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連載 - 我が願いに踊れ贄共・咎負い人-20

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匿名ユーザー

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 太陽が、ゆっくりと登り始める
 朝が来たことを自覚する

 ……自分達が来日してから、三日目

「………幸い、居場所もわかったし…………昼過ぎには、仕掛けてもいいか」

 それは本来の姿で、小さく、笑った



 それは、この街に入って三日目の昼の事

「……淫魔の居場所が、ですか?」
「あぁ」

 学校町を歩き回り、自分達の存在をアピールする
 そうしながら、エイブラハムの探しものである「淫魔」を探す
 それが、現在の自分達に与えられた役目

 その探しものが見つかった
 メルセデスは、そう告げてきた
 それは、つまり……「現在」の役目が終わり、「次」の役目に入る

「確かですか」
「俺に報告が」

 携帯を手に、メルセデスは笑ってくる
 …なるほど、この街に侵入させておいた子飼いの中には、偵察能力に優れた者もいるだろう
 それが見つけて、報告したか
 確か、子飼いの管理は彼とゲルトラウデに任せられていたはず
 メルセデスの管轄の子飼いが見つけた、そういうことなのだろう

「エイブラハム様にも、報告したのですね?」

 したのだろう、そう命じられているから
 …それが、自分達に与えられた役割だ

「いや、まだだ」
「………?」

 予想とは反した答え
 この男の正体を、自分は知っている

 …子羊の皮をかぶった山羊
 天使のふりをした悪魔
 エイブラハムの腹心の一人

 エイブラハムの正体にも気づいているからこそ、この男がエイブラハムの部下であっても違和感はなかった
 だからこそ、メルセデスがエイブラハムの部下となった目的など、考えた事はなかったが…

「何故です?あなたでしたら、すぐに伝えるものだと思っていましたが」
「…別に、ただの気まぐれさ」

 そう言って、メルセデスは笑う
 …悪魔の笑顔
 確実に、良くない事を考えている笑み
 悲しいかな、この百年の付き合いで、それを感じ取れるようになってしまった

 だが、細かい意図まではわからない
 人ではない生き物
 人間に近い考え方を持ちながらも、思考パターンの根っこが、人間とは決定的に違うことも珍しくない

 メルセデスは、悪魔である
 人間が悪魔に飲まれたのではなく、生まれついての悪魔
 故に……その思考に関しては、人間の常識とは決定的なずれを見せる事も珍しくない
 ……その癖して、時折、驚くほど人間的な考えをすることもあるのだから、おかしなものだ
 もっとも、人間らしいなどと言うと、徹底的に否定をしてくるが

「……それで。エイブラハム様よりも先に私にその情報を話して…どうしようと言うのです?」
「なぁに、簡単だ。取引しないか?」

 取引
 …この男の口から、その単語が飛び出した
 ロクな話ではない

「……結構です。目的の淫魔が見つかったなら、エイブラハム様に報告すればよいでしょう?……ヘタに隠していては、裏切り者と判断されますよ?」
「後で報告するさ…だが、その前にお前と取引したい」

 悪魔の取引
 たいていの場合、その代償は大きい

「…お前、エイブラハム・ヴィシャスから、解放されたいだろう?」
「-----っ」

 だが
 その見返りもまた……大きい
 取引を持ちかけた悪魔の力が、大きければ大きいほどに

「お前が、望むならば」

 故に
 人々は、悪魔の囁きに耳を貸してしまう

「お前と…そうだな、せいぜい「13使徒」の餓鬼連中を、エイブラハム・ヴィシャスの影響下から、解放させてやろうか?」

 だからこそ、人々はそれを恐れ
 だが、同時に、それにとてつもない魅力を感じる

「お前が」

 それは


「堕天するのを条件に、な」


 最大級の魅力を持った、悪魔の囁き







to be … ?







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