「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 超光速の男

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kemono

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月が、天頂に達しようとしていた、真夜中の事。

(青年>―――ハァッ、ハァッ、ハァッ、・・・

青年は、とにかく走っていた。 汗をダラダラ流しながら。 その後方には、

(女性>待ぁぁぁてぇぇぇぇぇ!

包丁を片手に彼を追う、口が耳まで裂けた女性・・・「口裂け女」の姿があった。
この状況を見た時、恐らく誰もが、この青年は「口裂け女」に狙われ、
命を落とす運命にあるのだろうと悲観するだろう。




この追いかけっこが、既に1時間を経過しようとしている事に目を瞑れば。




(口裂け女>く、くそぅ・・・あの小僧、疲れというものを知らないのか・・・!?

「口裂け女」が100mを3~6秒の早さで走れる事はもはや周知の事実だ。
現に今も、そのスピードで青年を追いかけている。
つまりこの青年は、1時間以上も口裂け女と互角、
否、それ以上のスピードで走り続けているのだ。
常人ならば、こんなスピードで1時間も走り続けるのは不可能である。
となれば・・・

(口裂け女>こいつ・・・契約者か!?

青年はその場でブレーキをかける。 靴に金属がついていたのか、道路と摩擦して火花が散る。

(口裂け女>やっとやる気になったか!
(青年>・・・振り切るぜ!

フッと、青年が口裂け女の視界から消える。 と同時に、腹部からの強い衝撃。

(口裂け女>グ・・・ハァッ・・・!?

彼女は見た。 その衝撃の正体を。
それは、先程まで汗を流しながら、彼女から1時間以上も逃げて走り回っていたあの青年が、自分の腹を殴った後の姿だった。

(口裂け女>(いつの間に・・・!?)

さらに青年は、1秒あったかという早さで口裂け女に蹴りを食らわせ、ふっ飛ばした。

(口裂け女>グアッ! バ、バカな!? こんな力がどこに・・・!?
(青年>「タキオン」を知っているか?

また青年は、瞬時に彼女の後ろにまわった。
「タキオン」。1960年代、アメリカの物理学者ジェラルド・ファインバーグによって提唱された、
超光速で動くと仮定されている粒子のことで、どんなに減速しても常に超光速であり光速以下になることはなく、
エネルギーを失えば失うほど加速していくとされる。
無論、その存在は未だに確立されていない。

(青年>俺はその「タキオン」と契約した。 常に光速であるわけではないが、
   俺が肉体的に疲労すればするほど、その早さは光速に近づく。

一通り説明を聞いた後、「口裂け女」は青年から離れ、体勢を整える。

(口裂け女>なるほど・・・だがそんなにベラベラ喋っていいのか?
(青年>安心しろ。 お前を見逃すつもりは無い。

その瞬間、青年はポケットからストップウォッチを取り出し、カウントをスタートさせ、頭上に投げる。
と同時に、「口裂け女」の懐にもぐりこみ、恐ろしい早さで百烈拳を命中させる。

時間と共に、そのスピードも上がっていく。 そしてトドメに上段回し蹴りを食らわせ、壁に激突させる。
そして彼は投げたストップウォッチをナイスタイミングで受け取り、カウントをストップする。

(口裂け女>ガ・・・ァ・・・
(青年>3.4秒・・・それがお前の、絶望までのタイムだ。

そう青年が呟いた時、「口裂け女」は光の粒子となり、夜闇に消えていった。
ハァ、と溜息をつく青年。 足元にはポタポタと汗が流れ落ちている。

(青年>全く・・・折角の休暇だというのにこれだ・・・だからこの町は嫌いなんだ。

また呟くと、彼はスタスタとその場を離れるのだった・・・

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