【ピエロ 一足先に失礼より】
鼻歌を歌いつつ、「先生」は廃工場の中を歩き回る
ふらふら、ふらふらと、ステップを踏むように
しかし不思議と、「先生」が歩きまわれば歩き回る程に、辺りの毒の汚染が和らいでいく
バチバチ、バチバチと、赤黒い輝きを生み出しながら、汚染を薄め、新たなる空気を錬成し、毒を消していく
ふらふら、ふらふらと、ステップを踏むように
しかし不思議と、「先生」が歩きまわれば歩き回る程に、辺りの毒の汚染が和らいでいく
バチバチ、バチバチと、赤黒い輝きを生み出しながら、汚染を薄め、新たなる空気を錬成し、毒を消していく
生み出すだけではなく、消すくらいはできるのだ
だからこそ、彼は「死毒」と呼ばれていた頃、「組織」「教会」「レジスタンス」「薔薇十字団」その他諸々から、危険視されてきたのだ
だからこそ、彼は「死毒」と呼ばれていた頃、「組織」「教会」「レジスタンス」「薔薇十字団」その他諸々から、危険視されてきたのだ
そんな彼は、今現在「薔薇十字団」に改めて所属し、野放しに………
「……おぉっと着信。しかもこの着信メロディーは「姫君」から」
…なっている訳ではないのだ、一応
どう見ても野放しにしか見えないが、野放しではないのだ、一応、一応
スマートフォンへの着信に、「先生」は笑みを浮かべたまま、応じる
どう見ても野放しにしか見えないが、野放しではないのだ、一応、一応
スマートフォンへの着信に、「先生」は笑みを浮かべたまま、応じる
「はい、私…………OK、「姫君」。言い訳させて。私は悪くない。向こうが事象改竄系だったのが悪い」
電話の向こう側、大変と怒っているであろう「姫君」の言葉に、「先生」は笑みを浮かべたまま応対する
困っているような、相手をなだめているような、娘に嫌われて言い訳している父親のような、そんな様子で言葉を続ける
困っているような、相手をなだめているような、娘に嫌われて言い訳している父親のような、そんな様子で言葉を続ける
「まぁ、私でもどうにか出来たが、勇ましいお嬢さんがなんとかしてくれたって事で良かろうて。あのお嬢さんがいなかったら、私が改めて錬成して、対蛇用の毒に変えたまでであるが………っあ、待って。蛇は敵。この学校町的にトップクラスになんとかしないといけない敵だから」
話しながらも、歩き続ける
錬成を続ける
こうして、いくつもの事を同時にやりこなす事もまた、この「先生」の才能なのだろう
かのカラミティ・ルーンとは別の意味で「天才」であり「天災」
今現在、まともに「先生」の手綱をとれるのは「姫君」のみだろう
少なくとも、「先生」は「姫君」に怒られる事は嫌がる
……主に、踏まれたり椅子にされたり足蹴にされたりするからと思われるが
錬成を続ける
こうして、いくつもの事を同時にやりこなす事もまた、この「先生」の才能なのだろう
かのカラミティ・ルーンとは別の意味で「天才」であり「天災」
今現在、まともに「先生」の手綱をとれるのは「姫君」のみだろう
少なくとも、「先生」は「姫君」に怒られる事は嫌がる
……主に、踏まれたり椅子にされたり足蹴にされたりするからと思われるが
「まぁ、とりあえず。あれを殺しきるのはちょっと骨が折れそうだね。今回、溶かそうとして駄目だったので最初から蒸発させる方が早かろうて………ここが日本でなければレッツ★核融合と行きたいが……うん、流石にやらんて、大丈夫大丈夫」
ぴたり、足を止める
……除染が完了したようだ
トントン、タタンッ、と軽く床をつま先で叩き、「先生」は笑う
……除染が完了したようだ
トントン、タタンッ、と軽く床をつま先で叩き、「先生」は笑う
「……最も、私以外が殺すかもしれんけどね。その時はその時よ。アレと同等のものがいるなら研究対象としてちょっと欲しいなー、って思わんでもないが、君に怒られそうだから自重する、うん」
トンッシャットントントン、シャットントンシャッ、シャットンシャッシャッシャッ、トンシャッシャッシャッ、トントンシャットンシャッ、トンシャットンシャッシャッ、トンシャッ、シャットンッシャッシャットン
まるで、モールス信号でも送るように、つま先で床を叩き、こすりながら
緩やかに、穏やかに、「先生」は微笑み
まるで、モールス信号でも送るように、つま先で床を叩き、こすりながら
緩やかに、穏やかに、「先生」は微笑み
「……さて、除染は完了したよ。さぁ、私はどう動けばいいのかな、「姫君」。私に命令(オーダー)を。私は君の道具だ。道具として、君が命じるがまま、何でも作ってみせるし、殺してみせようではないか」
微笑む、微笑む
穏やかに、穏やかに
研究者の顔で、父親の顔で、騎士の顔で
穏やかに、穏やかに
研究者の顔で、父親の顔で、騎士の顔で
「先生」は、ただ一人上司と認める存在たる「姫君」の為に、笑うのだ
to be … ?