「佳奈美、いる?…………って」
中央高校にて、学園祭の準備中
宮定 繰が、友人のクラスに顔を出した時、見たものは
宮定 繰が、友人のクラスに顔を出した時、見たものは
可愛らしいフリル付きミニスカメイド服を着せられている友人、佳奈美の姿だった
「あ、宮定さん。見てみて。似合ってるよね?」
「も、もうちょっと、スカート長くてもいいよね!?」
「も、もうちょっと、スカート長くてもいいよね!?」
友人とそのクラスメイトに、ほぼ同時にそう尋ねられ
えーと…と、繰はやや反応に困る
えーと…と、繰はやや反応に困る
「…とりあえず、下着が見えそうなスカート丈はどうかと思うわ」
「そ、そうだよね!?」
「えー……仕方ない、もうちょっと丈長くしようか。ばっちりだと思うんだけどねー」
「そ、そうだよね!?」
「えー……仕方ない、もうちょっと丈長くしようか。ばっちりだと思うんだけどねー」
むむむ、と佳奈美のクラスメイトが、佳奈美の脚の長さを測りなおし始めている
スカート丈が手直しされるとなって、佳奈美がほっとしたような表情を浮かべた
スカート丈が手直しされるとなって、佳奈美がほっとしたような表情を浮かべた
「あ、ありがとう」
「どういたしまして…と、言うか。何この気合の入りよう…」
「どういたしまして…と、言うか。何この気合の入りよう…」
周りには、たくさんのメイド服と執事服のデザイン画
そして、完成したメイド服と執事服
どれだけ衣装に気合を入れているんだ、このクラスの喫茶店は
繰は、呆れの混じったため息をついた
そして、完成したメイド服と執事服
どれだけ衣装に気合を入れているんだ、このクラスの喫茶店は
繰は、呆れの混じったため息をついた
さて、当初の用事を佳奈美に伝えないと…
「あ、そうだ、宮定さん」
が
その前に、佳奈美のクラスメイトがにこりと、操に笑いかけてきて
激しい嫌な予感に襲われた操だったが、しかし、逃げ場は既にふさがれていて
その前に、佳奈美のクラスメイトがにこりと、操に笑いかけてきて
激しい嫌な予感に襲われた操だったが、しかし、逃げ場は既にふさがれていて
数分後
「見立て完璧!!」
ぐっ!と
佳奈美のクラスメイトが、誇らしげに親指を立てる
おぉ…と、思わず佳奈美も、ぱちぱちと拍手してしまっていた
佳奈美のクラスメイトが、誇らしげに親指を立てる
おぉ…と、思わず佳奈美も、ぱちぱちと拍手してしまっていた
「…で、これで満足?」
じろり、佳奈美のクラスメイトを軽く睨みつつ、操は呟く
その服装は……どう見てもゴスロリメイド服です、ありがとうございました
このクラスの誰の為に作られた物かは知らないが、このメイド服は操にサイズがピッタリで
本人は認めたがらないだろうが……よく、似合っていた
まるで、彼女の為に作られた物のようだ
その服装は……どう見てもゴスロリメイド服です、ありがとうございました
このクラスの誰の為に作られた物かは知らないが、このメイド服は操にサイズがピッタリで
本人は認めたがらないだろうが……よく、似合っていた
まるで、彼女の為に作られた物のようだ
「うん、私の目に狂いはなかった。宮定さん、当日、うちのクラスの店でメイドやらない?」
「お断りよっ!!って言うか、私は佳奈美に用があって来たの!当初の目的を達させてちょうだい!ってか、脱ぐわよこれ?!」
「えー、勿体ない」
「お断りよっ!!って言うか、私は佳奈美に用があって来たの!当初の目的を達させてちょうだい!ってか、脱ぐわよこれ?!」
「えー、勿体ない」
ぶーぶーと、佳奈美のクラスメイトは文句を言うが、操としてはこんな服、さっさと脱ぎたいところだ
無造作に、そのメイド服を脱ごうとした時
……こんこん、と
教室の扉が、ノックされた
無造作に、そのメイド服を脱ごうとした時
……こんこん、と
教室の扉が、ノックされた
「荒神先生から、持っていくように頼まれた物があるんだけど…」
そして、聞えて来たのは
操としては…出来れば、あまり関わりたくない相手
GW明けにこの学校に赴任してきた英会話講師、ディランの声だ
操としては…出来れば、あまり関わりたくない相手
GW明けにこの学校に赴任してきた英会話講師、ディランの声だ
「あ、どうぞー」
「ち、ちょっと!?」
「ち、ちょっと!?」
っちょ!?
教室内に男が入られちゃ、メイド服を脱げない!?
そんな操の思考を知ってから知らずか、佳奈美のクラスメイトは、ディランを招き入れてしまった
そっと扉を開けて、ダンボールの箱を抱えたディランが、教室に入ってくる
教室内に男が入られちゃ、メイド服を脱げない!?
そんな操の思考を知ってから知らずか、佳奈美のクラスメイトは、ディランを招き入れてしまった
そっと扉を開けて、ダンボールの箱を抱えたディランが、教室に入ってくる
「はい、どうぞ」
「あ、は~い。衣装用の布とかですね」
「あ、は~い。衣装用の布とかですね」
色々詰め込まれているらしいダンボールを受け取り、教室の隅に持っていく佳奈美
用事を済ませて教室を出ようとした
が
用事を済ませて教室を出ようとした
が
「あ、そうだ、せんせー」
佳奈美のクラスメイトが、ディランを呼び止めてしまった
どうしたの?と振り返った、彼に
どうしたの?と振り返った、彼に
「ほらほら、これ、似合ってますよね?」
「っちょ、待っ……!?」
「っちょ、待っ……!?」
ずずい、と
ディランの視界に入らないようにしていた操を、佳奈美のクラスメイトは前に押し出す
じ、と
ディランは、そんな操を、見つめて
ディランの視界に入らないようにしていた操を、佳奈美のクラスメイトは前に押し出す
じ、と
ディランは、そんな操を、見つめて
「うん、よく似合っていて、可愛いよ」
と
その、どちらかと言えば…否、はっきりと美形の範疇に入る顔立ちに笑みを浮かべて、当たり前のように、言い切った
その、どちらかと言えば…否、はっきりと美形の範疇に入る顔立ちに笑みを浮かべて、当たり前のように、言い切った
っぽ、と
思わず、操がその言葉に、頬を赤く染めると
思わず、操がその言葉に、頬を赤く染めると
「やっぱり、女の子だから、可愛らしい恰好が似合うね」
と、まるで追撃するように、賞賛の言葉が告げられて
直後
操はその空気に耐えられず、ディランを殴り飛ばして逃げ出した
操はその空気に耐えられず、ディランを殴り飛ばして逃げ出した
「…あたた……あれ…僕、何か悪い事、言ったかな…?」
殴られた事事態はあまり気にした様子なく
逃げ出した操の後ろ姿に、おろおろしだすディラン
逃げ出した操の後ろ姿に、おろおろしだすディラン
「う~ん、何という無自覚褒め殺し。イケメンの範疇に入る男が言うと破壊力が違うね」
うんうん、と
何やら頷いている佳奈美のクラスメイト
一連のそのやり取りに、佳奈美はえぇと、と困った表情を浮かべている
何やら頷いている佳奈美のクラスメイト
一連のそのやり取りに、佳奈美はえぇと、と困った表情を浮かべている
「…メ、メイド服姿のまま行っちゃったけど、いいのかな…?」
そう
操は、ゴスロリメイド服のまま逃げ出した訳で
つまり、その恰好のまま校内を走っている訳で
つまり、色んな人に目撃される訳で…
操は、ゴスロリメイド服のまま逃げ出した訳で
つまり、その恰好のまま校内を走っている訳で
つまり、色んな人に目撃される訳で…
その後、彼女がどうなったかは、謎である
終われ