炎が、真横を通り過ぎていく
その熱量に、カインは冷や汗をかいた
直撃していたら、間違いなく、黒焦げだ
その熱量に、カインは冷や汗をかいた
直撃していたら、間違いなく、黒焦げだ
「火火火火火火火火火っ」
グザファンの契約者……いや、もう「飲まれている」ように見える
これは、もうグザファンそのものと判断した方がいいだろう
手に持つライターの炎は、グザファンの能力の影響だろうか、信じられない勢いで噴出している
これは、もうグザファンそのものと判断した方がいいだろう
手に持つライターの炎は、グザファンの能力の影響だろうか、信じられない勢いで噴出している
…相手の能力は、大体わかる
「教会」に所属しているし、カラミティとの付き合いもある為、カインは俗に悪魔などと呼ばれる存在の知識がかなり深いのだ
………だが
能力がわかっているからと言って、対処できるとは限らない
都市伝説能力に頼った戦闘方法をとることができないカイン
そして、彼の師匠や、弟弟子のように、気を飛ばすだの腕の振りだけで衝撃波を生むだのと言った化け物じみた事もできない……いや、素手でクマをなぐり殺せる程度の力はあるが
とにかく
接近戦による攻撃手段しか、カインは持ち合わせていない
「教会」に所属しているし、カラミティとの付き合いもある為、カインは俗に悪魔などと呼ばれる存在の知識がかなり深いのだ
………だが
能力がわかっているからと言って、対処できるとは限らない
都市伝説能力に頼った戦闘方法をとることができないカイン
そして、彼の師匠や、弟弟子のように、気を飛ばすだの腕の振りだけで衝撃波を生むだのと言った化け物じみた事もできない……いや、素手でクマをなぐり殺せる程度の力はあるが
とにかく
接近戦による攻撃手段しか、カインは持ち合わせていない
………はっきり言おう、「不利」だ
相手は炎を操り、距離を持って攻撃してくる
何とか懐に潜り込まない限り、カインは攻撃を当てる事ができないのだ
相手は炎を操り、距離を持って攻撃してくる
何とか懐に潜り込まない限り、カインは攻撃を当てる事ができないのだ
説得……いや、不可能だ
相手の目を見れば、わかる
あれは、破壊しか望んでいない目
……お人好しのカインでも、わかるレベルだ
狂気に走った眼が、ライターの炎で照らされている
相手の目を見れば、わかる
あれは、破壊しか望んでいない目
……お人好しのカインでも、わかるレベルだ
狂気に走った眼が、ライターの炎で照らされている
「燃えろ燃えろぉ!!この街を焼き尽くしてぇ…………天界をも焼き尽くすぅっ!!!」
迫る炎
すんでのところで、カインはそれを避けた
が、雪が積もるその地面に、足を取られて体勢を崩してしまった
追撃の炎が迫る……避けきれない!!
すんでのところで、カインはそれを避けた
が、雪が積もるその地面に、足を取られて体勢を崩してしまった
追撃の炎が迫る……避けきれない!!
「カインさん!」
その時、聞こえてきた、声
とんっ、と……カインと、迫ってくる炎の間に、何か、小さな影が、降りた
とんっ、と……カインと、迫ってくる炎の間に、何か、小さな影が、降りた
それは、瞬時に炎に包まれ、姿を変える
「小悪魔如きが」
それが、口を開いた
カインに迫ってきていた炎は、軌道を変え、グザファンへと返される
カインに迫ってきていた炎は、軌道を変え、グザファンへと返される
「火火っ!?」
「退け、誰に手を出したと思っている?」
「退け、誰に手を出したと思っている?」
ゆらり
それは、優雅に腰を下ろした
それは、優雅に腰を下ろした
それは、豹
だが、その目は炎のように燃え上がっていた
だが、その目は炎のように燃え上がっていた
悪魔 フラウロス
ソロモンの72の悪魔 序列64位
過去と未来を把握し、人間に過ぎた知識を与え発狂させると言われる悪魔
ソロモンの72の悪魔 序列64位
過去と未来を把握し、人間に過ぎた知識を与え発狂させると言われる悪魔
「大魔法使い、カラミティ・ルーンのお気に入りに手を出したと知れたならば」
その
攻撃手段は
攻撃手段は
「この程度では、済まないぞ?」
炎を操る
至極シンプルな能力である
至極シンプルな能力である
炎の支配権が、グザファンから、フラウロスに移った
ライターの炎が噴き出し、グザファンに襲い掛かる
ライターの炎が噴き出し、グザファンに襲い掛かる
「火、火火っ!炎で俺が焼かれるとでも…」
「思っちゃいない」
「思っちゃいない」
吹き出す炎は、グザファンの視界をふさいだだろう
その一瞬で、フラウロスはグザファンに接近した
その一瞬で、フラウロスはグザファンに接近した
「舐めるな、小物が」
その牙が、爪が
グザファンの体を、容赦なく切り裂いて
ぱっ、と
白い雪の上に、真っ赤な血が飛び散った
グザファンの体を、容赦なく切り裂いて
ぱっ、と
白い雪の上に、真っ赤な血が飛び散った
「カインさん、大丈夫ですか!?」
「…悠司?」
「…悠司?」
慌てて、カインに駆け寄る悠司
…怪我はないようだ
その事実に、ほっとする
…怪我はないようだ
その事実に、ほっとする
ちらりと、悠司はフラルロスに視線を向けた
ただの、豹柄模様の猫にしか見えなかった、フラウロス
それが……今は、豹の姿に、悪魔の姿に、戻っている
ただの、豹柄模様の猫にしか見えなかった、フラウロス
それが……今は、豹の姿に、悪魔の姿に、戻っている
血塗れの男を見下ろす、その姿は………まさしく、悪魔そのものだった
「くははははははっ!!やっと限定が解けたぞ!!まったく、カラミティ卿も余計な事を」
……っぽん
「してくれたもんだにゃ」
………
…………
……………
…………
……………
「にゃ??」
ちまりーん
フラウロスが元の姿に戻ったのは、ほんのわずかな時間でしかなかった
再び、その姿は、愛らしい豹柄模様の猫に戻る
再び、その姿は、愛らしい豹柄模様の猫に戻る
「っにゃーーーーー!!??どういう事にゃ!?限定が解ける時間が短すぎるにゃーーーーっ!!??」
「うん、カラミティ卿は、実に君の性格をよくわかっているよね」
「うん、カラミティ卿は、実に君の性格をよくわかっているよね」
にゃんにゃんにゃん!!
八つ当たりするように、血塗れのグザファンに猫ぱんちをかますフラウロス
そのフラウロスを見下ろし、ストラスが小さく笑う
八つ当たりするように、血塗れのグザファンに猫ぱんちをかますフラウロス
そのフラウロスを見下ろし、ストラスが小さく笑う
「え……悠司、何故。それに、フラウロスに、ストラス………そちらにいるのは、まさか、アガレス、か?」
戸惑っている様子のカイン
悠司が助けに来たその事実を……悠司が、カインも知っている、カラミティと親しい悪魔と一緒にいる状況
何故?と、カインは疑問を抱く
悠司が助けに来たその事実を……悠司が、カインも知っている、カラミティと親しい悪魔と一緒にいる状況
何故?と、カインは疑問を抱く
……だが
疑問を抱きながらも、カインは動く
疑問を抱きながらも、カインは動く
「カインさん?」
「にゃ?カイン司祭、何を……」
「にゃ?カイン司祭、何を……」
首元を真っ赤に染めて倒れているグザファン
その傍らに、カインは膝をついて
……手を、かざす
能力が発動し、グザファンの傷が、癒えていく
その傍らに、カインは膝をついて
……手を、かざす
能力が発動し、グザファンの傷が、癒えていく
「っちょ、何してるにゃ、カイン司祭!?」
「……命まで、奪う必要はない」
「……命まで、奪う必要はない」
癒えていく傷
意識こそ戻らないが、ゆっくりと、グザファンの傷が消えていく
意識こそ戻らないが、ゆっくりと、グザファンの傷が消えていく
「ほっほ………相変わらずじゃの、この司祭様は」
『おいおい、甘すぎやしねぇか?』
「まぁ、そういう人だからこそ、ボクらのような悪魔に対しても、優しくしてくれるんだけどね」
『おいおい、甘すぎやしねぇか?』
「まぁ、そういう人だからこそ、ボクらのような悪魔に対しても、優しくしてくれるんだけどね」
タイガの言葉に、肩をすくめるストラス……フクロウの姿で、どうやっているのやら
グザファンの傷が、癒えて
カインは、ほっとした表情を浮かべた
そして、改めて、悠司を見上げる
カインは、ほっとした表情を浮かべた
そして、改めて、悠司を見上げる
「…悠司、何故、そいつらと行動しているんだ?そいつらは………まぁ、あまり悪くはないが、一応悪魔と呼ばれている存在だぞ?」
「あ、その……カラミティさんとの約束で、カインさんを守りにきたんです」
「……カラミティの?」
「あ、その……カラミティさんとの約束で、カインさんを守りにきたんです」
「……カラミティの?」
首をかしげるカイン
翡翠色の瞳に浮かんでいるのは、疑問と困惑
翡翠色の瞳に浮かんでいるのは、疑問と困惑
この街で、何が起きようとしているのか
カインはまだ、何も知らない
カインはまだ、何も知らない
to be … ?