「エーテル、君の力は、優しい力だね」
…そう、D-No.0に言われた事があった
何を言うのか、と
何を、見当違いな事を言い出すのかと思った
何を言うのか、と
何を、見当違いな事を言い出すのかと思った
しかし
彼が心底本気で言っているのだと、すぐに思い知らされた
彼が心底本気で言っているのだと、すぐに思い知らされた
「…君の力は、確かに、誰かに死を与えるかもしれない。でも、苦痛を与えない………………僕の力とは、大違いだ」
悲しそうに、悲しそうに
自分の両手を見つめて、D-No.0は、そう言ったのだ
自分の両手を見つめて、D-No.0は、そう言ったのだ
E-No.0は知っている
D-No.0を飲み込んだ都市伝説が、どんな存在なのか
ひとたび、その力を発動させたならば、それは一つの国を滅ぼすなど容易い事を
D-No.0を飲み込んだ都市伝説が、どんな存在なのか
ひとたび、その力を発動させたならば、それは一つの国を滅ぼすなど容易い事を
しかし、それはE-No.0の能力とは違い
人々に、苦痛を与えてしまう力
中には、一瞬で命を落とす者もいるだろう
しかし、過半数以上が苦痛を、恐怖を覚えるだろう力
それが、D-No.0が振るう事ができる力
優しすぎるあの男に似合わない、世界だって滅ぼせる力
人々に、苦痛を与えてしまう力
中には、一瞬で命を落とす者もいるだろう
しかし、過半数以上が苦痛を、恐怖を覚えるだろう力
それが、D-No.0が振るう事ができる力
優しすぎるあの男に似合わない、世界だって滅ぼせる力
D-No.0は、自分の力を悲しんでいた
誰かを苦しめる事しかできない力だ、と
誰も救うことができない力だと、嘆いていた
誰かを苦しめる事しかできない力だ、と
誰も救うことができない力だと、嘆いていた
-----だから
E-No.0は、こう、告げた事があった
E-No.0は、こう、告げた事があった
「力の加減の仕方を覚えればいいだろう」
「加減………」
「確かに、今の状態では、加減してもちょっとした小さな小島を沈めるだけの威力になってしまう。加減の仕方を学ぼうにも、たとえ海のど真ん中で使ったとしても、お前の力はどこかに被害をもたらす」
「加減………」
「確かに、今の状態では、加減してもちょっとした小さな小島を沈めるだけの威力になってしまう。加減の仕方を学ぼうにも、たとえ海のど真ん中で使ったとしても、お前の力はどこかに被害をもたらす」
E-No.0の言葉に、D-No.0は沈んだ表情をして
…しかし、E-No.0は続ける
…しかし、E-No.0は続ける
「だが、お前の部下…D-No.1だったか?確か、あいつは異空間系の能力の使い手だろう?」
「…………ぁ」
「その空間内で、制御の仕方を練習させてもらえばいいだろう」
「…………ぁ」
「その空間内で、制御の仕方を練習させてもらえばいいだろう」
できない訳じゃないだろう?
E-No.0のその提案に
D-No.0は、表情を輝かせて
E-No.0のその提案に
D-No.0は、表情を輝かせて
「そうか…うん、そうだね。嘆いているだけじゃ、駄目なんだ。僕にできる事をやるべきなんだ………ありがとう、エーテル」
嬉しそうに、そう言って
早速、実行するつもりだったのだろう
D-No.0は、部下…いや、彼にとっては、部下ではなく親友の一人なのだろうが…の元へと、駆けていった
早速、実行するつもりだったのだろう
D-No.0は、部下…いや、彼にとっては、部下ではなく親友の一人なのだろうが…の元へと、駆けていった
………その、後ろ姿が
E-No.0が見た、D-No,0の、最後の姿
E-No.0が見た、D-No,0の、最後の姿
優しすぎたあの男は、本当に暗殺されたのか、否か?
真相は、まだ、誰も知らないままだ
真相は、まだ、誰も知らないままだ
to be … ?