「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達・外伝-01

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匿名ユーザー

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「……お前は、何を企んでいたんだ」

 在処が、現在のK-No,0……影守蔵人を訓練中に爆破して自分を推薦するつもりであった、と
 それを聞いて、龍一は小さくため息を付きながら、そう在処に問うた
 龍一のその問いに、在処はきょとん、と答える

「さっき言った通りですよ。龍一さんをK-No,0に推薦しようとですね」
「………「組」の仕事で手一杯だ。推薦されても俺は断る」

 えー、と不満そうな声を在処はあげてきたが、実際、高校卒業後に実家の家業を継いでいる龍一としては、「組」の仕事で手一杯であり「組織」の一員となりその仕事をやれ、と言われても不可能だ
 少なくとも、龍一自身はそのように考えている
 人間社会の中での「組」の仕事と、自分が継いでからは都市伝説絡みの問題も扱うようになった故、「獄門寺組」としての仕事は増えており、自然とその組長たる龍一の仕事も増えている
 よその組織の仕事まで付き合う事は出来ないし、そもそも「組織」に手を貸す義理もない

「大門 大樹さん辺りに協力要請されたら、手伝ったりしているじゃないですか」
「……こちらとしても見逃せない件が多いからだ。こちらの仕事にも関わるし。あの人個人には、あまり悪い印象もない」

 筆を動かしながら、返事を返す
 あの苦労人からの頼まれ事は、どうにも無碍にする気にはなれない
 ……こちらも絡んでいる件での頼まれ事である事例が多いのも、また事実なのだし
 確かに、と在処も頷いているので、その辺りは理解しているのだろう。理解しているふりと言う可能性も否定はできないが

「………ところで、龍一さん」
「何だ」
「さっきから、ずーーーっと書き物してますけど。何書いているんです?それも筆で」

 じっ、とこちらの手元を見てくる
 そういえば、何をしているのかは説明していなかった気がする

「……式の招待状を書いていたが」
「式?」
「………俺と、お前の。結婚式だ」

 …しばしの沈黙
 きょとんとした表情をしていた在処だったが、ようやく脳へと(恐らく)正しく情報が行き渡ったのか、あ、と声を上げた

「あ、あぁ、そうですよね。式やるんですもんね………って、龍一さん、自分で招待状書いてたんですか。しかもパソコンじゃなくて手書き」
「……普通の知り合いはともかく、家として古くから付き合いがある相手にも出すものだからな」

 効率が悪いと言われるかもしれないが、昔ながらのやり方を好む老人もいるということだ

「あまり、派手な式にするつもりはないが。それでも人数を呼ぶことになる。早いうちから書いておいた方がいいからな」
「龍一さん、夏休みの宿題とか早めにぱぱっと終わらせるタイプですしね」

 …それは、関係あるのだろうか 
 在処からすれば、関係あることなのかもしれない

「まぁ、お家の付き合いやら、都市伝説関連の付き合いやら………私は親戚らしい親戚もいないのでほぼ龍一さんの知り合いと言うか、この獄門寺家の知り合いでしょうけど、結構な人数ですよね」
「……念の為言うが。都市伝説絡みと都市伝説絡みではない者とで、式は分けるぞ」

 ………

 ………………?
 在処が「よくわからない」と言う顔をしている
 伝わりにくい言い方をしてしまっただろうか

「……都市伝説と知っている者と、知らぬ者と。分けるからな。式は」
「え?…えーっと、んんん?」
「そうなるから、必然的に式を二回やる事になる」
「あ、あぁー、なるほど。やっとわかっt待ってください龍一さん」
「どうした」
「………二回、やるんですか?」

 そうだ、と頷いてやる
 先程そう告げたのだから、その通り以外の何でもないのだが

「本来なら、都市伝説関係者以外を招待する式は、北区の神社で執り行いたかったが………問い合わせてみたところ、少人数の式でなければ不可能なようで、諦めた。結婚報告の儀は予定通り北区の神社で行うつもりだが」
「それって、かなりお客さん呼ぶって事ですよね!?どれだけ人来るんですか!?」
「……獄門寺家と付き合いがある家の者や企業の社長もしくは重役だが…………あぁ、だから。朝比奈さんは都市伝説関係者以外の方の式で呼ぶことになるな。必然的に」
「あ、あの大魔王も呼ぶんですね」

 その呼び方は止めておけ、と一応注意しておく
 今後も、付き合いがある相手なのだからなおさらだ

「……朝比奈さんは、首塚の隠れ小島で式を行う、となると参加を嫌がりそうでもあるしな」
「はい、ストップです。龍一さん」

 …………?
 何か、問題となる発言をしただろうか
 そのようなつもりは、いっさいないのだが

「式を、どこでやるって?」
「首塚の隠れ小島だ。都市伝説関係者ばかりを呼ぶのだし、問題ないだろう」
「ありますよっ!?ってか、式はどこでやるとか、おもいっきりたった今初耳なんですが!?」
「……あぁ、たった今、話した」

 ……ぺふん、と。在処が文机の上に突っ伏した
 何故だ

「……ブライダルって、女が主役、だったような……」
「………花嫁衣装は、和装の範疇でお前に選ばせるが」
「ドレスじゃないのは確定なんだ!?」
「……着たいなら、お色直しの方で考えておく」
「やったー!でも、首塚の隠れ小島での式は確定なんですねー!!」
「…………他に。都市伝説関係者を一同に集めて式を行って問題なさそうな場所が思い当たるか?」

 こちらの問いかけに、在処は黙りこむ
 いや、恐らく考え込んでいるのだろう
 それも、だいぶ苦戦している

「……ま、マッドガッサー逹の」
「却下された」
「すでに話通ってた!?うぅ、連中、仲間内の式はあそこの教会でやった癖に……」
「……集まる人数が違う」

 なんだか、将門公が来るのを嫌がっていたのが主な理由だった気がするが気のせいだろう、恐らく
 将門公がその場に現れてのプレッシャーその他は、多少わからないでもないが

「そして、龍一さん。先程スルーしたのですが、「結婚報告の儀」ってなんですか。式以外にも何かやるんですか?」
「…式や披露宴が終わってから、だな。それは。その際に説明しておく」

 在処には悪いが、一気に全て伝えても混乱してしまう気がする
 こちらがそう考えていることを知ってか知らずか、在処はわかりましたー、と返事した後……再び、ぽってり、文机の上に突っ伏す

「……古くからの名家的お家への嫁入りって、なんか色々大変なんですね…」

 …今更気づいたのか
 とうに、気づいていたとばかり思っていたのだが
 一度、筆を止めて、在処へと視線を移す

「…どうしても、しがらみ等あるからな………めなら、嫁入りはやめておくか?」
「嫌です。何がなんでもこのまま嫁入りします」

 そうか、と答えて、再び作業を再開した
 この家に嫁入りするのだから、この程度で引いてもらっては困る
 あまり困らせるつもりはないが、多少は頑張ってもらわなければ

 後で、在処用にウェディングドレスのカタログも取り寄せてやらなければいけないな



続かない


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