中央高校での決戦翌日 北区 診療所にて
「……できた、ぞ」
「ありがとう………!」
「ありがとう………!」
ジャッカロープの乳が入ったコップを受け取ったバイトちゃん
これで!!!
これで、真っ当な男に戻れる!!
これで!!!
これで、真っ当な男に戻れる!!
…後でまた、女体化させられそうな予感もするが、まずは気にしない!!
なお、その乳を出したジャッカロープ、ただ今メアリーとミヅキにモフられている最中である
都市伝説だろうと、女性は可愛い生物に弱いものだ
都市伝説だろうと、女性は可愛い生物に弱いものだ
「万能薬、か。なんとも便利なものだな」
「あんた、前はアメリカにいたんだろ。ジャッカロープと遭遇したことはなかったのか?」
「話には聞いていたが、ジャッカロープの実物を見たのは今回が初めてだよ」
「あんた、前はアメリカにいたんだろ。ジャッカロープと遭遇したことはなかったのか?」
「話には聞いていたが、ジャッカロープの実物を見たのは今回が初めてだよ」
そんな会話をしている、ドクターと広瀬辰也
ジャッカロープの乳でバイトちゃんを治してやる、ということで、ジャッカロープを連れた「爆発する携帯電話」の契約者だけがここに来る予定だったのだが…彼女を心配して、辰也もついてきたのだ
ジャッカロープの乳でバイトちゃんを治してやる、ということで、ジャッカロープを連れた「爆発する携帯電話」の契約者だけがここに来る予定だったのだが…彼女を心配して、辰也もついてきたのだ
「彼…いや、今は彼女か。彼女は、男性に戻らないのかい?」
「今のままでいい、って本人が言ってるし…それと、あいつ「組織」以外相手でも、少し狙われてるからな。顔は隠したままの方がいい」
「今のままでいい、って本人が言ってるし…それと、あいつ「組織」以外相手でも、少し狙われてるからな。顔は隠したままの方がいい」
…俺としても、嬉しいし
その言葉は口の中で濁らせた辰也
わかっている
元は男だと、わかっている!!!
だが、ストライクゾーンど真ん中なのだから、仕方ないだろう
その言葉は口の中で濁らせた辰也
わかっている
元は男だと、わかっている!!!
だが、ストライクゾーンど真ん中なのだから、仕方ないだろう
「なるほどね……それで、ここに来たのは、彼女に付いて来ると言う、その理由だけなのかい?」
「…勘のいい相手は、好きじゃねぇ」
「…勘のいい相手は、好きじゃねぇ」
ぼそり、ドクターの言葉に辰也は居心地悪そうに呟き…懐を探る
そこから取り出した小さなデータチップを、ドクターに放り投げた
ぱし、とドクターはそれをキャッチする
そこから取り出した小さなデータチップを、ドクターに放り投げた
ぱし、とドクターはそれをキャッチする
「これは?」
「俺が「組織」を出る時に持ち出したデータの、投薬実験関係のデータだけを抽出したもんだ」
「俺が「組織」を出る時に持ち出したデータの、投薬実験関係のデータだけを抽出したもんだ」
ほう?とデータチップを見つめるドクター
この、小さなデータチップに…「組織」の闇の一部が、凝縮されている、ということか
この、小さなデータチップに…「組織」の闇の一部が、凝縮されている、ということか
「僕に、それを渡してもいいのかい?」
「あんたは、都市伝説化した奴を人間に戻す研究もしてんだろ?…その実験データ、初期の頃の実験は、都市伝説化した人間を元に戻す研究なんだよ」
「あんたは、都市伝説化した奴を人間に戻す研究もしてんだろ?…その実験データ、初期の頃の実験は、都市伝説化した人間を元に戻す研究なんだよ」
…最も
失敗を重ねたそれは、無数の犠牲者を生んでいて
その研究の役に立つなら、とどんどんと他の実験も行われて……当初の目的から、どんどんと遠ざかってしまって
その結果の実験被害者の一人が、この広瀬 辰也な訳だが
失敗を重ねたそれは、無数の犠牲者を生んでいて
その研究の役に立つなら、とどんどんと他の実験も行われて……当初の目的から、どんどんと遠ざかってしまって
その結果の実験被害者の一人が、この広瀬 辰也な訳だが
「そのデータが、あんたのその研究の役に立つなら、それでいい。悪用しないなら、な」
「……君は」
「……君は」
言いかけて…いや、とドクターは頭を振った
広瀬辰也にも…都市伝説化してしまった者で、元に戻してやりたいと思う相手が、いるのだろうか?
一瞬、それを考えたが、聞く事はヤボだろう
「組織」を激しく嫌い、憎む彼としては、「組織」の闇のデータの一部が他の組織に伝わると言うのも、復讐の一環なのかもしれないし
広瀬辰也にも…都市伝説化してしまった者で、元に戻してやりたいと思う相手が、いるのだろうか?
一瞬、それを考えたが、聞く事はヤボだろう
「組織」を激しく嫌い、憎む彼としては、「組織」の闇のデータの一部が他の組織に伝わると言うのも、復讐の一環なのかもしれないし
「…さて、こっちの用件はこれだけだ。恵、帰ろうぜ」
「……くけ……わかった……」
「……くけ……わかった……」
ひょい、とモフられていたジャッカロープを抱き上げる「爆発する携帯電話」の契約者
ジャッカロープはぴすぴすと鼻を鳴らし、もぞもぞと「爆発する携帯電話」の持っている鞄に入り込んでいく
ジャッカロープはぴすぴすと鼻を鳴らし、もぞもぞと「爆発する携帯電話」の持っている鞄に入り込んでいく
「あぁ、ところで、女体化のガス、もしくは薬だが」
「後で教会にでも来れば、マッドがいつでもガス噴射すると思うぜ」
「後で教会にでも来れば、マッドがいつでもガス噴射すると思うぜ」
落ち着いてから来てくれ
そう言って、辰也は「爆発する携帯電話」の……空条 恵の手を引いて、診療所を後にした
そう言って、辰也は「爆発する携帯電話」の……空条 恵の手を引いて、診療所を後にした
そよ、と二人の頬を撫でる風は、冷たい
ゆっくりと、冬が近づいてきている
ゆっくりと、冬が近づいてきている
「……辰也」
「ん?」
「…あの、データ……本当に、良かった、のか?」
「ん?」
「…あの、データ……本当に、良かった、のか?」
…「組織」の投薬実験データ
あれには、辰也の実験記録も残っているのだ
彼にとって、それはあまり知られたくない記憶のはず
だが
あれには、辰也の実験記録も残っているのだ
彼にとって、それはあまり知られたくない記憶のはず
だが
「あー、いいんだよ。まぁ、あいつらがそれを有効利用できなかったら、承知しねぇが」
都市伝説化した人間を、元に戻す方法
どこかの誰かさんが誰よりも切望して、しかし、とっくの昔に諦めてしまった事
もし、その方法が、実現したならば
どこかの誰かさんが誰よりも切望して、しかし、とっくの昔に諦めてしまった事
もし、その方法が、実現したならば
(……ま、俺にはどうでもいいんだがな)
もし、その方法が手に入ったならば、あいつに恩を売ってやればいい
そう考えながら、辰也は恵の手を引いて、教会への帰路につくのだった
そう考えながら、辰也は恵の手を引いて、教会への帰路につくのだった
to be … ?