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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-64f

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 夜の街をピエロが蠢く
 さぁさ今日は前夜祭、みんなで楽しくキャンプファイヤー
 どうせなら、でっかく派手に、賑やかに!
 だから立派な焚き木を探そう
 大きな大きなキャンプファイヤーする為に

 あぁ、そうだ、あれなんかがいい
 大きな塀に囲まれていて、あそこに火をつければさぞや目立つだろう!

 ピエロ逹はそこへと向かう
 学校町、東区、その一角。古くからの家が立ち並ぶ通り
 大きな門に刻まれているその文字は…………

「みー」

 声がした
 猫の鳴きマネをしているような、小さな女の子の声

「みぃ?ピエロさん?」

 ちょこーん、と
 門のところに、一人の少女が立っていた
 おかっぱ頭に真っ白なブラウス、真っ赤な吊りスカートと言う格好の、小学生くらいの少女
 ピエロ逹にとっては「獲物」と認定するにふさわしい外見の少女だった
 ただ、その少女はにぱ~っ、と愛らしい笑みを浮かべて

「ピエロさん逹は、見つけたら対処するの!」

 と、そのように口にした
 その瞬間、水が、激流が、ピエロ逹を飲み込む
 「トイレの花子さん」、本来、学校のトイレでしかその実力を発揮できないはずの存在は、長きに渡る契約によって強化されていた
 多少なりとも水辺があれば、激流を呼び出せるように……そう、例えば、この屋敷の庭にある小さな人工池程度の水辺であったとしても、そこから水を引き出すのだ
 激流でピエロは流され……いつの間に開いていたのか、マンホールから下水道へと落ちていく
 その下水道から、激流の音に混じって悲鳴やら絶叫やらが混じっているのを聞くに、どうやら下水道で「下水道の白いワニ」でも待ち構えていたらしい。もしかしたら他にも、下水道に潜む怪物系がご飯の時間とばかりにスタンバっていたのかもしれない
 激流からなんとか逃れた数名のピエロは、みーみー笑う少女へと攻撃を仕掛けようとする
 ただ、それよりも早く何かが一人のピエロを貫いた
 そして、耳元で囁く声

「どうせ火をつけるなら、もっと面白いとこがあるだろう?」

 声が染み込む
 どろり、と思考の奥へ奥へと、囁き声が染み込み、思考を支配する

 ……あぁ、そうだ
 もっと、キャンプファイヤーにふさわしい場所がある
 そこの方が、仲間が一杯いるから楽しい
 きっと、楽しい

 貫かれたはずの傷が存在しない事にも、周囲で仲間逹が切り倒されていった事にも気づかぬまま、そのピエロはふらふらと、自身の本拠地へと帰っていった



 ゆらゆらと、鬼灯は煙管煙草の煙を登らせる
 ひとまず、この辺りにいた道化装束の連中は始末した
 龍一の様子を伺えば、何やら思案している様子

「……で、どうすんだ?」
「…このまま見回る。花子さんは、在処と一緒に家で待機」
「はーい!」
「それと………すまない、鬼灯。手伝ってくれるか?」
「ま、宿泊代代わりだ。それくらいなら構わねぇが。俺ぁ戦力にゃならねぇぞ?」
「…………どの口がそれを言うのか」

 鬼灯の返答に、龍一は小さく、ため息をはきだした
 ……が、ほんの少し、笑っている
 笑っている余裕があるのなら、大丈夫だろう

「龍一さーん。どうして私はお留守番なんですか。さっきも、「あまり前に出るな」って言われて攻撃できていませんし」
「………周辺に与える被害の大きさを考慮した」
「知ってた!!」

 待機中だった在処の言葉に龍一が淡々と返答し、その返答にショックを受けた在処を、花子さんがみーみーと慰めた
 龍一が、音もなく歩きだす
 鬼灯もふらり、その後に続いた

 夜の街に剣閃が踊り、道化逹が切り捨てられていく………




 彼女は、自分達が住まう家の屋根の上に立っていた
 夜の闇の中、限られた明かりしかない中であっても、彼女は慣れた様子で倒すべき相手を見つける

「…んー、とりあえず、射程圏内に入った連中はこっちが片付けりゃいいっすかね」

 息子と同じ軽い口調で、彼女はそう呟いた
 息子と同じ金の髪を隠すように黒いコートのフードを目深にかぶると、弓を構える
 今まで息子に貸し出していた「シェキナーの弓」、その弦をぎりり、と引き絞る
 その手元に、光り輝く矢が出現し………っひゅ、と、やや斜め上に向かって、放つ
 放たれた矢は、輝きながら曲線を描き……ばしゅんっ!!と、それは数十本もの矢へと分裂し、天から獲物へと降り注いだ
 突然の上空からの攻撃にピエロ逹は対応しきれなかったのか、放火する事叶わず次々と射抜かれていく

「はい、1グループ片付いたー、っと」

 軽い調子で、彼女……フェリシテは、次に射抜くべき獲物を探す
 「教会」においても指折りの射手たる彼女に狙いをつけられたが最後、獲物はそのまま射抜かれるしかない

 「運悪く」屋根の上で射抜く対象を探す彼女を見つけたピエロもいた
 そのピエロ逹は、その建物を「キャンプファイヤー」にするべく、近づいていくのだが

「駄目だよ」

 笑う声
 ごぽっ、とコーラの泡が弾けるような音がして

「俺達の家族に、手は出させないからね」

 くすくすと笑う声
 コーラの波はあっという間にピエロ達を飲み込み、骨も残さず溶かし尽くした



 北区でキャンプファイヤーを行おうとしていたピエロ逹は、遠吠えを聞いた
 犬の……いや、違う。犬よりも大きな生き物の、遠吠え

 何かが恐ろしいスピードで接近してくる
 近づいてきた気配に振り返った一人のピエロは、バクンッ!!と頭を巨大な獣に喰われた
 唸り声をあげる獣……マリ・ヴェリテのベートは、瞬時に人狼の姿へと変わると、そのままピエロ逹相手に暴れだした
 ベートだけではない
 もう一人、ベートより遅れてこの場へと飛び込んだ一人の男が

「ーーーーー動くなっ!!」

 と威圧の声をあげると、数人のピエロは一瞬、動きを止めてしまい、その隙をつかれて叩きのめされ、地面にひれ伏していく
 暴風のように荒れ狂う二人から辛うじて逃れたピエロは、視界の先にあった古ぼけた教会へと近づいていく
 やや盛り上がった土地の先にあるそこをキャンプファイヤーにしようと、階段を登って……

 ずるり、と
 「十三段目」を踏んだその瞬間、そこから手が伸びてきた
 伸びてきた手はピエロを掴み、そのまま階段の中へと引きずり込んでいく
 引きずり込まれていくピエロが最後に目にしたのは、冷たく見下ろしてくる、黒いコートを着て銀のピアスを身に着けた男だった




 再び、東区
 ピエロ逹は、潮の匂いを感じた
 海に面していない学校町で、潮の匂い
 その香りがする方向を振り返る

 そして、見た
 地面を、まるで海面のように走る、巨大なサメの背びれを
 ピエロ逹が対応するよりも早く、サメは地面から飛び出してその顎(アギト)へとピエロ達を招き入れた
 瞬間的に巨大なサメを避ける事ができたピエロ逹も、無事ではない
 何者かの視線を感じたと思ったら、その体が焼け焦げ始めたのだ
 体を焼かれる痛みに叫び声をあげながら、ピエロ逹はそのまま火にかけたまま放置されたステーキのように、無残に焼け焦げていった

 ざっ、と地面を船が滑る
 栄が動かす「良栄丸」には、「メガロドン」に契約者である深志と、もう一人………「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者である、日景 翼が乗っていた
 「良栄丸」で街中を移動し、「メガロドン」でピエロを攻撃。「メガロドン」が逃した相手は翼が「日焼けマシンで人間ステーキ」で焼き倒す。焼いた相手は、改めて「メガロドン」の餌だ

「…こりゃ、今夜中は見回りしたほうがいいかもしれないな」
「確かに……翼さん、大丈夫ですか?」
「俺は一日くらいの徹夜は平気だ。お前らこそ、明日も大学の講義あるんだろ、平気か?」

 翼の問に、栄も深志も「大丈夫」と頷いた
 …なお、二人共「一日くらいは講義サボっても大丈夫(明日は特に大事な講義ない)」と言う意味で頷いたのだが、その点まで翼に伝わっているかどうかは不明だ

「ま、今夜はこのままピエロ狩り、と」

 海面ではないため、超スピードが出るわけではないが、ピエロを追う事には支障はない
 栄は船を操り、夜の街のピエロ狩りの為に進み続けた



 ……東区のとある河川敷は、酷く冷え込んでいた
 ひゅうひゅうと、まるで真冬の……否、真冬を通り越した寒さがその場を支配している
 凍りついたピエロ逹、芯まで凍って、自分達に火を付けてあたたまる事すらできやしない

「………ったく、うぜぇ」

 ひゅうひゅうと、冷気を放ちながら、凍れる悪魔………メルセデスは毒づいた
 酷く苛立った表情で、凍りついたピエロの一人を蹴り砕く

「うぜぇ、うぜぇ………人がのんびりしようって場所で、ぐだぐだくだらねぇ、うるせぇ」

 苛立ちをそのままに、メルセデスはすぐ傍の橋の下へと冷気を叩きつけた
 橋の下を流れる川の水が、一瞬でビキビキと凍りつく

「蛇も、ピエロも、どいつもこいつもかもうざってぇ……!」

 抱えるいらだちを、隠そうともしない
 学校町は、ここ20年程、特別大きな事件もなく平和だった
 …だからと言って、腑抜けていたわけではないのだ、この町の契約者逹は
 むしろ、20年前よりさらに強く、つながりは強固となっている事を、彼はよくよく理解していた
 そんな学校町でわざわざ事件を起こすなど、財宝欲しさに竜の洞窟に入り込む愚か者のする事だ
 入り込んだ者が勇者であればまだチャンスは残っていようが、大抵は財宝を手に入れる事なく命を落とす

 ……そうだとしても、うるさいのは腹が立つ
 つまりは、そういうことなのだろう

「大淫婦も「狐」も放って置いてもどうにでもなるが、他がうぜぇ。まとめて凍りつかせてやろうか」

 かつて、学校町をまるごと氷漬けにしようとした事もある凍れる悪魔は苛立ち続ける
 今はまだ、契約者から止められている事もあり、全力で力を振るうことはない


 今は、まだ






 かなり乱暴な運転の末、慶次逹を載せたバイクは「組織」管轄の病院へと到着した
 入り口のところで、天地が待ち構えている

「来たか………かなえ、生きてるか?」
「はい……なんと……か……」

 ぷっしぅ
 かなえが、若干魂を吐き出しそうになっているが、とりあえず大丈夫そうだ
 どうやら、「ライダー」の豪快すぎる運転で若干、頭がくらくらしているらしい

「ま、とりあえず無傷で送り届け完了ー、っと。へい、ガール。ここで降りるか?それとも、ガールのブラザー逹と合流か?」
「うん、合流したいな」
「OKOK、じゃ、ガールを送ってくるぜ」

 慶次とかなえを降ろすと、「ライダー」はひかりをサイドカーに載せたまま、再び灰知りだした
 実体化した「岩融」に支えられながら、かなえが「あっ」と声を上げる

「まだ、お礼言ってない…」
「今度、顔合わせた時にでも言っとけ。向こうはさほど気にしてないだろ」

 そう言いつつ、天地は慶次逹を病院の中へと入れる
 …中へと入れば、ここ20年で強化された「組織」管轄病院に貼られている結界によって、敵対者の侵入はある程度防げる
 職員にも戦闘をこなせる者が多数いる為、対処できるだろう

「とにかく、どっちも生きて戻ってくれてよかった………俺のミスで、危険な目に合わせた」

 ぼそり、天地はそう口に出した
 その言葉が意外だったのか、慶次は少し驚いたように言う

「あんたも謝るんだな」
「俺をなんだと思ってんだ」

 天地の突っ込みに、慶次は視線をそらした
 この程度の軽口叩ける余裕があるならば、良しとしたようでこれ以上の追求を天地はしなかった

 ただ天地はちらり、かなえの様子を見る
 顔色などから察するに、かなり限界が近い
 しばらく休ませるべきだろう

「ひとまず、星夜が待機してるから、星夜に読ませる。だから、特別証言する必要は……」
「待った、天地。それはまずい」

 天地の言葉を、慶次が遮った
 何故か、と言うような表情の天地に、「岩融」が続けた

『我らは、探知系や感知系などの能力に対して、反撃する能力を持つ者と接触した。あの少年の能力で読み取った場合、その反撃を受ける可能性がある』
「……なるほど。厄介だ」

 面倒なことを、と忌々しげに天地が呟く
 …その忌々しげな声にすら、かなえは小さく、怯えたように震えた

「……わかった。星夜に読ませるのは、その能力の持ち主が死ぬなりなんなりしてからだ。その代わり、普通の検査と治療は二人共受けろ」
「おう」
「……は、はい」

 診察室へと三人を誘う天地
 これからどう動くべきか、頭痛を感じながらも思考を巡らせ続けていた




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