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連載 - 電子レンジで猫をチン!-47

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【電磁人の韻律詩47~その名前は~】

「名前はないのですよ。食べ物は……味覚が敏感なので薄い味付けであればなんでもオッケーです。
 煮物とかだと最高です。」

名前を尋ねた恋路に少女は言った。

「名前がない?」
「殺された時には有ったはずなのですけどすっかり忘れてしまいました。」
「…………え?」
「フランケンシュタイン、ってそういう都市伝説だとは聞いていたけど。
 この子は純粋な都市伝説じゃなくて人間から作られた都市伝説なのかな?」
「人間から作られたって?」
「そのままの意味ですよ、殺されて作り替えられたのです。」

あっけらかーんと言い放つ少女。
明日は彼女の言うことを理解して顔色を失う。

「一体誰に?」
「忘れちゃいました。どうでも良いかなあって。」

いやいや良くないだろう。
と明日真は突っ込めない。
彼の感性はあくまで一般人なのだ。
そんな異常事態を平然と受け入れられなどしない。




「じゃあ私が名前付けて良いかい?」
「良いですよ。」
「え?」

重たい空気を壊す一言。
恋路は明日真がこの空気に耐えきれないと判断したのだ。

「……フランケンシュタインだからフランちゃん。」
「どう見ても日本人じゃねえか。フランってフランス人じゃないんだから。」
「不乱?」
「違うなあ。」
「何に一心になってるのか。」
「孵卵?」
「字が違うねえ。」
「何が生まれてくるんだろうな。」
「腐乱?」
「ある意味正解。」
「たとえ正解であっても駄目だよ、怖いよ。」
「腐爛!」
「エクスクラメーションにしただけだよな。」
「いいや違うよアスマ、乱れるんじゃなくて爛れたんだ。」
「限り無くどうでも良い事実!」
「そんな面倒にうだうだ言うならお兄ちゃん考えてくださいよ、名前。
 ぶっちゃけ無いと不便じゃないですか。」
「そうだよ、こんだけ文句言うからにはアスマが考えるべきだよ。」
「ほう、良いだろう。良いぜやってやる、やってやる!
 …………雪絵!」
「えっ?」
「えっ。」




「いや、なんていうか、普通だね。」
「とんでもないネーミングセンスでもなく、さりとてセンス良い訳でもなく……。」
「有り体に言えば、つまらない。」
「むしろ何故おもしろさを求めるのかと明日真は貴方たちに問いかけたい。」
「いやだってキャラが立たないじゃない、キャラが立たなきゃフランちゃんのレギュラー化はありませんよ?」
「それは困りますよ恋路さん。」
「ならば素直にフランちゃんを受け入れるが良い。」
「一心腐爛……。」
「なんか心を蝕まれそうだね。」
「正直夏場は自分の身体が腐らないか心配なんですよね。」
「身体が腐っても心は腐らないさ☆」
「だから何を言っているのだお前らは!
 もっと真面目に名前を考えなさい!」
「アスマが思いつかないから喋ってるんじゃないか。」
「お兄ちゃんのネタにすらならないネーミングセンスを振り絞って一つお願いしますよ。」
「ところでフラン(仮)ちゃん映画見る?
 バタリアンとドーン・オブ・ザ・デッドとバイオハザード有るんだけど。」
「バイハは4から別物ですよね。」
「そもそもそれゾンビだよ!腐乱ネタどれだけ引きずるの!」
「やっぱ超能力とか無いよねー。」
「しかも無視するし!」

明日真の中の何かがぶち切れたらしい。
彼は突如書斎の中から『赤ちゃんお名前辞典』を持ってきて机に叩き付けた。

「どうだ!これなら文句はあるまい!俺も姉さんもここから名前付けられたんだ!」

明日は二人の返事を聞くことすらせずにペラペラと辞典をめくり始めた。





翌日。
結局、明日真はまともな名前を提案できなかった。
彼のネーミングセンスとは所詮その程度の物なのだ。
そして明日と恋路が学校から帰ってくると再び名前会議が始まった。

「……じゃあ、フランちゃんで決定ね。」
「くそっ、その名前はやめろ……。作者がそれだけは駄目だって……!」
「作者って誰のことですか?」

作者とはこの物語の第一回からナレーターを務める私ことラプラスの魔である。
私が語らねばこの物語も存在しなかったに等しいと言って良い。

「ええい、もうどうでも良いわそんなの!」

そう、どうでも良いことである。

「とにかく!フランちゃんだけはアウト!絶対駄目!」
「ならアスマの虫けら並なネーミングセンスからなんか良いアイディアが浮かんだって言うのかい!?」
「あ……、外!」
「ん、どうしたんだいフラン(仮)ちゃん。」
「雪です、雪が降っています。」
「へえ、今日だったんだ。」
「そういえば昨日の天気予報でやっていたな。やっぱ雪絵ちゃんにしようぜ。」
「だからそれだとキャラが……。」
「キャラってなんだよ!キャラキャラ言うけどキャラにとって大事なのは名前じゃない!中身だ!
 名前だけ奇抜にしてなんか受け狙ったけど滑るキャラだって沢山居るじゃないか!」

机を叩いて豪語する明日。
もはや会話の趣旨が明後日の方向に向いているのだが誰も突っ込まない。





「ていうかだな!昔から居たんだよ!
 子供に妙な名前つけようとする親とかさ!
 学校の古典の授業で鴨長明だって書いてたぞ!
 『どんなことも、珍しさを追求して、一般的ではないものをありがたがるのは、薄っぺらな教養しかない人が必ずやりそうなことである。』って!
 俺そう言うの嫌いだから!普通で良いから!」

ちなみにこれを書いたのは鴨長明ではない、兼好法師である。
だが当然ながらツッコミ不在。

「そう言われるとなんか正しい気がしてきた……。
 鴨長明さんの言うことだもんな……。
 日本三大随筆の人だもんな……。」
「駄目ですよ恋路さん、権威に反抗するところから新しい文化は生まれるのです。
 カウンターカルチャーです。」
「そう言われてみればそんな気もしてきた……。」

恐らくそう言う問題ではないのだがそれに対して突っ込む人間もいない。

「おい恋路!」
「はひぃ!?」
「お前には自分という物が無いのか!」
「悪いか!私は日本人だ!」
「駄目ですよ恋路お姉さん、これからの時代は国際化の時代なのですよ。
 自分の主張を持たないと流されちゃいますよ。」
「自分より明らかに小さい筈の子に説教された!?」
「まあ雪絵ちゃんの言うことも正しいよね。」
「最後は皆私を裏切るというのかッ!」

その時、突然玄関のチャイムが鳴る。





「宅急便で~っす!」
「来たか!」
「はぁ?何買ってたのよ私聞いてないよ。」
「去年の仮面○○○ーの劇場版公開記念版の変身アイテムを某サイトで……。」
「素直にといざらすで買えよ!この年にもなって恥ずかしいな!」
「恥ずかしいからネットで買ったんだろうが!ていうか今回はネット限定だし!」
「ていうかあれだけ部屋に有るのになんでまた買ったんだよ!
 あれで充分だろうが!」
「お前知らないな!?あれって中身入れ替えることで演出も変わるんだぜ!」
「ていうか箱でかっ!何入ってるの!?」
「いや、35種フルコンプリートセレクション……。」
「どれどれ、多いな……。あれ?部屋に有るのと同じじゃないか!」
「違うんだよ!端子の色が青だろ?これは新型の設定で……。」
「マジしったこっちゃねえよ!幾らしたんだ!白状しろ!」
「一万三千円くらい……。」
「無駄遣いだよどうみても!」
「両親から金だけは送られてくるんだ!心配するな!」
「そういえば私アスマの両親見たことない!」
「安心しろ、俺も数年前のばあちゃんの葬式の時しか顔見てない!」
「おにいちゃんって実は家族の愛に飢えてる人なのですか……?」
「はぅっ!」
「フランちゃん!それは言っちゃ駄目!」
「フランじゃねえ!(仮)取るなよ!雪絵だ!」
「どちらの名前でも良いのですが別々の名前で呼ばれると混乱します。」
「だから雪絵にしようぜ雪絵。恋のダウンロード♪」
「お前の秘密はエブリタイムエブリウェアお見通しだ!
 ていうか字違うじゃねえか!お前のいうそっちは由紀恵さんだよ!」
「まあ雪が降った記念に雪絵でも良いかもしれませんね。」
「やった!気に入られたぞ!俺の勝ち!」




「いや、違う、こういうの勝ちとか負けとかじゃないから。」
「私は居候させて頂いている身分ですから名前なんてそれこそ有れば便利程度ですし。
 正直なんでも良いですよ。」
「そうか……、それじゃあ雪絵で。」
「私の意見は無視なの!?」
「良いだろ、冷静に考えてみろよ。
 外で歩いたりしててフランちゃんフランちゃんって呼ぶのも変だろ?」
「……確かに。」
「ふん、解れば良いよ。」
「お兄ちゃんなんか偉そうな顔してますね。」
「アスマは正しければ偉いと勘違いしてるんだよ。」
「成る程成る程……。」
「良いじゃん、正しいんだもん。」
「ところでアスマ知っているか?」
「なんだ?」
「フランちゃんを抱きながら寝るとひんやりしててすごく気持ちいい。」
「何それ、俺にも抱かせろ。」
「良いけどガチホモ疑惑→ショタコン疑惑→ロリコン疑惑と続いている以上、
 君がどんな性癖の人間だと勘違いされても文句が言えない状況になるけど良いのかな?
 →ロリコン&ネクロフィリア疑惑とかになるよ。」
「俺の彼女がこんなに不謹慎ネタ大好きだったとか聞いてない。」
「まあ女の子ですが基本死体ですからね。正直今から夏場が心配です。」
「これが本当の腐乱ちゃん、みたいな。」
「夏になったら冷蔵庫で寝泊まりして良いですかー?」
「結局お前ら不謹慎ネタで〆るのな!?」

【電磁人の韻律詩47~その名前は~fin】

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