…御免なさい
謝る声が聞えてくる
誰かが誰かに、謝罪している声が
誰かが誰かに、謝罪している声が
御免なさい、御免なさい、御免なさい…
何度も、何度も、何度も
御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい……
たとえ、何十回、何百回、何千回謝り続けたとしても
あいつは永遠に、自分自信を許す事は無いだろう
あいつは永遠に、自分自信を許す事は無いだろう
『お前が教師、なぁ?』
『う、うん……い、いいのかなぁ…僕、本当は教職員免許なんて、持ってないよ…?』
『…まぁ、お前ならどうにか…』
『う、うん……い、いいのかなぁ…僕、本当は教職員免許なんて、持ってないよ…?』
『…まぁ、お前ならどうにか…』
…言いかけて
赤い靴は、目の前の相談人の性格その他を改めて考え
赤い靴は、目の前の相談人の性格その他を改めて考え
『……多分、どうにかなるんじゃないのか?』
『…あぅぅ…』
『…あぅぅ…』
目を逸らしながらの赤い靴の言葉に、相談人…ディランが、おろおろとした表情を浮かべる
まぁ、不安な気持ちはわからないでもないのだが
まぁ、不安な気持ちはわからないでもないのだが
『確か、あの高校は、どう言う理由でか知らんが「組織」が手を出さないと決めている場所だ。ある程度の安全は保証されるだろ』
『う、うん………団も、そう言ってくれたけど……』
『だったら、頑張って教師のふりをしておけ。なるべく、「組織」に目をつけられない方がいい』
『…う、うん…』
『う、うん………団も、そう言ってくれたけど……』
『だったら、頑張って教師のふりをしておけ。なるべく、「組織」に目をつけられない方がいい』
『…う、うん…』
全く
この自信のなささえどうにかなれば、教師のふりなど容易いだろうに
この自信のなささえどうにかなれば、教師のふりなど容易いだろうに
(…そうは言っても、仕方ないか)
己を落ち零れと蔑み続けているディラン
過去の経験などから、ディランは自分自身に自信を持つ事が出来ないままだ
過去の経験などから、ディランは自分自身に自信を持つ事が出来ないままだ
ディランが悪い訳ではない
ただ、彼が「淫魔」として生まれてしまった事が不幸であった事と
…生まればかりで何も知らなかったディランを利用し続けた「教会」が悪いのだ
ただ、彼が「淫魔」として生まれてしまった事が不幸であった事と
…生まればかりで何も知らなかったディランを利用し続けた「教会」が悪いのだ
はっきりとした自我を得た瞬間から、淫魔としての己の行き方を否定し続けたディラン
長い時を生き続け、今なお、人々の思いの影響を受け続けている彼は、本来ならば、落ち零れであるはずなどないと言うのに
長い時を生き続け、今なお、人々の思いの影響を受け続けている彼は、本来ならば、落ち零れであるはずなどないと言うのに
『お前なら、どうにかできる。少しは自信を持て』
『…うん…ありがとう、ジブリル…』
『…うん…ありがとう、ジブリル…』
…ようやく、かすかに笑みを浮かべたディラン
赤い靴も、それにほっとしたような表情を浮かべる
赤い靴も、それにほっとしたような表情を浮かべる
『---っと、そろそろ時間だ』
『あ、う、うん……ご、御免ね、ジブリル、忙しいのに、相談に乗ってもらって…』
『気にするな俺とお前は同士だからな』
『あ、う、うん……ご、御免ね、ジブリル、忙しいのに、相談に乗ってもらって…』
『気にするな俺とお前は同士だからな』
同じ男に、許されてしまった者同士
…その男を護ると決めた者同士
支えあうのは、当然の事だ
…その男を護ると決めた者同士
支えあうのは、当然の事だ
『…それじゃあ、またね』
ぱたぱたと、走り去っていくディラン
赤い靴はその後ろ姿を見送って…小学校から下校しはじめている小学生たちに、目を向けた
赤い靴はその後ろ姿を見送って…小学校から下校しはじめている小学生たちに、目を向けた
うん、素晴らしきかな幼女
が、最近はショタも良いぞ良いぞ
が、最近はショタも良いぞ良いぞ
「…何、ニヤケた顔してんのよ、変態」
「なぁに、気にするな」
「なぁに、気にするな」
契約者たる美樹の冷たい言葉にも、慣れた様子で応対する赤い靴
美樹はため息をつくと、赤い靴を伴い、歩き出す
美樹はため息をつくと、赤い靴を伴い、歩き出す
「行くわよ。今日は迎えの車を呼んでないから」
「あぁ……都市伝説狩り、と行こうか」
「あぁ……都市伝説狩り、と行こうか」
契約により、己に力を与えてくれた美樹
…真の主の他に、彼女の事も護らねば
決意を固めながら、赤い靴は美樹の後を、ボディーガードのようについていくのだった
…真の主の他に、彼女の事も護らねば
決意を固めながら、赤い靴は美樹の後を、ボディーガードのようについていくのだった
to be … ?