「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 夢幻泡影-15

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春休み―――裂邪はもうすぐ中学2年生になる。 そして、正義が今日、この学校町に。
父はもう正義達を迎えに行っているが、裂邪は学校町に残り、
こうして今散歩と言う暇つぶしを行っている。

(ウィル>いいんですかい? 1年ぶりに弟に会えるんでやしょ?
(裂邪>つってもさ。俺、この世で嫌いなのは、言葉も人間も「正義」なんだよ。
   奴と一緒にいるとはらわたが煮えくり返る。
(シェイド>フッ、2年前ニチャッカリ協力シテオッタデハナイカ。
(裂邪>あれは仕方なかっただろ! お前が「ワニ」を逃しさえしなけりゃな!
(ミナワ>ご主人様の弟さんってどんな方なんですか?
(バク>オイラは知ってるバク。 主の夢に度々出てたバク。
(裂邪>何だと!? 何故俺の夢に奴が!? 吐き出せ、見てやる。
(バク>ダメだバク。 結構おいしかったから置いておくバク。
(裂邪>それって悪夢じゃ無かったってことか!? 尚の事吐き出せ!
   ウィル! 今すぐコイツを焼き払え!
(ウィル>バクの旦那ぁ、短ぇ間お世話になりやした―――
(バク>分かったバク! 今から吐き出すから「焼き獏」だけは勘弁してバク!

~~~裂邪の夢鑑賞中。暫くお待ち下さい~~~

鑑賞終了後。 1人を除いてメンバーはかなり賑やかだった。
除かれた一人・裂邪は何故か顔が真っ赤になっていた。 怒りか、はたまた恥じらいか。

(ミナワ>可愛いじゃないですか♪ しっかりしてますし。
(ウィル>あっし・・・涙が流れそうでい・・・
(バク>オイラ、こっちと契約した方が良かったバクよ。
(裂邪>あ゛~あ゛~聞こえな~い! 何で俺はこんな夢を・・・
(シェイド>心ノ奥デハ信頼シテオルノダロウ。 弟ノコトヲ。
     “夢”ハ本人ノ深層心理ヲ表スモノラシイカラナ。
(裂邪>どの文献読んだんだ!?

桜の舞う、春らしい、暖かい気候だった。

(裂邪>ビェックショィッ! チクショウ花粉か?
   あ~ぁ! 暇つぶしに都市伝説か何か出たら幸せだな!
(ウィル>それどっかで聞いた事あるぜい!?

偶然か必然か。 バサッ、バサッ、と羽ばたく音が聞こえる。
彼らの目の前に、全身が黒く、上半身には毛が生えた人型の「何か」が降り立った。
その赤く輝く大きな眼は、明らかに彼らに向けられている。

(裂邪>うわ! 出た! こんな時に厄介な! 
(ミナワ>「出たら幸せだな」って仰ったのはご主人様ですよ!?
(ウィル>「モスマン」!? こんな奴この町にいたか!?
(モスマン>・・・飯・・・食う・・・

どうやら腹が減ってるらしい。 この雰囲気で予想できる展開は唯一つ―――裂邪は食われる。

(バク>どうぞどうぞ、こんな性根の腐った人間でよければ召し上がれバク。
(裂邪>お前が食われろ! ミナワ! 『ブレイカブル』!
(ミナワ>はいご主人様! シャ~ボンだ~ま~とーんーだ♪・・・

ミナワが作り出した大きなシャボン玉が、モスマンの方に飛んでゆく。

(ミナワ>こーわーれーて~“は~ぜ―――

とその時、モスマンは両腕についた翼を羽ばたかせ、シャボン玉を裂邪達の方に返した。

(ウィル>ちょ、姐さん! まずいぜい!?
(裂邪>落ち着け! まだ歌は終わってない!
(ミナワ>ない”!

ミナワが叫ぶと、何事も無かったかのようにシャボン玉は空高くまで飛び、消えた。
「爆ぜ『ない』」で終わらせたので、爆発せずに済んだようだ。

(シェイド>本当ニ厄介ダナ・・・ミナワノシャボン玉ハ無力カ。
(ミナワ>も、申し訳ありません・・・
(裂邪>なぁに、お前が悪いわけじゃないさ。 「飛んで火に入る夏の虫」作戦と行こう。 ウィル!
(ウィル>がってんでい!

いくつもの鬼火が現れ、一繋ぎの紐のようになり、裂邪がそれを持つ。

(裂邪>ウヒヒヒ、名づけて『ウィルウィップ』! 火傷すんなよぉ!?

裂邪は『ウィルウィップ』を名の通り鞭のように振り回す。
が、モスマンは羽ばたいてヒラヒラと躱してゆく。

(ウィル>かなり厄介でい! 意外に早い!
(裂邪>そのようだな・・・バク! 変身してあいつを叩き落せ!
(バク>OKィ!

バクが変身し、モスマンに飛びかかろうとしたが、それは既に彼方へと飛んでいってしまっていた。

(一同>あ。
(獏>・・・逃げてったぜ?
(裂邪>見りゃ分かるわぁ! またかチクショウ! 2度目だぞこの体験!
(ミナワ>そうなんですか?
(裂邪>あぁ。 「白ワニ」の時に―――ん?
(ウィル>どうかしたんでい?
(シェイド>・・・裂邪、コノ感覚ハ・・・
(裂邪>あぁ、大体分かった。 奴ら・・・来たな。 獏、ウィル。戻っていいぞ。
   ここからは“奴ら”に遊ばせておけ。

何かを企んでいるように、裂邪はニタリと笑った。





何故か家路を辿る裂邪。 のんびり、ゆっくり。

(ミナワ>あの・・・ご主人様? もう帰ってしまわれるんですか?
(裂邪>まぁね。 面倒臭いからモスマンはもう正義達に任せちまおう。 共闘する気無いし。
(ウィル>ところで旦那の弟ってどのくらい強いんでい?
(シェイド>以前白ワニト戦ッタ時、実際ニ倒シタノハ彼等ダッタ。
     マァ、トドメハ裂邪ダッタガナ・・・
(裂邪>奴は甘すぎるんだよ! アンパンマンや孫悟空ぐらい甘すぎる!
   綿菓子とチョコレートに蜂蜜と黒蜜とイチゴジャムかけた上で砂糖山盛り乗っけるぐらい甘い!
(バク>どれだけ甘いバクか・・・
(ミナワ>それもう罰ゲームですよね;
(裂邪>そう! あいつと生活する事自体が罰ゲームだ!
   何が悲しくて実弟に兄であるこの俺が説教されなきゃならんのだ!?
   都市伝説にまで説教する始末だし! さっさとトドメをさしちまえばいいものを!
   見逃した都市伝説の中にミナワを襲ったゴム人間みたいな奴がいたらどうするんだっての!
   女の子を泣かす奴は許せません! 俺は地球と少女を守る為に世界征服目指します!
(ミナワ>素敵ですご主人様!
(シェイド>何ダカ複雑ナ気分ダ・・・
(裂邪>あ゛ぁ、しっかしあいつの事考えただけでもはらわたが煮えくり返りそうだ。
   帰ったら気晴らしにウカム狩ろうぜ?

勝手に苛ついている裂邪を他所にして、四天王達は何やらヒソヒソと話していた。

(ミナワ>[ところで、ご主人様って昔から弟さんと仲が悪いんですか?]
(シェイド>[少ナクトモ、私ガ契約シタ時ハ既ニソウダッタ。
      相手ニ嫌ウ意思ハナカッタヨウダガ・・・]
(バク>[普通兄弟ってそこまで嫌い合うもんバクか?]
(ウィル>[いや、兄弟ってのはもっと信頼し合うもんでい!]
(シェイド>[ウィルノ言ウ通リダナ。異常ナノハ裂邪ダ。]
(裂邪>[異常で悪かったな。]
(シェイド>聞イテイタノカ。
(裂邪>お陰さまでな!

そしていつかのように曲がり角に差しかかる。 曲がり角を過ぎると――――1本の槍。

(裂邪>ほわたぁぁぁぁぁぁ!?

間一髪、裂邪は真剣白刃取りのような感じで、槍を両手で受け止めた。

(シェイド>ダ、大丈夫カ?
(ミナワ>ご主人様、ナイスキャッチ!
(裂邪>あっぶねぇ! 正義ィ!お前か!? こんなところで槍投げんなぁ!

裂邪が大声で怒鳴った。 目の前で戦っていたのは確かに、
先ほど逃したモスマンと、彼の弟・正義、そして恐怖の大王だった。

(モスマン>あ゛・・・さっきの・・・
(正義>あ、お兄ちゃんいたの?―――って増えてるゥ!?
(裂邪>無視すんな! まぁいい、そこのモスマンもろとも―――
(バク>なぁ主、あのおっさんは誰バク?
(大王>おっさん!?
(シェイド>アイツカ? 「恐怖の大王」ダ。
(ミ+バ+ウィ>え!? 「恐怖の大王」!?

何故か慌てふためく3人。 そして動揺する理由が分からない黄昏兄弟とその相棒達。

(裂邪>・・・どうかしたのか?
(ウィル>どうしたもこうしたもありやせんぜ!「恐怖の大王」でやしょ!?
(ミナワ>「某予言者の大予言」の、あの「恐怖の大王」ですよね!?
(バク>イヤだバク! まだこの世に未練はあるバクゥ!
(シェイド>落チ着ケ。 契約者ニ恵マレズ、今デハタダノ「オッサン」ダ。
(大王>だから何故おっさんなんだ!?

そんな余裕ぶった彼等の行動を見るに見かねたモスマンが、裂邪に向けて目から赤い光を放つ。
まさかビームを撃つとは思っていなかったのか、裂邪は足を掠め、赤い血が流れる。

(裂邪>あっつぅ!
(ミナワ>ご主人様!
(モスマン>・・・腹・・・減った・・・
(裂邪>チックショウ、モスラかよ! シェイド!バク!ウィル!
(シェイド>了解シタ。
(バク>やっと本気が出せるぜぇ!
(ウィル>がってん!

シェイドは『シャドークロー』になって右手に、
ウィルは『ウィルウィップ』となり左手に装備され、バクは真の姿を現した。

(裂邪>ミナワは『バリアブル』の準備しといてくれ! あのビームは厄介だ!
(ミナワ>はい!

裂邪が構えると同時に、正義も剣を手に取り構え、体勢を整えた。
そして兄弟は同時にモスマンに切りかかった。
が、飛翔するモスマン。 あ、と声をあげた時は遅かった。 ゴン、という鈍い音。
2人は尻餅をつき、同時に打った部位を摩る。 若干涙目になっている。

(裂邪>っつったぁ~! 正義! 何処見てる!?
(正義>もう!策もなしに突っ込んできて!
(裂邪>バカか! 俺はお前と違って大人なんだ! 何の考えもなしに敵に突っ込むかバーカ!
   ど~せお前はこの1年間何の成長もしてないんだろ!?
   俺がいなくなった後も都市伝説に説教かまして彼女とイチャイチャしてたんだろ!?
(正義>成長したよ!もうボクは中学生だよ!?それに説教は大事な事だし、ボクには彼女なんていないし!
(獏>・・・てめぇら本当は仲いいだろ。
(シェイド>トイウカオ前、人ノ事言エンダロ・・・

腹を空かせて苛立っているモスマンは、空中からさらにビームを乱射した。

(裂邪>ミナワ!『バリアブル』!
(ミナワ>はいご主人様!

裂邪の命令と指が鳴る音を聞くと同時に、ミナワは大きなシャボン玉を作り出し、彼をビームから守った。
そして裂邪と獏は空中のモスマンに攻撃を当てようとするが、
モスマンの動きは意外にも俊敏で、なかなか当たらない。

(裂邪>しっかしピカピカヒラヒラとうるさい蛾だな!
   獏の夢は1日1回しか排出できないし、無駄に見るんじゃなかtt・・・
   そうだ、おいおっさん! 雨降らせ!
(大王>おっさんだと!? それが人に物を頼む態度か!

と、最初は命令を拒否した大王だったが、兄の考えを察したか否か、正義が大王を説得する。
彼はしぶしぶ雨雲を出現させ、雨を降らせた。 空を黒い雲が覆い、太陽の光さえも遮る。

(裂邪>ウヒヒヒヒ、よくやった! ウィル!『百物語』!
(ウィル>がってんでい!

裂邪の指の音が響き、ウィルが10、20・・・と増殖し、そこら中に散らばった。
無数の赤い炎が揺らめくその光景はまさに、100の蝋燭に火を灯した『百物語』そのものである。

(裂邪>ゴホン、ではミナワによる、童謡「さっちゃん」です。
(ミナワ>はーい♪ さっちゃんはね~ さーちこってゆ~ぅの ホントーはね♪

その瞬間、辺りの炎が赤色から青色に変化した。
ミナワの能力ではない。ウィルが純粋に「さっちゃん」を聞いて悲しんでいるのだ。

(ウィル>「「「うぉぉぉぉぉぉん! バナナ半分なんて可哀想で~い!」」」

しかも思い出し泣きである。
ドルピーサラウンドシステムの如く、一帯にウィルの泣き声が響いた。
そして、その空間にも変化が訪れる。
先程まで黒い雨雲が見えていたにもかかわらず、段々と白くなり始めた―――霧である。
彼は、大王に雨を降らせて空気を湿らせ、興奮状態で熱気を纏ったウィルを周囲に散らばらせた上で、
それらを瞬時に冷やす事で、空気中の水分を結露させて霧を作り出す事を考えたのだ。
ウィルの、ある能力を発動するために・・・

霧の所為で周りがわからなくなったモスマンは、一旦その場に着地した。
獲物は何処だ―――キョロキョロと辺りを見まわしてみるが、前後左右、どこを向いても白い闇。
と思われたが、ふと足元を見ると、ぼんやりと明かりが見える。
緑色の、メラメラと燃える炎が、交わることなく2本の線を描いている。 どこかに続く道のように。

(モスマン>・・・飯・・・

とにかく腹の空いていたモスマンは、その炎の道を辿って歩いていった。一歩、また一歩。
「ウィルオウィプス」は、旅人をあの世に導く妖怪でもある。
この道の先にあるもの・・・大体察しがつくだろう。
そして、あの裂邪が、ただ歩かせるだけで終わるわけがない。


モスマンの遥か後ろ―――

(獏>主、準備はいいか?
(裂邪>あぁ。 ミナワ、しっかり捕まってろ。
(ミナワ>はい!
(裂邪>ヒハハハハ・・・行くぞ!

裂邪の指示通り、獏は『シャドークロー』を構えた彼を乗せ、
猛スピードで黄泉への道――『ウィルオウェイ』を走り出した。
すぐに目標は見えてきた。
この後、裂邪が『シャドークロー』でモスマンの頭を掴んで暫く引きずり、
炎の道の先にあるであろう「冥府への扉」へモスマンを投げ入れる。
これだけで、彼の作戦によって見事な勝利を収める事になる―――はずだった。

(モスマン>あ゛・・・
(裂邪>ヒハハハハァ! 冥府に行こうz―――
(正義>てぇえりゃあぁぁー!

裂邪がモスマンを掴む僅か数秒先に、
霧の向こうから『ウィルオウェイ』を横切って、正義が突っ込んできた。
その両手に持った剣でモスマンの頭を殴り、霧の向こうへと弾き飛ばした。





数分後――― 雲の切れ間から光の漏れる空の下、それは既に始まっていた。
いつもの説教タイムを続ける正義。正座させられているモスマンが可哀想に見えてくる。
そして、裂邪もまた、呆然と突っ立っていた。

(裂邪>・・・俺がトドメ刺すはずだったのに・・・俺がトドメ刺すはずだったのに・・・俺が(ry
(ミナワ>ご、ご主人様、元気出しましょうよ;
(バク>何故か今日は主の気持ちが分かるような気がするバク。
(シェイド>普段ヨリ少々頭ガ切レテイタカラナ。
(ウィル>しかし長い説教でい・・・お、終わったみたいですぜ?

説教が終わると、モスマンは学校町の空をフラフラと不安定に飛んでいった。

(裂邪>終わったかこの野郎! 今日という今日は―――
(正義>お兄ちゃん、久しぶりぃ!

裂邪に飛びつき、若干の涙を見せる正義。 無理もない。
あんなことがあったとはいえ、1年ぶりの再会なのだから。
しかし、飛びつくと同時にゴキリッと鈍い音。 どうやらどこかやっちまったらしい。

(裂邪>おごぉ!? あ・・・ばら・・・ぼね? つ・・・っか・・・足・・・痛・・・
(正義>お兄ちゃん、寂しかった? 今日からまた一緒に暮らせるからね!
(ミナワ>私・・・もらい泣きしちゃいました・・・
(ウィル>うおぉぉぉぉぉぉん! あっし、涙が・・・涙が・・・・!
(バク>ちょ、冷たいバク! 「焼き獏」もイヤバクけど「アイス獏」もヤだバク!
(シェイド>・・・平和ダナ。
(大王>あぁ。

ふっと裂邪から離れると、正義は急に話を切り出した。

(正義>ところで、やっぱりその女の子達と契約したの?

恐らくミナワ達の事を訊いているのだろう。
裂邪は骨が折れて無い事など分かっていたが、不機嫌気味に答えた。

(裂邪>・・・まぁな。 “夢幻泡影四天王”、世界征服の為の俺の仲間だ。
(正義>まだそんな事言ってるの!? お父さんと一緒だったのに世界征服を諦めてないなんて!
(裂邪>悪いか! すぐに諦められる夢なんて見ねぇよ! 俺は一生諦めない! 人の夢は終わらねぇ!
(正義>最後の言葉どっかで聞いたよ!?

いつものように口喧嘩を繰り広げる黄昏兄弟。
ここで大王が呆れたように帰宅を薦めたので、全員で帰る事にした。

(裂邪>シェイド、『シャドーダイブ』でミナワ達を先に俺の部屋に。
(シェイド>了解シタ。
(ミナワ>ご主人様、お気をつけて!

そして彼女達は裂邪の影の中に溶けるように入っていった。

(大王>どういうことだ? お前は帰らないのか?
(裂邪>お前等が迎えに来たのに、俺が部屋に帰ったら不自然だろ?
   それに親にミナワ達を見られる訳にはいかんし。
(大王>ん? 契約者以外でも見えるタイプなのか?

裂邪は硬直した。 契約者『以外でも』見えるタイプだと?

(裂邪>見えない奴もいるのか!?
(正義>え?う、うん。 例えば幽霊系は基本的に契約者か都市伝説の被害者にしか見えないらしいよ。
(大王>俺も見えない、はずだ。
(裂邪>(確か去年のクリスマス近くに、俺とミナワが買い物してた時にクラスの奴に目撃されているし、
    獏は確かこの間夜の空中散歩してた時にガキに手を振られたし・・・
    シェイドは問題なしとして、ウィルはどうなんだ?)
(正義>ほら、もう帰るよ?
(裂邪>ん、あ、あぁ。

「何で俺がお前に命令されなきゃなんねぇんだ」と言おうと思ったが、彼は言わなかった。
何故だかわからないが、言う気になれなかったそうだ。



黄昏宅―――

(光彦>おぅ、帰ってきたか。
(正義>ただいまー!
(明美>おかえりぃ、裂邪、マサヨシ!
(裂邪>あ、母さん久しぶり。

玄関では、荷物を運び終えた父・光彦と、母・明美の姿があった。
この後、裂邪がこの1年間ロクに顔を出さなかった所為か、暫く雑談が繰り広げられる。
正義の修学旅行の話をしていた時、彼が何かを取り出した。

(正義>そしてこれが、修学旅行のお土産。水族館で買ったんだ。 はい。

彼は光彦と裂邪にそのお土産を渡した。
ガラスの角柱の置物で、中に水生生物が立体的に描かれていた。
光彦のものにはイルカ、裂邪のものはクラゲだった。

(光彦>ん、面白いな。何なんだこれは?
(裂邪>あら綺麗!・・・ありがとう。

裂邪が正義をチラッと見ると、得意げに・・・
いや、別な意味もあるだろう、とにかくニコリと笑っていた。
照れ隠しの為か、裂邪はそそくさと自分の部屋に逃げていった。




(ミナワ>あ、お帰りなさいませご主人様♪
(バク>バク? 何バクそれ?

裂邪は無言でベッドに飛び込むように寝転び、ウィルに向けて手招きをする。
ウィルが裂邪の手元に行くと、裂邪はウィルの上にガラスの置物を置くような形で静止する。
すると、中のクラゲの模様が、緑色の炎の光を反射して幻想的な輝きを放っていた。

(ミナワ>わあキレイ!
(シェイド>ホゥ、ナカナカ洒落タ品ダナ。
(裂邪>ウヒヒヒヒ・・・ミナワ、とりあえず歌ってみてくれ。 悲しい歌、楽しい歌、なんでもいい。
(ミナワ>ん~、そうですねぇ・・・
    まーるいやつ ほっそいやつ とがったやつ けぶかいやつ せつめい ムズカシイやつ♪

すると、ウィルの炎色が緑から黄色に変化する。 と同時に、当然クラゲも緑から黄色に変色した。

(ウィル>おぉ~! すごいぜい!
(裂邪>「ポケッターリモンスターリ」か。 それじゃポケモンメドレーと行こうか!
(獏>だったら俺様に任せろ! たとえ火の中水の中草の中~もーりーのなかー♪
(ミナワ>あ~る~きぃつーづ~ぅけ~て どーこーまーでーゆーくの~♪

歌に合わせて、ウィルの炎色もクラゲの模様も赤や青に変化していく。

(裂邪>ウヒヒヒ、これさっき正義に貰ったんだがな?
   ウィルの炎色変化見てから1回やってみたかったんだ。
(シェイド>フム・・・オ前ノ脳ノドコニソンナ美的センスガアルノダ?
(裂邪>ほっとけ!

どっと笑いが起こる。 こうして彼の新たな生活が今、幕をあけた・・・

   “再会”...END

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