それは、まだ「組織」が完成する以前のこと
その、直前の事だ
その、直前の事だ
「よぉ、元気だったか?」
「あ……ざ、ザン様。はい、僕は…元気、です」
「はは、俺に敬語なんざ使わなくていいっての」
「あ……ざ、ザン様。はい、僕は…元気、です」
「はは、俺に敬語なんざ使わなくていいっての」
ぺこり、頭を下げてきた褐色肌の青年に、X-No.0こと、ザンは笑って見せた
…ザン本人は、このX-No.0という自分に割り当てられたナンバーが、あまり好きではない
だからこそ、自分をナンバーではなく、元の名前で呼んでくれる親友や、その親衛隊達と話すと心癒される
…ザン本人は、このX-No.0という自分に割り当てられたナンバーが、あまり好きではない
だからこそ、自分をナンバーではなく、元の名前で呼んでくれる親友や、その親衛隊達と話すと心癒される
ぎゅう、と、その親友の親衛隊の一人である褐色肌の青年に、ザンは甘えるように抱きついた
青年の身長は180超えなのに対して、ザンの身長は170ちょっとと言ったところ
ザン本人としては包み込むような体勢で抱きしめたかったようだが、イマイチ様になっていない
抱きつかれ、青年が少し途惑ったような表情を浮かべる
青年の身長は180超えなのに対して、ザンの身長は170ちょっとと言ったところ
ザン本人としては包み込むような体勢で抱きしめたかったようだが、イマイチ様になっていない
抱きつかれ、青年が少し途惑ったような表情を浮かべる
「え、えっと、ザン様…?」
「ん~、相変わらず可愛いよなぁ、お前。なぁ、ダレンの傍にいるのもいいけど、折角だから、俺の部下にでも…」
「ん~、相変わらず可愛いよなぁ、お前。なぁ、ダレンの傍にいるのもいいけど、折角だから、俺の部下にでも…」
そう、言いながら
するり、ザンの手が、青年の背中をすべり、腰まで降りて来て
するり、ザンの手が、青年の背中をすべり、腰まで降りて来て
---ごがっ!!
「っだ!?」
…尻を撫でようとしたところで
盛大に、殴り飛ばされた
盛大に、殴り飛ばされた
「何やってんだ、あんたは」
「---ったた、何しやがるか!?」
「---ったた、何しやがるか!?」
己を殴り飛ばしてきた、身長2mに達する大男に怒鳴るザン
大男は、褐色肌の青年を庇うような位置に立ち、ザンを見下ろしてくる
大男は、褐色肌の青年を庇うような位置に立ち、ザンを見下ろしてくる
「ったく、あんたは男でも構わないのか」
「何を言う!?女にもなれるだろうが!それも、ピチピチボインのナイスバディに!!っつか、その状態のこいつとにゃんにゃんしたとか羨ましいぞお前っ!?」
「エネルギー摂取の為だっての。そうでもなきゃ、メンタルが男な上に婆は守備範囲外だ」
「贅沢言いやがってこのロリコンめが!?そんな事言うんなら、その役目俺に変われっ!」
「こいつがあの姿になった時の力に、あんたの精神が耐えられるならな……まぁ、あんたはいっそ、廃人になった方が世の中の為だろうが」
「何ぃ!?」
「っふ、二人とも、け、喧嘩は駄目だよぉ…!」
「何を言う!?女にもなれるだろうが!それも、ピチピチボインのナイスバディに!!っつか、その状態のこいつとにゃんにゃんしたとか羨ましいぞお前っ!?」
「エネルギー摂取の為だっての。そうでもなきゃ、メンタルが男な上に婆は守備範囲外だ」
「贅沢言いやがってこのロリコンめが!?そんな事言うんなら、その役目俺に変われっ!」
「こいつがあの姿になった時の力に、あんたの精神が耐えられるならな……まぁ、あんたはいっそ、廃人になった方が世の中の為だろうが」
「何ぃ!?」
「っふ、二人とも、け、喧嘩は駄目だよぉ…!」
一触即発状態のザンと大男の間に、褐色肌の青年がおろおろと割り込む
…二人とも、この青年にはどこか甘く、そしてそれぞれ別の理由で、弱い
こう割り込まれては、引くしかない
…二人とも、この青年にはどこか甘く、そしてそれぞれ別の理由で、弱い
こう割り込まれては、引くしかない
…この大男も、褐色肌の青年と同じく、ザンの親友の親衛隊の一人だ
確か、彼の親衛隊の中では、一番の古株だったはず
元は残虐な殺人鬼的な存在だったらしいのだが、今はそんな面影を全く感じさせない
確か、彼の親衛隊の中では、一番の古株だったはず
元は残虐な殺人鬼的な存在だったらしいのだが、今はそんな面影を全く感じさせない
「っつか、何しに来たんだ、あんた」
「あぁ、そうだ……あいつに会いに来たんだよ。いるか?」
「いるけど……今、ドリスと一緒に、拾ってきた都市伝説の怪我の治療してるところだから、邪魔しないで置けよ」
「あぁ、そうだ……あいつに会いに来たんだよ。いるか?」
「いるけど……今、ドリスと一緒に、拾ってきた都市伝説の怪我の治療してるところだから、邪魔しないで置けよ」
っと、「また」拾ってきたのか
今度は、どんな都市伝説を拾ってきたのやら
優しすぎる親友の行動に、ザンは苦笑する
今度は、どんな都市伝説を拾ってきたのやら
優しすぎる親友の行動に、ザンは苦笑する
「わかった、じゃあ、それが終わるまで待たせてもらう」
「わ、わかりました……それじゃあ、お茶か何か、用意するから…待っていてくださいね」
「……あー畜生、やっぱ可愛いなぁ欲しいなぁ!!」
「わわっ!?」
「わ、わかりました……それじゃあ、お茶か何か、用意するから…待っていてくださいね」
「……あー畜生、やっぱ可愛いなぁ欲しいなぁ!!」
「わわっ!?」
お茶を入れにいこうとした、褐色肌の青年に
ぎゅう!と背後から抱きついたザン
あわあわと、青年は転びかけて
ぎゅう!と背後から抱きついたザン
あわあわと、青年は転びかけて
ごがすっ!と
ザンは、大男によって、今度は蹴り飛ばされた
「茶なんて淹れなくていい。雑巾絞った水でも用意しとけ」
「った……この野郎!?俺は死なないけど、痛みは感じるんだぞこら!?」
「った……この野郎!?俺は死なないけど、痛みは感じるんだぞこら!?」
若干、首を不自然に曲げた体勢のまま怒鳴るザン
再び、一触即発状態に陥りそうな、その事態に
あぅあぅと、褐色肌の青年はおろおろとし始めるのだった
再び、一触即発状態に陥りそうな、その事態に
あぅあぅと、褐色肌の青年はおろおろとし始めるのだった
…この、数日後
「組織」は完成し、X-No.0は失踪した
「組織」は完成し、X-No.0は失踪した
事の真相を知るのは、D-No.0、ただ一人である
to be … ?