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連載 - とある組織の構成員の憂鬱-39i

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匿名ユーザー

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「ち、ちょっと、大丈夫?」

 けほけほと、黒服がむせている
 …っく、誰だっ!?さっきの貧乳は!?
 青年は少女が立ち去った後を追いかけようとしたが、既に姿が見えない
 それよりも、黒服の事が心配だ

「大丈夫か?」
「……はい」

 顔をあげる、黒服
 ほんのりと、頬が赤く染まっているように見える

 …そう言えば、こいつ、酒強くない、って聞いていたような

 青年が、それを思い出してやや不安になると

 にこり、と
 黒服が、笑った

「「…………え??」」

 きょとん、と
 青年と少女は、ほぼ同時に間の抜けた声をあげてしまった
 黒服が、笑っている…それも、満面の笑みで

 感情の起伏が薄い黒服は、普段あまり笑わない
 笑っても、どこか遠慮がちだったり、微笑、と言う程度の笑いなのに
 今、満面の笑みを浮かべている

 どう言う事か?
 まさか、さっきのアレだけで酔ったのか?
 青年が、疑問に思っていると

「…あなたも、飲みませんか?」
「は?」
「お酒を」

 す、と傍にあった酒瓶を手に取る黒服
 にこり、微笑みは青年に向けたままだ

「あ、いや、俺はまだ調理とかあるし…」

 酒に弱い訳ではないが、まだ調理すべき食材が結構残っているから、舌を鈍らせたくない
 そう考えて、青年は断るのだが

「…飲みませんか?」

 にこにこと、微笑んだまま、黒服は繰り返してきた
 ……これは、もしや

「…絡み上戸?だとしても、随分大人しい絡み上戸だけど…」

 少女の呟きに、思わず同調する
 確かに、これは酔い癖で言う絡み上戸と言うやつだろう
 しかし、黒服のこれは、絡み上戸といってもかなり大人しい絡み方に見えた
 まぁ、ある意味で黒服らしいといえばらしいのだが…

「…飲みませんか?」
「あぁ、悪いけど」

 この程度の絡み上戸なら、逃げられる
 青年は、そう考えたのだが

「飲んだ方が、良いですよ?」
「へ?……っちょ!?」

 ぐい、と
 黒服は酒瓶をあけると、中身の酒を口に含んだ
 そして…つい、と
 青年の両頬を、手で包み込んだ

「え?……っちょ、何を」
「黒服?何を…」

 少女も、青年も、黒服のその行為に戸惑い、疑問の声を投げかけようとして

 …言葉を、飲み込んでしまった

「------っん!?」

 …青年と、黒服の唇が、重なった
 ぴきっ!!と、誰かが怒りを感じた音が聞こえた気がしたが、青年にはそれに構う余裕はない
 突然の事に、思考は混乱し

「~~~~~っんん!?」

 ぴちゃり
 舌が、青年の唇をこじ開けてきて…口内に、酒を流し込まれる
 酒と一緒に舌まで口内に入り込んできて、青年の思考はますます混乱した
 青年の両頬を逃がさないようしっかりと掴んで、口に含んだ酒を全て飲ませて…
 黒服は、ようやく満足したように口を放す

 ……ぷしぅっ

 突然の出来事に、思考回路がショートしたように…青年は、硬直していた

 …ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 少女が、色々と怒りのオーラを放ち始めたが…

 くるりっ
 黒服が、少女に向き直った

「…流石に、未成年にお酒を飲ませるわけには行きませんね」
「……え?」

 す、と
 黒服は、今度はジュースの瓶に手を伸ばした
 封を開け、中を口に含み…

「……っちょ!?」

 す、と
 先ほど青年にしたように、少女の頬に手を伸ばした
 優しく両頬を包み込まれて、パニックになる少女
 笑顔を浮かべた黒服の顔が、ゆっくり、ゆっくりと近づいて

「----っ!!」

 重なる唇
 その感触に、くらり、少女の思考は揺れる
 ノックされるように唇を舐められて、思わずうっすらと唇を開いてしまった

 とぷり
 甘いジュースが、口内に流し込まれる

「~~~~~~~っ」

 甘い
 甘い、甘い、甘い
 甘い感覚に、少女の思考はぐらり、ぐらりとゆれ揺れて

 ……ぷしゅぅうううううう……
 少女も、青年と同じように、固まった
 耳まで真っ赤になって、完全に硬直している

「…?2人とも、どうかなさいましたか?」

 にこにこと、黒服は微笑んだままだ
 2人から返事がないのに、不思議そうに首をかしげる

「…あぁ、そうか、まだ足りませんか」
「……え」

 っは!と
 青年が、先に正気に戻った
 再び酒瓶に手を伸ばした黒服を、慌てて止める

「っちょ、待て待て待て!!色々と待て!!」
「何がですか?」
「う……」

 笑顔のまま、首を傾げてくる黒服
 …油断した
 これは、酒癖としてはかなりタチの悪いタイプだ!!
 黒服は、酔っている間の記憶は残っていない、と以前教えてくれた事がある
 覚えて無くて正解だよ、畜生!!
 覚えられてたら、色々と恥ずかしいよ、こっちも!!

 とにかく
 これ以上の行為は、阻止しなければ!!
 酒を口に含もうとする黒服を、青年は必死に止めて

「………んん」
「あ」

 …こてんっ
 黒服の体から、力が抜ける
 青年は、慌ててその体を抱きとめた

 …すやすやと
 黒服は、小さく寝息を立てていて
 …どうやら、酔いが回って睡眠状態に入ってくれたようだ

「……はぁ」

 ため息をつく青年
 ぷしゅううう、と少女は硬直したままだ

 …さて
 この状況を、どうしたらいいものか
 とりあえず、黒服には「ユニコーンの角の粉末」を飲ませるべきだよなぁ
 そして、酔っている間に何をしたかは黙っていた方がいいよなぁ、と 
 青年は、静かに眠る黒服を前に考え込むのだった








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