回転矢印表記は、
タワー表記、
チェーン表記の拡張として、Bird氏によって定義された巨大数表記法である。Bird氏はこの表記を用いて、バード数(旧)を定義した。
2種類の拡張チェーンのうちの一つであり、もう一つはHurfordによる
拡張チェーン表記である。
この表記について記された元のページは現在残されておらず、海外の巨大数界隈では現在全く使われていない表記であるが、非拡張チェーンを超える表記の一つとして、2chの巨大数スレッドがしばらくこの表記法にお世話になった背景がある。
旧バード数の大きさを他の表記で明らかにするためにも、こちらの表記についても一応触れておく必要がありそうである。
→の本数を増やす
a→a→...→a→a (b copies of a)
= a→→b
ただし、この→→の機能の仕方はチェーンの→とは異なり、
タワー表記のような働きをする。
a→→b→→c→→d
= a→→(b→→(c→→ d))
つまり→→は演算子として解釈されるわけである。
さらに、
a→→ a→→...→→a→→a (b copies of a)
= a→→→ b
a→→→ a→→→...→→→a→→→a (b copies of a)
= a→→→→ b
a→...→b (n copies of →)
=a→nb
と積み重なっていき、同様に、
a→nb→nc→nd
=a→n(b→n(c→nd))
と処理される。
矢印の回転
a→cb=a↓b↓c
この↓は、チェーンと同様に処理される。すなわち、
a↓b↓...↓x↓y↓1 = a↓b↓...↓x↓y
a↓b↓...↓x↓1↓z = a↓b↓...↓x
a↓b↓...↓x↓y↓z = a↓b↓...↓x↓(a↓b↓...↓x↓(y-1)↓z)↓(z-1)
さらに↓↓、↓↓↓、...とすると、これも
タワー表記と同じ働きになる。
a↓a↓...↓a↓a} (b copies of a)
=a↓↓b
a↓↓b↓↓c↓↓d = a↓↓(b↓↓(c↓↓d))
a↓↓↓b↓↓↓c↓↓↓d = a↓↓↓(b↓↓↓(c↓↓↓d))
・・・
そして、
a↓cb = a←b←c
とやっていって、1回転すると元の↑に戻るが、元のチェーンと区別するために、(↑1)と表記する。
a←cb=a(↑1)b(↑1)c
以下同様に(→1)、(↓1)、(←1)、(↑2)、(→2)、(↓2)、(←2)...
l.b.氏による別表記
a→b→...→y→z = ↑1(a,b,...,y,z)
a↓b↓...↓y↓z = ↑2(a,b,...,y,z)
a←b←...←y←z = ↑3(a,b,...,y,z)
a(↑1)b(↑1)...(↑1)y(↑1)z = ↑4(a,b,...,y,z)
・・・
a(↑n)b(↑n)...(↑n)y(↑n)z = ↑4n(a,b,...,y,z)
a(→n)b(→n)...(→n)y(→n)z = ↑4n+1(a,b,...,y,z)
a(↓n)b(↓n)...(↓n)y(↓n)z = ↑4n+2(a,b,...,y,z)
a(←n)b(←n)...(←n)y(←n)z = ↑4n+3(a,b,...,y,z)
他表記との比較
a→→b
= a→2(b-1)
>~ {a,a,a-1,b-2}
a→→→b
<~ a→2b→22
<~ {a,b,1,1,2}
a→cb = a↓b↓c
<~ a→2b→2(c-1)
<~ {a,b,c-2,1,2}
a↓b↓c↓2
<~ {ab,c,1,2,2}
> {a,c,1,2,2}
a↓b↓c↓d
<~ {ab,c,d-1,2,2}
>~ {a,c,d-1,2,2}
a↓a↓...(b)...↓a↓a = a↓↓b
>~ {a,a,a-1,b-2,2}
a↓cb = a←b←c
<~ {a,b,c-2,1,3}
一般的に
↑ e(a,b,c)
<~ {a,b,c-2,1,e}
↑ e(a,a,...,a,b,c) (d entries)
>~ {a,b,c-1,d-2,e}
最終更新:2024年07月26日 20:06