面は、御免被りたいところである
「して問題は―――」
「この門(ゲート)とやらが、どこに繋がっているかよね……」
そんな会話を交わしながら二人は、門の中へと歩き出す。
出来れば、琵琶坂一行の息のかかっていない地域などが好ましい―――そう思考しながら、二人は光の中へと消えていくのであった。
出来れば、琵琶坂一行の息のかかっていない地域などが好ましい―――そう思考しながら、二人は光の中へと消えていくのであった。
◇
「―――どうやら、ここは地図にある『デパート』にあたる場所のようね」
門(ゲート)を渡り、転移を果たした咲夜とマロロが辿り着いたのは、どこかしらの施設の地下空間。
地上へと続く階段から外を見回ってきた咲夜は、この施設が『デパート』であることをマロロに報告する。
地上へと続く階段から外を見回ってきた咲夜は、この施設が『デパート』であることをマロロに報告する。
「にょほほっ!であれば、重畳でおじゃる……。ここらであれば、マロも存分に策を講じることでおじゃるよ」
地図を広げながら、マロロは口角を吊り上げる。
このデパートは、これまでマロロ達がいた会場北西部とは対極の南東部に位置する場所。
であれば、ヴライや琵琶坂一行、また琵琶坂達と接触した参加者達との接触は低くなった。
目的地である『大いなる遺跡』への距離は短縮したとは言えないが、それでも四面楚歌の状態から脱したのは、僥倖と言える。
このデパートは、これまでマロロ達がいた会場北西部とは対極の南東部に位置する場所。
であれば、ヴライや琵琶坂一行、また琵琶坂達と接触した参加者達との接触は低くなった。
目的地である『大いなる遺跡』への距離は短縮したとは言えないが、それでも四面楚歌の状態から脱したのは、僥倖と言える。
「このまま、遺跡に向かうの?」
「そうでおじゃるな……。遺跡に向かうついでに、他の施設にも立ち寄っていきたいでおじゃる。他の参加者も集まっているかもしれぬでおじゃるからな。
近くにあるのは『北宇治高等学校』と『紅魔館』なるものがあるようでおじゃるが……。
むっ? そういえば、『紅魔館』とは確か咲夜殿の―――」
近くにあるのは『北宇治高等学校』と『紅魔館』なるものがあるようでおじゃるが……。
むっ? そういえば、『紅魔館』とは確か咲夜殿の―――」
「ええ、私が元々いた場所よ。何故この殺し合いの会場にあるのか分からないけど」
「にょほっ、それは好都合。であれば、『紅魔館』に辿り着いた際には、是非とも案内を頼みたいところでおじゃる」
「……その『紅魔館』が、本物と同じ構造になっていればね……」
咲夜はそう呟くと、「さぁ、行くわよ」と先導するように歩を進め、マロロもそれに続いていく。
紅魔館―――其処は咲夜が還るべき場所である。
しかし、彼女が還るべきは、この会場に存在する紅魔館ではない。。
しかし、彼女が還るべきは、この会場に存在する紅魔館ではない。。
咲夜が目指すのは、彼女が仕える主人が住まう紅魔館であるのだから―――。
【G-8/デパート/一日目/日中】
【十六夜咲夜@東方Projectシリーズ】
[状態]:体力消耗(小)、全身火傷及び切り傷(処置済み)、胸部打撲(処置
済み)、腹部打撲(処置済み)
[服装]:いつものメイド服(所々が焦げている)
[装備]:咲夜のナイフ@東方Projectシリーズ(1/3ほど消費)、懐中時計@東方Projectシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1つ
[思考]
基本:早くお嬢様の元へ帰る、場合によっては邪魔者は殺害
0:周辺を探索しつつ、大いなる父の遺跡に向かう
1:今後のことを見据え、遭遇する参加者については殺せる機会があれば殺
すが、あまり無茶はしない
2:取り逃がした獲物(カタリナ、琵琶坂)は次出会えば必ず仕留める
3:博麗の巫女は今後のことを考えて無力化する
4:マロロに関しては協力する素振りをしながらも探る。最悪約束を反故す
るようであれば殺す
5:余裕があれば完全版チケットとやらも探す。
[備考]
※紅霧異変前からの参戦です
※所持ナイフの最大本数は後続の書き手におまかせします
※オスカー達と情報交換を行いました
※『ジョジョ』世界の情報を把握しました。ドッピオの顔も知りましたが、ディアボロとの関係は完全には分かっておりません。
※映画を通じて、『響け!ユーフォニアム』世界の情報を把握しました。映画で上映されたものは久美子たちが1年生だった頃の内容となり、『リズと青い鳥』時系列の出来事等については、把握しておりません。
【十六夜咲夜@東方Projectシリーズ】
[状態]:体力消耗(小)、全身火傷及び切り傷(処置済み)、胸部打撲(処置
済み)、腹部打撲(処置済み)
[服装]:いつものメイド服(所々が焦げている)
[装備]:咲夜のナイフ@東方Projectシリーズ(1/3ほど消費)、懐中時計@東方Projectシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1つ
[思考]
基本:早くお嬢様の元へ帰る、場合によっては邪魔者は殺害
0:周辺を探索しつつ、大いなる父の遺跡に向かう
1:今後のことを見据え、遭遇する参加者については殺せる機会があれば殺
すが、あまり無茶はしない
2:取り逃がした獲物(カタリナ、琵琶坂)は次出会えば必ず仕留める
3:博麗の巫女は今後のことを考えて無力化する
4:マロロに関しては協力する素振りをしながらも探る。最悪約束を反故す
るようであれば殺す
5:余裕があれば完全版チケットとやらも探す。
[備考]
※紅霧異変前からの参戦です
※所持ナイフの最大本数は後続の書き手におまかせします
※オスカー達と情報交換を行いました
※『ジョジョ』世界の情報を把握しました。ドッピオの顔も知りましたが、ディアボロとの関係は完全には分かっておりません。
※映画を通じて、『響け!ユーフォニアム』世界の情報を把握しました。映画で上映されたものは久美子たちが1年生だった頃の内容となり、『リズと青い鳥』時系列の出来事等については、把握しておりません。
【マロロ@うたわれるもの 二人の白皇】
[状態]:オシュトルへの強い憎悪、精神的疲労(中)
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品3つ
[思考]
基本:オシュトルとその仲間たちは殺す
0:周辺を探索しつつ、大いなる父の遺跡に向かう
1:ヴライには最大限の警戒を
2:十六夜咲夜はいい具合に利用させてもらう。まあ最低限約束(博麗の巫
女の無力化の手伝い)には付き合う
3:あの姫殿下が本物……?そんなことはあり得ないでおじゃる
4:間宮あかりとその一行を警戒
[備考]
※少なくともオシュトルと敵対した後からの参戦です
※オスカー達と情報交換を行いました
※鈴仙をシャクコポル族のヒトと認識しております
※『ジョジョ』世界の情報を把握しました。ドッピオの顔も知りましたが、ディアボロとの関係は完全に分かっておりません。
※映画を通じて、『響け!ユーフォニアム』世界の情報を把握しました。映画で上映されたものは久美子たちが1年生だった頃の内容となり、『リズと青い鳥』時系列の出来事等については、把握しておりません。
[状態]:オシュトルへの強い憎悪、精神的疲労(中)
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品3つ
[思考]
基本:オシュトルとその仲間たちは殺す
0:周辺を探索しつつ、大いなる父の遺跡に向かう
1:ヴライには最大限の警戒を
2:十六夜咲夜はいい具合に利用させてもらう。まあ最低限約束(博麗の巫
女の無力化の手伝い)には付き合う
3:あの姫殿下が本物……?そんなことはあり得ないでおじゃる
4:間宮あかりとその一行を警戒
[備考]
※少なくともオシュトルと敵対した後からの参戦です
※オスカー達と情報交換を行いました
※鈴仙をシャクコポル族のヒトと認識しております
※『ジョジョ』世界の情報を把握しました。ドッピオの顔も知りましたが、ディアボロとの関係は完全に分かっておりません。
※映画を通じて、『響け!ユーフォニアム』世界の情報を把握しました。映画で上映されたものは久美子たちが1年生だった頃の内容となり、『リズと青い鳥』時系列の出来事等については、把握しておりません。
【会場内ギミック紹介】
【門(ゲート):うたわれるもの 二人の白皇】
会場内の複数の施設に設置。
所謂ワープ装置となり、門を潜ることで瞬く間に、別の門が設置されている施設に双方向に転移可能。
但し、本ロワ会場においては最初に誰かが門を利用してから10分経過すると、同じ門は3時間利用できなくなる。再稼働後はまた別の場所に繋がるようになる。
【門(ゲート):うたわれるもの 二人の白皇】
会場内の複数の施設に設置。
所謂ワープ装置となり、門を潜ることで瞬く間に、別の門が設置されている施設に双方向に転移可能。
但し、本ロワ会場においては最初に誰かが門を利用してから10分経過すると、同じ門は3時間利用できなくなる。再稼働後はまた別の場所に繋がるようになる。
前話 | 次話 | |
Origin regression | 投下順 | カウントダウン |
前話 | キャラクター | 次話 |
詐謀偽計 | マロロ | 英雄の唄 ー序章 introductionー |
詐謀偽計 | 十六夜咲夜 | 英雄の唄 ー序章 introductionー |