F-5の山上にある築奈沼は、虫や蛙の鳴き声が木霊する暗闇に塗れた空間となっている。
その沼地の辺りに佇む金髪の青年はジオルド・スティアート。
彼は、支給品である双眼鏡を通じて、山の麓で繰り広げられている参加者間の争いを観察していた。
その沼地の辺りに佇む金髪の青年はジオルド・スティアート。
彼は、支給品である双眼鏡を通じて、山の麓で繰り広げられている参加者間の争いを観察していた。
「成る程…。これは穏やかではないですね」
彼が監視しているのは、沼からそれ程遠くもない――地図上では『産屋敷邸』と称される施設。丁度この沼地からだと、見下ろすような形となっており、何が起こっているかは鮮明に見える。
現在その邸宅の庭では、複数の参加者が入り乱れて戦闘を行っている。
現在その邸宅の庭では、複数の参加者が入り乱れて戦闘を行っている。
刀を振るう白髪の少女と、背丈のある黒髪の青年が相対するのは、白の少年。
(人間、ではない……?)
どういう理屈なのか、悠然と宙に浮かんでいる少年。
その肌は、幽鬼のように白く、まるで生気を感じさせない。
しかし、その攻勢は痛烈そのもの。
敵対する二人の参加者を圧倒し、遂には身体から放たれた糸のようなもので少女の身柄を蓑巻きして拘束するまでに至る。
少年への新手として、刀を使う黒上の青年が登場するが――。
その肌は、幽鬼のように白く、まるで生気を感じさせない。
しかし、その攻勢は痛烈そのもの。
敵対する二人の参加者を圧倒し、遂には身体から放たれた糸のようなもので少女の身柄を蓑巻きして拘束するまでに至る。
少年への新手として、刀を使う黒上の青年が登場するが――。
(何ですか、アレは……?)
少年の背中に張り付く上半身だけの男が姿を現すと、途端に青年は緑色の『ナニカ』に覆われて倒れた。
更にそこに大きめのハンマーを携えた金髪の少年が駆け付けた後、白い少年とその同伴者たる成人男性は捉えた少女を回収しながら屋敷を後にする。
更にそこに大きめのハンマーを携えた金髪の少年が駆け付けた後、白い少年とその同伴者たる成人男性は捉えた少女を回収しながら屋敷を後にする。
「あまり関わらない方が、身の為ですね」
山を登る少年達を双眼鏡でマークしながら、別方向に山道を下っていくジオルド。
ここで無理に少年達と刃を交える必要はない。
察するに彼らは殺し合いに乗っているので、これからも参加者間の災厄となって、他参加者の人数を減らしてくれることが期待できる。
優勝を目指すジオルドにとっては、このまま放置しても何一つ支障はないのである。
ここで無理に少年達と刃を交える必要はない。
察するに彼らは殺し合いに乗っているので、これからも参加者間の災厄となって、他参加者の人数を減らしてくれることが期待できる。
優勝を目指すジオルドにとっては、このまま放置しても何一つ支障はないのである。
ただし、今後衝突する可能性もゼロではないため、少年の糸を使った攻撃と正体不明の『ナニカ』については対策は練る必要はある。
「どうやらこのゲーム……。先程の九郎といい、一筋縄ではいかない参加者が集められているようですね…」
山道を下りていくジオルドは、側を流れる夜の川のせせらぎを耳にしながら、次の行き先について熟考する。
今『産屋敷邸』に行けば、三人の参加者がいる。
少年達との戦闘によってダメージを負い且つ疲弊もしているようなので、狙い目ではあるのだが、先の戦闘を見るに彼らも相当の手練れ。
事を構えれば、こちらも無傷ではすまないだろう。
それに、あの少年達は彼らの仲間である少女を連れ去っている。
少女を取り返すべく、追跡する可能性は高い。
そこで潰しあってくれるのを待つのも良いだろう。
少年達との戦闘によってダメージを負い且つ疲弊もしているようなので、狙い目ではあるのだが、先の戦闘を見るに彼らも相当の手練れ。
事を構えれば、こちらも無傷ではすまないだろう。
それに、あの少年達は彼らの仲間である少女を連れ去っている。
少女を取り返すべく、追跡する可能性は高い。
そこで潰しあってくれるのを待つのも良いだろう。
「となれば…次の目的地は『紅魔館』もしくは『刑務所』ですかね」
ジオルドは当初『火』の魔力による力業での優勝も視野に入れていたのだが、九郎達との邂逅や先程の『産屋敷邸』での戦闘の観察を経て、単純な戦闘能力においては自分は秀でた存在ではないと痛感させられた。
ジオルドは勝ち残るためには、単なる魔力によるゴリ押しではなく、知謀及び策略を駆使していく必要がある。
ジオルドは勝ち残るためには、単なる魔力によるゴリ押しではなく、知謀及び策略を駆使していく必要がある。
そして、その戦略の幅を大きく拡げるために欲しいものが一つ。
(同盟者は欲しいところですね……)
ジオルドが殺し合いに乗っている側の人間と知りつつも、己が目的のために互いに利用し合うことを良しとする謂わば共犯者。
ジオルドはそんな都合の良い人間の探索を念頭に、次なる施設へと足を運ぶのであった。
【F-5/南東部/黎明/一日目】
【ジオルド・スティアート@乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…】
[状態]:健康、顔面打撲(中)
[服装]:いつもの服装
[装備]: 峯沢維弦のレイピア@Caligula Overdose
[道具]:基本支給品一色、双眼鏡@デュラララ!、不明支給品0~1
[思考]
基本:優勝して、カタリナと一緒に帰る
1:不本意ながら殺し合いに乗る
2:参加者の殺害は慎重に。まずは情報収集を優先する。
3:殺し合いで生き残るため、利用できそうな参加者を探す。
4:新羅と九郎はなるべく早めに始末しておきたいが、九郎をどのように排除すべきか考えておく
5:白い少年(累)とその同伴者(チョコラータ)は警戒
6:生徒会の皆とは出来れば会いたくない
[備考]
※ カタリナがシリウスの闇魔法によって昏倒していた時期からの参戦となります。
※ 新羅、九郎と知り合いについての情報交換を行いました。但し九郎は、自身や琴子の能力については明かしておりません。
【ジオルド・スティアート@乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…】
[状態]:健康、顔面打撲(中)
[服装]:いつもの服装
[装備]: 峯沢維弦のレイピア@Caligula Overdose
[道具]:基本支給品一色、双眼鏡@デュラララ!、不明支給品0~1
[思考]
基本:優勝して、カタリナと一緒に帰る
1:不本意ながら殺し合いに乗る
2:参加者の殺害は慎重に。まずは情報収集を優先する。
3:殺し合いで生き残るため、利用できそうな参加者を探す。
4:新羅と九郎はなるべく早めに始末しておきたいが、九郎をどのように排除すべきか考えておく
5:白い少年(累)とその同伴者(チョコラータ)は警戒
6:生徒会の皆とは出来れば会いたくない
[備考]
※ カタリナがシリウスの闇魔法によって昏倒していた時期からの参戦となります。
※ 新羅、九郎と知り合いについての情報交換を行いました。但し九郎は、自身や琴子の能力については明かしておりません。
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