少女はいる、少女がいる。
少女が振り返る、手には鉈を握りしめている、足下には人の様なモノがある。
少女は私を見留め(みとめ)近づいてくる、手に鉈を握っている。
少女は近づいてくる、手には鉈を握ってる、少女は――
「うわああああああ――」
私は悲鳴をあげ、後ずさった――転がった時に何処か打ったのか、腰が抜けたのか、立ち上がれない。
少女は近づいてくる、私は這った状態で離れる。
だが地面は這うより歩く方が速いのだ、――少女は近づいて――
――私は―――意識を失った
目覚めた、目覚めてしまった。
青い空、ここは――傍らを見ると少女がいる――少女が振り返る――手には鉈が――
「ひいいいいいいい――」
私は悲鳴をあげ、後ずさった――転がった時に何処か打ったのか、腰が抜けたのか、立ち上がれない。
少女は近づいてくる、私は這った状態で離れる。
だが地面は這うより歩く方が速いのだ、――少女は近づいて――
――私は―――意識を失った
目覚めた、目覚めてしまった。
青い空、ここは――傍らを見ると少女がいる――少女が振り返る――手には鉈が――
「ひいいいいいいい――」
私は後ずさる――けれど腰が抜けたのか、立ち上がれない。
少女は「落ち着いてください」と云った。
何を云っているんだ、私は混乱した。
少女は「大丈夫です」と云った。
何が大丈夫なんだ、私は混乱した。
何を云っているんだ、私は混乱した。
少女は「大丈夫です」と云った。
何が大丈夫なんだ、私は混乱した。
少女は私の視線が鉈に在るのを見留めて、鉈を置いて――落ち着いてください、と繰り返した。
私は何とか自分を取り留めた。
少女は竜宮レナと名乗った。
私が何をしていたのか尋ねると、顔をほんのり手に染め。
「健太君人形が、かあぁいいの~だからお持ち帰りしたいの~」
と答えた、意味がわからない。
少女の暗号の様な言葉を纏める(まとめる)と、
私が何をしていたのか尋ねると、顔をほんのり手に染め。
「健太君人形が、かあぁいいの~だからお持ち帰りしたいの~」
と答えた、意味がわからない。
少女の暗号の様な言葉を纏める(まとめる)と、
――捨てられていた健太君人形が可憐だから、持って帰りたい、との事だ。
健太君人形というのは、全国に支店を出す大衆食堂の象像(キャラクター)である。
しかし、七福神の大黒様と恵比寿様を喚起して創られた物であるため。
力士体型に無理矢理洋服を着せた形で、また顔は朗らかだが無駄に陽気な中年男性にしか見えない。
しかも、その身長は6尺近くもあるため、とても私には可憐とは云えない代物である。
しかし、七福神の大黒様と恵比寿様を喚起して創られた物であるため。
力士体型に無理矢理洋服を着せた形で、また顔は朗らかだが無駄に陽気な中年男性にしか見えない。
しかも、その身長は6尺近くもあるため、とても私には可憐とは云えない代物である。
――何故鉈を?
私の問いに、少女は健太君を示した。
健太君の上に梁(はり)が乗っている、そして梁の先は塵山の中に埋まっている。
梁は半分ほど欠けていた――なるほど、彼を助けるために必要だったのか。
私の問いに、少女は健太君を示した。
健太君の上に梁(はり)が乗っている、そして梁の先は塵山の中に埋まっている。
梁は半分ほど欠けていた――なるほど、彼を助けるために必要だったのか。
少女――中等学校ぐらいだろうか――の腕では大変だろう。
私は少女から鉈を借り受けると、思い切り梁に叩きつけた。
梁は意外と強固で、私は何度か鉈を振り落とした――まるで何か別の物を叩きつけるように。
梁は意外と強固で、私は何度か鉈を振り落とした――まるで何か別の物を叩きつけるように。
めきい――嫌な音をたてて梁は途切れた。
私は日頃から運動をしないためか、汗をかきやすいので、体中びっしょりしていた。
私は日頃から運動をしないためか、汗をかきやすいので、体中びっしょりしていた。
少女は健太君人形に何かを呟きながら頬ずりしている――やはり意味がわからない。
乗りかかった船で、少女が用意した大八車で家まで送っていく事にした。
大八車に中年の男性を乗せ、それを(私のような)男と少女が運んでいる――非現実的だ。
少女の家に着くとさらに愕然とした。
庭には健太君だけではなく、信楽の狸、河童のパオ、蛙のげろ吉、郵便ポストなどが雑然と並んでいた。
大八車に中年の男性を乗せ、それを(私のような)男と少女が運んでいる――非現実的だ。
少女の家に着くとさらに愕然とした。
庭には健太君だけではなく、信楽の狸、河童のパオ、蛙のげろ吉、郵便ポストなどが雑然と並んでいた。
意味がわからない。
少女は茶を奨めてきたが固辞した、やはり自分が理解しにくいものはある種の畏怖になる。
陽はもう傾きかけていた。
【鳥口守彦(承)】
雛見沢に戻っていると、今度は事故(?)にあった北条家を探した。
住民は(あんな事故があったからか)口がかたく一苦労した。北条家は村の外れにあった。
廃墟になっているのかも、と思っていたがそれほど荒れてはいない、
いや、むしろ生活感がある、これは今でも誰かが住んでいるのだろうか?
住民は(あんな事故があったからか)口がかたく一苦労した。北条家は村の外れにあった。
廃墟になっているのかも、と思っていたがそれほど荒れてはいない、
いや、むしろ生活感がある、これは今でも誰かが住んでいるのだろうか?
もしかしたら証言が取れるかも、淡い期待を胸に鳥口が玄関に近づくと
「――――――――――――!!」
もの凄い怒鳴り声が聞こえてきた、鳥口は思わず身を隠した。
もの凄い怒鳴り声が聞こえてきた、鳥口は思わず身を隠した。
「―――――!!、――!――!」
耳をそばだてていた鳥口に、再び罵声と何かを殴りつけるような音が聞こえた。
耳をそばだてていた鳥口に、再び罵声と何かを殴りつけるような音が聞こえた。
――うへえ、これは何かの事件なのかもしれない――鳥口は思った。
――もしかしたら廃墟を隠れ家にしていた凶悪犯罪人かも――鳥口は考える。
――もしそれが本当だったとしたら、これはもの凄いスクープだ――鳥口は想像する。
――もしかしたら廃墟を隠れ家にしていた凶悪犯罪人かも――鳥口は考える。
――もしそれが本当だったとしたら、これはもの凄いスクープだ――鳥口は想像する。
鳥口がくだらない妄想に勤しんでいると、
――ガラガラと扉が開かれ中から少女が出てきた。
鳥口の予想は外れたようだ。
――ガラガラと扉が開かれ中から少女が出てきた。
鳥口の予想は外れたようだ。
少女は自転車で何処かに行くようだ。
鳥口の記者の感が様子がおかしい事を告げていた。
鳥口の記者の感が様子がおかしい事を告げていた。
――まさか監禁しているのか?
――いや、それだったら1人で外に出す事はないか。
――いや、それだったら1人で外に出す事はないか。
家の中からは何も音が聞こえなくなった。
鳥口は少し離れた所に身を移し少女が帰ってくるのを待ちかまえた。
鳥口は少し離れた所に身を移し少女が帰ってくるのを待ちかまえた。
――もし、戻ってきたら話を聞いてみよう。
15分ほどで少女は戻ってきた。
そこで、鳥口は話しかけてみたのだが少女の目の焦点が合っていない。
また話している内容も、支離滅裂の錯乱状態である。
少女の乗っていた自転車のカゴには一升瓶が入っている。
そこで、鳥口は話しかけてみたのだが少女の目の焦点が合っていない。
また話している内容も、支離滅裂の錯乱状態である。
少女の乗っていた自転車のカゴには一升瓶が入っている。
――これは、虐待だ。
鳥口は前に子供の虐待による親殺しの記事を載せた事があった。
――うへえ、これは厄介ですよ。