------剥がれていく
「俺、は………」
------「嘘」と言う鎧が、剥ぎ落とされていく
「…初め、は……約束、したから………」
「Hさん…?」
「………だが」
「Hさん…?」
「………だが」
駄目だ
口に出すな
それを認めてはいけない
その感情を認めるな
認めてしまえば……後戻り、できなくなる
口に出すな
それを認めてはいけない
その感情を認めるな
認めてしまえば……後戻り、できなくなる
「佳奈美の傍に、いる事が……佳奈美を、護る事が、俺の目的に…なって、きた」
彼女との約束も、関係なく
傍にいたいと願うようになった
…彼女との、約束を守ること
それが、己に人間としての要素がほんの少しでも残っている証拠であったというのに
それを、気にしなくなってしまうとは
傍にいたいと願うようになった
…彼女との、約束を守ること
それが、己に人間としての要素がほんの少しでも残っている証拠であったというのに
それを、気にしなくなってしまうとは
「佳奈美の傍にいたい、佳奈美を護り続けたい………許されるなら…………佳奈美と共に、生き続けたい」
駄目だ
駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ
口に出すな
認めるな
後戻りが、できない
駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ
口に出すな
認めるな
後戻りが、できない
「……俺は……………佳奈美を、愛している」
はっきりと
黒服Hは…そう、口にした
せんみつの彼が、星の能力によって、自分すら偽り続けたその本心を……口にした
黒服Hは…そう、口にした
せんみつの彼が、星の能力によって、自分すら偽り続けたその本心を……口にした
っぽ、と
その答えに…佳奈美が、頬を赤らめた
耳まで真っ赤になって、硬直してしまっている
その答えに…佳奈美が、頬を赤らめた
耳まで真っ赤になって、硬直してしまっている
自嘲するように、黒服Hは笑う
あぁ……もう、駄目だ
佳奈美の傍に…いられなく、なってしまう
あぁ……もう、駄目だ
佳奈美の傍に…いられなく、なってしまう
「…だが、な」
---つぅ、と
黒服Hの、口元から
一筋の血が…流れ出した
げほげほと咳き込みだし、佳奈美から顔をそむける
黒服Hの、口元から
一筋の血が…流れ出した
げほげほと咳き込みだし、佳奈美から顔をそむける
「え、Hさん!?」
苦しそうに咳き込み続ける黒服H
…その口から、血が吐き出され始めた
己の本心すら、偽り続けていた黒服H
その「嘘」という鎧が剥がされた弊害が、発生し始めている
…その口から、血が吐き出され始めた
己の本心すら、偽り続けていた黒服H
その「嘘」という鎧が剥がされた弊害が、発生し始めている
「俺は……化け物、だから」
自虐的に、笑って
星の能力によって、正直に答えられさせ続けている黒服Hの言葉が、続く
…佳奈美に対する、正直な、想いが、その口から語られ続ける
星の能力によって、正直に答えられさせ続けている黒服Hの言葉が、続く
…佳奈美に対する、正直な、想いが、その口から語られ続ける
「…大嘘つきで………残虐な、人殺しで…………っ、目的のために、手段を選ばねぇ…復讐鬼の、俺が…佳奈美の傍に、いられる訳が、ねぇだろ……?」
傍にいられるはずがない
自分のような男が…佳奈美の傍に、いられるはずが、ないではないか
自分のような男が…佳奈美の傍に、いられるはずが、ないではないか
「復讐の為に…お嬢さんやGだけじゃなく、辰也や、愛華や……明日まで、巻き込んでいるんだ……俺みてぇな卑怯な男が、佳奈美の傍にいる事が、許されるはずがねぇ…」
血を吐き続けながら、続けられる言葉
自虐的に、黒服Hは笑う
自虐的に、黒服Hは笑う
「嘘」と言う鎧が、剥ぎ落とされた時
そこにいたのは……復讐に狂いながらも、辛うじて完全に狂う事すらできなかった、中途半端な復讐者だった
そこにいたのは……復讐に狂いながらも、辛うじて完全に狂う事すらできなかった、中途半端な復讐者だった
「…俺は、化け物なんだ……佳奈美の傍になんか、いられる訳が……ない……」
だが
それでも
それでも
「…許されるなら………佳奈美の傍にいたい……人間に、戻りたい……人間に戻って…佳奈美の、傍に……」
嘘をつく事によって、己を偽り続けた
己を偽る事で、己の存在を保ち続けた
己を偽る事で、己の存在を保ち続けた
自分には、人間らしい部分が残っている
自分は、まだ人間だ
ほんの僅かでもそう思う事で、己を保ち続けた
そう偽る事で、自分が化け物出る事を否定し、何とか存在を保とうとした
自分は、まだ人間だ
ほんの僅かでもそう思う事で、己を保ち続けた
そう偽る事で、自分が化け物出る事を否定し、何とか存在を保とうとした
……しかし
「嘘」と言う鎧が剥ぎ落とされ…それが、できなくなる
体の崩壊が、始まっていく
内部だけでは、ない
外側も、崩れて…
「嘘」と言う鎧が剥ぎ落とされ…それが、できなくなる
体の崩壊が、始まっていく
内部だけでは、ない
外側も、崩れて…
だが
赤い、どこか禍々しさすら感じさせる、電流のような光が、黒服Hの体を走る
体内に仕込まれた賢者の石が、崩れ行く体を高速で再生させていく
体が崩れるたび激痛が走り、しかしすぐに治され、また崩れ
激痛が、黒服Hの精神を蝕んでいく
赤い、どこか禍々しさすら感じさせる、電流のような光が、黒服Hの体を走る
体内に仕込まれた賢者の石が、崩れ行く体を高速で再生させていく
体が崩れるたび激痛が走り、しかしすぐに治され、また崩れ
激痛が、黒服Hの精神を蝕んでいく
立っていることすらできず
佳奈美を抱きしめ続ける事も叶わず、黒服Hは膝をついた
激しく咳き込み、吐血し続ける
佳奈美を抱きしめ続ける事も叶わず、黒服Hは膝をついた
激しく咳き込み、吐血し続ける
「Hさん……Hさん!?ねぇ、しっかりしてよ!」
あぁ、頼むから
そんな声を、出すな
…泣き出しそうな声を、出さないでくれ
俺には、お前に……そんなに心配される資格すら、ないのだから
そんな声を、出すな
…泣き出しそうな声を、出さないでくれ
俺には、お前に……そんなに心配される資格すら、ないのだから
「…大丈夫…大丈夫、だから」
辛うじて、佳奈美に対してそう、伝えて
ピルケースの中に入っていた残りの錠剤を、全て口内に流し込む
激しい激痛が数秒間続いて……ようやく、止まった
よろり、口元の血をぬぐいながら、黒服Hは立ち上がり…星に、視線を向けた
ピルケースの中に入っていた残りの錠剤を、全て口内に流し込む
激しい激痛が数秒間続いて……ようやく、止まった
よろり、口元の血をぬぐいながら、黒服Hは立ち上がり…星に、視線を向けた
「……ったく……30過ぎのおっさんの、こっぱずかしい本音と知られたくねぇ事実を、無理矢理話させるんじゃねぇよ…」
苦しそうに、黒服Hと佳奈美を見つめてきている星
…彼の心境は、黒服Hには、わからない
だから、彼ができることは
…彼の心境は、黒服Hには、わからない
だから、彼ができることは
「さぁて……この化け物の本音を聞き出して、どうする?坊主。俺としては、お前さんに憑いている悪魔の囁きをとっぱらって、お前さんを元に戻してやりたいんだがねぇ?」
そうだ
星についている悪魔の囁きをとり払い、あの少年を、元に戻してやらなければ
今、自分ができることは、それだけだ
星についている悪魔の囁きをとり払い、あの少年を、元に戻してやらなければ
今、自分ができることは、それだけだ
間に合わない、と
黒服Hは、彼にそう、口にした
それは、年齢の事だけではない
能力を扱いこなせるようになるまで、そして、その能力を充分に制御できるだけ、心が成長するまで、間に合わないという意味だった
…少年に、それはうまく伝わらなかったらしい
黒服Hは、彼にそう、口にした
それは、年齢の事だけではない
能力を扱いこなせるようになるまで、そして、その能力を充分に制御できるだけ、心が成長するまで、間に合わないという意味だった
…少年に、それはうまく伝わらなかったらしい
「…それ以上、能力を使うなよ…?飲み込まれて、俺と同じ、後戻りできねぇ……二度と人間に戻れねぇ、化け物の領域に、入り込むことになっちまうぞ?」
星の都市伝説化だけは、阻止しなければ
佳奈美の心に傷が残るような自体にはなってほしくない
佳奈美の心に傷が残るような自体にはなってほしくない
………佳奈美には、笑っていて、ほしいから
とんっ、とんっ、と
軽く、地面を片脚のつま先で叩きながら
黒服Hは、佳奈美を庇うように立ち…星に、警戒の視線を向け続けていた
軽く、地面を片脚のつま先で叩きながら
黒服Hは、佳奈美を庇うように立ち…星に、警戒の視線を向け続けていた
to be … ?