「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 大地を揺るがす機械龍

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
「これでトドメだ! エヴォリューション・レザルト・バースト…グォレンダァ!!」
「ちょ、また負けたorz 強すぎるってミライ・・・」

勝った。これで10戦10勝だ
俺は未来。学校町に住んでる小学4年生
「ミライ」って呼ばれてるけど、ホントは「ミクル」って読むんだよね
まぁ、相手が呼びやすかったら何でもいいけど
俺は友達2人と一緒に、公園で遊んでいた。

「てゆぅか、そんな古いカードまだ使ってるのかい、君は」
「カードに古いも新しいも関係ないよ。大事なのはカードを信じる心だ!って父さんが言ってた」
「そのカードも親父さんに貰ったんだろ?いいなぁ、優しい親父さんで」
「お母さんも若いって評判だよね」
「そうか?よく言われるけどわかんないや」
「いやいや、君のお母さんは若すぎるよ」
「最初見た時は姉ちゃんかと思ったしなぁ」
「もう、俺の親の話はいいからさぁ、今度は誰がやる?」
「あ、じゃあ僕がミライとやるー」
「オーケィ、行くぜ!決闘!!」

今日も、俺達3人は大好きなカードゲームをやっている
今日も極普通な、楽しい時間が過ぎていく
その筈だったのに

「坊や達?」

突然声をかけられた
声がした方を向くと、紳士風の男の人が、マントをなびかせながらこっちを見ていた

「おっさん、何か用?」
「や、やめなよ」
「坊や達は、赤いマントと青いマント・・・どちらが好きかな?」

にこにこしながら、男の人は俺達に尋ねてきた
何だろう
嫌な予感がする

「ん?赤か青かっつぅと・・・俺はやっぱ赤k」
「こっ、答えちゃダメだ!」
「そうか、赤が好きかぁ?」

ぞくっと、背中に冷たいものが走った
優しげな表情が、不気味な笑みに変わる

「なら・・・その身体を真っ赤に染めてあげるよぉぉぉぉぉ!!」
「「「っ!?」」」

マントの男は、懐からナイフを取り出して、俺達に襲いかかった
何が起こったのか分からないまま、俺達はただ、その場を動けずに―――



我に帰ると、そこには殴り飛ばされたマントの男と、

「・・・え?」
「な、何者だ貴様・・・」
「俺?通りすがりの契約者だけど」

全身が黒い、人の形をした化け物がいた

「・・・何だよこれ・・・」
「あぁガキ共、さっさと逃げた方がいいぞ
  ありゃ『赤マント』っつってな、赤って答えたら血塗れにされるし、青って答えたら血ィ抜かれるし」
「『赤マント』・・・?それって都市伝説じゃ」
「知らなかったのか?『口裂け女』『人面犬』『テケテケ』・・・
  この町には私のような都市伝説が跋扈しているのだよ!
  そして人間を襲い、噂を広め、私達は力を強める!」

マントの男…『赤マント』が、狂ったように話す
何が何だか分からなくなってきた
都市伝説が・・・実在したなんて

「悪いけど、邪魔させて貰うぜ?
  生憎俺は目の前で子供が殺される姿を傍観する趣味は・・・ない!」

黒い化け物が『赤マント』に向かって、飛び膝蹴りを当てる
『赤マント』は身体がよろけるのを抑えてナイフで切りかかる
でも、それを鋭い爪で防ぎ、さらに弾き飛ばす化け物
そんな戦いに、俺は思わず見入ってしまっていた

「ミライ!」
「何やってんだ、危ねぇぞ!」
「え、あ、あぁ」

2人は先に公園を離れた
俺も早く逃げなきゃ・・・
公園を出ようとしたら

「あ!俺のカード!?」

ベンチに、カードを置いてきてしまったのを思い出した
俺は何も考えず、真っ直ぐベンチに向かってカードを取りに行った
 ・・・良かった、どうやら無事みたいだ

「ふぅ、これがなかったら俺は―――――」

どさっ
俺の後ろで、何かが倒れる音がした

「ぁ・・・」
「ッヒヒ、ぶ、無事みたいだな」

見ると、膝をつきながら、腹に刺さったナイフを引き抜く化け物の姿が

「ッハハハハハハハハ!いいザマだなぁ?」
「お、おい・・・あんた、大丈夫k」
「ほら、カード持って、早く逃げろ。お前の、宝物なんだろ?」
「え?」
「宝物だと?そんな紙切れが、か?
  そんなものを取りに戻った子供を庇ってこのザマかぁ?
  これはいい笑いのネタになりそうだッハハハハハ!」
「うるさい!!」

化け物が怒鳴る
『赤マント』の笑いが、ぴたっと止まった

「例え・・・ゲフッ、紙切れでも、石ころでも、そいつが信じればそれは立派な宝だ
  それを守ろうとするから・・・人間は強くなれんだよぉ!」

心に、深く突き刺さった
俺はただ、カードを守る為にここまで夢中で走ってきた
この人はどうだ?
見ず知らずの子供を、血塗れになるまで庇ってくれた
この人は、自分の命を捨てようとして俺を守ってくれた
俺は、どうだ?

「ッフフフ・・・血を流して言われると、ちっとも説得力ないねぇ?」

俺は、この人を救いたい
でも・・・俺には、そんな力はない

「力が・・・欲しい」

そう、呟いた時だった
持っていたカードの中の、ある1枚が輝きだす
それは、俺が1番大切にしているカード
父さんから貰った、俺の宝物
こいつが、俺に力を貸してくれると言うのだろうか
なんでもいい、俺はこいつを信じる

「力を貸してくれ・・・『キメラテック・オーバー・ドラゴン』!!!」

そのカードを、空に向けて突き出す
体中に、熱いものが流れるような感じがした
それが引いていくと同時に、地震が起こる
俺の後ろには今、機械で出来た、6つの頭を持つ龍がうねっている

「な・・・何だこれはぁぁぁぁぁ!?」
「ちょ、これって・・・「キメラテック・オーバー・ドラゴンが地震を起こした」ァ!?」

―――2005年12月28日、アニメ『遊戯王GX』65話の放送中、関東地区で地震が発生した
その時流れた地震速報が、丁度「キメラテック・オーバー・ドラゴン」の登場シーンと重なり、
マグニチュード【4.8】と、攻撃力【4800】という奇妙な繋がりが・・・
“あの地震は「キメラテック・オーバー・ドラゴン」が起こしたに違いない”
そんな冗談混じりの噂が、ネット上で流布していたのだ―――

「す・・・すごい・・・」

まさか、本当に『キメラテック・オーバー・ドラゴン』が召喚できるなんて

「・・・ッハ、何だか知らないが、そんな子供騙しがぁ!」

『赤マント』がナイフを投げてきた
咄嗟に顔を覆ってしまったが、そのナイフは一筋の光によって、一瞬で溶かされた

「何ィ!?」
「俺を、守ってくれた・・・?ありがとう、それと・・・頼むぞ!」

大地がグラグラと揺れ、5つの首が光をその口に集めている
『赤マント』は地震の所為で、その場をうまく動けない

「く、くそぉ!」
「行け!『キメラテック・オーバー・ドラゴン』!
  エボリューション・レザルト・バーストォ!…グォレンダァ!!!」

5つの光線が一気に放たれて、
マントの男は、跡形もなく消えてしまった

「か・・・勝っ、たのか?」

どっ、と疲れがきて、その場に座り込んでしまった
『キメラテック・オーバー・ドラゴン』も、すぅっと消えていった

「・・・ありがとう、『キメラテック・オーバー・ドラゴン』」

遠くから俺を呼ぶ声が

「おーい!ミライ、大丈夫か!?」
「あ、ま、まぁな」
「良かったぁ・・・心配させないでよ、ホントに」
「わ、悪い悪い」
「あれ?俺達を助けてくれた、あの黒い怪物は?」

言われるまで気がつかなかったが、あの人はどこかに行ってしまった後だった
謝りたかったのに・・・それと、お礼も







「ただいまー」
「おかえりなさい、未来さん♪」
「おう、おかえr痛たたたた・・・」

家に帰ると、母さんと父さんの声が聞こえた
珍しい、こんな時間に父さんがいるなんて
部屋に入ると、母さんが青い髪を揺らしながら、苦しそうな顔をしている父さんの腹に包帯を巻いていた

「父さん、どうかしたの?」
「ん、これか? いやぁ、外を歩いてたらネコに噛まれてなぁ、まいっちまうぜヒハハハハw」
「もぉ、あなたったら、何を暢気なこと言ってるんです、か!」
「ウギャアアァァァァァ!? き、傷口叩いちゃらめぇ・・・ガクッ」

俺は気づいてた
ネコに噛まれるくらいで、あんなに血は出ない
それに、腹の傷・・・

「父さん」
「ん?」
「ごめんなさい・・・それと、ありがとう!」

俺はそのまま自分の部屋に向かった
去り際に、父さんが少し笑ってるのが見えた

この時、俺は誓った
俺は『キメラテック・オーバー・ドラゴン』と一緒に、誰かを守れるような男になる
俺の事を命を賭けて守ってくれた、父さんのように
“邪を裂く”という名前を持った、父さんのように

fin





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