【???サイド】
「ほほぅ、これはこれは……路地裏のお嬢さーん、こんばんはー」
…………隊長……皆……置いていかないで…………
「うわぁお、見事に目が死んでらぁ……何が貴方の身に起きたか、にはぜーんぜん興味ありませんが……」
…………みん、な…………殺す……駄目……約束……でも……
「その恐怖、その嘆き、その絶望、何より矛盾したその覚悟!他の心無い『私達』はともかく、慈悲深い『私』のハートにピン、ときました!」
…………ぇ…………だ、れ…………?
「というかー、私もこのままじゃ朝日と共に消し飛んじゃう運命ですし……そこの包帯さーん!貴方今『死にたい』ですかー?」
……………………死にたく、ない……………………
「って事は『生きたい』という事ですよね?よし来た交渉成立、これからよろしくお願いしまーす!じゃあまずは―――」
―――その身体、ちょーっと借りさせて下さいな♪
※この物語は、平穏とライガーたちを愛する一人の契約者の日常的な非日常を描いたものです。過度な期待はしないでください。
※二週間ぶりの本編ですので、一部キャラ崩壊を起こす危険性があります。
※二週間ぶりの本編ですので、一部キャラ崩壊を起こす危険性があります。
では、【未発売キットを製作すると発売決定する都市伝説】第五話をお送りいたします。
【出井サイド】
―――都市伝説同士は惹かれあう。以前紫亜から聞いた言葉だ。
その時は『どこの幽波紋だ』とあまり気に止めてなかったが、今なら何となくわかる。
強い磁力が周りの鉄を引き寄せるように、都市伝説と関わった者もまた……厄介事を引き寄せてしまうんだろう。
「……くぅ……」
「今まさに、我が家の玄関で熟睡してるこの包帯女みたいにな……はぁ」
2012年1月2日。
新年初の婆さんとのバトルを終え帰宅した俺を待っていたのは、玄関先で眠る一人の少女だった。
背中の日本刀。左手以外ほぼ全身を白い包帯で包まれたその姿(何故か左手部分の包帯は真っ黒だったが)。
もうこの時点で普通じゃないのに、輪をかけてヤバイのがその格好……あちこち見える肌の色からすると……間違いない。
この娘、全裸に直接包帯巻いてやがる。おかげで見事なボンキュッボンが丸分かりだ。
新年初の婆さんとのバトルを終え帰宅した俺を待っていたのは、玄関先で眠る一人の少女だった。
背中の日本刀。左手以外ほぼ全身を白い包帯で包まれたその姿(何故か左手部分の包帯は真っ黒だったが)。
もうこの時点で普通じゃないのに、輪をかけてヤバイのがその格好……あちこち見える肌の色からすると……間違いない。
この娘、全裸に直接包帯巻いてやがる。おかげで見事なボンキュッボンが丸分かりだ。
「……あれ?そういえばこんな都市伝説、紫亜から聞いてたような……」
「んうぅ……」ゴロン
「わ、馬鹿、寝返りをうつな!見える、色々と見えるから!」
不味い、こんな所を人様に見られでもしたら……俺の社会的立場は一瞬で地に落ちてしまう!
「しょうがない、連絡も兼ねて部屋まで連れていくか……どっこいしょ」
「ムニャ……すぴー……」ムニュ
「…………………………」
どこが、とはあえて言わないが。色々と柔らかかったです。
とりあえずベッドに寝かせ、紫亜に連絡しようと携帯を手にとった時。
「……うー……」
「お、起きた。……何かまだ寝ぼけてるっぽいけど」
ゆらゆらと揺れていたその目が、俺の方を向いてピタリと止まる。
次の瞬間、突然ビクッとなって後ずさる彼女。思わずこっちもビクッとなった。
まあ、寝てる間に知らない部屋の中で知らない人間と出逢えば、そりゃ驚くか。
次の瞬間、突然ビクッとなって後ずさる彼女。思わずこっちもビクッとなった。
まあ、寝てる間に知らない部屋の中で知らない人間と出逢えば、そりゃ驚くか。
「落ち着け、怪しい者じゃない……というか、まずお前が怪しい。お前は誰だ?」
すると謎の都市伝説(仮)は右手でこちらを指さして、
「………トンカラ、レン……と、言え………」
「トンカラレン?……とんから、れん……名前か?」
名前があるって事は、都市伝説じゃなくて人間か?取り出した携帯を充電器に繋ぎ直す。
そして俺の中で彼女の位置づけが、謎の都市伝説(仮)から謎の包帯痴女(仮)にランクダウンした。
そして俺の中で彼女の位置づけが、謎の都市伝説(仮)から謎の包帯痴女(仮)にランクダウンした。
「何で家の玄関で寝てた?どこから来た?」
「……わかんない……何も、わかんない……」
……?どうも要領を得ない。
「言えない」ならともかく、「わからない」とは……まさか。
「言えない」ならともかく、「わからない」とは……まさか。
「君の名前、『とんから れん』でいいんだよな?」
「……とんから、れん……?とんから、てん……とんから、りん……?」
「……もしかして、思い出せないのか?」
「とんから……とん、から……誰?私、誰……?」
頭を抑えながら、苦しそうにしている包帯痴女。どうやら記憶喪失とかいう奴らしい。
取り敢えず『とんから』と言うのが名字で間違いないと思う(『遁殻』かな?)。
それで次に、名前以外に思い出せるものはないか聞いてみたんだが……。
取り敢えず『とんから』と言うのが名字で間違いないと思う(『遁殻』かな?)。
それで次に、名前以外に思い出せるものはないか聞いてみたんだが……。
「私……私……!?あ、あぁ、あぁぁぁぁ……!?」
「おい、急にどうし―――」
『おお、目覚めたか若き同士よ!』
『偉いぞ、だいぶ字も覚えてきたな。覚えるのが早くて、私も教えがいがある』
『何と……天より与えられし武勇とは、この事か……若き同士よ、お前の優勝だ!』
『我々はトンカラ※※!殺人衝動を克服した、正義の集団トンカラ※※だ!』
『人と都市伝説……いつかきっと手を取り会える日が来るはずだ。私はそう信じている』
『偉いぞ、だいぶ字も覚えてきたな。覚えるのが早くて、私も教えがいがある』
『何と……天より与えられし武勇とは、この事か……若き同士よ、お前の優勝だ!』
『我々はトンカラ※※!殺人衝動を克服した、正義の集団トンカラ※※だ!』
『人と都市伝説……いつかきっと手を取り会える日が来るはずだ。私はそう信じている』
『……いい、か……誰も、恨む……な……』
「ぅぁぁ……うぁぁぁぁぁぁぁ……隊長……たい、ちょう…………!」ポロポロ
「た、隊長?というかまず落ち着け、一体何を思い出したんだ!?」
彼女が落ち着くまで数十分近くかかった。今は泣くだけ泣いた後、疲れてまた眠ってしまったようだが。
しかし、途切れ気味の話の中で聞こえた単語を元に状況を整理すると、彼女は何らかの都市伝説らしい。
そして…………。
しかし、途切れ気味の話の中で聞こえた単語を元に状況を整理すると、彼女は何らかの都市伝説らしい。
そして…………。
「……彼女の家族を「組織」が皆殺し……!?どういう事だ、紫亜から聞いた話と全然違うぞ」
紫亜の話が本当なら、あいつの所属するR-No.とやらはいわゆる穏健派に位置するらしいし――――――穏健派?
そうか!わざわざ『穏健派』などという言い方をするという事は……「組織」内に複数の派閥が存在している、という事か!
仮にそいつらを『過激派』とすると、同じ「組織」の仲間をあっさり殺すのも理解できる……無論、納得はしかねるが。
そうか!わざわざ『穏健派』などという言い方をするという事は……「組織」内に複数の派閥が存在している、という事か!
仮にそいつらを『過激派』とすると、同じ「組織」の仲間をあっさり殺すのも理解できる……無論、納得はしかねるが。
「要するに違う派閥の奴らは味方ですら無い、か……胸糞悪い」
「組織」も一枚岩じゃないんだな。横目で眠っている包帯少女を見ながら、そんな事を思った。
時折また「隊長、隊長」と呟くような寝言が聞こえる。彼女の中でこの隊長という人物は、相当大きな存在だったのだろう。
何でも身寄りのない彼女を引き取り、家族と共に人と都市伝説の共存を考えていたらしい。
そんな人や自分の家族をこの子は一晩で、それも彼女自身の目の前で奪われたんだ…………どれだけのショックだっただろうか。
自分の名前を忘れてしまうほど…………。
時折また「隊長、隊長」と呟くような寝言が聞こえる。彼女の中でこの隊長という人物は、相当大きな存在だったのだろう。
何でも身寄りのない彼女を引き取り、家族と共に人と都市伝説の共存を考えていたらしい。
そんな人や自分の家族をこの子は一晩で、それも彼女自身の目の前で奪われたんだ…………どれだけのショックだっただろうか。
自分の名前を忘れてしまうほど…………。
「…………」ソッ
「……ぁ……えへへ……」ナデナデ
傍へ近寄って頭を撫でてやると、悲しげな寝顔が少しずつ和らいでいくのがわかる。今の俺にはこんな事ぐらいしかできないけど。
でも、せめて…………。
でも、せめて…………。
「せめて……夢の中だけでも、幸せに……」
「ムニャ……たいちょう……だい、すき……」
日が完全に登りきるまで、俺は彼女の頭を撫で続けていたのだった。
自分の腹の音でハッと目が覚めた。どうやら撫でているうちに、自分もベッドに突っ伏して寝てしまっていたようだ。
というか、ベッドの中にあの包帯少女がいない!?
というか、ベッドの中にあの包帯少女がいない!?
「一体どこへ……?これは?」
枕の上に置いてあったのは、ノートの切れ端を使った書き置きだった。
〔助けてくれてありがとう。でも私といると、あなたも危険。思い出せないけど、危険〕
「だから、迷惑かけないように出ていったって?……ふざけんな!」
あの話が本当なら、彼女は今も『過激派』の連中に追われてる事になるじゃないか!
いや、それ以前にあんな格好で街を歩いてたら、間違いなく人の目に留まる!
警察などに補導されたら、もう手の出しようが―――そうだ!
いや、それ以前にあんな格好で街を歩いてたら、間違いなく人の目に留まる!
警察などに補導されたら、もう手の出しようが―――そうだ!
「―――紫亜の所属は『穏健派』!『過激派』に襲われてる都市伝説の少女がいると分かれば、手を貸してくれるかもしれない!」
すぐさま俺は、登録してあった紫亜の番号へ電話をかけた。
『……はい、紫亜です。どうしました、有間君?』
「紫亜、悪いんだがすぐ『穏健派』の人達と連絡が取れないか?悪い奴らに終われてる都市伝説の子が……!」
『お、落ち着いてください有間君!えっと……まず、その子の特徴は?』
「ああ、そうか……えっと、追われているのは女の子だ」
『はい』
「まず、日本刀を背負っていてな」
『…はい』
「全身が白い包帯で包まれてて」
『…はい…?』
「あ、そうそう『とんから』って名字らしい」
『トンカラ………えぇぇぇぇぇぇ!?』
途中、紫亜がパニックに成りかけたものの、何とか『穏健派』の上司達に連絡を取ってくれるよう頼む事が出来た。
しかしまさか【トンカラトン】という名前だったとは……見つけたら、教えてあげなきゃな。
しかしまさか【トンカラトン】という名前だったとは……見つけたら、教えてあげなきゃな。
「ありがとう紫亜、恩に切る!俺の方でも探してみるから!」
『あ、待ってください!もしその話が本当なら、《ο-No.》が動いてます!今の有間君じゃ』ピッ
紫亜の言葉を最後まで聞かず、俺は通話を終わらせる。
そして着たままだったフル装備状態で、家を飛び出した。
(後半へ続く)
そして着たままだったフル装備状態で、家を飛び出した。
(後半へ続く)