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連載 - バールの少女-05

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バールの少女 05


マズい。今度こそ大ピンチだ。
周囲に溢れるのは尽きる事の無い黒服達、そして前方に立ちはだかるのは盾を構えたグー○ィー。
コヅカが震えている。彼女の方を見なくてもそれが伝わって来る。
俺はぐっと歯を食いしばった。もうここまでなのか。ここで終わりか。
しかし、コヅカまで巻き込む訳にはいかない。何とかして、何とかして切り抜ける手は無いのか? 何か――。
待てよ。俺は秋祭り直前まで情報収集で廻っていた時の事を思い出す。

南地区を廻っていた時だったハズだ。知らない男から名刺サイズのフライヤーを渡された。
その男は、俺の顔を見るなり、はっとした表情でフライヤーに何か書き込んでいた。
表側には秋祭りに出店するハンバーグ屋の宣伝。確か、朝野はここに行きたいとか言ってたっけ。
裏側には『レストラン うわさの産物』の広告が掲載されていた。この名前は、ルーモアで耳にした事がある。
ルーモアでゲテモノ料理を注文すると、すかさずこのレストランを紹介されるそうだ。俺は、あまり興味が無かったのだが。
そして――。

『危険が迫ったら、是非「レストラン うわさの産物」までお電話を』

俺はライダースーツからフライヤーを取り出し、書き込まれた文字を目で追った。
どういう意味なのかは分からない。どれほどの意味を持つのかは。
だが、ここで、可能性を、捨てる訳にはいかない。
「俺を見て」の書き込みならば、都市伝説絡みの、それこそ≪夢の国≫の危機に対する、突破口かもしれないのだ。
フライヤーを指に挟み、携帯を取り出す。ダイヤルする指が震える。
そして、携帯を自分の胸に押さえつけた。心臓の鼓動がやけ耳に響く。――繋がった。
「もしもし、あの……」
一瞬、言い淀んだ。  諦めるな、俺は腹を括ったんだ。
首なしライダーです。助けて頂けませんか?」

*



「はい……はい、そうです……場所は……」
コヅカはライダーを見上げた。何を、しているんだろう?
「ええ、北区の……見えました? そうです、前方にグー○ィーが……」
思わず固唾を飲む。電話の向こうから怒鳴り声のような笑い声のような絶叫に近い「何か」が聞こえる。
私達は、このまま終わるんだろうか? それとも、助かるの?
「……分かりました」
ライダーは胸に押し付けた携帯へそう告げると、その手をコヅカの方へ回してきた。
「コヅカちゃん、少し揺れるかも」
ライダーがコヅカを抱き寄せた、一拍後。

  ぢゅん

奇妙な音が聞こえたのと、前方が爆破したのは、ほぼ同時だった。大地からの縦揺れに近い衝撃がライダーとコヅカに伝わる。
「い、今のは何ですか……って、あ、アレ……?」
コヅカが前方を凝視している。ライダーもその視線を追う。
舞い上がる土煙の中、前方には、先程までそこに居た筈のグー○ィーの姿が無く、代わりに大きなクレーターが出来ていた。
「コヅカちゃん、今の支援射撃なんだ」
は? そんな表情で目が点になっているコヅカ。ライダーはコヅカを抱き寄せていた手を、再び胸に押し当てる。
「クリーンヒットです。……ええ」
周囲に居た黒服達は、慌てた様にクレーターへと押し寄せていく。クレーターがあった部分は瞬く間に黒い山と化した。

*



「はい……はい……」
助かったのか? いや、まだ油断は出来ない。
俺は、電話先の相手の質問に答えながら、こみ上げてくる安堵と希望の気持を抑えられずにいた。
何とかなりそうだ。
「ええ、コッチは一応結界みたいなのが張ってあるんですけど……」
コヅカは我に返ったように、後少しで壊れちゃいます、と声を上げている。
「もうそろそろ限界みたいなんで、……はい? もう少し、接近したい?」
受話器からは、何やら物凄い音と、テンションが壊れてしまったんじゃないかと思う程の対応者の声が暴れ出している。
「え、と。あと一発撃ち込むんですね……。え゛、G弾、です、って……?」
分かりました、一旦切ります、何とか持ちこたえてみます、また電話します、と手早く伝えると、フライヤーと携帯をスーツへ閉まった。
「コヅカちゃん」
「私達、助かるんですか?」
コヅカは顔色は悪いがさっきより落ち着いているようだ。
「うん、その、『産物』の店長さんが助けてくれるみたいなんだけど」
ゴメン、と言ってコヅカちゃんを抱き寄せた。今度は、顔を俺のスーツへと押し付けて外界を完全に見えないように。
「支援射撃が後一発来るよ」
俺がそう言った直後、不気味な唸りを上げながら、『ソレ』は前方の地面へと激突した。
先程と違い、衝撃は無かった。しかし、何かの破裂音と共に、大量の『茶色の塊』が周囲に飛散する。

「ふるしーれすらいらーさん、ろーしたったんれすかー」
コヅカはいきなり俺のスーツから顔をひき剥がし、抱き寄せた腕を払った。
「あ、駄目だコヅ「え…………、イ、イイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィヤアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!」
コヅカは絶叫した。無理もない。支援射撃として撃ち込まれたのは『G入り巨大カプセル』だったからだ。
結界のお陰かGが俺達の近くへ来る事は無いが、黒服達、特に前方の黒い山は、既に茶色の塊と化している。
カサカサカサカサ、とひどく気味の悪い音が、四方八方から響いてくる。いや、もうその音しか聞こえない。
何というか、グロい。グロすぎる。
「うえええええええん、****こわいよおおおおお!!」
コヅカはバールを投げ出し、俺にしがみ付いて来た。コヅカが折れてる方の腕に掛っているので正直、とても痛い。
俺は何とか地面に投げ出されたバールを拾い上げると、周囲を見回す。
相変わらず、茶色の塊しか見えない。カサカサという音しか聞こえない。
いや――、今、確かに、何か音が聞こえたような。そう、河川が氾濫した時の、水の激流のような。
微かながら声を聞こえる。気のせいか? いや、今、確かに。
「シネ……シネシネ……アハハハハ……」
気のせいか、背筋がぞくりとする。
「…ナギハラエ……」
いや、確かに近づいていないか? 地の底から唸り上げるような声が――。
「……ガエシ、サンダン……」
俺は後方へと向き直った。何かが、近付いてる――!


⇒続きへ(業物の人?)



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