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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・とある格闘家の邂逅-02

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「さて、と」

 食べるだけ食べて満足した禰門 樹
 さて、と上田に向き直る

「飯食わせてもらったからにゃあ、礼をしないとな」
「いや、礼なんて…」

 本心はどうか不明だが、そう言う上田
 だが、樹はにやりと笑い、続ける

「命の恩人相手に、礼もできないなんて武術家の恥さ。せめて、技の一つや二つ、伝授させな」
「技ってのは、そんなに簡単に伝授していいものなのか」
「なぁに、危険性の低い、簡単な技なら問題ねぇよ」

 ひとまず、支払いを済ませて店を後にした二人
 樹は、上田を頭の天辺からつま先までじっくり観察しつつ、考える

「さぁて、あんたなら、どんな技がいいかねぇ……猛虎落地勢か、魔犬慟哭波か……どっちがいい?」

 にやにやと笑っている樹
 うむ、と上田は答える

「俺の勘なんだが」
「うん?」
「それ、土下座と負け犬の遠吠えの事だろ」

 …何故だろう
 そんな予感がしたのだ
 いかにも凄そうなネーミングではあるが、とどのつまり、ただそれだけの事
 そんな予感がしたのである

 上田のその言葉に、樹はますます、笑って見せた

「あっはっはっはっは!!勘がいいじゃあねぇか、笛吹さんよ」
「ビンゴかいっ!?」

 思わず突っ込む上田
 まっさかなー、とか思ってたらその通りだったらしい
 けらけら、樹は笑い続けている

「なぁに、これも立派な技だぜ?相手を傷つけずに勝てるんだかよ」
「いやいやいや、勝ててない、勝ててないから。思いっきり負けてるから」

 突っ込まずにはいられない
 何だろう
 この人、怖いくらいのボケ属性で固められている気がする

「勝ちゃあ、何やってもいいんだよ、何やっても。どんな手段を使ってでも勝つ。それが、俺が伝える無差別格闘技・禰門流さ」
「…無差別格闘技、ねぇ。そんなもん、聞いた事ないんだが」
「そりゃそうさ。外法の流派とか言われて、表沙汰にはなってねぇから」

 あっさりと、そう言ってのける樹
 自分が、外法の技の使い手であると、堂々名乗っているようなものだ

「んー、とりあえず、あれだ。猛虎落地勢と魔犬慟哭波が駄目なら、徒手孝行乱打とか、胸囲掌握鷹爪拳とか……」
「俺の勘が告げている。前者はただの肩叩きで、後者は女性の胸を掴むだけだろ」
「笛吹さんは、本当、勘がいいねぇ」
「またもやビンゴ!?もうやだこの人っ!!??」

 軽く頭を抱える上田
 どうしよう、この人
 格闘家じゃなくて、本当はただの変人なんじゃないだろうか
 そんな予感が、こっそりよぎる

「ま、そんな顔すんなや。あんたが素晴らしい勘の持ち主だってのは、よくわかった……そう言う男、嫌いじゃあないぜ」

 中性的な顔立ちに、凶悪な笑みを浮かべる樹
 ふらり、目に入った空き地に入り込む
 誰が持ち込んだやら、大きな岩が放置されている
 …いや、持ち込んだのではなくて、整備する際に土中からでも出てきたものだろうか

「一週間飲まず食わずの飢餓から救ってくれた礼だしな。あんたを、俺の弟子にしてもいい」
「弟子、ねぇ…」
「あっはっはっはっは!!まぁ、胡散臭そうな顔すんなよ。これでも、俺ぁ、二人しか弟子を取った事ないんだぜ?」

 けらけらけら、楽しげに笑っている樹
 翡翠色の瞳が、じっと上田を見つめてくる

「…一人目の弟子は、才能はあったんだが、何分優しすぎたし真面目すぎた。俺の流派が性格的に向いてなかった。二人目は、才能があったし、何分、強さに対して貪欲だった。俺の全てを持っていこうとしやがったから、教えられるだけ教え込んでやったよ」

 …っとん、と
 樹の細い指先が、岩に触れた
 直後
 岩が、粉々に砕け散る

(都市伝説能力…じゃ、ないな。こいつは都市伝説ではないし……都市伝説契約者、でも、ない)

 目の前の岩が粉々になった様子に、流石に若干驚きつつも上田は目の前の樹と言う人間を分析する
 …見た目は20代から30代くらいに見えるが、見た目通りの年齢でもない
 自分の父親と同じくらいではあるんじゃないだろうか?と考える

「…さぁて、笛吹さんは、俺の三番目の弟子になってくれるかな?真正面から力づくでぶち破るのと、背後からの奇襲。お好みはどっち?」

 指一本で、岩を粉々に粉砕してみせた、その人物は
 そんな事なんて事でない、とでも言うように
 飄々とした様子で、上田の前で笑っていたのだった








続くかどうかわからない




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