逆なんだよお。センセイはにやにやと気味の悪い笑みを浮かべた。
「何だよ、逆って」
「わからないのか沼上さん。後神だよ後神! この図に共通するのは――」
「何だよ、逆って」
「わからないのか沼上さん。後神だよ後神! この図に共通するのは――」
「さかさまだッ!」
「そう、逆さま――ん?」
突如割り込んできた男の声に、俺とセンセイの目がそちらへ向いた。
俺たちが座っているところの、通路を挟んだ隣のテエブルに三人の男たちが居た。
若い男が二人と――いやに綺麗な、人形のような顔をした男が一人。
若い男たちは困ったように綺麗な男を見ている。
「榎木津さん、いきなり何言い出すんですか。
ああごめんなさいねそこの方たち、気にしなくて結構です」
若い男の一人、前髪が欝陶しい男が、俺たちを含む周囲の人間にに頭を下げた。
「へこへこするなマスカマ。さっき出会った女学生だよ。名前は何といったかな。
まあいい、あれは逆さまのあべこべだ」
「あ、あべこべって」
もう一人の平凡な若い男が綺麗な男の言葉を繰り返す。
周りの目が気になるらしく、そわそわとあちこちに目をやる彼の声は、
少し抑え気味の小さいものだった。
そうやって、暗に綺麗な男に声を抑えるようにと示しているようだ。
どうやら――通じなかったようだが。
「何をぼそぼそしゃべッているンだ佐渡島君!
君は猿か! 猿のようだぞ!」
猿はぼそぼそ喋らないだろうと思ったが、佐渡島とかいう平凡な男は嫌そうな顔をした。
前髪が欝陶しい男は、けけけと笑っている。
恐らく彼らにしか分からないことなのだろう。
俺はあの三人から目を逸らし、センセイに向き直った。
「で、後神が何ですって?」
しかし、センセイは未だに三人をじろじろ眺めていた。
舐めるように、という表現がひどく似合う目で、気持ちが悪い。
「おいセンセイ」
「沼上さん、こんな辺鄙な村にどうして彼らのような三人が来るのだと思う。
僕らみたいにオヤシロ様目当てかな」
「地元の人じゃないの」
「違うだろう、これだけの村ならみんな顔見知りのはずだ。
女学生、なんて表現はおかしい」
「センセイだって顔見知りの名前をなかなか覚えないだろ」
センセイが黙ってしまった。
うんうん唸っている。まるで牛の鳴き声にしか聞こえない。
みおんとしおんですか。
前髪が欝陶しい男が言う。
「そう、その女学生たちだ。
あれは――」
逆なんだよ。綺麗な男はそりきり黙って寝転んだ。
「そう、逆さま――ん?」
突如割り込んできた男の声に、俺とセンセイの目がそちらへ向いた。
俺たちが座っているところの、通路を挟んだ隣のテエブルに三人の男たちが居た。
若い男が二人と――いやに綺麗な、人形のような顔をした男が一人。
若い男たちは困ったように綺麗な男を見ている。
「榎木津さん、いきなり何言い出すんですか。
ああごめんなさいねそこの方たち、気にしなくて結構です」
若い男の一人、前髪が欝陶しい男が、俺たちを含む周囲の人間にに頭を下げた。
「へこへこするなマスカマ。さっき出会った女学生だよ。名前は何といったかな。
まあいい、あれは逆さまのあべこべだ」
「あ、あべこべって」
もう一人の平凡な若い男が綺麗な男の言葉を繰り返す。
周りの目が気になるらしく、そわそわとあちこちに目をやる彼の声は、
少し抑え気味の小さいものだった。
そうやって、暗に綺麗な男に声を抑えるようにと示しているようだ。
どうやら――通じなかったようだが。
「何をぼそぼそしゃべッているンだ佐渡島君!
君は猿か! 猿のようだぞ!」
猿はぼそぼそ喋らないだろうと思ったが、佐渡島とかいう平凡な男は嫌そうな顔をした。
前髪が欝陶しい男は、けけけと笑っている。
恐らく彼らにしか分からないことなのだろう。
俺はあの三人から目を逸らし、センセイに向き直った。
「で、後神が何ですって?」
しかし、センセイは未だに三人をじろじろ眺めていた。
舐めるように、という表現がひどく似合う目で、気持ちが悪い。
「おいセンセイ」
「沼上さん、こんな辺鄙な村にどうして彼らのような三人が来るのだと思う。
僕らみたいにオヤシロ様目当てかな」
「地元の人じゃないの」
「違うだろう、これだけの村ならみんな顔見知りのはずだ。
女学生、なんて表現はおかしい」
「センセイだって顔見知りの名前をなかなか覚えないだろ」
センセイが黙ってしまった。
うんうん唸っている。まるで牛の鳴き声にしか聞こえない。
みおんとしおんですか。
前髪が欝陶しい男が言う。
「そう、その女学生たちだ。
あれは――」
逆なんだよ。綺麗な男はそりきり黙って寝転んだ。
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